成人式(せいじんしき)は、大人の仲間入りをした若者を祝う式典です。2022年の民法改正で成人年齢は18歳になりましたが、多くの自治体では従来どおり20歳を対象に「二十歳のつどい」などとして開催しています。2027年の成人の日は1月11日(月)です。この記事では、成人式の意味と由来から、服装の準備、当日の流れ、お祝いのマナーまで解説します。
CHAPTER 01成人式とは?意味と由来
成人式は、大人の仲間入りを祝い、社会的な責任を自覚するための式典です。「成人の日」は毎年1月の第2月曜日で、国民の祝日に定められています。

成人式の起源は、古代日本の「元服(げんぷく)」にさかのぼります。男子は12〜16歳頃に髪型を大人のものに変え、成人の名前(烏帽子名)を授かりました。女子は「裳着(もぎ)」という儀式で、初めて裳(も=腰から下にまとう衣)を着けました。
現在の形の成人式は、1946年(昭和21年)に埼玉県蕨市で行われた「青年祭」がルーツとされています。戦後の混乱期に、次代を担う若者を励ます目的で開催されました。この取り組みが全国に広がり、1948年(昭和23年)の祝日法で1月15日が「成人の日」と定められ、翌1949年から実施されました。2000年からはハッピーマンデー制度により、1月の第2月曜日になっています。
INFO / 成人年齢18歳と成人式の関係
2022年4月1日から民法上の成人年齢が18歳に引き下げられました。しかし、多くの自治体では成人式の対象を「20歳」のままとしており、名称を「二十歳のつどい」「二十歳を祝う会」などに変更して開催しています。18歳は受験シーズンと重なるため、20歳での開催を継続する自治体が大半です。
18歳
2022年4月から成人年齢が引き下げ
1946年
埼玉県蕨市の「青年祭」が成人式のルーツ
1月第2月曜
成人の日(国民の祝日)
若者組と加入儀礼 ─ 伝統的な成人のかたち
現代の成人式が国民の祝日と結びついたのは戦後のことですが、それ以前の日本にも、大人になることを社会が認める儀礼はさまざまな形で存在していました。その代表が、村の「若者組」への加入です。
民俗学では、成人の定義は「労働能力」と「社会能力」の2つの側面から捉えられていました。労働能力とは一人前に仕事ができること、社会能力とは社会の一員としてふるまえることです。この2つを兼ね備えて初めて「一人前の大人」と認められました。
多くの村では、男の子が15歳前後になると若者組に入りました。若者組は単なる仲間の集まりではなく、祭りの運営や消防・夜警など地域の公的な役割も担う重要な組織でした。
加入にあたっては、力試しや作法の習得などが課されることもありました。試練を乗り越えることで大人としての自覚と能力を身につけるという、加入儀礼の考え方に基づいています。
INFO
学校教育システムが広まることで、若者組のような伝統的な教育システムは次第に解体されていきました。しかし、現代の成人式にも加入儀礼の精神は受け継がれています。式典で社会の一員としての自覚を促す意味は、かつて若者組への加入で果たされていた役割と重なるものがあります。
新米パパ / 2歳児のパパ
昔は若者組に入ることが成人の証だったんですね。労働能力と社会能力の両方が求められていたというのは興味深いです。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。若者組は消防や夜警など地域の安全を守る大切な役割を担っていました。大人になるということは、自分のことだけでなく地域社会に貢献できるようになることでもあったんですね。現代の成人式にも、その精神は脈々と受け継がれていますよ。
成人の権利と義務
2022年4月の民法改正により、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられました。これにより、18歳から親の同意なしにクレジットカードを作ったり、携帯電話の契約をしたり、一人暮らしの部屋を借りたりすることが可能になりました。一方、飲酒・喫煙・ギャンブルは引き続き20歳からと定められています。
成人としての権利が広がる一方で、責任も大きくなります。契約の取り消しが原則できなくなるため、悪質な勧誘やマルチ商法への注意が必要です。お子さまが18歳を迎える前に、契約やお金に関する基本的な知識を家庭で話し合っておくことが大切です。
CHAPTER 02成人式の服装 ─ 振袖・袴・スーツの選び方と費用
成人式の服装は、女性は振袖、男性はスーツまたは袴(はかま)が定番です。一生に一度の晴れ舞台にふさわしい装いを選びましょう。

| 性別 | 服装 | 購入の場合 | レンタルの場合 |
|---|---|---|---|
| 女性 | 振袖(着物一式) | 30万円〜 | 10万〜30万円(着付け・前撮り込みのプランが多い) |
| 女性 | ドレス | 1万〜5万円 | 5,000〜2万円 |
| 男性 | スーツ | 3万〜10万円 | 1万〜3万円 |
| 男性 | 紋付袴 | 20万〜50万円 | 3万〜10万円 |
- 振袖(ふりそで)
- 未婚女性の第一礼装。袖の長さで大振袖(約114cm)、中振袖(約100cm)、小振袖(約85cm)に分かれ、成人式では大振袖や中振袖が選ばれます。
- 紋付袴(もんつきはかま)
- 男性の第一礼装。黒い紋付きの羽織と袴の組み合わせが正式ですが、近年はグレーや紺などの色紋付きも人気です。
- 二十歳の集い
- 2022年の民法改正で成人年齢が18歳に引き下げられた後、従来の成人式を「二十歳の集い」として20歳で開催する自治体が大半です。
女性の振袖
成人式の女性の装いといえば振袖が定番です。振袖には「大振袖」「中振袖」「小振袖」の3種類があり、最も格式が高いのは袖丈が約114cmの大振袖です。色は赤、ピンク、青、緑などが定番ですが、近年は白、黒、くすみカラーなどモダンな色合いも増えています。
振袖の準備は、レンタルの場合は1年〜1年半前から予約するのが一般的です。人気の柄や色は早期に予約が埋まるため、高校3年生の春ごろから検討を始めるとよいでしょう。ヘアメイク・着付け・写真撮影をまとめたパック料金で提供するスタジオも多くあります。
TIP / 振袖の小物も忘れずに
振袖に合わせる小物として、帯揚げ・帯締め・草履(ぞうり)・バッグ・ショール・髪飾りが必要です。レンタルの場合はセットに含まれていることが多いですが、購入の場合は別途揃える必要があります。ショールは白のファーが定番ですが、ベルベットやカシミヤのストールも上品です。
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振袖用 草履バッグセット(新しいタブで開きます)
振袖に合わせる草履とバッグのセット。振袖をレンタルする場合も、小物は自分好みのものを用意できます。
新米パパ / 2歳児のパパ
母親の振袖を娘に着せる「ママ振袖」が流行っていると聞きました。実際はどうなのでしょうか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
「ママ振袖」は近年とても人気です。母親や祖母の振袖を受け継いで着ることで、家族の絆を感じられる素敵な選択です。古典柄の振袖は流行に左右されにくく、帯や小物を今風にアレンジすれば現代的な着こなしもできます。着用前にクリーニングとサイズ直しをしておきましょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
成人式の振袖はレンタルと購入のどちらが多いですか?費用の目安も知りたいです。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
最近はレンタルを選ぶ人が多く、着付け・ヘアメイク・前撮りがセットになったプランで10万〜30万円ほどが目安です。購入の場合は振袖だけで30万円以上になることも。ママの振袖を仕立て直す「ママ振」も増えていて、費用を抑えつつ思い出深いお祝いにできますよ。
男性の袴・スーツ
男性の成人式の装いは、紋付き袴かスーツが一般的です。紋付き袴は黒の五つ紋が最も格式が高いですが、近年はグレーや白、柄入りなど個性的なデザインも人気です。レンタル費用は3〜10万円程度が相場です。
スーツの場合はダークスーツ(黒・紺・チャコールグレー)が基本で、ネクタイやポケットチーフで華やかさを演出します。成人式後もビジネスシーンで着用できるため、この機会に仕立てのよいスーツを購入するのも賢い選択です。
準備スケジュール
- 01高校3年生(4〜6月)振袖の下見・予約開始。レンタルは早めの予約がおすすめ。前撮り撮影の予約も。
- 02大学1年(夏〜秋)成人式の案内状が届く。出席確認と同窓会の計画開始。
- 031か月前ヘアメイクの打ち合わせ。小物(草履・バッグ・髪飾り)の最終確認。
- 04前日持ち物チェック。着付け時間の再確認。防寒具の準備。
- 05当日早朝から着付け・ヘアメイク。式典→記念撮影→同窓会→家族でのお祝い。
TIP / 成人式の準備スケジュール
振袖のレンタル・購入は1年半〜2年前から動き始めるのが理想です。人気の柄は高校3年生の1月(成人式シーズン直後)に予約が集中します。前撮り撮影は春〜秋に行うと混雑を避けられます。
CHAPTER 03成人式当日の流れとマナー
- 01着付け・ヘアセット(早朝5:00〜8:00頃)式典の時間に合わせて美容院や着付け会場で準備をします。振袖の着付けには1〜1.5時間、ヘアセットに30分〜1時間かかるため、早朝からの準備になります。
- 02記念撮影(前撮りまたは当日)フォトスタジオでの前撮りが主流ですが、当日に家族写真を撮る方もいます。当日は時間が限られるため、前撮り+当日のスナップ写真がおすすめです。
- 03成人式の式典に出席(10:00〜12:00頃)自治体が主催する式典に参加します。市長や来賓の祝辞、新成人代表のスピーチ、記念品の贈呈などが行われます。所要時間は1〜2時間程度です。
- 04同窓会・食事会式典後は中学や高校の同級生と再会し、食事会や二次会を楽しむのが恒例です。家族での食事会を行う家庭もあります。
成人式では新成人としてのマナーが問われます。式典中は私語を慎み、来賓の挨拶にはきちんと耳を傾けましょう。スマートフォンの使用は控え、撮影は許可された場面でのみ行います。振袖や袴を着用している場合は、階段の昇り降りや着席時の所作にも注意が必要です。
新米パパ / 2歳児のパパ
成人式に出席しないという選択肢もアリですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
もちろんです。成人式への出席は義務ではありません。海外留学中、仕事の都合、地元を離れているなどの理由で出席しない方も少なくありません。出席しなくても成人としての権利や義務に変わりはありませんし、前撮り写真だけ撮影して記念に残すという選択もあります。
CHAPTER 04成人祝いの相場・マナーとプレゼント
成人のお祝いは、新成人の門出を祝う気持ちを込めて贈ります。贈る相手との関係性によって金額の相場が異なります。

| 贈る人 | 相場 | 贈り物の例 |
|---|---|---|
| 祖父母 | 1万〜10万円 | 現金、振袖代の援助 |
| 両親 | 1万〜10万円 | 現金、腕時計、アクセサリー |
| おじ・おば | 1万〜3万円 | 現金、商品券 |
| 友人・知人 | 5,000〜1万円 | 品物やギフトカード |
成人祝いののし袋は紅白の蝶結び(花結び)を使い、表書きは「御成人御祝」「祝御成人」と書きます。お返しは基本的に不要ですが、お祝いの食事会に招いたり、お礼の手紙を書くのが丁寧です。社会人になった後に、改めて感謝の品を贈る方もいます。
新米パパ / 2歳児のパパ
成人祝いとして親から子供に渡すお祝い金の相場はどのくらいですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
親から子供への成人祝いは1万〜5万円が一般的です。振袖やスーツの費用を出す代わりにお祝い金は渡さないご家庭もあります。祖父母からは1万〜10万円と幅広く、腕時計やジュエリーなど記念品を贈るケースも多いですよ。
成人祝いのプレゼントアイデア
| プレゼント | 予算目安 | おすすめポイント |
|---|---|---|
| 腕時計 | 10,000〜50,000円 | 社会人になっても使える実用的な記念品 |
| 財布 | 10,000〜30,000円 | 大人の仲間入りにふさわしい上質な革製品 |
| 万年筆 | 5,000〜30,000円 | 名入れで世界にひとつだけの贈り物に |
| アクセサリー | 5,000〜30,000円 | ネックレスやブレスレットは記念になる |
| 旅行券 | 10,000〜50,000円 | 友人との旅行や一人旅に使える |
成人のお祝いには、大人としての新しい生活を応援するアイテムが喜ばれます。ビジネスで使える名刺入れやペンケース、通勤に使えるバッグなど、これからの社会人生活を見据えた実用的なプレゼントを選ぶと長く愛用してもらえます。
成人祝いの贈り物は、大人の仲間入りを祝う品を選ぶのがポイントです。男性には腕時計やネクタイ、名刺入れなどのビジネスグッズが定番で、女性には振り袖に合う髪飾りやバッグ、アクセサリーが喜ばれます。のし袋は紅白の蝶結びで、表書きは「御祝」「祝御成人」とします。
意外と見落とされがちなのが数珠(じゅず)のプレゼントです。大人になると親族の法事に参列する機会が増えるため、自分専用の数珠を持つことは社会人としてのたしなみでもあります。仏壇店や専門店で素材を選んで名入れすることもでき、一生使える実用的な贈り物として喜ばれます。
印鑑(実印・銀行印)も成人祝いの定番です。20歳を過ぎると、銀行口座の開設や車の購入、賃貸契約など、印鑑を使う場面が格段に増えます。柘植(つげ)や黒水牛、チタンなど丈夫な素材の印鑑を贈れば、一生使える実用品として喜ばれるでしょう。フルネームの実印と認印をセットにすると、あらゆる手続きに対応できて便利です。
家族で成人の日を祝う
成人式は、お子さまの20年間の成長を振り返る家族にとっても大切な節目です。生まれた時の写真や手形、成長の記録をまとめたアルバムを用意してサプライズで渡すと、感動的な思い出になります。
家族から手紙を贈るのも素敵な演出です。「20年間育ててきた思い」「生まれた日のこと」「これからの人生への期待」を率直に綴った手紙は、どんな高価なプレゼントよりも心に残るものです。お子さまが大人になった今だからこそ、親としての想いを伝える良い機会にしてください。
成人の日は、親にとっても「子育ての一つの区切り」を迎える日です。20年間の子育ての日々を振り返り、ここまで育ってくれたお子さまに「ありがとう」を伝えましょう。そして新たな大人としての人生を歩み始めるお子さまを、これからも温かく見守っていきたいものです。
成人式は、七五三や十三参りに続く人生の大きな通過儀礼です。古くは「元服」「加冠」「裳着」などと呼ばれた儀式が現在の成人式へと受け継がれています。新成人の門出を心からお祝いし、この先の就職や結婚といった人生の節目を見守っていきましょう。
CHAPTER 05成人式をテーマ別にくわしく
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CHAPTER 06成人式に関するよくある質問
A.
成人式への出席は任意です。進学や就職で地元を離れている方、式典の雰囲気が苦手な方は欠席しても問題ありません。ただし、地元の友人と再会できる貴重な機会でもあるため、可能であれば参加を検討してみてください。
A.
着る機会が成人式だけならレンタルがコスパ良好です。結婚式や初詣などでも着たい場合は購入も検討しましょう。「ママ振袖」があれば、クリーニングとサイズ直しだけで費用を抑えられます。
A.
一般的には住民票がある自治体から案内が届きますが、地元の成人式に参加したい場合は、地元の自治体に問い合わせれば参加できることがほとんどです。事前に連絡しておくとスムーズです。
A.
前撮りは成人式の半年〜1年前に行うのが一般的です。春〜夏の時期は比較的予約が取りやすく、料金もオフシーズン割引がある場合があります。桜や紅葉のロケーション撮影を希望する場合は、その季節に合わせて予約しましょう。
CHAPTER 07まとめ
成人式は、大人としての第一歩を踏み出す人生の大きな節目です。成人年齢は18歳になりましたが、多くの自治体では20歳を対象に「二十歳のつどい」として開催しています。振袖のレンタルは1年以上前から予約が始まるので、早めに準備を進めましょう。成人祝いは紅白蝶結びののし袋に「祝御成人」などと書いて贈り、家族で20年の成長を祝ってください。






