端午の節句は、毎年5月5日に子どもの健やかな成長を願う日本の伝統行事です。こいのぼりや兜を飾る理由、柏餅(かしわもち)やちまきを食べる意味など、お子さんに「なぜ?」と聞かれて困った経験はありませんか。この記事では、端午の節句を子どもにわかりやすく説明するコツから、親子で楽しめる過ごし方まで詳しく解説します。

CHAPTER 01
端午の節句ってなに?子どもへの伝え方

新米パパ / 2歳児のパパ
子どもに「こいのぼりってなんで飾るの?」って聞かれたんですが、うまく説明できなくて…。端午の節句って、子どもにはどう伝えればいいですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
端午の節句は「みんなが元気に大きくなれますように、とお願いする日だよ」と伝えるとわかりやすいですよ。まずはシンプルな言葉で、お子さんの年齢に合わせて説明してあげましょう。
端午の節句は、もともと古代中国の風習が日本に伝わったもので、奈良時代にはすでに宮中行事として行われていたとされています。「端午」とは「月の初めの午(うま)の日」を意味し、やがて「午(ご)」と「五」の読みが通じることから、5月5日が端午の節句として定着しました。
端午の節句はもともと男女問わず厄除けの行事でしたが、武家社会の時代になると、菖蒲(しょうぶ)が「尚武(武を尊ぶ)」に通じることから、男の子の成長と立身出世を願う行事へと変化していきました。現在では「こどもの日」として国民の祝日に制定されており、性別を問わずすべての子どもの健やかな成長を祝う日となっています。
TIP / 子どもへの伝え方のポイント
端午の節句を子どもに説明するときは、「みんなが元気にすくすく大きくなれるように、おうちの人がお願いする日だよ」とやさしい言葉で伝えましょう。こいのぼりや兜を指さしながら「どうして飾るのかな?」と問いかけると、子どもの好奇心を引き出せます。
端午の節句を子どもに説明する際に大切なのは、難しい歴史用語を使わず、目の前にあるもの(こいのぼり・兜・柏餅など)を入り口にすることです。「なぜ飾るのか」「なぜ食べるのか」という素朴な疑問に答える形で伝えると、お子さんも興味を持ちやすくなります。端午の節句の由来について詳しく知りたい方は、端午の節句の詳しい解説もあわせてご覧ください。

CHAPTER 02
こいのぼり・兜・柏餅の意味をやさしく解説

端午の節句には、こいのぼりや兜飾り、柏餅やちまきなど、さまざまなシンボルがあります。それぞれに込められた意味を知ると、端午の節句をより深く楽しめるようになります。お子さんにも伝わるよう、やさしい言葉で一つひとつ見ていきましょう。
こいのぼり
鯉が滝をのぼって龍になるという中国の伝説「登龍門」にちなんでいます。こいのぼりには「どんな困難にも負けず、強くたくましく育ってほしい」という願いが込められています。子どもには「お魚のこいさんは頑張って滝をのぼるんだよ。みんなも元気に大きくなれますようにって気持ちで飾るんだよ」と伝えてあげましょう。
兜(かぶと)・五月人形
兜や鎧は武士が身を守るための道具です。端午の節句に兜を飾るのは、「子どもの体を病気や事故から守ってほしい」という親の願いの表れです。子どもには「昔の強い人がかぶっていた帽子だよ。みんなのことを守ってくれるんだよ」と説明するとわかりやすいです。
柏餅(かしわもち)
柏の葉は新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから、「家が絶えない」「子孫繁栄」の縁起物とされています。子どもには「この葉っぱは赤ちゃんの葉っぱが出てくるまでずっと頑張っているんだよ。家族がずっと続きますようにって気持ちなんだよ」と教えてあげましょう。
ちまき
古代中国の故事に由来する食べ物で、端午の節句に食べると厄除けになるとされています。笹の葉で包んだもち米を蒸して作ります。関西地方では柏餅よりもちまきのほうがなじみ深い家庭が多いです。
菖蒲(しょうぶ)
強い香りで邪気を払うと信じられてきた植物です。端午の節句に菖蒲湯に入る風習は、子どもの無病息災を願うものです。「勝負」「尚武」と読みが同じことから、勝負強さや武運の縁起も担っています。
新米パパ / 2歳児のパパ
こいのぼりの由来って「登龍門」だったんですね。柏餅にもちゃんと意味があるなんて知りませんでした。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
端午の節句の飾りや食べ物には、すべて子どもの幸せを願う意味が込められています。お子さんと一緒に「これはどんな意味かな?」と話しながら準備すると、行事への理解も深まりますよ。

CHAPTER 03
親子でできる端午の節句の楽しみ方

端午の節句は飾りを眺めるだけでなく、親子で一緒に体験することで、より思い出深い行事になります。ここでは、おうちで気軽にできる端午の節句の楽しみ方を4つご紹介します。

新聞紙やおりがみでかぶとを作ろう

端午の節句の定番の遊びといえば、紙で作るかぶとです。新聞紙を使えば、お子さんが実際にかぶれる大きなかぶとが簡単に作れます。折り紙で作る小さなかぶとは、五月人形の横に飾るのにぴったりです。折り方はシンプルなので、3歳くらいのお子さんでも大人と一緒なら挑戦できます
作ったかぶとにシールやクレヨンで飾りつけをすると、世界にひとつだけのオリジナルかぶとが完成します。端午の節句の由来を話しながら一緒に折ると、「なぜかぶとを飾るのか」が自然と伝わります。

こいのぼりの工作にチャレンジ

トイレットペーパーの芯や紙コップを使って、ミニこいのぼりを手作りしてみましょう。色紙やマスキングテープでうろこを貼り、割りばしに取り付ければ、お部屋に飾れるかわいいこいのぼりのできあがりです。
工作をしながら「こいのぼりのお魚さんは強い流れにも負けないんだよ」と端午の節句の意味を伝えると、お子さんの記憶にも残りやすくなります。完成した作品を写真に撮って成長記録に加えるのもおすすめです。

菖蒲湯を体験してみよう

端午の節句に欠かせない風習のひとつが菖蒲湯です。スーパーや花屋で手に入る菖蒲の葉をお風呂に浮かべるだけで、手軽に端午の節句の雰囲気を味わえます。菖蒲の爽やかな香りにはリラックス効果もあり、親子でゆったりとした時間を過ごせます。
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CAUTION / 菖蒲湯の注意点
赤ちゃんや肌の弱いお子さんは、菖蒲の葉を直接肌に当てないよう注意しましょう。お湯にさっと通す程度にして、入浴後はしっかり保湿してあげてください。心配な場合は、洗面器に菖蒲を浮かべて香りだけ楽しむ方法もおすすめです。

行事食を一緒に作ろう

端午の節句には柏餅やちまきを食べる習わしがありますが、お子さんと一緒に手作りするとさらに楽しい体験になります。柏餅づくりでは、あんこを包む工程をお子さんに任せると、粘土遊びの感覚で楽しんでくれます。
行事食を通じて、端午の節句の食べ物に込められた意味を伝えることもできます。「柏の葉っぱは家族を守ってくれるんだよ」と声をかけながら作ると、食育にもつながります。初節句を迎えるご家庭は、初節句のお祝い方法の記事もぜひ参考にしてください。
新米パパ / 2歳児のパパ
工作や菖蒲湯は楽しそうですが、2歳の子にはまだ早いかな…。小さい子でも端午の節句を楽しめる方法はありますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
小さなお子さんでも大丈夫ですよ。こいのぼりを指さして「おさかなさんだね」と声をかけたり、柏餅の葉っぱの匂いをかがせてあげたり。五感を使った体験から始めるのがおすすめです。年齢別のポイントも見ていきましょう。

CHAPTER 04
端午の節句の伝え方・年齢別のポイント

端午の節句を子どもに説明するときは、お子さんの年齢や発達段階に合わせて伝え方を工夫することが大切です。以下の表を参考に、無理のない範囲で端午の節句の意味を伝えていきましょう。
端午の節句の年齢別の伝え方・楽しみ方
年齢伝え方のポイントおすすめの過ごし方
0〜2歳言葉での説明はまだ難しい時期。こいのぼりや兜を見せて「きれいだね」「かっこいいね」と声をかけ、五感で端午の節句の雰囲気を感じさせましょう。こいのぼりを一緒に見る、菖蒲湯の香りを楽しむ、兜の前で記念撮影をする
3〜5歳「元気に大きくなれるようにお願いする日だよ」と簡単な言葉で端午の節句を説明しましょう。「なぜ?」の質問にはシンボルの意味をやさしく伝えます。新聞紙でかぶとを折る、こいのぼりの工作、柏餅を一緒に食べる
小学生端午の節句の歴史的な背景や由来を少しずつ説明できます。「昔の中国から伝わった行事」「武士の時代に男の子のお祝いになった」など、物語として伝えると興味を持ちやすいです。端午の節句の由来を調べ学習にする、柏餅やちまきを手作りする、菖蒲湯の効能について話し合う
5月5日
端午の節句の日付
奈良時代
日本で始まった時代
1948年
こどもの日に制定
五月人形
端午の節句の意味を子どもにやさしく伝える
どの年齢でも共通して大切なのは、端午の節句を「やらなければいけないこと」ではなく「家族で楽しむ行事」として伝えることです。完璧に説明しようとせず、お子さんの反応を見ながら少しずつ伝えていけば十分です。毎年繰り返すことで、端午の節句の意味が自然と身についていきます。

CHAPTER 05
こいのぼりの意味を子どもにわかりやすく伝えよう

こいのぼりは端午の節句を象徴する飾りですが、実はひとつひとつに深い意味が込められています。子どもに説明するときは、「お空を泳いでいるお魚さんは鯉(こい)というお魚だよ。鯉はとても強いお魚で、滝をのぼると龍になれるんだって。みんなも鯉のように強くて元気に大きくなってね、というお願いが込められているんだよ」と伝えるとわかりやすいです。

こいのぼりの色と家族の関係

こいのぼりには一番上に五色の吹き流し、その下に黒い真鯉(まごい)、赤い緋鯉(ひごい)、青い子鯉(こごい)が並んでいます。黒い鯉はお父さん、赤い鯉はお母さん、青い鯉は子どもを表しています。家族が増えると鯉を追加する風習もあり、子どもには「大きい黒い鯉がパパ、赤い鯉がママ、青い鯉が君だよ。家族みんなで元気に泳いでいるんだよ」と説明できます。
一番上の吹き流しは五色(青・赤・黄・白・黒)で作られており、これは中国の五行思想に基づいた魔除けの意味があります。子どもには「一番上のひらひらは、悪いものからみんなを守ってくれるお守りだよ」と伝えるとよいでしょう。
新米パパ
うちの子が「なんで鯉は空を飛べるの?」と聞いてきたんですが、どう答えればいいですか?
カゾイロ博士
素敵な質問ですね。「本当のお魚は空を飛べないけど、こいのぼりは風に乗ってお空を泳ぐんだよ。みんなが元気に大きくなれるように、風に乗ってお空からお願いしてくれているんだよ」と伝えてはいかがでしょう。お子さんの想像力を大切にしてあげてくださいね。

CHAPTER 06
兜の意味を子どもにわかりやすく伝えよう

兜は子どもを守るお守り

兜(かぶと)は昔の武士が戦いで頭を守るためにかぶっていた防具です。端午の節句に兜を飾る理由は、武士のように強くなってほしいという願いだけではありません。むしろ「子どもの体を病気やけがから守ってほしい」という親の祈りが込められています。子どもには「むかし強い人たちがかぶっていた特別な帽子だよ。みんなのことを悪いものから守ってくれるんだよ」と伝えましょう。
兜には前面に「前立て(まえだて)」という飾りがついていることが多く、龍や鍬形(くわがた)などさまざまなモチーフがあります。龍の前立ては「出世」や「強さ」、鍬形は「勝利」の象徴です。「兜の飾りにはどんな動物がいるかな?」とお子さんに探してもらうと、端午の節句の飾りに興味を持つきっかけになります。

CHAPTER 07
端午の節句を親子で楽しむアクティビティ

こいのぼりの歌を一緒に歌おう

「やねよりたかい こいのぼり」の歌は、端午の節句を子どもに伝える絶好の教材です。歌詞の中に登場する真鯉・緋鯉の意味を説明しながら一緒に歌うと、行事の内容が自然と身につきます。音楽を通じた体験は小さな子どもの記憶に残りやすいため、言葉で説明するのが難しい年齢のお子さんにもおすすめです。

端午の節句の絵本を読もう

端午の節句をテーマにした絵本はたくさん出版されています。こいのぼりが冒険する物語や、兜をかぶった男の子が活躍するお話など、お子さんの年齢に合った絵本を選んで一緒に読む時間を作りましょう。絵本を通じて端午の節句の由来に触れることで、「なぜこいのぼりを飾るのか」「なぜ柏餅を食べるのか」という疑問への答えがお子さんの中に自然と育っていきます。

端午の節句の親子会話例

端午の節句を子どもにわかりやすく説明するために、具体的な会話例をご紹介します。実際に親子で話す場面をイメージしながら参考にしてみてください。
新米パパ
「パパ、なんで柏餅を食べるの?」と聞かれたとき、どう答えたらいいですか?
カゾイロ博士
こう伝えてみてください。「柏餅を包んでいる葉っぱはね、赤ちゃんの葉っぱが出てくるまでずっと枝にくっついているんだよ。おうちの人がずっと元気でいられますように、家族がずっと続きますようにってお願いしながら食べるんだよ」。実際に柏の葉を触らせてあげると実感がわきますよ。
TIP / 子どもへの説明で大切な3つのポイント
端午の節句を子どもに伝えるときは、次の3点を意識しましょう。1つ目は「短い言葉で伝える」こと。一度にたくさん説明するよりも、ひとつずつ伝えるほうが記憶に残ります。2つ目は「実物を見せながら話す」こと。こいのぼりや兜を指さしながら話すと理解が深まります。3つ目は「毎年繰り返す」こと。年齢が上がるにつれて、少しずつ詳しい説明を加えていきましょう。

こいのぼりの色の意味を子どもに教えよう

こいのぼりは通常3〜5匹で構成されており、それぞれの色には意味があります。一番上の黒い鯉は「真鯉(まごい)」と呼ばれお父さんを表します。赤い鯉は「緋鯉(ひごい)」でお母さん、青い鯉は子どもを表しています。近年は家族構成に合わせて緑やオレンジの鯉を追加するのも一般的です。
こいのぼりの一番上にある矢車と吹き流しにも意味があります。矢車は「どこからでも見えるように」神様への目印の役割を果たし、カラカラと音を立てて邪気を払います。五色の吹き流しは中国の五行思想に基づいており、青(木)・赤(火)・黄(土)・白(金)・黒(水)の5つの要素が揃うことで魔除けの力があるとされています。
新米パパ
子どもに「なんで鯉が空を泳いでるの?」と聞かれました。なんて答えればいい?
カゾイロ博士
「昔々、滝を登りきった鯉が龍になったという伝説があるんだよ。だからこいのぼりは、みんなが元気に大きくなって、どんな困難にも負けないようにっていうお願いを込めて飾るんだよ」と伝えてみてください。中国の「登竜門」の伝説をもとにした説明が、お子さまにもわかりやすいですよ。

兜・五月人形の意味を親子で学ぶ

兜や鎧を飾る風習は、武家社会において男の子が戦場で身を守れるようにという願いから始まりました。現代では「お子さまに降りかかる災厄から身を守ってくれるお守り」としての意味合いが強くなっています。鎧兜は赤ちゃんの身代わりとなって厄を引き受けてくれると考えられています。
金太郎や桃太郎の人形を飾るのも人気があります。金太郎は「強くたくましい子に育つように」、桃太郎は「勇気と正義感のある子に育つように」という願いが込められています。お子さまに「この人形にはこんな願いが込められているんだよ」と教えてあげると、行事への理解が深まります。

CHAPTER 08
端午の節句を子どもと体験する遊び

端午の節句にちなんだ遊びを通じて、行事をより身近に感じてもらいましょう。新聞紙やチラシで折る「兜」は定番の工作遊びです。大きな新聞紙を使えば実際にかぶれるサイズの兜が作れます。マジックペンやシールでオリジナルの装飾を加えると、世界にひとつだけの特別な兜になります。
画用紙や折り紙で「こいのぼり」を作る工作も楽しいアクティビティです。トイレットペーパーの芯にカラフルな画用紙を巻いて、ウロコ模様のシールを貼れば立体的なこいのぼりが完成します。割り箸に紐で吊るせばミニこいのぼりの飾りになり、お部屋のインテリアとしても楽しめます。
TIP / 絵本で学ぶ端午の節句
『こいのぼりくんのさんぽ』『かぶとむしのぶんちゃん』『きんたろう』など、端午の節句にまつわる絵本を読み聞かせるのもおすすめです。絵本を通じて行事の意味を楽しく学べます。
端午の節句の行事や意味をお子さまに伝えることは、日本の伝統文化を次の世代に受け継ぐ大切な営みです。難しい言葉を使わなくても、「強くて元気な子になるようにってお願いする日だよ」「お魚さんが頑張って滝を登るみたいに、あなたも元気に大きくなってねっていう意味だよ」と、お子さまの年齢に合わせた言葉で伝えましょう。

端午の節句にまつわる歌と文化

「屋根より高いこいのぼり」で始まる童謡『こいのぼり』は、多くの日本人が子どもの頃に親しんだ歌です。大きいまごいはお父さん、小さいひごいは子どもたち。この歌をお子さまと一緒に歌いながらこいのぼりを眺めると、端午の節句がより楽しい体験になります。もうひとつの童謡『背くらべ』も端午の節句の歌として知られ、「柱の傷はおととしの五月五日の背くらべ」という歌詞が有名です。
端午の節句は菖蒲の節句とも呼ばれます。菖蒲の葉の鋭い形と芳香が邪気を払うとされ、古くから厄除けの植物として珍重されてきました。「菖蒲」は「尚武(武を尊ぶ)」や「勝負」に通じる音から、男の子の節句にふさわしい植物とされています。菖蒲湯に入る風習もこの考えに基づいています。
端午の節句にはもうひとつ、子どもに伝えたい昔の風習があります。平安時代のお宮では、薬玉(くすだま)というきれいな飾りを作っていました。薬玉は、よもぎやお花のよい香りのする草を丸くまとめて、赤・青・黄・白・黒の五色(ごしき)の糸を長く垂らしたもので、「悪いものを追い払うおまじない」として柱にぶら下げたのです。お子さまには「昔の人は、いい香りのするボールみたいな飾りを作って、みんなが元気でいられますようにってお願いしたんだよ」と伝えると、端午の節句の奥深さに興味を持つきっかけになるでしょう。
お子さまに端午の節句の意味を伝える際は、「あなたが元気に大きくなりますように」というシンプルなメッセージが一番です。難しい歴史や由来を完璧に教える必要はなく、家族で一緒にこいのぼりを見上げ、柏餅を食べ、菖蒲湯に入る。そうした体験を通じて自然に文化が伝わっていきます。大切なのは知識ではなく、「大切にされている」という実感を子どもに届けることです。

年齢別の端午の節句の楽しみ方

年齢おすすめの過ごし方ポイント
0〜1歳写真撮影・飾りを見せる五月人形と一緒に記念写真を。赤ちゃんが触れない位置に飾る
2〜3歳折り紙・シール遊びこいのぼりの塗り絵やシール貼りが楽しめる年齢
4〜5歳工作・菖蒲湯新聞紙兜作り、画用紙こいのぼり。菖蒲湯デビューも
6歳以上由来学習・料理の手伝い柏餅作りや、端午の節句の歴史を一緒に調べる
お子さまの年齢に合わせた楽しみ方を工夫することで、端午の節句は毎年違った魅力のある行事になります。0歳の時は飾りの前で記念写真を撮り、3歳になったら一緒にこいのぼりを作り、5歳になったら由来を教える。年を追うごとに深まるお子さまの理解と興味は、文化の継承そのものです。
端午の節句の本質は、お子さまの健やかな成長を家族全員で祝い、願うことにあります。こいのぼりのように力強く、兜のようにたくましく、柏餅のように家族とのつながりを大切にする。そんな人に育ってほしいという親の願いを、五月五日の青空の下で伝えてあげてください。
端午の節句には、お子さまが将来どんな人に育ってほしいか、家族で話し合ってみるのもよいでしょう。鯉のように力強く、兜を被る武将のように勇敢に、そして何より家族を大切にする人に。そんな願いを込めて、毎年の端午の節句を大切にお祝いしてください。
現代の端午の節句は、男の子だけでなく「こどもの日」として全ての子どもの成長を祝う日でもあります。性別に関係なく、お子さまの健やかな成長を家族で喜び、これからの人生にエールを送る。それが現代の端午の節句の姿です。
新米パパ
端午の節句の行事食を子どもに嫌がられました。無理に食べさせたほうがいい?
カゾイロ博士
無理に食べさせる必要はありません。行事食はあくまで文化を体験するきっかけです。柏餅が苦手なら、柏の葉の形のクッキーを一緒に作ったり、こいのぼりの形のサンドイッチにしたりと、お子さまが楽しめるアレンジで行事の雰囲気を味わえれば十分ですよ。
「端午の節句って何をする日なの?」とお子さまに聞かれたら、まずは「あなたが元気に大きくなりますようにってお祝いする日だよ」と答えてあげましょう。そこから「こいのぼりはね、お魚が頑張って滝を登るお話からきているんだよ」「兜はあなたを守ってくれるお守りなんだよ」と、お子さまの興味に合わせて少しずつ話を広げていけば十分です。
端午の節句の意味を100%正確に伝える必要はありません。お子さまが「自分は大切にされている」「家族みんなが自分の成長を喜んでくれている」と感じられること。それこそが、端午の節句を子どもに伝える本当の意義なのです。
端午の節句の由来を子どもと一緒に学ぶことは、日本の伝統文化に親しむ第一歩です。「なぜ鯉のぼりを飾るの?」「どうして柏餅を食べるの?」という子どもの素朴な疑問に、親子で答えを探す時間そのものが、かけがえのない思い出になります。
端午の節句を通じてお子さまに伝えたいのは、困難に負けない強さと、家族を想う優しさの両方です。鯉のぼりのように逆境を力強く乗り越え、菖蒲のように凛と咲く人に育ってほしい。そんな親の願いを、毎年の行事を通じて少しずつお子さまに伝えていきましょう。
端午の節句は、子どもの成長を家族で祝うことの喜びを再確認する日です。五月の青空に泳ぐこいのぼりのように、お子さまの未来が明るく広がっていくことを願っています。

CHAPTER 09
端午の節句に関するよくある質問

A.
もともと端午の節句は男女問わず厄除けの行事でしたが、武家社会で男の子の成長を祝う行事に変化しました。現在の「こどもの日」は性別を問わずすべての子どもの幸せを願う祝日です。女の子のいるご家庭でも、端午の節句を楽しんでいただいてまったく問題ありません。
A.
一般的には4月中旬ごろから飾り始め、5月5日の端午の節句が過ぎたら早めに片づけるのがよいとされています。遅くとも5月中旬までにはしまいましょう。雛人形のように「しまい遅れると婚期が遅れる」といった言い伝えは端午の節句の飾りにはありませんが、湿気による傷みを防ぐためにも早めの収納がおすすめです。
A.
必ずしも両方そろえる必要はありません。こいのぼりは「立身出世」、兜飾りは「厄除け・身を守る」と意味が異なりますが、住環境やご予算に合わせてどちらか一方でも構いません。最近はマンションのベランダ用の小さなこいのぼりや、コンパクトな兜飾りも人気です。
A.
端午の節句の行事食は地域によって異なります。関東では柏餅、関西ではちまきが主流です。そのほか、出世魚であるブリやスズキ、まっすぐ伸びるタケノコなど、縁起のよい食材を使った料理を食卓に並べるご家庭もあります。
A.
初節句とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎える端午の節句のことです。兜飾りやこいのぼりを用意し、両家の祖父母を招いてお祝いの食事会を開くのが一般的です。初節句の具体的な準備やマナーについては、初節句のお祝い方法で詳しく解説しています。
A.
明確な決まりはありませんが、3歳ごろから「元気に大きくなるためのお祝いの日」とシンプルに伝え始めるとよいでしょう。2歳以下の場合は、こいのぼりや兜を見せて「きれいだね」「かっこいいね」と声をかけるだけでも、行事に親しむ第一歩になります。
A.
もちろんです。端午の節句は現在「こどもの日」として、性別を問わずすべての子どもの成長を祝う日です。女の子にも「みんなが元気に大きくなれるようにお願いする日だよ」と伝えてあげましょう。

CHAPTER 10
まとめ

端午の節句は、子どもの健やかな成長を願う日本の大切な伝統行事です。こいのぼりには「強くたくましく育ってほしい」という願い、兜には「病気や災いから身を守ってほしい」という親の思い、柏餅には「家族が末永く続くように」という祈りが込められています。
お子さんに端午の節句を説明するときは、年齢に合わせてやさしい言葉を選び、目の前のこいのぼりや兜を指さしながら伝えてあげてください。工作や菖蒲湯、行事食づくりなど、親子で一緒に体験することで、端午の節句の意味は自然とお子さんの心に残っていきます
毎年の端午の節句を通じて、日本の伝統文化に触れる機会をお子さんに届けてあげましょう。端午の節句の詳しい解説もあわせてお読みいただくと、より深い知識が身につきます。