寒露(かんろ)は、二十四節気の第17番目にあたる秋の節気です。「草花に降りた露が冷たく感じられる頃」という意味を持ち、2027年は10月8日(金)に訪れます。朝晩の冷え込みが増し、空気が澄み渡り、秋の味覚と紅葉を楽しむ絶好の季節が始まります。この記事では、寒露の意味・由来から七十二候、旬の食べ物、行事、時候の挨拶、暮らしのヒントまでわかりやすく解説します。

CHAPTER 01
寒露(かんろ)とは?意味・由来と二十四節気での位置づけ

寒露とは、「露が冷気に当たって凍りそうになる頃」を表す季節の言葉です。暦の上では「晩秋」に入る節目にあたり、秋分(しゅうぶん)の次、霜降(そうこう)の手前に位置します。太陽の黄経が195度に達する日が寒露の始まりで、二十四節気を春夏秋冬に分けると秋の5番目にあたります。
露に濡れたエノコログサ
寒露は、草木に冷たい露が降りるころ
「寒」の字が入っていますが、本格的な寒さはまだ先。日中は秋晴れが続き、過ごしやすい日が多い時期です。ただし朝晩は10℃前後まで冷え込むこともあり、空気の乾燥が進み始めます。秋の長雨シーズンが終わり、澄んだ空が広がるのがこの節気の大きな特徴です。
10月8日
2027年の寒露
黄経195°
太陽の位置
約15日間
寒露の期間(〜霜降前日)
◆寒露の日付(自動計算)
2026年10月8日(木)
2027年10月8日(金)
2028年10月8日(日)

二十四節気は太陽の位置、旧暦の行事は新月の日、干支の日は暦の巡りから計算しています。 正式な日付は、国立天文台が毎年2月に翌年分を発表する暦要項で確定します。「頃」は時刻が日付の変わり目に近く、前後する可能性がある日です。

白露・寒露・霜降はどう違う?

秋の二十四節気には「露」や「霜」の名がつく節気が3つ並びます。いずれも朝の水滴の変化で秋の深まりを表現しています。
秋の露・霜の節気の比較
節気時期の目安意味気温のイメージ
白露(はくろ)9月7日頃草に白い露が降りる朝晩涼しい
寒露(かんろ)10月8日頃露が冷たく感じられる朝晩冷え込む
霜降(そうこう)10月23日頃霜が降り始める初霜の便りも
白露では「露ができ始める」だったものが、寒露になると「その露が冷たくなる」、さらに霜降では「露が凍って霜になる」と段階的に寒さが進みます。露の冷たさの変化で秋の深まりを読み取る、日本の暦ならではの繊細な季節感です。

CHAPTER 02
寒露の七十二候(しちじゅうにこう)

二十四節気をさらに約5日ずつ3つに分けたものが七十二候です。寒露の三候は、渡り鳥・菊・虫の声という秋の自然の移ろいを鮮やかに描き出しています。

初候:鴻雁来(こうがんきたる)10月8日〜12日頃

シベリアで夏を過ごした雁(がん)が日本に渡ってくる頃。春の「鴻雁北(こうがんかえる)」と対になっており、渡り鳥の往復で半年の時の流れを表しています。宮城県の伊豆沼や新潟県の福島潟は、数万羽の雁が飛来する国内有数の越冬地として知られています。

次候:菊花開(きくのはなひらく)10月13日〜17日頃

菊の花が咲き始める頃。菊は「四君子(しくんし)」のひとつとして古来から高貴な花とされ、天皇家の紋章にも採用されています。各地で「菊花展」や「菊まつり」が開催されるのもこの時期です。大輪の菊や懸崖仕立ての菊は職人技の結晶で、毎年多くの愛好家が訪れます。

末候:蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10月18日〜22日頃

秋の虫が戸口で鳴く頃。寒さが増すにつれて、野原にいた虫たちが人家の近くに寄ってきます。古語で「きりぎりす」はコオロギを指しており、現在のキリギリスとは別の虫です。秋の夜長に耳を澄ませば、リーンリーンという繊細な虫の音が聞こえてきます。
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TIP / 七十二候の楽しみ方
七十二候は約5日ごとに移り変わります。「今日はどの候だろう?」と意識するだけで、いつもの通勤路や庭先の景色の変化に気づけるようになります。渡り鳥を探したり、菊の花を見つけたり、虫の声に耳を傾けたり。暦を手がかりに自然を観察するのが七十二候の楽しみ方です。

CHAPTER 03
寒露に旬を迎える食べ物

寒露は秋の実りが最も豊かな時期。山の幸も海の幸も旬を迎え、食卓が一気に華やかになります。
寒露の旬の食材
食材特徴・おすすめの食べ方
松茸秋の味覚の王様。土瓶蒸し・炊き込みごはん・焼き松茸で香りを堪能
栗栗ごはん・渋皮煮・モンブラン。収穫後しばらく寝かせると甘みが増すといわれる
柿「柿が色づくと医者が青くなる」の諺があるほどビタミンCが豊富
さつまいも焼き芋・スイートポテト・天ぷら。収穫後に寝かせると甘みが増す
秋鮭産卵のために川を遡上する秋鮭はちゃんちゃん焼き・ムニエルに
秋刀魚脂がのった旬の秋刀魚は塩焼きにすだちを添えて
銀杏茶碗蒸し・串焼きの定番。封筒に入れてレンジ加熱で手軽に。子どもは食べすぎると中毒を起こすことがあるので、小さな子には与えないか、ごく少量に
食用菊酢の物・吸い物に。山形の「もってのほか」、新潟の「かきのもと」が有名
新米パパ
新米パパ / 2歳児のパパ
食用菊って食べたことないんですが、どんな味なんですか?
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
ほんのりとした甘みと独特の香り、そしてシャキシャキした食感が特徴です。お浸しや酢の物が定番で、見た目も華やか。スーパーで「もってのほか」や「かきのもと」の名前で並ぶこともありますよ。

CHAPTER 04
寒露の花・行事・風物詩

金木犀(きんもくせい)── 秋を告げる香り

10月のはじめ、住宅街を歩いていると、どこからともなく甘い香りが漂ってきます。その正体は金木犀(きんもくせい)。オレンジ色の小さな花をびっしりとつけた姿は、秋の訪れを五感で感じさせてくれます。
金木犀は、春の「沈丁花(じんちょうげ)」、初夏の「クチナシ」とともに「三香木(さんこうぼく)」のひとつに数えられています。中国では「桂花(けいか)」と呼ばれ、花を使った桂花茶などで親しまれており、日本でも秋のティータイムに桂花茶を楽しむ人が増えています。

菊花展と菊まつり

七十二候「菊花開」のとおり、寒露の頃から各地で菊花展・菊まつりが開催されます。大輪仕立て、懸崖仕立て、菊人形など、職人が丹精込めた菊の芸術は圧巻です。新宿御苑の「菊花壇展」や川越の「菊まつり」は特に名高く、毎年多くの来場者で賑わいます。
寒露の頃に咲く菊の花
各地で菊花展・菊まつりが開催される

神嘗祭(かんなめさい)── 伊勢神宮の最重要祭

毎年10月15日〜17日に伊勢神宮で行われる神嘗祭は、その年に収穫された新穀を天照大御神に奉納する祭儀です。伊勢神宮にとって年間で最も重要な祭りとされ、天皇陛下もこの時期に新穀を捧げます。新嘗祭(にいなめさい・11月)が全国規模の収穫祭であるのに対し、神嘗祭は伊勢神宮に特化した「神様の新米の食べ初め」にあたります。

十三夜(じゅうさんや)── もうひとつのお月見

旧暦9月13日にあたる十三夜(2027年は10月12日(火))は、日本独自のお月見の風習です。十五夜(中秋の名月)の約1か月後に訪れ、「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。十五夜だけを愛でて十三夜を見ないのは「片見月」として縁起が悪いとされてきました。寒露の頃の夜空は澄み渡り、月がひときわ美しく見える季節です。
十三夜の月
十三夜は「栗名月」「豆名月」とも呼ばれる

CHAPTER 05
寒露の時候の挨拶と暮らしのヒント

時候の挨拶と例文

手紙やメールでは「寒露の候」「秋涼の折」「仲秋のみぎり」といった時候の挨拶が使えます。
寒露の時候の挨拶 例文
シーン例文
ビジネス文書寒露の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
目上の方への手紙秋冷の候、お変わりなくお過ごしでしょうか。
カジュアルな手紙朝晩めっきり涼しくなりましたが、お元気ですか。
結びの言葉秋も深まってまいりました。どうぞご自愛くださいませ。

衣替えと体調管理

寒露を過ぎると朝晩の気温差が10℃以上になることも珍しくありません。夏物から秋冬物への衣替えを完了させる目安がこの時期です。薄手のカーディガンやストールなど、脱ぎ着しやすい羽織物を持ち歩くと急な冷え込みにも対応できます。
秋の衣替え
寒露を目安に秋冬物への衣替えを
空気の乾燥が本格化するため、保湿ケアと加湿器の準備を始めましょう。旬の梨やぶどうは水分が豊富で、体の内側から潤いを補給できます。また、寒露の頃から日没が急に早まり、17時前に暗くなる日も出てきます。秋の夜長を読書や映画鑑賞で楽しむのも、この季節ならではの過ごし方です。
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INFO / 寒露の頃の暮らしチェックリスト
・夏物の片づけ&秋冬物を前面に出す
・毛布や厚手のパジャマを用意
・加湿器のフィルター掃除&スタンバイ
・インフルエンザ予防接種の予約を検討(13歳未満の子どもは2回接種が基本なので、早めに計画を)
新米パパ
新米パパ / 2歳児のパパ
寒露って聞き慣れない言葉ですけど、暮らしに活かすとしたらどんな場面ですか?
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
ひとことで言えば「秋の本番に切り替えるスイッチ」です。衣替え、布団の入れ替え、乾燥対策、インフルエンザの予防接種。寒露を目安にこれらを済ませておくと、冬の備えがスムーズになりますよ。

二十四節気一覧

一年を通した二十四節気の流れを一覧で確認しましょう。
二十四節気カレンダー
季節節気読み時期
春立春りっしゅん2月4日頃
春雨水うすい2月19日頃
春啓蟄けいちつ3月5日頃
春春分しゅんぶん3月20日頃
春清明せいめい4月4日頃
春穀雨こくう4月20日頃
夏立夏りっか5月5日頃
夏小満しょうまん5月21日頃
夏芒種ぼうしゅ6月5日頃
夏夏至げし6月21日頃
夏小暑しょうしょ7月7日頃
夏大暑たいしょ7月22日頃
秋立秋りっしゅう8月7日頃
秋処暑しょしょ8月23日頃
秋白露はくろ9月7日頃
秋秋分しゅうぶん9月22日頃
秋寒露かんろ10月8日頃
秋霜降そうこう10月23日頃
冬立冬りっとう11月7日頃
冬小雪しょうせつ11月22日頃
冬大雪たいせつ12月7日頃
冬冬至とうじ12月21日頃
冬小寒しょうかん1月5日頃
冬大寒だいかん1月20日頃

CHAPTER 06
寒露に関するよくある質問

A.
2027年の寒露は10月8日(金)です。期間は約15日間で、10月24日の霜降の前日まで続きます。2026年は10月8日(木)でした。
A.
「かんろ」と読みます。草花に降りた露が冷たく感じられる頃、という意味の二十四節気です。秋分の次、霜降の手前に位置し、晩秋の入口にあたります。
A.
白露(はくろ)は9月上旬、露ができ始める頃。寒露は10月上旬、その露が冷たく感じられる頃です。約1か月で秋が一段深まったことを「露の冷たさ」で表しています。
A.
「寒露の候」「秋冷の候」が定番です。カジュアルな手紙なら「朝晩めっきり涼しくなりましたが、お元気ですか」のように書くと自然です。
A.
初候「鴻雁来(こうがんきたる)」=雁の渡来、次候「菊花開(きくのはなひらく)」=菊の開花、末候「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」=秋の虫が戸口で鳴く。約5日ごとに自然の変化を描写しています。

CHAPTER 07
まとめ

寒露は「冷たい露が草花に宿る頃」を意味する、晩秋の入口を告げる節気です。松茸・栗・柿など秋の味覚が最盛期を迎え、金木犀の香りや菊花展、十三夜のお月見と、五感で秋を楽しめる季節でもあります。朝晩の冷え込みに備えて衣替えや乾燥対策を済ませつつ、深まる秋をたっぷり味わいましょう。