だるま市は、1月から3月にかけて全国の寺社で開かれる縁起だるまの市です。新年に新しいだるまを買って願いを掛け、目を入れる風習は、家内安全や商売繁盛を願う日本らしい行事として親しまれています。この記事では、だるま市の意味と由来、買い方とお作法、だるまの色の意味、2027年の主なだるま市の日程、子どもと楽しむ方法までやさしく紹介します。

CHAPTER 01
だるま市とは?基本の意味

だるま市とは、赤や金色の張り子だるまを売る縁起市のことです。新春の風物詩として全国の寺社で開かれ、参拝客が「今年の願掛けだるま」を買い求めます。だるま市の多くは1月初旬から2月までに集中していますが、地域により3月まで開かれるところもあります。
だるまの縁起物
読み方
だるまいち
時期
1月2日〜3月(地域により異なる)
主な目的
縁起物のだるまを買い、無病息災・商売繁盛・必勝を願う
別称
毘沙門天大祭、初だるま市、七草大祭など

CHAPTER 02
だるま市の由来と歴史

だるまは、禅宗の祖・達磨大師(だるまだいし)の坐禅姿をかたどった縁起物です。達磨大師が9年間壁に向かって坐禅を続けた「面壁九年(めんぺきくねん)」の伝説から、手足のない丸い姿になったといわれます。倒れても起き上がる起き上がりこぼしの形が「七転び八起き」の精神と結びつき、江戸時代に家内安全や商売繁盛のお守りとして庶民に広まりました。
だるま市の発祥には諸説ありますが、群馬県高崎市の少林山達磨寺(しょうりんざんだるまじ)がよく知られています。江戸時代後期、飢饉に苦しむ農民の副業として張り子だるまづくりが教えられ、それを正月の縁日で売ったのが高崎だるまの始まりと伝えられています。
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
だるまの赤い色には、魔除けの意味があるとされています。昔は赤い色に疫病を退ける力があると信じられ、天然痘(疱瘡)がはやったときには赤いだるまや赤い絵がお守りとして重宝されたんですよ。
新米パパ
新米パパ / 2歳児のパパ
だるまって、最初に目を入れるのは左目(向かって右)ですよね。買ってきてすぐ目を入れていいんですか?
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そのとおりです。願いを掛けるときに、だるまの左目(向かって右)に黒目を入れ、願いが叶ったら右目を入れて完成させます。買ってすぐに片目を入れて大丈夫ですよ。

CHAPTER 03
だるま市での買い方とお作法

だるま市は 独特の買い方のルールがあります。初めて訪れる方も、これを知っておけば安心です。
  1. 01
    古いだるまを納める
    前年のだるまをまずお寺・神社に納める。納め所や納め料は会場で確認
  2. 02
    新しいだるまを選ぶ
    サイズ(号数)や色を選ぶ。前年より一回り大きいサイズを買うのが縁起がよいとされる
  3. 03
    値切る
    だるま市では値切りも「縁起のうち」とされる地域あり。最初は定価、まとめ買いで安くなることが多い
  4. 04
    祈祷を受ける
    希望者はその場で開眼供養(かいげんくよう)の祈祷を受けられる
  5. 05
    持ち帰り左目を入れる
    自宅の南向きまたは東向きの高い場所に飾り、願いを心に決めて左目に黒目を入れる
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INFO / だるまのサイズと値段の目安
だるまの大きさは「号」で表します。目安として、3号(約15cm)で2,000円前後、6号(約25cm)で5,000円前後、12号(約50cm)になると2万円を超えるものもあります。家庭用は5〜8号、店舗や選挙事務所では10号以上が一般的です。価格は産地や店によって異なります。

だるまの色と意味

最近のだるまは赤以外にもさまざまな色があり、色ごとに願い事を当てはめることが多くなっています。決まりがあるわけではありませんが、願い事に合わせて色を選ぶのも楽しみのひとつです。
少林山達磨寺に並ぶ赤いだるま
少林山達磨寺(群馬県高崎市)のだるま
色意味・ご利益
赤魔除け・厄除け・家内安全(伝統色)
白合格祈願・目標達成・清浄
金金運上昇・商売繁盛
黄夢の実現・幸運招来
緑健康長寿・身体健全
青学業成就・仕事運上昇
ピンク恋愛成就・縁結び
だるまの目入れは、子どもと一緒に楽しめる新年の行事です。「今年はどんな年にしたい?」と話しながら黒目を描き入れると、目標を考えるきっかけになります。小さなだるまを子ども用に一つ選んであげたり、正月遊びのだるま落としで遊んだりするのもおすすめです。だるま市は混雑するので、小さな子ども連れなら朝の早い時間がねらい目です。

CHAPTER 04
全国の有名なだるま市

日本各地で開催される だるま市の代表的なものをいくつかご紹介します。
名称開催地時期特徴
少林山七草大祭だるま市群馬県高崎市・少林山達磨寺1月6〜7日日本三大だるま市の一つ。高崎だるま発祥の地
毘沙門天大祭静岡県富士市・妙法寺2月の旧暦正月7〜9日日本三大だるま市。100軒以上のだるま店が並ぶ
深大寺だるま市東京都調布市・深大寺3月3〜4日日本三大だるま市の一つとされ、江戸時代から続くといわれる。だるまの目入れをお坊さんが行う
拝島大師だるま市東京都昭島市・拝島大師1月2〜3日関東で最も早く開かれるだるま市の一つ
白河だるま市福島県白河市2月11日白河だるまは眉が鶴、髭が亀、頬が梅・竹で縁起が満載
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2027年の主なだるま市の日程

2027年の主なだるま市の日程(例年の開催日をもとにした目安)
だるま市2027年の日程
拝島大師だるま市(東京都昭島市)1月2日(土)・3日(日)
少林山七草大祭だるま市(群馬県高崎市)1月6日(水)・7日(木)
白河だるま市(福島県白河市)2月11日(木・祝)
毘沙門天大祭(静岡県富士市)2月13日(土)〜15日(月)※旧暦1月7〜9日から計算
深大寺だるま市(東京都調布市)3月3日(水)・4日(木)
日程は例年の開催日をもとにした目安です。開催時間や交通規制は年によって変わるので、出かける前に各寺社の発表を確認してください。
これらの市では 露店やグルメ屋台も並び、参拝以外の楽しみも豊富です。
だるま市は 初詣 や 七草の節句 の時期に重なるところが多く、新年の縁起祈願として一連で参詣する人もいます。お正月 の延長として親しまれている1月の風物詩のひとつです。

CHAPTER 05
だるま市に関するよくある質問

A.
南または東向きの高い場所が良いとされます。神棚があれば神棚の脇、なければリビングの棚の上など、家族全員の目に入る場所がおすすめです。
A.
1年経ったら 買った寺社に納め、お焚き上げをお願いします。両目を入れずに持ち越すのは縁起が悪いとされ、新しいだるまに切り替えるのが習わしです。
A.
1年ごとに新しくするのが基本ですが、こだわりがあれば数年使い続けても問題ありません。あくまで自分の願掛けの区切りとして考えましょう。
A.
願掛け時は 向かって右の目(だるまの左目)から、達成時は左の目を入れます。これは「阿吽(あうん)」の「阿」から入れ、「吽」で完成させるという考え方に由来します。
A.
選挙だるまは 10号以上の大型だるまが一般的で、各地のだるま市で購入できます。注文生産の店もあるため、選挙期間が決まったら早めに発注します。

CHAPTER 06
まとめ

だるま市は 新年に縁起のよいだるまを買い、願いを掛ける日本の伝統行事です。群馬・少林山、静岡・毘沙門天、東京・深大寺など 全国の有名なだるま市 はいずれも個性豊か。お正月に初詣と合わせて訪れて、今年の目標を「だるま」に込めてみてはいかがでしょうか。1月の他の縁起行事は 初詣とは? や 初釜とは? もあわせてご覧ください。