5月は旧暦で皐月(さつき)と呼ばれ、新緑がまぶしい初夏の風が吹き抜ける季節です。ゴールデンウィークで家族の時間を楽しみ、端午の節句(こどもの日)で子どもの成長を祝い、母の日で感謝を伝え、八十八夜で新茶を味わい、立夏で暦の上の夏を迎えます。この記事では、5月の主な行事を日付順にまとめ、過ごし方・旬の食べ物・見ごろの花と風物詩まで幅広く紹介します。爽やかな風が吹く5月を、家族で思いきり満喫してみてください。
「皐月」の語源については、早苗(さなえ)を植える月であることから「早苗月(さなえづき)」が略されたという説が最も有力です。「皐」には「神に捧げる稲」という意味があり、田植えと深く結びついた名前です。ほかにも、「さ」は田の神を意味するという説や、耕作を意味する古語「さ」に由来するという説もあります。いずれにしても、皐月という呼び名には稲作と生命の営みが始まる5月の活気が映し出されているのです。
CHAPTER 015月の主な行事カレンダー
まずは5月の行事を日付順に一覧で確認しましょう。5月はゴールデンウィークの祝日が3日続くのが特徴です。
CHAPTER 025月の行事と過ごし方
ここからは、5月の代表的な行事をひとつずつ掘り下げて紹介します。ゴールデンウィークの祝日が集中する5月は、家族で過ごす時間がたっぷり取れる月でもあります。
ゴールデンウィーク
4月29日の昭和の日から5月5日のこどもの日まで続くゴールデンウィーク(GW)は、日本を代表する大型連休です。2026年は5月3日(日)〜5日(火)の3連休が中心。旅行やレジャーに出かける家庭はもちろん、自宅でゆっくり過ごしたり、近場のイベントを楽しんだりと、過ごし方はさまざまです。
GWの過ごし方やおすすめプランはゴールデンウィークの過ごし方の記事でくわしく紹介しています。
端午の節句(こどもの日)
5月5日は端午の節句(たんごのせっく)であり、国民の祝日「こどもの日」でもあります。五節句のひとつで、鯉のぼりや兜(かぶと)・五月人形を飾り、子どもの健やかな成長と立身出世を願います。「端午」とは月の初めの午(うま)の日を意味し、5月最初の午の日を祝ったのが始まりです。
お祝いの食卓には、柏餅(かしわもち)やちまきを用意するのが定番です。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家系が途絶えない」=「子孫繁栄」の象徴とされ、ちまきは中国の詩人・屈原(くつげん)の故事に由来する厄除けの食べ物です。また、菖蒲(しょうぶ)の葉を入れた菖蒲湯に浸かって無病息災を祈る風習もあります。
端午の節句の由来は端午の節句とは?の記事で、食べ物の意味は端午の節句の食べ物の記事で、お子さんとの楽しみ方は端午の節句を子どもと楽しむ記事で、初節句のお祝いは男の子の初節句ガイドの記事でくわしく紹介しています。

八十八夜
八十八夜(はちじゅうはちや)は立春から数えて88日目にあたる日で、2026年は5月2日です。「♪夏も近づく八十八夜〜」の茶摘み歌でも知られるとおり、この日に摘んだ新茶(一番茶)は栄養価が高く、飲むと長寿になるともいわれています。農業では八十八夜を過ぎると遅霜(おそじも)の心配がなくなるため、田植えや種まきの目安とされてきました。
八十八夜の意味や新茶の楽しみ方は八十八夜とは?の記事でくわしく解説しています。

母の日
5月の第2日曜日は母の日です。2026年は5月10日にあたります。アメリカのアンナ・ジャービスが亡き母を偲んで教会で白いカーネーションを配ったのが起源とされ、日本では1950年代以降に広く定着しました。赤いカーネーションを贈るのが定番ですが、近年では花束以外にもスイーツ・コスメ・体験型ギフトなど、お母さんの好みに合わせたプレゼントが人気です。
母の日の由来やおすすめプレゼントは母の日の記事でくわしく紹介しています。お子さんと一緒に手紙を書いたり、料理を手伝ったりして「ありがとう」を伝えるのも素敵ですね。

立夏
立夏(りっか)は二十四節気のひとつで、2026年は5月6日にあたります。暦の上ではこの日から夏が始まります。実際にはまだ初夏の爽やかな陽気で、新緑が目にまぶしく、風薫る季節です。立夏を過ぎると日差しが強くなり始め、紫外線対策や熱中症予防も少しずつ意識したい時期になります。
立夏以降の暑さ対策は端午の節句の過ごし方の記事でも触れていますので、参考にしてください。
5月は生命力があふれる月です。鯉のぼりが薫風に泳ぎ、新緑が山を覆い、田んぼに水が張られて田植えが始まります。端午の節句で子どもの成長を祝い、母の日で感謝を伝え、八十八夜で新茶をいただく——こうした行事のひとつひとつが、自然の恵みとともに暮らしてきた日本人の知恵と感性を映しています。
CHAPTER 035月の旬の食べ物
初夏の日差しを受けて生命力にあふれた食材が旬を迎える5月。さわやかな香りと味わいの食材が多く、暑さに向かう体を内側から整えてくれます。
| 食材名 | 特徴・おすすめの食べ方 |
|---|---|
| カツオ(初鰹) | 「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」の句で有名な初夏の味覚。たたきや刺身であっさりと |
| ソラマメ | さやが空に向かって実ることから「空豆」。塩茹でやかき揚げが定番で、ビールのお供にも |
| 新ジャガイモ | 皮が薄く水分が多い春掘りのジャガイモ。丸ごとの煮物やバター焼きで素材の味を楽しむ |
| アジ | 5月から夏にかけて脂がのる大衆魚の代表格。刺身・たたき・フライ・南蛮漬けと調理法も多彩 |
| グリーンピース | 鮮やかな緑色と甘みが特徴。豆ご飯にすると春の香りが広がる |
| 新生姜 | 辛みが穏やかで繊維がやわらかい初夏の味覚。甘酢漬け(ガリ)にすると長く楽しめる |
| メロン | ハウスメロンが旬を迎え始める季節。みずみずしい甘さは贈り物にも最適 |
5月の食の風物詩といえば、端午の節句の柏餅とちまき、そして初鰹(はつがつお)です。江戸っ子が「女房を質に入れても食べたい」と言ったほどの初鰹は、赤身があっさりとして初夏にぴったり。八十八夜の新茶も忘れてはなりません。新芽のうまみと甘みが凝縮された一番茶は、まさにこの時期だけの贅沢です。端午の節句の食べ物のくわしい由来は端午の節句の食べ物の記事で紹介しています。

CHAPTER 045月の花と風物詩
5月は新緑の美しさに加えて、色とりどりの花が咲き競う華やかな季節です。初夏の爽やかな風の中、目にも鮮やかな花々が暮らしに彩りを添えてくれます。
カーネーションは母の日を象徴する花です。赤は「母への愛」、ピンクは「感謝」、白は「亡き母を偲ぶ」など、色ごとに異なる花言葉を持っています。花束のほか、鉢植えのカーネーションを贈れば長く楽しめます。
バラ(薔薇)は5月が最も美しい季節です。春バラは香りが豊かで花も大きく、各地のバラ園が見ごろを迎えます。東京の旧古河庭園や横浜のイングリッシュガーデンなど、バラの名所はデートにも家族のお出かけにもおすすめです。
つつじは4月下旬から5月にかけてが見ごろです。赤・白・ピンクの花が山肌を埋め尽くす光景は壮観で、根津神社(東京)のつつじまつりや館林(群馬)のつつじが岡公園が名所として知られています。藤(ふじ)の花もこの時期が最盛期で、薄紫色の花房が棚からしだれ落ちる姿はため息が出るほどの美しさです。
花だけでなく、5月は新緑と薫風(くんぷう)が最大の風物詩です。「風薫る五月」という言葉のとおり、若葉の間を吹き抜ける風は爽やかさそのもの。鯉のぼりが青空に泳ぐ姿も、この季節ならではの光景です。
CHAPTER 055月の祭り
INFO / 5月の主な祭り
葵祭(あおいまつり)(京都・下鴨神社〜上賀茂神社/5月15日): 京都三大祭のひとつ。平安装束に身を包んだ約500人の行列が京都御所から上賀茂神社まで約8kmを練り歩く、雅やかな祭りです。
神田祭(かんだまつり)(東京・神田明神/5月中旬): 江戸三大祭のひとつで、隔年(西暦奇数年)に本祭が行われます。約200基の神輿が神田・日本橋・秋葉原などの氏子町を巡行する様は圧巻。
三社祭(さんじゃまつり)(東京・浅草神社/5月第3金〜日曜日): 約100基の町内神輿が浅草の街を練り歩く勇壮な祭り。本社神輿の「宮出し」は毎年150万人以上の見物客を集めます。
博多どんたく港まつり(福岡県・福岡市/5月3日・4日): GWの福岡を彩る市民の祭り。「どんたく」はオランダ語の「Zondag(日曜日=休日)」に由来。パレードや各地の舞台で多彩な演芸が披露され、動員数は200万人超。

新米パパ / 2歳児のパパ
5月はGWに端午の節句に母の日と行事が目白押しですね。幼い子どもと端午の節句を楽しむコツはありますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
2歳前後なら、まずは鯉のぼりを一緒に眺めるだけでも十分楽しめますよ。ベランダ用のミニ鯉のぼりを飾れば、お子さんが指さして喜ぶ姿が見られるはずです。兜飾りの前で記念写真を撮るのもよい思い出になります。菖蒲湯は赤ちゃんの肌にもやさしいですし、柏餅は3歳ごろから一緒に食べられます。成長に合わせて楽しみ方を増やしていけるのが端午の節句の魅力ですね。くわしくは端午の節句を子どもと楽しむ記事もご覧ください。
CHAPTER 06よくある質問
A.
5月には3つの祝日があります。5月3日の「憲法記念日」、5月4日の「みどりの日」、5月5日の「こどもの日」です。4月29日の「昭和の日」と合わせてゴールデンウィークを形成しています。
A.
早苗(さなえ)を植える月であることから「早苗月(さなえづき)」が略されたという説が有力です。「皐」には神に捧げる稲という意味があり、田植えの季節にふさわしい名前です。
A.
日付は同じ5月5日ですが、由来と趣旨は異なります。端午の節句は古来からの五節句のひとつで男の子の成長を祝う行事、こどもの日は1948年に制定された国民の祝日で「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日です。
A.
スイーツ・エプロンなどの実用品・コスメ・体験型ギフト(食事やエステ)が人気です。最近は「いつもありがとう」の手紙を添えるのが一番喜ばれるという声も多く、お子さんの手書きメッセージカードは何より嬉しいプレゼントになります。
CHAPTER 07まとめ
5月(皐月)は、ゴールデンウィークで家族の時間を楽しみ、端午の節句で子どもの成長を祝い、母の日で感謝を伝え、八十八夜で新茶を味わい、立夏で初夏を迎える、活気と感謝に満ちた月です。葵祭・神田祭・三社祭といった勇壮な祭りも各地で催されます。
初鰹やソラマメなど旬の食べ物が初夏の食卓を彩り、カーネーション・バラ・つつじといった花々が目を楽しませてくれる月でもあります。新緑の中を吹き抜ける薫風を全身で感じながら、ぜひ家族で5月ならではの行事を満喫してください。ゴールデンウィークの計画はGWの過ごし方の記事で紹介していますので、早めのチェックがおすすめです。

