10月は旧暦で神無月(かんなづき)と呼ばれ、秋が深まり紅葉が色づき始める美しい季節です。全国の神様が出雲大社に集まるとされるこの月は、十三夜のお月見や紅葉狩りといった日本らしい風情ある行事が楽しめます。さらにハロウィンやスポーツの日など、子どもも大人も楽しめるイベントも盛りだくさん。柿・栗・きのこ類など秋の味覚も最盛期を迎えます。この記事では、10月の主な行事を日付順にまとめ、過ごし方・旬の食べ物・花と風物詩まで幅広く紹介します。
「神無月」の語源は、全国の八百万(やおよろず)の神々が出雲大社に集まるため、各地の神社から神様がいなくなる「神の無い月」が由来とされています。一方、出雲地方では神様が集まることから「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。ほかにも、新穀で酒を醸す「醸成月(かみなしづき)」が転じたとする説もあります。くわしくは神無月の記事をご覧ください。

CHAPTER 01
10月の主な行事カレンダー

まずは10月の行事を日付順に一覧で確認しましょう。秋の実りと風情を存分に味わえる月です。
10月の行事カレンダー【2026年版】
日付行事名内容
10月1日衣替え夏服から秋冬服へ切り替える日。学校や企業で一斉に行われる
10月8日ごろ寒露(かんろ)二十四節気のひとつ。冷たい露が降り始め、秋が一段と深まる頃
10月中旬ごろ十三夜十五夜に次いで美しい月を愛でる日本独自のお月見。栗や枝豆をお供えする
10月第2月曜日スポーツの日スポーツを楽しみ、健康な心身を培う国民の祝日(旧・体育の日)
10月20日ごろえびす講出雲に行かず留守を守る恵比寿様に感謝し、商売繁盛を祈る行事
10月23日ごろ霜降(そうこう)二十四節気のひとつ。初霜が降り始め、紅葉が見ごろを迎える頃
10月31日ハロウィン古代ケルトに由来する収穫祭。仮装やジャック・オ・ランタンを楽しむ

CHAPTER 02
10月の行事と過ごし方

ここからは、10月の代表的な行事をひとつずつ掘り下げて紹介します。爽やかな秋空のもと、日本ならではの風情を味わいましょう。

十三夜

十三夜(じゅうさんや)は、旧暦9月13日の夜に月を愛でる日本独自のお月見行事です。十五夜(中秋の名月)に次いで美しい月とされ、栗や枝豆をお供えすることから「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。十五夜だけを楽しんで十三夜を見ないことを「片月見(かたつきみ)」と呼び、縁起がよくないとされてきました。
十三夜の由来やお供え物のしきたりは十三夜の記事でくわしく解説しています。十五夜・十三夜とあわせて旧暦10月10日の十日夜(とおかんや)を三月見として楽しむ風習もあります。
十三夜の月
十三夜。栗や枝豆をお供えして美しい秋の月を愛でる

スポーツの日

10月の第2月曜日はスポーツの日です。2026年は10月12日にあたります。もとは1964年の東京オリンピック開会式を記念して制定された「体育の日」で、2020年に名称が変更されました。「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」ことが趣旨です。
各地で運動会やスポーツイベントが開催される10月は、まさに「スポーツの秋」。涼しく過ごしやすい気候は体を動かすのにぴったりです。スポーツの日の由来はスポーツの日の記事で紹介しています。

えびす講

10月20日ごろに行われるえびす講(えびすこう)は、神無月に出雲へ行かず各地に留まって留守を守る恵比寿様(えびすさま)に感謝し、商売繁盛を祈る行事です。恵比寿様は七福神のひとりで、商売や漁業の神様として親しまれています。鯛や赤飯をお供えして家内安全・商売繁盛を願います。
えびす講の由来やお供えの仕方はえびす講の記事でくわしく解説しています。

紅葉狩り

10月は山間部から紅葉(こうよう)が始まり、紅葉狩り(もみじがり)のシーズンが到来します。カエデやイチョウが赤や黄金色に染まる光景は、日本の秋を象徴する美しさです。北海道や東北の山間部では10月上旬から見ごろを迎え、関東以南の平野部は11月にかけて楽しめます。霜降のころには全国各地で紅葉が本格化します。
紅葉狩りの楽しみ方は紅葉狩りの記事で、全国の紅葉スポットは紅葉の名所おすすめ15選の記事でまとめています。
紅葉と富士山
紅葉狩り。赤や黄金色に染まる秋の山は日本の絶景

ハロウィン(10月31日)

10月31日はハロウィンです。もともとは古代ケルト人が秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う行事でしたが、現在では仮装やパーティーを楽しむイベントとして日本でもすっかり定着しました。かぼちゃをくり抜いたジャック・オ・ランタンを飾ったり、子どもたちが「トリック・オア・トリート!」と言ってお菓子をもらったりと、家族で楽しめるイベントです。
ハロウィンの起源や日本での楽しみ方はハロウィンの記事でくわしく紹介しています。
ハロウィンのジャック・オ・ランタン
ハロウィン。かぼちゃのランタンを飾って秋の収穫祭を楽しむ

寒露・霜降

10月には二十四節気のうち寒露(かんろ/10月8日ごろ)と霜降(そうこう/10月23日ごろ)の2つがあります。寒露は冷たい露が草花に降りる頃で、秋が本格的に深まる節目です。霜降はその名のとおり初霜が降り始める時期で、紅葉が見ごろを迎えるサインでもあります。この2つの節気を境に、朝晩はぐっと冷え込むようになります。
寒露の意味と食べ物は寒露の記事で、霜降の風習は霜降の記事でくわしく解説しています。
10月は「実りの秋」「芸術の秋」「読書の秋」「スポーツの秋」と、さまざまな秋の楽しみが詰まった月です。過ごしやすい気候のもと、紅葉狩りや味覚狩りに出かけ、十三夜には美しい月を眺め、ハロウィンには仮装を楽しむ——家族の思い出がたくさんつくれる季節です。

CHAPTER 03
10月の旬の食べ物

「食欲の秋」が最高潮を迎える10月。きのこ類・果物・魚介と、秋の恵みが食卓を豊かに彩ります。
10月に旬を迎える主な食材
食材名特徴・おすすめの食べ方
柿(かき)秋を代表する果物。甘柿はそのまま、渋柿は干し柿に。ビタミンCが豊富で風邪予防にも
椎茸(しいたけ)秋に旬を迎えるきのこの王様。肉厚な原木しいたけは焼いて食べるのが絶品
しめじ「香り松茸、味しめじ」と言われるほど旨みが豊富。炊き込みごはんや鍋物に大活躍
鮭(さけ)秋鮭は産卵のために川を遡上する10月が旬。ちゃんちゃん焼きや石狩鍋が秋の定番料理
サバ(鯖)「秋サバは嫁に食わすな」と言われるほど脂がのる時期。味噌煮や塩焼きが定番
里芋(さといも)十三夜のお供え物にも使われる秋の味覚。煮物やけんちん汁でほくほくの食感を楽しめる
ザクロルビー色の実が美しい秋の果実。ビタミンやポリフェノールが豊富で美容にも注目の食材
10月はきのこ類が旬の最盛期。きのこ狩りや栗拾い、りんご狩りなど秋の味覚狩りも各地で楽しめます。新米が出回る時期でもあり、炊きたての新米に秋の食材を合わせた炊き込みごはんは格別のおいしさです。
秋の紅葉と風景
秋が深まる10月。色づく紅葉とともに秋の味覚も最盛期を迎える

CHAPTER 04
10月の花と風物詩

秋色に染まる10月は、花も風物詩も味わい深い季節。目で見て、鼻で嗅いで、秋の情緒を五感で楽しみましょう。
金木犀(きんもくせい)は10月を代表する花のひとつ。オレンジ色の小さな花が放つ甘い香りは「秋の香り」の代名詞です。通学路や公園でふわりと香る金木犀に、秋の深まりを実感する方も多いでしょう。
菊(きく)は10月から11月にかけてが見ごろで、各地で菊花展や菊まつりが開催されます。古来より長寿の象徴とされ、皇室の紋章にも使われる格式高い花です。重陽の節句に続き、秋の菊を愛でる文化が息づいています。
コスモス(秋桜)は引き続き10月も見ごろ。風に揺れる可憐な姿は秋の野を象徴する光景です。リンドウ(竜胆)は青紫色の凛とした花で、敬老の日や秋のお彼岸の花束によく使われます。
花以外にも、10月はいわし雲(うろこ雲)が広がる秋の空、案山子(かかし)が見守る田んぼの風景、赤とんぼが飛び交う夕暮れなど、日本の秋の原風景ともいえる風物詩が楽しめます。読書の秋にちなんで10月27日からは「読書週間」が始まり、灯火親しむ秋の夜長を本とともに過ごすのもおすすめです。
秋の黄葉
秋色に染まる10月。イチョウの黄葉が秋空に映える

CHAPTER 05
10月の祭り

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INFO / 10月の主な祭り
長崎くんち(長崎県・諏訪神社/10月7日〜9日): 異国情緒あふれる奉納踊りで知られる長崎を代表する秋祭り。龍踊(じゃおどり)やコッコデショなど、ダイナミックな演し物が見どころです。 時代祭(京都府・平安神宮/10月22日): 京都三大祭りのひとつ。明治維新から平安時代までの各時代の装束をまとった約2,000人の行列が都大路を練り歩く、まさに「生きた時代絵巻」です。 川越まつり(埼玉県・川越市/10月第3土・日曜日): 蔵造りの町並みに豪華絢爛な山車が繰り出す関東有数の秋祭り。夜の山車の曳き回しと「曳っかわせ」は圧巻です。 灘のけんか祭り(兵庫県・姫路市/10月14日・15日): 豪壮華麗な屋台(神輿)同士がぶつかり合う勇壮な秋祭り。日本三大けんか祭りのひとつに数えられます。
長崎くんちの見どころや歴史はおくんちの記事でくわしく紹介しています。
マ
新米ママ / 4歳児のママ
10月は行事がいっぱいですね。七五三の準備もそろそろ始めたほうがいいですか?
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうですね。七五三のお参りは11月15日が伝統的ですが、10月から11月にかけてお参りする方が多いです。写真撮影の前撮りは9月〜10月がおすすめ。神社の予約や衣装の手配は早めに動くと安心ですよ。七五三の段取りは七五三の記事でくわしくまとめています。10月はハロウィンの仮装づくりもお子さんと一緒に楽しめますし、涼しくなったこの時期は紅葉狩りや味覚狩りのお出かけにもぴったりです。

CHAPTER 06
よくある質問

A.
10月の祝日は「スポーツの日(第2月曜日)」の1日です。2026年は10月12日にあたります。かつては「体育の日」として10月10日に固定されていましたが、2000年にハッピーマンデー制度で第2月曜日に移動し、2020年に名称が変更されました。
A.
全国の神様が出雲大社に集まるため、各地から神様がいなくなる「神の無い月」が由来とされています。出雲地方では逆に「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。「無」は「の」を意味する助詞で「神の月」という説もあります。
A.
十三夜は旧暦9月13日にあたるため、新暦では毎年日付が変わります。10月中旬から11月上旬の間になることが多いです。十五夜だけ見て十三夜を見ないと「片月見」になるとされ、両方楽しむのが縁起がよいとされています。
A.
ハロウィンは古代ケルト人の大みそか(10月31日)に行われた収穫祭「サウィン」が起源です。この日は死者の霊が現世に戻ると信じられ、悪霊を追い払うために仮装する風習が生まれました。キリスト教の「万聖節(11月1日)」の前夜祭として発展し、現在の形になりました。

CHAPTER 07
まとめ

10月(神無月)は、十三夜のお月見で秋の月を愛で、紅葉狩りで山々の錦秋を楽しみ、ハロウィンで仮装を満喫する——秋の醍醐味がぎゅっと詰まった月です。神無月の由来となった出雲大社の神在祭をはじめ、長崎くんちや時代祭など歴史ある秋祭りも各地で行われます。
柿・きのこ・鮭・サバなど秋の味覚が食卓を賑わせ、金木犀の香りと紅葉の彩りが五感を満たしてくれます。過ごしやすい秋晴れの日には、家族で紅葉狩りや味覚狩りに出かけてみてください。秋の行事をまとめて知りたい方は秋の行事一覧の記事もあわせてどうぞ。