1月は旧暦で睦月(むつき)と呼ばれ、一年の始まりにふさわしい伝統行事が数多く行われる月です。元日のお正月から初詣、七草粥、鏡開き、成人の日を経て、小正月・二十日正月で正月行事の締めくくりを迎えます。この記事では、1月の主な行事を日付順にまとめ、過ごし方・旬の食べ物・見ごろの花と風物詩まで幅広く紹介します。新しい一年を気持ちよく迎えるために、ぜひ家族で季節の行事を楽しんでみてください。
「睦月」の語源については、正月に親族が一堂に集まり睦み合う(むつみあう)月であることから名づけられたという説が最も有力です。「睦」の字には「仲良くする」「親しみ合う」という意味があり、家族や親戚が顔を合わせて新年を祝う正月の情景がそのまま月名になったといえます。ほかにも、草木が芽吹く「萌(も)ゆる月」が転じたとする説や、新たな一年が始まる「元月(もとつき)」から変化したとする説もありますが、いずれにしても人々の絆と新しい始まりを感じさせる呼び名です。
CHAPTER 011月の主な行事カレンダー
まずは1月の行事を日付順に一覧で確認しましょう。日付が固定されていない行事は、年ごとに変わるためおおよその目安を記載しています。
| 日付 | 行事名 | 内容 |
|---|---|---|
| 1月1日〜3日 | お正月(三が日) | 一年の幸福を祈り、家族で過ごす日本最大の伝統行事 |
| 1月1日〜 | 初詣 | 年の初めに神社やお寺にお参りし、一年の無事と幸福を祈る |
| 1月2日 | 初夢・書き初め | 新年最初の夢で吉凶を占い、書道で新年の抱負をしたためる |
| 1月5日ごろ | 小寒(しょうかん) | 二十四節気のひとつ。「寒の入り」とも呼ばれ、本格的な冬の寒さが始まる |
| 1月7日 | 七草の節句 | 春の七草を入れた粥を食べ、無病息災を願う。松の内の最終日(関東) |
| 1月11日 | 鏡開き | お正月に飾った鏡餅を下げて食べる行事。お汁粉やお雑煮に |
| 1月第2月曜日 | 成人の日 | 新成人の門出を祝う国民の祝日。2026年は1月12日 |
| 1月15日 | 小正月 | 小豆粥を食べて豊作と家族の健康を祈る。どんど焼きもこの時期 |
| 1月20日 | 二十日正月 | 正月の祝い納め。残った餅や正月料理を食べ切る日 |
| 1月20日ごろ | 大寒(だいかん) | 二十四節気のひとつ。一年で最も寒い時期。寒仕込みの季節 |
CHAPTER 021月の伝統行事と過ごし方
ここからは、1月の代表的な行事をひとつずつ掘り下げて紹介します。それぞれの行事の意味や由来を知ると、新年の過ごし方がぐっと豊かに感じられるはずです。
お正月・三が日
お正月は日本で最も大切な年中行事です。1月1日の元日から3日までを三が日(さんがにち)と呼び、年神様(としがみさま)を家にお迎えして新しい一年の幸福と豊作を祈ります。門松やしめ飾りで年神様をお迎えし、おせち料理やお雑煮で祝い膳を囲むのが古くからの習わしです。

初詣
初詣(はつもうで)は、新年に初めて神社やお寺にお参りする行事です。一年の無事と幸福を祈り、おみくじを引いたり破魔矢や御守りを授かったりするのが一般的な過ごし方です。かつては大晦日の夜から元日にかけて氏神様のもとで夜を明かす「年籠り(としごもり)」が初詣の原型だったとされています。
初詣の由来や参拝作法は初詣とは?の記事でくわしく解説しています。混雑を避けたい場合は三が日を過ぎてからのお参りでもまったく問題ありません。松の内(関東は1月7日、関西は1月15日)までに行くのがひとつの目安です。

初夢・書き初め
1月2日の夜から3日にかけて見る夢が初夢(はつゆめ)です。「一富士二鷹三茄子(いちふじにたかさんなすび)」が縁起のよい初夢として広く知られています。富士は「無事(ぶじ)」、鷹は「高い」、茄子は「成す」に通じるとされ、江戸時代から語り継がれてきた言い伝えです。初夢の由来や縁起については初夢とは?の記事でくわしく紹介しています。
同じく1月2日は書き初めの日でもあります。新年の抱負や目標を筆で書くことで、字の上達を願う行事です。「事始め(ことはじめ)」の日にあたる1月2日にこの年最初の書道を行うと上達するとされ、宮中の行事が庶民に広まったものといわれています。お子さんと一緒に筆を持てば、新年の楽しい家族行事になります。
七草の節句(人日の節句)
1月7日は人日(じんじつ)の節句で、春の七草を入れた七草粥(ななくさがゆ)を食べて無病息災を願う日です。五節句のひとつに数えられ、中国の「七種菜羹(ななしゅさいのかん)」という七種の野菜を入れた汁物を食べる風習が日本に伝わり、日本古来の「若菜摘み」の風習と結びついて定着しました。
セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ(カブ)・スズシロ(大根)の春の七草を覚えるのは、お子さんにとっても楽しい学びになります。七草粥のレシピや由来は七草粥の記事でくわしく解説しています。正月で疲れた胃腸をやさしく整えてくれる、先人の知恵が詰まった食習慣です。
関東では1月7日で松の内(まつのうち)が明けます。松の内とは年神様がいらっしゃる期間で、この日を境に門松やしめ飾りを外します。関西では1月15日までが松の内とされており、地域によって差があります。

鏡開き
鏡開きは、お正月に飾った鏡餅を下げて食べる行事です。関東では1月11日、関西では1月15日または1月20日に行われることが多いです。鏡餅には年神様の力が宿るとされ、それを食べることで一年の無病息災と力を授かるという意味があります。鏡餅は包丁で切らず、木槌で割り開くのが正式な作法です。「切る」「割る」は縁起が悪いとして避けられ、「開く」という言葉が使われるようになりました。
鏡開きの由来ややり方は鏡開きとは?の記事でくわしく紹介しています。割った餅はお汁粉やお雑煮にして、家族みんなでいただきましょう。

成人の日
成人の日は、新成人の門出を祝い、大人としての自覚を促すために制定された国民の祝日です。毎年1月の第2月曜日で、2026年は1月12日にあたります。もともとは1月15日に固定されていましたが、2000年のハッピーマンデー制度により現在の形になりました。各自治体で成人式(二十歳のつどい)が行われ、振袖やスーツ姿の新成人が一堂に会します。

小正月・どんど焼き
1月15日は小正月(こしょうがつ)です。元日を「大正月」と呼ぶのに対し、15日を小正月と呼びます。この日は小豆粥(あずきがゆ)を食べて豊作と家族の健康を祈る風習があり、「女正月(おんなしょうがつ)」とも呼ばれます。大正月に忙しく働いた女性たちが、ようやくひと息つける日という意味が込められています。
小正月の前後にはどんど焼き(左義長)が各地で行われます。正月飾りや書き初めを持ち寄って燃やし、その火や煙にあたることで一年の無病息災を願います。燃やした火で焼いた餅や団子を食べると風邪をひかないともいわれています。小正月の過ごし方や由来は小正月の記事でくわしく紹介しています。
二十日正月・大寒
1月20日は二十日正月(はつかしょうがつ)で、お正月の祝い納めの日とされています。この日までに正月料理や餅を食べ切り、正月行事を締めくくります。地域によっては「骨正月」と呼ばれ、正月に使った鰤(ぶり)や鮭の骨でだしを取って食べる風習も残っています。二十日正月の詳細は二十日正月の記事をご覧ください。
同じ1月20日ごろには二十四節気の大寒(だいかん)を迎えます。一年で最も寒さが厳しい時期で、立春(2月4日ごろ)までの約15日間が「大寒」の期間です。この厳しい寒さを利用して行われるのが寒仕込みで、味噌や醤油、日本酒などの醸造には大寒の澄んだ水が最適とされています。寒中見舞いを出すのもこの時期です。
1月はまさに正月行事の集大成ともいえる月です。元日に年神様をお迎えし、松の内に初詣や七草粥で清め、鏡開きで年神様の力をいただき、小正月・二十日正月で正月を締めくくる。この一連の流れには、新しい年を無事に始め、家族の絆を確かめるという日本人の願いが込められています。大寒の厳しい冷え込みの中にも、やがて来る春への期待が静かに芽生える季節です。
CHAPTER 031月の旬の食べ物
1月は正月料理の印象が強い月ですが、冬ならではの旬の食材が豊富に出回る季節でもあります。寒さが厳しい分、野菜は甘みを増し、海の幸は脂がのって一段とおいしくなります。
| 食材名 | 特徴・おすすめの食べ方 |
|---|---|
| 大根 | 冬に甘みが増す代表的な根菜。おでん・ふろふき大根・七草粥に欠かせない |
| 小松菜 | 関東のお雑煮に使われる冬の葉物野菜。カルシウムと鉄分が豊富 |
| レンコン | 穴が開いていることから「先が見通せる」縁起物。おせち料理の定番食材 |
| ふきのとう | 早春を告げる山菜。天ぷらやふき味噌で、ほろ苦い春の味を先取り |
| ヒラメ | 冬が旬の白身魚。「寒ビラメ」は身が締まって上品な甘みがある |
| ズワイガニ | 冬の味覚の王様。1月は身がぎっしり詰まる最盛期。刺身・しゃぶしゃぶに |
| 金柑(きんかん) | 「金冠」に通じる縁起のよい柑橘。甘露煮にしてのどのケアにも |
| 伊予柑(いよかん) | 「いい予感」にかけて受験生の験担ぎに人気。甘みと酸味のバランスが絶妙 |
1月の食の風物詩といえばやはりおせち料理とお雑煮です。おせちの一品一品には「子孫繁栄(数の子)」「豊作(田作り)」「まめに暮らせる(黒豆)」など、縁起のよい意味が込められています。おせち料理の意味はおせち料理の記事で、お祝いの金額相場はお祝い金の相場早見表でまとめていますので、あわせてご活用ください。

CHAPTER 041月の花と風物詩
厳しい寒さの中でも、1月には凛とした美しさで咲く花々があります。冬枯れの景色に彩りを添える花や、正月ならではの風物詩を楽しみましょう。
蝋梅(ろうばい)は1月を代表する花のひとつです。蝋細工のように透き通った黄色い花弁と、甘く上品な香りが特徴で、早いものは12月下旬から咲き始めます。凍てつく空気の中で甘い香りを放つ蝋梅は、春の訪れを予感させてくれる存在です。
水仙(すいせん)も1月に見ごろを迎える花です。白い花弁と黄色い副花冠のコントラストが美しく、「雪中花」という別名のとおり、雪の中でもけなげに咲く姿が古くから愛されてきました。越前海岸(福井県)や爪木崎(静岡県)の水仙群生地は1月の名所として知られています。

花だけでなく、1月は初日の出に始まり、書き初め、凧揚げ、羽根つきなど、正月ならではの風物詩が目白押しです。初日の出は「年神様が降臨する」とされ、山頂や海辺で日の出を待つ人々の姿は新年の風物詩となっています。お子さんと一緒に初日の出を見に行けば、一年の始まりを特別な体験として心に刻む機会になるでしょう。
CHAPTER 051月の祭り
INFO / 1月の主な祭り
十日えびす(兵庫・西宮神社/1月9日〜11日): 商売繁盛を祈る祭り。10日早朝の「開門神事 福男選び」は全国的に有名で、一番福を目指して境内を駆け抜ける勇壮な行事です。
若草山焼き(奈良・若草山/1月第4土曜日): 奈良の冬の夜空を染める壮大な山焼き。花火の打ち上げに続いて約33ヘクタールの山肌に一斉に火が放たれ、古都の夜景とともに幻想的な光景が広がります。
だるま市(群馬・少林山達磨寺/1月6日〜7日): 開運を願ってだるまを買い求める正月の風物詩。境内には大小さまざまなだるまが並び、威勢のよい掛け声が飛び交います。
新米パパ / 2歳児のパパ
1月は正月行事が多くて大変そうですが、全部やらなきゃいけないものなのでしょうか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
全部やる必要はありませんよ。大切なのは、家族で楽しめるものを選ぶことです。たとえば初詣と七草粥、鏡開きの3つだけでも、お子さんに季節の行事を伝えるよい機会になります。無理のない範囲で、ご家庭にあった過ごし方を見つけてくださいね。
CHAPTER 06よくある質問
A.
1月には2つの国民の祝日があります。1月1日の「元日」と、1月の第2月曜日の「成人の日」(2026年は1月12日)です。三が日は多くの企業が休みですが、成人の日はハッピーマンデー制度で三連休になるため、冬のレジャーを楽しむ方も多い時期です。
A.
関東では1月7日まで、関西では1月15日までが一般的です。松の内は年神様がいらっしゃる期間とされ、この期間中は門松やしめ飾りを飾っておきます。松の内が明けたら飾りを外し、鏡開きの日にはお供えした鏡餅をいただきます。
A.
寒中見舞いは松の内が明けてから立春(2月4日ごろ)までに届くように出します。年賀状を出しそびれた場合のお詫びや、喪中の方への新年の挨拶代わりとしても使われます。寒中見舞いのマナーや文例は寒中見舞いの記事でくわしく解説しています。
A.
はい、三が日を過ぎてからお参りしてもまったく問題ありません。松の内(関東は1月7日、関西は1月15日)までに行くのがひとつの目安ですが、明確な期限があるわけではありません。混雑を避けてゆっくりお参りしたい方は、1月中旬以降がおすすめです。
CHAPTER 07まとめ
1月(睦月)は、元日のお正月に始まり、初詣・初夢・書き初めで新年を迎え、七草粥で心身を整え、鏡開き・成人の日で節目を祝い、小正月・二十日正月で正月行事を締めくくる、日本の伝統がぎゅっと詰まった月です。正月三が日から大寒まで、一つひとつの行事に「新しい年を無事に、家族仲よく過ごしたい」という先人の願いが込められています。
大根やレンコンなど旬の食べ物が正月の食卓を豊かにし、蝋梅や水仙といった冬の花が凛とした美しさで新年を彩ります。寒さの厳しい季節だからこそ、温かい家族との時間を大切にしながら、1月ならではの行事を味わってみてください。松の内が明けたら鏡開きでお餅をいただき、寒中見舞いで大切な方への気遣いを忘れずに。春はもうすぐそこです。

