立夏(りっか)は、二十四節気(にじゅうしせっき)の7番目にあたり、暦の上で夏が始まる日です。2027年は5月6日(木)で、次の節気の小満(5月21日)の前日までの約15日間を指すこともあります。日差しが力強さを増し、木々の緑がいっそう鮮やかになる季節の変わり目です。こどもの日(端午の節句)と重なったり隣り合ったりすることが多く、鯉(こい)のぼりが泳ぐ青空はこの時期ならではの風景です。この記事では、立夏の意味と日付、夏なのに暑くない理由、旬の食べ物、過ごし方や紫外線対策、皐月にまつわる言葉と風習まで解説します。

CHAPTER 01立夏とは?意味と2027年の日付
二十四節気は太陽の黄経をもとに一年を24等分した暦で、古代中国で生まれました。立夏は黄経45度の日にあたり、立春(りっしゅん)・立秋(りっしゅう)・立冬(りっとう)とともに四立(しりゅう)と呼ばれる季節の区切りの一つです。暦の上では春分(しゅんぶん)と夏至(げし)のちょうど中間に位置し、「夏の始まり」を意味します。2026年は5月5日(火)、2027年は5月6日(木)です。
立夏の日付(自動計算)
| 2026年 | 5月5日(火) |
|---|---|
| 2027年 | 5月6日(木) |
| 2028年 | 5月5日(金) |
二十四節気は太陽の位置、旧暦の行事は新月の日、干支の日は暦の巡りから計算しています。 正式な日付は、国立天文台が毎年2月に翌年分を発表する暦要項で確定します。「頃」は時刻が日付の変わり目に近く、前後する可能性がある日です。
この時期は最高気温が20℃を超える日が増え、半袖で過ごせる日も出てきます。七十二候では「蛙始鳴(かわずはじめてなく)」「蚯蚓出(みみずいずる)」「竹笋生(たけのこしょうず)」の三候に分けられ、水田で蛙が鳴き始め、みみずが土から出て、たけのこが生えてくる様子が表されています。江戸時代の暦の解説書『暦便覧(こよみびんらん)』には「夏の立つがゆへなり」と記されています。
5月5日頃
立夏の時期
二十四節気
暦の分類
夏の始まり
暦の上での意味
なぜ「夏」なのに暑くない?
「立夏」と聞くと真夏のような暑さを想像するかもしれませんが、実際の5月上旬はまだ爽やかで過ごしやすい気候です。この季節感のずれには理由があります。
二十四節気は、気温ではなく太陽の動きで一年を区切った暦です。夏至を真ん中にして、日差しが最も強く昼が長い約3か月間(立夏から立秋の前日まで)を「夏」としています。つまり立夏は、日差しの面では夏の入口にあたるのです。
ところが、実際の気温は日差しより遅れて上がります。地面や海が温まるのに時間がかかるため、日本では気温のピークが夏至から1か月以上遅れた7月下旬〜8月上旬になります。そのため、立夏の5月上旬はまだ爽やかで、立秋(8月上旬)のころは一年で最も暑い、という季節感のずれが生じるのです。
新米パパ / 2歳児のパパ
まだ全然暑くないのに「夏」って不思議だなと思っていました。気温じゃなくて日差しが基準だったんですね。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。立夏は「日差しの夏」の始まりで、気温の夏はそのあと追いかけてくるイメージですね。日差しはもう強いので、紫外線対策はこの時期から始めるのがおすすめですよ。
NOTE / 季節感のずれを知る
二十四節気の名称は日差しを基準にしているため、体感の季節より少し先を行きます。暦の言葉を「季節の先触れ」として受け止め、少し先の季節を思い浮かべながら過ごすのも、二十四節気の楽しみ方です。
CHAPTER 02立夏の旬の食べ物
この時期に旬を迎える食材は豊富です。代表格は新茶で、「夏も近づく八十八夜(はちじゅうはちや)」の唱歌にもあるように、八十八夜(5月1日頃)に摘まれた一番茶は香り高く栄養価も優れています。

TIP / 立夏に食べたい旬の食材
そら豆、新じゃが、アスパラガス、初鰹(はつがつお)などが旬を迎えます。「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」の句にもあるように、初夏の恵みを存分に味わいましょう。
- そら豆:塩茹でにするだけで初夏の味覚を堪能できる
- 新じゃがいも:皮が薄く、ほくほくとした食感が特徴
- アスパラガス:太陽の光をたっぷり浴びて甘みが増す時期
- 初鰹(はつがつお):「目に青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠まれた江戸っ子の粋な味
端午の節句と重なるため、柏餅(かしわもち)やちまきも食卓に並びます。柏の葉は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから、子孫繁栄の縁起物として大切にされてきました。ちまきは中国の故事に由来し、邪気を払う食べ物として端午の節句に欠かせない一品です。地域によって笹の葉や竹の皮で包む形が異なり、関東と関西で味付けや見た目に違いがあるのも興味深い点です。
CHAPTER 03立夏の過ごし方と暮らしの準備
ゴールデンウィークと重なるこの節気は、アウトドアを楽しむ絶好の時期です。山々は新緑に輝き、ハイキングや森林浴には最適な気候となります。各地の公園ではツツジや藤の花が見頃を迎え、花の名所は多くの人で賑わいます。

子どもの日(5月5日)には、鯉のぼりを揚げ、菖蒲湯に入る風習があります。菖蒲(しょうぶ)の葉には邪気を払う力があるとされ、束ねて湯に浮かべると爽やかな香りが浴室に広がります。家族で柏餅を頬張りながら、子どもの健やかな成長を願うひとときは、日本の初夏を象徴する光景です。
新米パパ / 2歳児のパパ
立夏って、具体的に何をする日なんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
立夏は暦の上で夏が始まる日です。特別な行事というよりも、季節の変わり目を意識して過ごす日ですね。新緑を楽しむ散歩や、風通しのよい部屋づくりなど、夏を迎える準備を始めるのにぴったりの時期です。
衣替えと体調管理
企業や学校では衣替えの準備が始まり、クールビズへの移行もこの時期が目安となります。朝晩はまだ涼しい日もあるため、薄手の羽織物を一枚用意しておくと安心でしょう。また、湿度が低く爽やかな晴天が多いこの時期は、布団や衣類の虫干しにも最適です。梅雨入り前のこのタイミングを活かして冬物の収納を済ませておくとよいでしょう。
気温差が大きい季節の変わり目は体調を崩しやすい時期でもあります。旬の野菜や果物でビタミンを補い、適度な運動と十分な睡眠を心がけることが、夏本番に向けた体づくりのポイントです。
5月から始める紫外線対策
夏本番はまだ先ですが、紫外線は春から急に強くなり、5月には真夏に近いレベルに達する日もあります。気温がそれほど高くないため油断しがちですが、日焼け止めを塗らずに外出すると、気づかないうちに肌へのダメージが蓄積されてしまいます。
CAUTION / 5月の紫外線に注意
「まだ夏じゃないから大丈夫」と油断せず、日焼け止め・帽子などの紫外線対策をこの時期から習慣にしましょう。子どもの肌は大人より薄くデリケートなので、外遊びの際は子ども用の日焼け止めをこまめに塗り直し、つばの広い帽子をかぶせると安心です。また、暑さに体が慣れていないこの時期は、急に気温が上がった日の熱中症にも注意が必要です。
CHAPTER 04皐月(さつき)にまつわる言葉と風習
旧暦5月の和風月名は皐月(さつき)です。「さつき」は「早苗月(さなえづき)」が略されたものという説や、「さ」が田の神や稲を表す古語で、田植えの月を意味するという説があります。立夏を迎える5月は、日本人にとって稲作が本格的に始まる大切な季節でもあったのです。
田植え用の若い稲を意味する早苗(さなえ)、田植えをする女性を指す早乙女(さおとめ)、旧暦5月ごろの長雨を表す五月雨(さみだれ)など、「さ」のつく言葉には稲作にまつわるものが多く、何気なく使っている日本語の中に、稲作とともに歩んできた暮らしの記憶が残っています。
- 皐月(さつき)
- 旧暦5月の和風月名。田植えの月。「早苗月」の略とする説などがある
- 早苗(さなえ)
- 田植え用に育てた若い稲の苗
- 早乙女(さおとめ)
- 田植えをする女性を指す古い呼び名
- 五月雨(さみだれ)
- 旧暦5月ごろに降り続く長雨。現在の梅雨にあたる
新米パパ / 2歳児のパパ
早苗も早乙女も五月雨も、全部「さ」が田の神という意味だったんですね。日本語って奥が深いなあ。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
稲作は日本の暮らしの根幹でしたから、田植えにまつわる言葉があちこちに残っているんですよ。皐月という月名ひとつにも、先人たちの暮らしが映し出されていますね。
天道花 ── 田の神を迎える花
旧暦4月8日(卯月八日)ごろには、天道花(てんとうばな)と呼ばれる風習が近畿地方などで行われていました。ツツジや卯の花(ウツギ)などの花を長い竿の先に結びつけ、庭先に高く立てるものです。天道(お天道さま)に花を供える意味のほか、山から田の神を迎える目印だったとする説もあります。江戸時代の『東都歳事記』(1838年)にも、卯月八日の行事が記されています。
天道花に使われた卯の花(ウツギ)は、立夏のころに小さな白い花を咲かせる初夏の花木です。唱歌『夏は来ぬ』の冒頭「卯の花の匂う垣根に」で歌われるように、垣根に咲く卯の花は初夏の訪れを知らせる風物詩でした。
虫送り ── 豊作を祈る夏の行事
田植えが終わると、次に農家が心を砕いたのが害虫の駆除です。虫送りは、松明(たいまつ)を手にあぜ道を練り歩き、太鼓や鉦(かね)を打ち鳴らしながら害虫を村の外へ送り出す農村の行事でした。地域によっては「さねもり送り」とも呼ばれ、これは源平合戦の武将・斎藤実盛(さいとうさねもり)が稲の害虫になったという伝説に由来しています。
NOTE / 現代に残る虫送り行事
虫送りは農薬の普及とともに多くの地域で途絶えましたが、今も伝統行事として受け継いでいる地域があり、松明の列があぜ道を進む光景は地域の文化遺産として見直されつつあります。時期は地域によって異なり、田植え後の初夏から夏にかけて行われます。
CHAPTER 05立夏に関するよくある質問
A.
二十四節気の一つで「夏が立つ(始まる)」という意味です。暦の上ではこの日から立秋の前日までが夏となります。実際の気候はまだ爽やかな初夏で、過ごしやすい時期です。
A.
2027年の立夏は5月6日(木)です。2026年は5月5日(火)でした。二十四節気の日付は年によって1日前後することがあります。
A.
立夏の次は「小満(しょうまん)」で、2027年は5月21日(金)です。万物が成長して天地に満ち始める時期を意味します。
A.
二十四節気は気温ではなく太陽の動きで季節を分けており、日差しが最も強い約3か月間を「夏」としています。実際の気温は日差しより1か月以上遅れて上がるため、立夏のころはまだ爽やかな初夏なのです。
A.
皐月は旧暦5月の和風月名で、田植えの月を意味します。「早苗月(さなえづき)」が略されたという説や、「さ」が田の神や稲を表す古語だとする説があります。
CHAPTER 06まとめ
立夏は暦の上で夏の始まりを告げる節気で、2027年は5月6日(木)です。日差しを基準にした暦なので体感はまだ爽やかな初夏ですが、紫外線はすでに強くなっています。新茶や初鰹、そら豆、柏餅など旬の味覚を楽しみ、こどもの日の行事や衣替えをしながら、子どもの紫外線対策や急な暑さへの備えを始めて、夏本番に向けて体を慣らしていきましょう。






