寒露(かんろ)は、二十四節気(にじゅうしせっき)の第17番目にあたる秋の節気で、2026年は10月8日頃に訪れます。「冷たい露が草花に宿る頃」という意味を持ち、秋が一段と深まる時期です。空気が澄み渡り、夜空の月や星がひときわ美しく見えるこの節気は、秋の味覚と紅葉を楽しむ絶好の季節でもあります。

CHAPTER 01意味と二十四節気の位置づけ
二十四節気は太陽の黄経をもとに一年を24等分した暦で、この節気は黄経195度の地点にあたります。秋分(しゅうぶん)の次、霜降の前に位置し、「露が冷気に当たって凍りそうになる」という季節の進行を表しています。
七十二候では「鴻雁来(こうがんきたる)」「菊花開(きくのはなひらく)」「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」の三候に分けられ、渡り鳥が飛来し、菊が咲き、虫の音が戸口に聞こえる晩秋の入口にふさわしい情景が暦に記されています。
10月8日頃
寒露の時期
第17番目
二十四節気の順番
露が冷たく感じる頃
名前の由来
CHAPTER 02旬の食べ物と食の楽しみ
この時期に旬を迎える食材は秋の実りの最盛期にあたります。
- 松茸:秋の味覚の王様。土瓶蒸しや炊き込みごはんが絶品
- 銀杏:茶碗蒸しや串焼きの定番。封筒に入れて電子レンジで手軽に調理も可能
- 柿:ビタミンCが豊富で「柿が色づくと医者が青くなる」の諺が有名
- 秋鮭:産卵のために川を遡上する秋鮭はちゃんちゃん焼きやムニエルに
菊の花を酢の物や吸い物に添える「食用菊」もこの時期ならでは。山形県や新潟県では「もってのほか」「かきのもと」の名で親しまれ、シャキシャキとした食感が楽しめます。
TIP / 寒露の旬の味覚
松茸、銀杏、新米、サンマ、栗などが旬を迎えます。「秋の味覚の王様」松茸は寒露の頃が最も出回る時期。新米も出始め、秋の食卓が豊かになる季節です。

寒露の頃に咲く金木犀(きんもくせい)
10月のはじめ頃、住宅街を歩いているとどこからともなくよい香りがしてきます。その香りの正体は金木犀(きんもくせい)。見上げると、オレンジ色の小さな花をくまなくつけた楕円形の木を見つけることができます。金木犀は寒露の頃に咲く秋の花の代表格で、その甘く華やかな香りは秋の訪れを五感で感じさせてくれます。
金木犀は、春の「沈丁花(じんちょうげ)」、初夏の「クチナシ」とともに「三香木(さんこうぼく)」のひとつに数えられ、日本を代表する香りの木として古くから親しまれています。中国では金木犀の花を「桂花(けいか)」と呼び、お茶(桂花茶)やお酒(桂花陳酒)、お菓子などの香りづけに用いられています。日本でも桂花茶は秋のティータイムにぴったりの飲み物として人気があります。
CHAPTER 03秋の行事と風物詩
この節気の頃は、各地で秋祭りが最盛期を迎えます。また、菊の花を観賞する「菊花展」が公園や神社で開催される時期でもあります。大輪の菊や懸崖仕立ての菊は匠の技の結晶で、毎年多くの愛好家や観光客が訪れます。
10月の第2月曜日はスポーツの日(旧・体育の日)にあたり、運動会やスポーツイベントが各地で催されます。空気が澄み、気温も過ごしやすいこの時期は、ハイキングや紅葉の始まった山歩きにも最適です。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
寒露の時期って何か行事はありますか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
寒露の頃は運動会や秋祭りが各地で開催される季節です。体育の日(スポーツの日)もこの時期ですね。菊の花が見頃を迎え、菊花展なども楽しめます。紅葉の便りも届き始めますよ。
CHAPTER 04時候の挨拶と暮らしのヒント
手紙やメールでは「寒露の候」「秋涼の折」「仲秋のみぎり」といった時候の挨拶が使えます。ビジネス文書では「寒露の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」が一般的です。
暮らしの面では、空気の乾燥が進み始める時期のため、保湿ケアや加湿器の準備を始めるとよいでしょう。朝晩の気温差が大きくなるため、薄手の羽織物を持ち歩くと安心です。夏物から秋冬物への衣替えを完了させるのもこの時期が目安となります。寒露を過ぎると日没が急激に早まり、17時前には暗くなる日も出てきます。秋の夜長を読書や映画鑑賞で楽しむのも、この季節ならではの過ごし方です。温かい紅茶やほうじ茶を片手に、ゆったりとした秋の時間を味わいましょう。寒露の頃は空気が乾燥し始めるため、喉や肌の保湿を意識することも大切です。旬の梨やぶどうには水分が豊富に含まれ、体の内側から潤いを補給できます。また、この時期はキンモクセイの甘い香りが街を包む季節でもあります。オレンジ色の小さな花が放つ芳香は秋の到来を五感で感じさせ、散歩やジョギングが一層楽しくなります。季節の花や食材を通じて、五感で秋を味わう暮らしを楽しんでみてください。運動会やスポーツの日のイベントで体を動かした後は、旬の食材をたっぷり使った食事で栄養を補給し、深まる秋を元気に過ごしましょう。秋晴れの日にはぜひ外に出かけて、澄んだ空気と色づく景色を満喫してみてください。
INFO / 寒露と霜降の違い
寒露は「露が冷たく感じる頃」、霜降は「霜が降りる頃」です。寒露(10月8日頃)から約15日後に霜降(10月23日頃)を迎え、秋が深まっていきます。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
寒露と霜降はどう違うのですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
寒露は「冷たい露が降りる頃」(10月8日頃)、霜降は「霜が降り始める頃」(10月23日頃)。寒露は秋の深まり、霜降は冬の入口と覚えると分かりやすいです。
A.
2026年の寒露は10月8日です。寒露の期間は約15日間で、10月23日頃の霜降まで続きます。
A.
「かんろ」と読みます。草木に冷たい露が降りる頃という意味です。
A.
「寒露の候」「秋冷の候」「朝夕めっきり涼しくなりました」などが使えます。
『日本のしきたりがまるごとわかる本』には、寒露(かんろ)について二十四節気の一つで、草木に冷たい露が宿り始める頃を表すと解説されています。秋の深まりとともに空気が澄み渡り、菊の花が咲き誇る「菊花の候」としても知られる季節です。この時期には各地で菊まつりが開催され、重陽の節句(9月9日)から続く菊を愛でる日本の風流な文化が寒露の季節をいっそう趣深いものにしています。
CHAPTER 05まとめ
寒露は秋が深まり、冷たい露が草花に宿り始める節気です。松茸や柿など秋の味覚が最盛期を迎え、菊花展や紅葉狩りなど行楽の楽しみも増える季節です。澄んだ秋空のもと、旬の食材と秋の行事を存分に楽しみましょう。

