十三夜(じゅうさんや)は、旧暦9月13日の夜に月を愛でる日本独自のお月見行事です。十五夜(中秋の名月)が中国から伝わった風習であるのに対し、十三夜は平安時代に日本で生まれました。2027年の十三夜は10月12日(火)です。この記事では、十三夜の意味・由来から十五夜との違い、お供え物の並べ方、「片見月」の言い伝えまでわかりやすく解説します。

CHAPTER 01十三夜とは?意味と由来
十三夜とは、旧暦9月13日の夜に行うお月見のことです。十五夜が旧暦8月15日の満月を鑑賞するのに対し、十三夜は満月の少し手前の「十三日月」を楽しみます。完全な円ではなく、わずかに欠けた月に美しさを見出す感性は、日本人ならではの美意識といえるでしょう。
起源については、宇多天皇(うだてんのう)が旧暦9月13日の月を愛でたのが始まりとする説が有力です。宇多天皇は菅原道真の進言を受けて遣唐使を廃止したことで知られ、中国文化の模倣から日本独自の文化を育む転換点を作った天皇です。十三夜のお月見は、まさにその「日本らしさ」の象徴ともいえる行事です。
もうひとつの説として、醍醐天皇の時代に宮中で月見の宴が催されたことに由来するともいわれています。いずれにしても、十三夜は平安時代の宮廷文化から生まれた日本オリジナルの風習であり、十五夜のように中国にルーツを持つ行事とは性格が異なります。
2027年の十三夜はいつ?
2027年の十三夜は10月12日(火)です(2026年は10月23日(金)でした)。旧暦と新暦にはズレがあるため、十三夜の日付は毎年変わります。おおむね10月上旬〜11月上旬のどこかに当たります。
十三夜の日付(自動計算)
| 2026年 | 10月23日(金) |
|---|---|
| 2027年 | 10月12日(火) |
| 2028年 | 10月30日(月) |
二十四節気は太陽の位置、旧暦の行事は新月の日、干支の日は暦の巡りから計算しています。 正式な日付は、国立天文台が毎年2月に翌年分を発表する暦要項で確定します。「頃」は時刻が日付の変わり目に近く、前後する可能性がある日です。
| 年 | 十三夜の日付 | 曜日 |
|---|---|---|
| 2024年 | 10月15日 | 火 |
| 2025年 | 11月2日 | 日 |
| 2026年 | 10月23日 | 金 |
| 2027年 | 10月12日 | 火 |
| 2028年 | 10月30日 | 月 |
十三夜の別名「栗名月」「豆名月」「後の月」
十三夜にはいくつかの趣のある別名があります。
- 栗名月(くりめいげつ)
- 十三夜の頃が栗の収穫時期であることから。お供え物にも栗を使う
- 豆名月(まめめいげつ)
- 枝豆や大豆の収穫期にちなんだ呼び名
- 後の月(のちのつき)
- 十五夜(中秋の名月)の約1か月後に訪れることから
- 小麦名月(こむぎめいげつ)
- 一部の地域で、小麦の豊作を祈る呼び名として使われた
十五夜が「芋名月(いもめいげつ)」と呼ばれるのに対し、十三夜は「栗名月」「豆名月」。お供え物の違いが呼び名にそのまま反映されているのが面白いところです。
10月12日
2027年の十三夜(火)
栗名月
栗の収穫期にちなむ
日本独自
十五夜と違い中国由来ではない
CHAPTER 02十三夜と十五夜の違い
| 項目 | 十五夜(中秋の名月) | 十三夜 |
|---|---|---|
| 旧暦の日付 | 8月15日 | 9月13日 |
| 2027年の新暦 | 9月15日 | 10月12日 |
| 月の形 | 満月(十五日月) | 少し欠けた月(十三日月) |
| 起源 | 中国から伝来 | 日本独自の風習 |
| 別名 | 芋名月 | 栗名月・豆名月・後の月 |
| お供え物 | 月見団子15個・里芋・すすき | 月見団子13個・栗・枝豆・すすき |
| 天候 | 秋の長雨と重なることも | 「十三夜に曇りなし」(晴れやすい) |
新米パパ / 2歳児のパパ
十五夜は有名ですけど、十三夜はあまり聞かないですよね?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうですね。でも江戸時代までは十五夜と十三夜の両方を楽しむのが当たり前でした。片方だけ見るのは「片見月」といって縁起が悪いとされていたんですよ。
「片見月(かたみづき)」の言い伝え
十五夜だけ月見をして十三夜を見逃すことを「片見月(かたみづき)」「片月見(かたつきみ)」といい、縁起が悪いとされてきました。逆に、両方の月を楽しむことを「二夜の月(ふたよのつき)」といい、風流の証とされました。
江戸時代には、遊郭で十五夜にお客を招いた場合、十三夜にも同じ場所に来なければ「片見月で縁起が悪い」と言って再来を促す粋な営業手法もあったといわれています。季節の風習が社交の場にも組み込まれていた、当時の文化の奥深さがうかがえます。
CAUTION / 片見月にならないために
十五夜のお月見をした方は、ぜひ十三夜も忘れずに。2027年は十五夜が9月15日(水)、十三夜が10月12日(火)です。カレンダーに両日を書き込んでおくと安心です。
「十三夜に曇りなし」とは?
十五夜のころは秋の長雨のシーズンと重なり、雲に隠れて月が見えないことも珍しくありません。一方、十三夜は約1か月後のため秋が深まり、晴天率が高くなります。そこから「十三夜に曇りなし」という言葉が生まれました。お月見のコンディションとしては十三夜の方が恵まれているといえます。
CHAPTER 03十三夜のお供え物と楽しみ方

月見団子は13個 ── 並べ方のルール
十五夜では月見団子を15個供えますが、十三夜では13個供えるのが正式です。並べ方は以下のとおり。
- 011段目:9個(3×3)三方(さんぼう)や平皿の上に、3個×3列で正方形に並べます。
- 022段目:4個(2×2)1段目の上に、2個×2列を重ねます。合計13個でピラミッド型になります。
TIP / 簡単に楽しむなら
正式な並べ方にこだわらず、お皿に13個を並べるだけでも十分です。市販のみたらし団子や月見だんごを活用するのも手軽でおすすめ。
栗・枝豆・すすきを飾る
月見団子のほかに、十三夜ならではのお供え物を用意しましょう。
- 栗:「栗名月」の由来。茹で栗や栗ごはんをお供えに
- 枝豆・大豆:「豆名月」の由来。茹でた枝豆を小皿に盛る
- すすき:魔除けの意味を持つ秋の風物詩。3〜5本を花瓶に
- 秋の果物:柿、ぶどう、梨など旬の果物を彩りよく添える
現代の十三夜の楽しみ方
本格的なお供えを用意する家庭は減りましたが、十三夜を楽しむ方法はたくさんあります。栗ごはんを炊いて窓辺で月を眺めるだけでも風流なひとときになります。
- 栗ごはん+お月見:旬の栗を使った栗ごはんを食卓に。窓辺に小さなすすきを飾れば雰囲気も抜群
- 月見の和菓子:うさぎ型の練り切りや月見だんごを用意して、お茶の時間に
- ベランダや庭で夜空観察:十三夜は晴れやすいので、天体観測にもおすすめ
- 子どもと一緒に:月見団子を親子で手作りしたり、月の満ち欠けを観察日記に記録したり
新米パパ / 2歳児のパパ
2歳の子どもと一緒に楽しめる方法はありますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
白玉粉で一緒にお団子を丸めるのが一番おすすめですよ。小さい子でも粘土遊びの感覚で楽しめます。「お月さまに見せようね」と声をかけながら窓辺に飾れば、季節の行事が自然と身につきます。ただし、白玉団子はつるっとしてのどに詰まりやすい食べ物です。小さな子が食べるときは小さく作ってさらに切り分けたり、つぶしたりして、座って食べているかそばで見守ってくださいね。
CHAPTER 04三月見と月待ちの文化
十五夜・十三夜・十日夜の「三月見」
十五夜と十三夜に加えて、旧暦10月10日の「十日夜(とおかんや)」を合わせた3回の月見を「三月見(さんつきみ)」といいます。東日本を中心に伝わる風習で、三月見をすべて行うと「縁起が良い」とされてきました。
| 月見 | 旧暦 | 2027年の日付 | 別名・特徴 |
|---|---|---|---|
| 十五夜 | 8月15日 | 9月15日(水) | 中秋の名月・芋名月。中国由来 |
| 十三夜 | 9月13日 | 10月12日(火) | 栗名月・豆名月。日本独自 |
| 十日夜 | 10月10日 | 11月7日(日) | 収穫祭の性格が強い。東日本に多い |
十日夜は月の鑑賞というよりも収穫感謝の色合いが濃い行事で、稲の収穫を終えた田の神様に感謝する意味があります。かかしにお供え物をしたり、子どもたちがわら鉄砲で地面を叩いたりする地域もあります。
「月待ち」の風習 ── 二十三夜待ち
十五夜や十三夜のほかにも、特定の夜に月の出を待つ「月待ち(つきまち)」の風習がありました。なかでも旧暦23日の「二十三夜待ち」は江戸時代に特に盛んで、人々は夜更けに昇る下弦の月を待ちながら飲食や談笑を楽しみました。各地に残る「二十三夜塔」の石碑は、当時の月待ち文化の名残です。
CHAPTER 05十三夜に関するよくある質問
A.
2027年の十三夜は10月12日(火)です。旧暦9月13日にあたり、十五夜(9月15日)の約1か月後です。2026年は10月23日(金)でした。
A.
月見団子13個、栗、枝豆(大豆)、すすきが定番です。団子は1段目9個(3×3)、2段目4個(2×2)のピラミッド型に並べます。秋の果物を添えても華やかです。
A.
十五夜だけ見て十三夜を見逃すことを「片見月(かたつきみ)」といい、昔から縁起が悪いとされてきました。両方楽しむ「二夜の月」が理想です。
A.
十五夜は秋の長雨シーズンと重なりますが、十三夜は約1か月後で秋が深まっているため晴天率が高い傾向にあります。必ず晴れるわけではありませんが、お月見のコンディションは十三夜の方が恵まれています。
A.
十五夜は旧暦8月15日の満月を鑑賞する中国由来の行事、十三夜は旧暦9月13日の少し欠けた月を愛でる日本独自の行事です。お供え物も十五夜は里芋(芋名月)、十三夜は栗・豆(栗名月・豆名月)と異なります。
CHAPTER 06まとめ
十三夜は、旧暦9月13日に少し欠けた月を愛でる日本独自のお月見行事です。2027年は10月12日(火)。十五夜と合わせた「二夜の月」を楽しむのが古来の風流であり、栗や枝豆、月見団子13個を供えて秋の実りに感謝します。「十三夜に曇りなし」の言葉のとおり晴れやすい時期でもあるので、ぜひ窓辺やベランダから秋の名月を眺めてみてください。






