2月は旧暦で如月(きさらぎ)と呼ばれ、冬の終わりと春の始まりが交差する季節です。節分の豆まきで邪気を祓い、翌日の立春で暦の上の春を迎えます。建国記念の日やバレンタインデー、天皇誕生日といった祝日・行事も続き、短い月ながら見どころの多い月です。この記事では、2月の主な行事を日付順にまとめ、過ごし方・旬の食べ物・見ごろの花と風物詩まで幅広く紹介します。まだ寒さの残る時期ですが、少しずつ近づく春の気配を感じながら、家族で季節の行事を楽しんでみてください。
「如月」の語源については諸説あります。最も広く知られているのは、寒さが厳しいため衣を更に重ね着する「衣更着(きさらぎ)」が転じたという説です。また、草木が芽吹き始める月であることから「生更木(きさらぎ)」とする説や、陽気が満ちてくることから「気更来(きさらぎ)」とする説もあります。いずれにしても、如月という呼び名には冬から春へと移りゆく2月の季節感が映し出されているのです。

CHAPTER 01
2月の主な行事カレンダー

まずは2月の行事を日付順に一覧で確認しましょう。日付が固定されていない行事は、年ごとに変わるためおおよその目安を記載しています。
2月の行事カレンダー【2026年版】
日付行事名内容
2月1日次郎の朔日(じろうのついたち)2月最初の日。地域によって厄払いの風習がある
2月3日節分(せつぶん)「鬼は外、福は内」の豆まきで邪気を祓い、恵方巻を食べる
2月4日立春(りっしゅん)二十四節気のひとつ。暦の上で春が始まる日
2月8日針供養(はりくよう)折れた針を豆腐やこんにゃくに刺して供養し、裁縫の上達を祈る
2月初午の日初午(はつうま)2月最初の午の日。稲荷神社でお参りし、稲荷寿司を食べる風習がある
2月11日建国記念の日日本の建国をしのび、国を愛する心を養う国民の祝日
2月14日バレンタインデー大切な人にチョコレートや贈り物で気持ちを伝える日
2月19日ごろ雨水(うすい)二十四節気のひとつ。雪が雨に変わり、氷が解け始める時期の目安
2月23日天皇誕生日天皇陛下のお誕生日を祝う国民の祝日

CHAPTER 02
2月の伝統行事と過ごし方

ここからは、2月の代表的な行事をひとつずつ掘り下げて紹介します。それぞれの行事の意味や由来を知ると、何気ない日常がぐっと豊かに感じられるはずです。

節分

2月3日は節分(せつぶん)です。もともと「節分」とは季節の変わり目を意味し、立春・立夏・立秋・立冬の前日を指す言葉でしたが、現在では立春の前日(2月3日ごろ)の行事として定着しています。「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆をまいて邪気を祓い、年齢の数だけ(あるいは年齢+1)の福豆を食べて一年の無病息災を願います。
近年では恵方巻(えほうまき)を食べる風習も全国的に広まりました。その年の恵方(吉方位)を向いて、太巻き寿司を切らずに丸かぶりすると願い事がかなうとされています。2026年の恵方は南南東やや南です。
節分の由来や豆まきのやり方は節分とは?の記事で、恵方巻や福豆など節分の食べ物は節分の食べ物の記事で、お子さんと一緒に楽しむ方法は節分を子どもと楽しむ記事でくわしく紹介しています。
節分の豆まきと恵方巻
節分。豆まきと恵方巻で邪気を祓い福を招く

立春

節分の翌日、2月4日ごろは立春(りっしゅん)です。二十四節気のひとつで、暦の上ではこの日から春が始まります。とはいえ、実際にはまだ寒さの厳しい時期ですが、日差しの中に少しずつ春の気配を感じられるようになります。立春は旧暦では一年の始まりにあたるため、「立春大吉」と書いたお札を玄関に貼って厄除けとする風習が各地に残っています。
立春の意味や風習は立春とは?の記事でくわしく解説しています。立春を過ぎてから届ける季節の便りは「寒中見舞い」から「余寒見舞い(よかんみまい)」に切り替わります。寒中見舞いの書き方は寒中見舞いの記事を参考にしてください。

針供養

2月8日(関西では12月8日)は針供養(はりくよう)の日です。一年間お世話になった折れ針や曲がり針を、やわらかい豆腐やこんにゃくに刺して供養し、裁縫の上達と感謝の気持ちを表す行事です。和裁や洋裁に携わる人だけでなく、日ごろ針仕事をする家庭の主婦にも大切にされてきました。東京の浅草寺(淡島堂)や大阪の太平寺が針供養の名所として知られています。
針供養の意味やどこで行われるかは針供養とは?の記事でくわしく紹介しています。

初午

2月最初の午(うま)の日を初午(はつうま)と呼びます。和銅4年(711年)のこの日に、京都の伏見稲荷大社に稲荷大神が降臨したとされることから、全国の稲荷神社で五穀豊穣や商売繁盛を祈る祭りが行われます。お供え物としていなり寿司(お稲荷さん)や初午団子を用意する風習があり、家庭でもいなり寿司を作って食べるのが定番の過ごし方です。
初午の意味と稲荷神社の風習は初午とは?の記事でくわしく紹介しています。
伏見稲荷大社の千本鳥居
初午。全国の稲荷神社で五穀豊穣・商売繁盛を祈る

建国記念の日

2月11日は建国記念の日です。「建国をしのび、国を愛する心を養う」ことを趣旨として、1966年(昭和41年)に国民の祝日として制定されました。日本書紀に記された初代天皇・神武天皇の即位日(紀元前660年1月1日、新暦では2月11日)に由来しています。明治時代には「紀元節」として盛大に祝われていましたが、戦後一度廃止され、その後「建国記念の日」として復活しました。
建国記念の日の意味と紀元節との関係は建国記念の日の記事でくわしく解説しています。

バレンタインデー

2月14日はバレンタインデーです。もともとはローマ帝国時代のキリスト教の聖人ウァレンティヌス(バレンタイン)を祭る日に由来し、西洋では恋人たちが愛を確認し合う日として親しまれてきました。日本では1950年代後半から製菓メーカーの販促をきっかけに「女性から男性へチョコレートを贈る」文化が広がり、現在では本命チョコ・義理チョコ・友チョコ・自分チョコなど多様な楽しみ方が定着しています。
バレンタインデーの由来やチョコレートの渡し方はバレンタインデーの記事で紹介しています。3月14日のお返し(ホワイトデー)のマナーはホワイトデーのお返しガイドの記事も参考にしてください。
バレンタインのチョコレート
バレンタインデー。大切な人へチョコレートとともに気持ちを届ける

雨水

雨水(うすい)は二十四節気のひとつで、2月19日ごろにあたります。「雪が雨に変わり、氷が解け始める」という意味をもち、農耕の準備を始める目安とされてきました。この時期から少しずつ寒さが和らぎ、三寒四温(さんかんしおん)を繰り返しながら春に近づいていきます。雨水の日にひな人形を飾り始めると良縁に恵まれるという言い伝えもあり、3月3日のひな祭りに向けた準備を始めるのにちょうどよい時期です。
雨水の意味や風習は雨水とは?の記事で、ひな人形の飾り方はひな祭りの記事でくわしく紹介しています。
雨水の頃の雨粒
雨水。雪が雨に変わり、春の訪れを告げる二十四節気

天皇誕生日

2月23日は天皇誕生日です。今上天皇(きんじょうてんのう)のお誕生日を祝う国民の祝日で、2020年(令和2年)から2月23日に移りました。皇居では一般参賀が行われ、天皇皇后両陛下がお出ましになる様子を間近で拝見できます。一般参賀に参加する際はセキュリティチェックがあるため、時間に余裕を持って出かけましょう。
天皇誕生日の由来と一般参賀の楽しみ方は天皇誕生日の記事で紹介しています。
2月は冬から春への転換点にあたる月です。節分で旧年の邪気を祓い、立春で新しい季節を迎えるという流れは、日本人が長い歴史の中で育んできた「季節の切り替わりを行事で区切る」知恵のあらわれです。まだ寒い日が続きますが、少しずつ日が長くなり、梅のつぼみがほころび始めるこの時期に、春を待つ楽しみを家族で分かち合いましょう。

CHAPTER 03
2月の旬の食べ物

真冬の寒さが続く2月ですが、この厳しい寒さの中で甘みやうまみを蓄えた食材が旬を迎えます。栄養豊富な冬の食材を食卓に取り入れて、風邪に負けない体づくりを心がけましょう。
2月に旬を迎える主な食材
食材名特徴・おすすめの食べ方
フキノトウ早春の味覚を代表する山菜。ほろ苦さが特徴で、天ぷらやフキ味噌にすると格別
菜の花春を告げる花野菜。おひたしや辛子和えが定番で、ほのかな苦みと鮮やかな緑が食卓に春を運ぶ
ブロッコリー冬から春にかけてが最もおいしい時期。ビタミンCが豊富で風邪予防にも効果的
ワカサギ凍った湖に穴を開けて釣る冬の風物詩。丸ごと天ぷらにすると骨まで食べられ、カルシウムたっぷり
金柑(きんかん)皮ごと食べられる柑橘類。のどの調子を整えるはたらきがあり、甘露煮やジャムに
帆立貝(ほたてがい)冬から春にかけて身が大きく甘みが増す。刺身・バター焼き・鍋物など万能の食材
イヨカン「いい予感」にかけて受験生の験担ぎに人気。甘みと酸味のバランスが絶妙
2月の食の風物詩といえば、まずは節分の福豆と恵方巻です。福豆には「まめに暮らせるように」という願いが込められ、炒り大豆の香ばしさは季節の味そのものです。また、初午のいなり寿司やバレンタインのチョコレートなど、行事にちなんだ食べ物が目白押し。寒い季節は鍋料理や粕汁(かすじる)で体を温めるのもおすすめです。節分の食べ物のくわしい由来は節分の食べ物の記事でまとめています。
節分の恵方巻と福豆
恵方巻と福豆。節分ならではの行事食

CHAPTER 04
2月の花と風物詩

厳しい寒さの中にも、2月には春の訪れを感じさせる花々が咲き始めます。寒さに耐えて咲く花の姿は、冬を乗り越える力強さと美しさを教えてくれます。
梅(うめ)は2月を代表する花です。白梅・紅梅が早春の冷たい空気の中で凛と咲き、甘い香りを漂わせます。「松竹梅」のひとつとして古来から縁起のよい花とされ、全国各地に梅の名所があります。水戸の偕楽園や京都の北野天満宮の梅花祭(2月25日)は特に有名です。
福寿草(ふくじゅそう)は、雪の残る地面から鮮やかな黄色い花を咲かせる早春の花です。「福」と「寿」が名前に入っていることから、お正月の縁起物としても親しまれてきました。太陽の光に合わせて花を開閉する性質があり、晴れた日の昼間に最も美しい姿を見せてくれます。
椿(つばき)も2月に見ごろを迎える花のひとつです。濃い緑の葉と赤い花のコントラストが美しく、日本画や着物の柄としても長く愛されてきました。椿は花ごと落ちる散り方が特徴的で、冬の庭に静かな彩りを添えます。
花だけでなく、2月は雪景色が各地で楽しめる季節です。さっぽろ雪まつりや横手のかまくらなど、雪を活かしたイベントは家族連れにも人気があります。また、日が長くなり始めるこの時期には春一番が吹くことがあり、冬の終わりと春の到来を体感できる瞬間です。
冬の雪景色
2月の雪景色。まだ冬の名残が残る中、少しずつ春が近づく

CHAPTER 05
2月の祭り

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INFO / 2月の主な祭り
さっぽろ雪まつり(北海道・札幌市/2月上旬): 大通公園を中心に巨大な雪像・氷像が並ぶ冬の祭典。ライトアップされた雪像の幻想的な美しさは圧巻で、毎年200万人以上の来場者を集めます。 西大寺会陽(はだか祭り)(岡山県・西大寺/2月第3土曜日): 数千人のふんどし姿の男たちが福木(しんぎ)を奪い合う勇壮な祭り。500年以上の歴史を持つ天下の奇祭として知られ、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。 横手かまくら(秋田県・横手市/2月15日・16日): 雪で作ったかまくらの中に水神様を祀り、甘酒やお餅でもてなす冬の風物詩。100基以上のかまくらとミニかまくらが並ぶ幻想的な雪景色が広がります。 梅花祭(京都・北野天満宮/2月25日): 菅原道真公の命日にちなむ祭事。約1,500本の梅が咲き誇る境内で、上七軒(かみしちけん)の芸舞妓によるお茶会が催されます。
新米パパ
新米パパ / 2歳児のパパ
2月は節分とバレンタインのイメージが強いですが、針供養や初午など知らなかった行事もあるんですね。子どもと一緒に楽しめるものはありますか?
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
一番のおすすめは節分の豆まきですね。お父さんが鬼のお面をかぶって、お子さんが「鬼は外、福は内!」と元気に豆をまく——家族みんなで盛り上がれる行事です。恵方巻を一緒に作るのも食育になりますよ。また、雨水の日(2月19日ごろ)にひな人形を飾り始めると良縁に恵まれるという言い伝えがありますので、ひな祭りの準備を兼ねて飾りつけを一緒に楽しむのもおすすめです。

CHAPTER 06
よくある質問

A.
2月の祝日は2つあります。2月11日の「建国記念の日」と、2月23日の「天皇誕生日」です。2026年は天皇誕生日が月曜日にあたるため、土日と合わせて3連休になります。
A.
寒さが厳しく衣を更に重ね着することから「衣更着(きさらぎ)」が転じたという説が最も有力です。ほかにも「生更木(きさらぎ)=草木が芽吹き始める」「気更来(きさらぎ)=陽気が満ちてくる」など複数の語源説があります。
A.
地域によって異なります。関東以南では炒り大豆が主流ですが、北海道・東北・九州の一部では殻つきの落花生をまく地域があります。落花生は殻があるため拾って食べやすく、雪の中でも見つけやすいという実用的な理由もあるようです。
A.
「女性から男性へチョコレートを贈る」文化は日本独自のものです。欧米では男性から女性へ花やカード、プレゼントを贈るのが一般的です。最近の日本では性別にかかわらず、友チョコ・自分チョコなど多様な楽しみ方が広がっています。

CHAPTER 07
まとめ

2月(如月)は、節分の豆まきで旧年の邪気を祓い、立春で暦の上の春を迎え、建国記念の日・バレンタインデー・天皇誕生日と祝日や行事が続く、短くも充実した月です。針供養や初午といった古くからの風習も、暮らしの中に四季の移ろいを感じさせてくれます。
フキノトウや菜の花など旬の食べ物が早春の食卓を彩り、梅や福寿草といった冬の花が凛とした美しさで春の訪れを告げてくれます。まだまだ寒い日が続きますが、雨水を過ぎるころには三寒四温を繰り返しながら少しずつ暖かくなっていきます。ひな人形を飾り始めてひな祭りの準備を進めつつ、家族で2月ならではの行事を味わってみてください。春はもうすぐそこです。