6月は旧暦で水無月(みなづき)と呼ばれ、梅雨の訪れとともに日本各地でさまざまな伝統行事が行われる季節です。衣替えで夏の装いに切り替わり、入梅(にゅうばい)を迎え、父の日や夏至(げし)を経て、月末の夏越の祓(なごしのはらえ)で半年分のけがれを祓い清める。この記事では、6月の主な行事を日付順にまとめ、過ごし方・旬の食べ物・見ごろの花と風物詩まで幅広く紹介します。梅雨の時期だからこそ楽しめる行事や食の魅力を、ぜひ家族で味わってみてください。
CHAPTER 016月の主な行事カレンダー
まずは6月の行事を日付順に一覧で確認しましょう。日付が固定されていない行事は、年ごとに変わるためおおよその目安を記載しています。
| 日付 | 行事名 | 内容 |
|---|---|---|
| 6月1日 | 衣替え(ころもがえ) | 冬服から夏服へ切り替える風習。学校や企業で一斉に実施される |
| 6月6日ごろ | 芒種(ぼうしゅ) | 二十四節気のひとつ。稲や麦など芒(のぎ)のある穀物の種をまく時期の目安 |
| 6月10日 | 時の記念日 | 1920年に制定。天智天皇が漏刻(ろうこく/水時計)で時を知らせた故事に由来 |
| 6月11日ごろ | 入梅(にゅうばい) | 暦の上での梅雨入り。実際の梅雨入りは地域や年によって異なる |
| 6月21日ごろ | 夏至(げし) | 一年で最も昼が長い日。二十四節気のひとつ |
| 6月第3日曜日 | 父の日 | 父親への感謝を伝える日。2026年は6月21日 |
| 6月30日 | 夏越の祓(なごしのはらえ) | 半年分のけがれを祓い、残り半年の無病息災を祈る神事 |
CHAPTER 026月の行事の過ごし方
ここからは、6月の代表的な行事をひとつずつ掘り下げて紹介します。それぞれの行事の意味や由来を知ると、何気ない日常がぐっと豊かに感じられるはずです。
衣替え
6月1日は衣替えの日です。もともとは宮中の行事として始まり、明治時代に官公庁や学校で6月1日と10月1日に制服を切り替える制度が定着しました。現在では厳密な日付にこだわらず、気温に合わせて徐々に夏服へ移行する家庭や職場も増えています。とはいえ、この日を境に「季節が変わった」と実感する方も多いのではないでしょうか。衣替えをきっかけにクローゼットを整理し、不要な冬物を手放すと梅雨の時期も快適に過ごせます。衣替えの歴史や効率的な進め方は衣替えとは?の記事でくわしく紹介しています。
入梅・梅雨の過ごし方
暦の上での梅雨入りを入梅(にゅうばい)と呼び、例年6月11日ごろにあたります。実際の梅雨入りは気象庁の発表によりますが、この時期を境に雨の日が増え、湿度の高い日々が続きます。梅雨は「うっとうしい」と感じがちですが、日本の農業にとっては恵みの雨であり、紫陽花(あじさい)や花菖蒲(はなしょうぶ)など、この時期ならではの美しい花を楽しめる季節でもあります。
入梅の由来や暦としての意味は入梅とは?の記事で、梅雨を快適に過ごすための工夫は梅雨の過ごし方の記事でくわしく解説しています。室内の湿気対策や子どもとの室内遊びのアイデアなど、梅雨を前向きに乗りきるヒントをぜひ参考にしてください。
父の日
6月の第3日曜日は父の日です。2026年は6月21日にあたり、夏至と同じ日になります。母の日に比べて「何を贈ればいいかわからない」と悩む方が多い行事ですが、感謝の気持ちを伝えることが何より大切です。定番の贈り物はネクタイやお酒ですが、最近では体験型ギフトや手紙を贈る家庭も増えています。
父の日の由来やおすすめの過ごし方は父の日とは?の記事で、プレゼント選びのコツは父の日のプレゼントの選び方の記事で紹介しています。お子さんと一緒にメッセージカードを手作りしたい方は父の日のメッセージ例文の記事も参考になります。
夏至
夏至(げし)は二十四節気のひとつで、一年で最も昼の時間が長い日です。2026年は6月21日にあたります。北半球では太陽が最も高い位置を通過するため、東京では昼の長さが約14時間35分にもなります。古くから夏至は農作業の節目とされ、各地でさまざまな風習が残っています。関西ではタコを食べる習慣があり、これは稲の根がタコの足のようにしっかり地面に張るようにとの願いが込められています。
夏越の祓
6月30日は夏越の祓(なごしのはらえ)が行われます。一年の折り返しにあたるこの日に、全国の神社では茅の輪(ちのわ)を設置し、参拝者が八の字にくぐることで半年分のけがれを祓い清めます。人形(ひとがた)と呼ばれる紙の形代(かたしろ)に名前を書いて穢れを移し、川に流したりお焚き上げしたりする風習も各地に残っています。京都では和菓子の水無月(みなづき)を食べて厄除けを願うのが定番です。
夏越の祓の由来と意味は夏越の祓とは?の記事で、茅の輪くぐりの作法は茅の輪くぐりとは?の記事で、和菓子の水無月については水無月(和菓子)の記事でくわしく紹介しています。半年の感謝を込めて神社にお参りし、すがすがしい気持ちで夏本番を迎えましょう。
CHAPTER 036月の旬の食べ物
梅雨の時期は湿度が高く食欲が落ちやすいですが、実は6月は旬を迎える食材が豊富な月でもあります。栄養価の高い旬の食材を意識して取り入れることで、じめじめした季節も元気に過ごせます。
| 食材名 | 特徴・おすすめの食べ方 |
|---|---|
| 鮎(あゆ) | 6月1日の鮎漁解禁とともに旬を迎える川魚の代表。塩焼きが定番で、独特の香りから「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれる |
| 梅(うめ) | 6月は梅の実が熟す季節。梅干し・梅シロップ・梅酒など「梅仕事」を楽しむ家庭が多い |
| サクランボ | 山形県産の佐藤錦が最盛期を迎える。甘みと酸味のバランスが絶妙な初夏の味覚 |
| 枇杷(びわ) | 千葉県や長崎県が主産地。やさしい甘さと香りが特徴で、そのまま食べるのが一番おいしい |
| オクラ | ネバネバ成分が胃腸を守り、夏バテ予防にも効果的。サラダや和え物に |
| トマト | 露地栽培のトマトが甘みを増す季節。リコピンやビタミンCが豊富 |
| 鰯(いわし) | 入梅の時期に脂がのる「入梅鰯(にゅうばいいわし)」は、一年で最もおいしいとされる |
6月の食の風物詩といえば梅仕事です。梅干しや梅シロップ、梅酒など、梅の実を使った保存食づくりは日本の家庭に古くから伝わる季節の手仕事。お子さんと一緒に梅シロップを仕込めば、夏の暑い日に手作りの梅ジュースを楽しめます。梅仕事のやり方は梅仕事の記事で、梅雨の時期の旬の食材は梅雨の旬の食材の記事でくわしく紹介しています。
CHAPTER 046月の花と風物詩
梅雨のじめじめした季節でも、6月にはこの時期ならではの美しい花や風景を楽しめます。雨にぬれて色鮮やかに咲く花々は、梅雨のうっとうしさを忘れさせてくれる存在です。
紫陽花(あじさい)は6月を代表する花です。青・紫・ピンク・白と土壌の酸度によって色が変わる性質を持ち、雨に打たれるほど美しく輝きます。鎌倉の明月院(あじさい寺)や京都の三室戸寺(みむろとじ)など、全国各地にあじさいの名所があります。名所やおすすめスポットはあじさいの名所の記事でまとめています。
花菖蒲(はなしょうぶ)は端午の節句に飾る菖蒲とは異なる品種で、6月上旬から中旬にかけて見ごろを迎えます。白・紫・黄色と彩り豊かな花は、水辺の庭園や菖蒲園で楽しめます。ラベンダーは北海道の富良野が有名ですが、6月下旬から咲き始め、紫色の花畑と甘い香りが心を癒してくれます。
花だけでなく、6月は蛍(ほたる)の季節でもあります。清流のほとりで幻想的に光る蛍の姿は、この時期だけの贅沢(ぜいたく)な風物詩です。お子さんと一緒にホタル観賞に出かければ、自然の美しさと命の大切さを伝えるよい機会になるでしょう。
CHAPTER 056月の祭り
INFO / 6月の主な祭り
山王(さんのう)まつり(東京・日枝神社/6月7日〜17日ごろ): 江戸三大祭りのひとつ。隔年で行われる神幸祭(しんこうさい)では、総勢500人以上の行列が都心を練り歩きます。
YOSAKOIソーラン祭り(北海道・札幌/6月上旬): 高知のよさこい祭りと北海道のソーラン節を融合させた踊りの祭典。約3万人の踊り子が札幌の街を熱く彩ります。
住吉祭(すみよしまつり)(大阪・住吉大社/6月14日): 御田植神事(おたうえしんじ)として知られ、田植えの儀式が雅やかに執り行われます。国の重要無形民俗文化財に指定されています。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
6月って梅雨のイメージが強くて行事が少ないのかと思っていましたが、意外とたくさんあるんですね。子どもと一緒に楽しめるものはありますか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
ありますよ。たとえば梅仕事はお子さんと一緒に梅を洗ったりシロップを仕込んだりと、食育にもなる楽しい体験です。月末の夏越の祓では茅の輪くぐりがゲーム感覚で楽しめますし、あじさいを見に出かけるのも梅雨ならではの家族のおでかけにぴったりです。雨の日が多い季節だからこそ、晴れ間を見つけてお出かけすると特別な思い出になりますよ。
CHAPTER 06よくある質問
A.
現在のところ、6月には国民の祝日がありません。1月から12月までの中で唯一祝日のない月です。ただし、2026年は6月21日の日曜日が父の日にあたるため、週末をうまく活用して家族の時間を楽しむとよいでしょう。
A.
「水無月」の「無」は「の」を意味する連体助詞とする説が有力で、「水の月」つまり田んぼに水を引く月という意味だと考えられています。梅雨で水が豊富な時期であることとも一致します。
A.
梅仕事(梅シロップづくりなど)やあじさいの名所めぐり、夏越の祓の茅の輪くぐりがおすすめです。室内では折り紙であじさいを作ったり、梅雨をテーマにした絵本を読んだりするのも楽しいですよ。
A.
全国の多くの神社で行われますが、すべての神社で実施されるわけではありません。事前にお近くの神社に問い合わせるか、公式サイトで情報を確認してからお参りすると安心です。大きな神社では前後数日間茅の輪を設置していることもあります。
TIP / あわせて読みたい
夏の行事をさらにくわしく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
CHAPTER 07まとめ
6月(水無月)は、衣替えで夏の装いに切り替わる月初から、入梅を経て梅雨の風情を楽しみ、父の日や夏至で季節の移ろいを感じ、月末の夏越の祓で半年の締めくくりを迎える、行事の豊かな月です。祝日のない月だからこそ、ひとつひとつの行事を意識して過ごすと日常に彩りが生まれます。
梅や鮎、サクランボなど旬の食べ物が食卓を豊かにし、紫陽花や花菖蒲、蛍といった季節の花と風物詩が目を楽しませてくれる月でもあります。梅雨の雨を「恵み」ととらえ、家族で梅仕事を楽しんだり、晴れ間にあじさいを見に出かけたりしながら、6月ならではの行事を味わってみてください。月末には神社で茅の輪をくぐり、すがすがしい気持ちで夏本番を迎えましょう。

