秋は実りの季節であると同時に、古くから受け継がれてきた伝統行事が数多く行われる時期です。この記事では、9月から11月にかけての主な行事を一覧にまとめ、それぞれの意味や由来、家族での過ごし方をわかりやすく解説します。

CHAPTER 01
秋の行事カレンダー(9月〜11月)

まずは秋の行事を月ごとに一覧で確認しましょう。日付は年によって変動するものもありますが、おおよその時期を把握しておくと準備がしやすくなります。なお、秋の節気については二十四節気(にじゅうしせっき)の一覧解説もあわせてご参照ください。
時期行事名
9月9月1日防災の日
9月9月1日頃二百十日
9月9月7日頃白露
9月9月9日重陽の節句
9月9月中旬十五夜
9月第3月曜敬老の日
9月秋分前後社日
9月9月23日頃秋分の日
9月秋分前後お彼岸
10月10月全般神無月
10月10月8日頃寒露
10月第2月曜スポーツの日
10月10月中旬十三夜
10月10月20日頃えびす講
10月10月中旬〜紅葉狩り
10月10月23日頃霜降
10月10月下旬おくんち
10月10月31日ハロウィン
11月11月3日文化の日
11月11月亥の日亥の子の祝い
11月11月10日十日夜
11月11月酉の日酉の市
11月11月15日七五三
11月11月第3木曜ボジョレー・ヌーボー
11月11月中旬火焚き神事
11月11月23日勤労感謝の日
11月11月23日新嘗祭

CHAPTER 02
9月の主な行事と楽しみ方

9月は暦の上ではすでに秋ですが、まだ暑さが残る時期です。立秋(りっしゅう)を過ぎ、処暑で暑さが和らぎ始め、白露の頃には朝晩に秋の気配を感じるようになります。この季節の変わり目に、さまざまな行事が重なります。

十五夜(中秋の名月)

十五夜旧暦8月15日にあたり、新暦では9月中旬から10月上旬の間に訪れます。「中秋の名月」とも呼ばれ、一年で最も美しい月を愛でる風習です。ススキを飾り、月見団子や里芋などの秋の収穫物を供えて、豊作への感謝を表します。家族でベランダや庭に出て月を眺めながら、お団子を食べるひとときは子どもにとっても印象に残る体験となるでしょう。

敬老の日

敬老の日は9月の第3月曜日に設定された国民の祝日で、長年にわたり社会に貢献してきた高齢者を敬い、長寿を祝う日です。祖父母に手紙や似顔絵を贈ったり、一緒に食事をしたりして感謝の気持ちを伝えましょう。小さなお子さんの場合は、手形アートや簡単な工作のプレゼントも喜ばれます。

秋分(しゅうぶん)の日・お彼岸

秋分の日は昼と夜の長さがほぼ等しくなる日で、この日を中心とした前後3日間を含む7日間がお彼岸です。ご先祖様を供養するためにお墓参りをし、おはぎ(ぼたもち)を供える風習があります。また、秋分前後に土地の神を祀る社日(しゃにち)の行事も各地で行われます。

重陽の節句・防災の日・二百十日(にひゃくとおか)

9月9日は重陽の節句(菊の節句)です。五節句の一つで、菊の花を飾り、菊酒を飲んで無病息災と長寿を願います。また9月1日は防災の日であり、関東大震災の教訓から防災意識を高める日とされています。同じ頃に訪れる二百十日立春(りっしゅん)から数えて210日目にあたり、台風が多い時期として農家が警戒する日でもあります。

CHAPTER 03
10月の主な行事と楽しみ方

10月は秋が深まり、過ごしやすい気候の中でさまざまな行事や行楽を楽しめる月です。旧暦で神無月と呼ばれるこの月は、全国の神様が出雲大社に集まるという言い伝えがあります。二十四節気では寒露から霜降へと移り変わり、朝晩の冷え込みが増してきます。

紅葉狩り

紅葉狩りは、色づいた木々の美しさを鑑賞する日本古来の風習です。10月中旬から11月にかけて、北から南へと紅葉前線が移動していきます。子ども連れの場合は、落ち葉を拾って押し葉にしたり、どんぐりを集めたりと、自然の中で遊びながら秋の彩りを楽しむことができます。お弁当を持参してピクニックを兼ねるのもおすすめです。

十三夜・えびす講・おくんち

十三夜は旧暦9月13日の月を愛でる行事で、十五夜と対になる月見です。栗や枝豆を供えることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。また、商売繁盛を願うえびす講は10月20日頃に行われ、恵比寿様に感謝を捧げる行事です。九州を中心に行われるおくんちは、秋の収穫に感謝する盛大な祭りとして知られています。

スポーツの日・ハロウィン

スポーツの日は10月の第2月曜日で、スポーツを楽しみ健康な心身を培う趣旨の祝日です。運動会シーズンでもあり、家族で体を動かす良い機会となります。月末のハロウィンは、もともと古代ケルトの収穫祭に起源を持つ行事ですが、日本では仮装やパーティーを楽しむイベントとして定着しました。子どもと一緒にかぼちゃのランタンを作ったり、仮装を楽しんだりと、家族で盛り上がれる秋のイベントです。

CHAPTER 04
11月の主な行事と楽しみ方

11月は秋の深まりとともに冬の足音が近づく月です。七五三をはじめ、収穫への感謝を表す行事が多いのが特徴です。家族にとって大切な節目となる行事もあるため、早めに準備を進めておきましょう。

七五三

七五三は、3歳・5歳・7歳の子どもの成長を祝い、今後の健康を祈願する行事です。11月15日を中心に、神社へのお参りや記念撮影を行います。晴れ着を着た子どもの姿は家族にとって一生の思い出となるでしょう。参拝のマナーや服装については七五三のマナーガイドで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

酉の市・亥の子の祝い・十日夜

酉の市は11月の酉の日に行われる祭りで、商売繁盛を願って縁起物の熊手を購入する風習があります。浅草の鷲神社をはじめ全国各地で賑わいを見せます。亥の子の祝いは旧暦10月の亥の日に行われ、亥の子餅を食べて無病息災を願います。西日本を中心に残る風習です。また、十日夜は旧暦10月10日の収穫祭で、田の神に感謝を捧げる東日本の行事です。

文化の日・勤労感謝の日・新嘗祭

文化の日(11月3日)は自由と平和を愛し文化を推進する日として制定されました。博物館や美術館の無料開放なども行われ、文化に親しむ良い機会です。勤労感謝の日(11月23日)は勤労を尊び生産を祝い、国民が互いに感謝し合う日です。同日には宮中で新嘗祭が行われ、天皇がその年の新穀を神に供えて収穫に感謝する最も重要な祭祀の一つとされています。

ボジョレー・ヌーボー・火焚き神事

11月の第3木曜日はボジョレー・ヌーボーの解禁日です。フランス・ブルゴーニュ地方のボジョレー地区で作られたその年のワインの新酒を味わう文化は、日本でも秋の風物詩として親しまれています。また、京都を中心に行われる火焚き神事は、秋の収穫に感謝し、火の力で穢れを祓う伝統的な神事です。
新米パパ / 2歳児のパパ
秋は行事がたくさんありますね。子どもが小さいうちは、どの行事から取り入れるのがいいでしょうか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
2歳のお子さんなら、まずは十五夜のお月見紅葉狩りがおすすめです。お月見はお団子を一緒に丸めたり、ススキを飾ったりと五感を使った体験ができます。紅葉狩りは落ち葉遊びやどんぐり拾いなど、お子さんが自然と触れ合う絶好の機会になりますよ。
新米パパ / 2歳児のパパ
なるほど。七五三はまだ先ですが、今から何か準備しておくことはありますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
3歳の七五三を見据えるなら、今のうちから神社にお散歩がてら連れて行って、参拝の雰囲気に慣れさせておくとよいでしょう。当日に場所見知りしにくくなります。衣装の予約は半年前から埋まり始めるので、早めにリサーチしておくと安心です。

CHAPTER 05
秋の行事を家族で楽しむコツ

秋の行事は数が多いため、すべてに全力で取り組もうとすると疲れてしまいます。以下のポイントを押さえて、無理なく季節を楽しみましょう。
TIP
【家族で秋の行事を楽しむポイント】 ・月に1〜2つの行事を選び、無理のない範囲で取り入れる ・食べ物と結びつけると子どもも興味を持ちやすい(お月見団子、栗ごはん、おはぎなど) ・自然体験を兼ねた行事(紅葉狩り、どんぐり拾い)は天候をチェックして柔軟に日程調整する ・七五三など大きな行事は2〜3か月前から準備を始める ・行事の由来を簡単な言葉で子どもに伝え、「なぜやるのか」を共有する ・写真や作品を残しておくと、翌年「去年もやったね」と思い出を振り返れる
  • 9月:十五夜のお月見で秋の訪れを感じる
  • 10月:紅葉狩りやハロウィンで季節の彩りを楽しむ
  • 11月:七五三や勤労感謝の日で家族の絆を深める

CHAPTER 06
よくある質問

A.
十五夜(中秋の名月)のお月見団子作り、七五三のお祝い、ハロウィンの仮装やかぼちゃのランタン作りが人気です。紅葉狩りやさつまいも掘りなど、秋の味覚を楽しむ行事も多くあります。
A.
秋分の日を中日とした前後3日間(計7日間)が秋のお彼岸です。お墓参りをしてご先祖様を供養し、おはぎをお供えします。春はぼたもち、秋はおはぎと呼び分けますが、基本的に同じ食べ物です。
A.
重陽の節句(9月9日)は五節句の一つですが、旧暦9月9日は現在の10月頃にあたるため、新暦への移行で菊の季節とずれてしまいました。そのため他の節句に比べて馴染みが薄くなったと言われています。

CHAPTER 07
まとめ

秋は実りの喜びと自然の美しさを感じながら、家族で過ごす時間が増える季節です。十五夜のお月見、紅葉狩り七五三など、それぞれの行事には古くから大切にされてきた意味があります。すべてを完璧にこなす必要はありません。家族の状況に合わせて、できる範囲で季節の行事を取り入れてみてください。子どもと一緒に日本の四季を味わう体験は、かけがえのない思い出となるはずです。各行事の詳しい解説は個別の記事で紹介していますので、気になるものがあればぜひそちらもご覧ください。