十五夜(じゅうごや)は、旧暦8月15日の夜に月を眺める日本の秋の行事です。「中秋の名月」とも呼ばれ、月見団子やすすきを飾って秋の実りに感謝します。2027年の十五夜は9月15日(水)。この記事では、十五夜の意味・由来から、お供え物の飾り方、十三夜・十日夜を含む三月見、子どもと楽しむお月見のアイデアまでわかりやすく解説します。

CHAPTER 01十五夜とは?中秋の名月の意味と2027年の日付
十五夜とは、旧暦8月15日の夜に見える月のことです。旧暦では7月〜9月が秋にあたり、その真ん中の8月15日は「中秋」と呼ばれます。この夜の月が「中秋の名月」です。
旧暦8月15日
十五夜の日付
中秋の名月
別名
芋名月
里芋をお供えすることから
中国から伝わった観月の文化
月を愛でる風習のルーツは中国の「中秋節」です。唐の時代に貴族のあいだで盛んだった観月の宴が、平安時代に遣唐使を通じて日本に伝わりました。平安貴族たちは池に映る月を眺めながら歌を詠み、酒や管弦を楽しむ雅やかな行事として定着させました。
武家社会から庶民の行事へ ── 月見の変遷
鎌倉・室町時代には月見は武家の教養として受け継がれ、連歌や茶の湯とともに楽しまれました。やがて江戸時代に入ると庶民のあいだでも月見が盛んになり、縁側にお供え物を並べて家族で月を眺める現在のスタイルが定着します。
江戸時代になると月見は庶民にも広がり、秋の収穫に感謝する行事としての色が強まります。ちょうどこの時期は里芋の収穫期にあたるため、十五夜は「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれるようになりました。
同じころ、吉原や各地の花街では十五夜に合わせた宴が催され、文学や浮世絵にも月見の場面が数多く描かれました。松尾芭蕉の「名月や池をめぐりて夜もすがら」をはじめ、月は俳句の代表的な秋の季語として今も親しまれています。
名月や池をめぐりて夜もすがら
2027年の十五夜はいつ?
2027年の十五夜は9月15日(水)です。十五夜は旧暦8月15日にあたるため、新暦では毎年日付が変わり、9月中旬〜10月上旬のいずれかの日になります。
十五夜(中秋の名月)の日付(自動計算)
| 2026年 | 9月25日(金) |
|---|---|
| 2027年 | 9月15日(水) |
| 2028年 | 10月3日(火) |
二十四節気は太陽の位置、旧暦の行事は新月の日、干支の日は暦の巡りから計算しています。 正式な日付は、国立天文台が毎年2月に翌年分を発表する暦要項で確定します。「頃」は時刻が日付の変わり目に近く、前後する可能性がある日です。
| 年 | 十五夜の日付 | 曜日 |
|---|---|---|
| 2026年 | 9月25日 | 金 |
| 2027年 | 9月15日 | 水 |
| 2028年 | 10月3日 | 火 |
| 2029年 | 9月22日 | 土 |
| 2030年 | 9月12日 | 木 |
十五夜は満月とは限らない
「十五夜=満月」と思われがちですが、実はずれることがあります。月の軌道は楕円のため、新月から満月までの日数は13.9日〜15.6日と幅があり、旧暦15日目と天文学上の満月が一致するとは限りません。
2027年の場合、十五夜は9月15日ですが、天文学上の満月は翌日の9月16日です。とはいえ肉眼ではほぼ丸い月に見えるため、お月見を楽しむのに支障はありません。
新米パパ / 2歳児のパパ
十五夜なのに満月じゃないこともあるんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。2027年は1日ずれますが、目で見る分にはほぼ真円ですよ。むしろ少し欠けた月を「完璧でないからこそ美しい」と愛でるのも、日本らしい感性ですね。
CHAPTER 02お月見のお供え物と飾り方
十五夜のお月見には、月見団子・すすき・秋の収穫物をお供えするのが一般的です。
月見団子 ── 15個の並べ方
月見団子は十五夜にちなんで15個を三方(さんぼう)や皿に盛ります。下から9個(3×3)→ 4個(2×2)→ 2個の三段に積むのが基本の並べ方です。白くて丸いお団子は満月を表しており、五穀豊穣を祈る意味が込められています。
TIP / お供え後は食べてOK
お供えした団子は「お下がり」として家族で食べるのが正しい作法です。月の力を体に取り込むという意味があります。あんこやきな粉をつけていただきましょう。
すすき ── 稲穂の代わりと魔除け
十五夜の頃はまだ稲刈り前のため、稲穂に似たすすきを代わりに飾るようになりました。すすきの鋭い切り口には魔除けの力があるとされ、お月見のあとに軒先に吊るす地域もあります。秋の七草を添えるとさらに華やかです。
秋の収穫物 ── 「芋名月」のお供え
里芋・さつまいも・栗・柿・ぶどうなどの秋の旬の食材をお供えします。特に里芋は十五夜の時期の代表的な収穫物で、「芋名月」の名はここから来ています。お供えの品数に決まりはないため、手に入る旬のものを飾れば十分です。
お供え物の飾り方
お月見のお供え物は、月が見える方角(南東〜南)に向けて飾るのが基本です。専用の月見台がなくても、縁側や窓辺にテーブルを置けば十分です。
- 01三方(さんぼう)または大きめの皿を用意する三方がなければ木の台やお盆でも代用できます。白い布を敷くと清潔感が出ます。
- 02月見団子を中央に積む15個を下から9個(3×3)→ 4個(2×2)→ 2個の三段に。崩れやすいので団子同士を少し押し付けて密着させます。
- 03すすきを花瓶に挿して左右どちらかに置く3〜5本が見栄えの目安。秋の七草を混ぜると華やかになります。
- 04秋の収穫物を周囲に並べる里芋・栗・柿・ぶどうなど。高さに変化をつけると美しいです。

子どもと月見団子を作る
月見団子は、白玉粉に水を少しずつ加えて耳たぶくらいのやわらかさにこね、丸めてゆでるだけで作れます。水の代わりに絹ごし豆腐を混ぜてこねる「豆腐白玉」にすると、時間がたっても硬くなりにくく、なめらかな口当たりになります。丸める作業は2〜3歳の子どもでも楽しめるので、親子で15個並べてみてください。
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地域で異なる月見団子
月見団子の形は地域によってさまざまです。関東では白くて丸い団子が定番ですが、関西では里芋の形をした細長い団子にあんこを巻いて作ります。名古屋では里芋型の三色団子、沖縄では「ふちゃぎ」という小豆をまぶした餅が伝統的です。
| 地域 | 特徴 |
|---|---|
| 関東 | 白くて丸い団子を15個積み上げる |
| 関西 | 里芋の形をした細長い団子にこしあんを巻く |
| 名古屋 | 里芋型の三色団子(白・茶・ピンク) |
| 沖縄 | ふちゃぎ(小豆をまぶした餅) |
CHAPTER 03十三夜・十日夜 ── 三月見の文化
日本には十五夜のほかに「十三夜」と「十日夜」の月見があり、合わせて「三月見(さんつきみ)」と呼ばれます。十五夜が中国伝来の行事であるのに対し、十三夜は日本で生まれた独自の月見です。
| 名称 | 旧暦の日付 | 2027年の新暦 | 別名 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 十五夜 | 8月15日 | 9月15日(水) | 芋名月 | 中国伝来。里芋をお供えする |
| 十三夜 | 9月13日 | 10月12日(火) | 栗名月・豆名月 | 日本独自。栗や枝豆をお供えする |
| 十日夜 | 10月10日 | 11月7日(日) | 田の神の月見 | 収穫祭。主に東日本の風習 |
「片見月」は縁起が悪い?
十五夜だけ月見をして十三夜を見ないことを「片見月(かたみづき)」と言い、縁起が悪いとされてきました。江戸時代の吉原では、十五夜に来た客が十三夜にも来るよう「片見月は不吉」と宣伝したという逸話も残っています。
INFO / 十三夜の詳細はこちら
十三夜の由来・お供え物・楽しみ方については「十三夜とは?」の記事で詳しく解説しています。
CHAPTER 04家族で楽しむお月見と月の豆知識
特別な準備がなくても、お月見は気軽に楽しめます。夜空を見上げて秋の訪れを感じることが何よりのお月見です。

- 月見団子を手作りする ── 白玉粉と上新粉を混ぜて丸めるだけ。子どもと一緒に作れる
- すすきを飾る ── 近所の河原や花屋で手に入る。花瓶に数本挿すだけで雰囲気が出る
- 縁側やベランダで月を眺める ── 十五夜の月は日没のころに東の空から昇るので、夕食後の早い時間でも東〜南東の空に見つけられる
- 月にまつわる絵本を読む ── 小さな子どもがいる家庭では、お月見の絵本で行事を伝えられる
- 月の模様を探す ── 日本では「餅つきうさぎ」、海外では「カニ」「女性の横顔」に見えるとも
新米パパ / 2歳児のパパ
2歳の子どもでもお月見を楽しめますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
もちろんです。お団子を一緒に丸めたり、「お月さま、まんまるだね」と話しかけたりするだけでも立派なお月見ですよ。小さいうちから季節の行事に触れることが大切です。
月見どろぼう ── 子どもがお供えをもらう風習
かつて十五夜の夜には、子どもたちが近所の家のお供え物をこっそり持ち去る「月見どろぼう」という風習がありました。盗まれた家は「お月さまが食べてくれた」と喜び、盗まれるほど縁起が良いとされました。
現在でも東海地方などの一部の地域では、子どもたちが家々を回ってお菓子をもらう行事として残っています。日本版の「トリック・オア・トリート」とも言えるユニークな風習です。
月見そば・月見うどん・月見バーガー
卵を満月に見立てた「月見そば」「月見うどん」も秋の味覚です。温かいかけそばに生卵を落とした姿が、夜空に浮かぶ満月のように見えることから名付けられました。近年では大手ファストフードチェーンが秋限定で「月見バーガー」を販売し、現代の秋の風物詩としても定着しています。
月の満ち欠けと呼び名
旧暦では月の見え方で日付を把握していたため、月齢ごとにさまざまな名前が付けられています。十五夜の「十五」も月齢15日目を意味しています。
- 新月(しんげつ)
- 月が見えない状態。旧暦ではこの日が月の1日目にあたる
- 三日月(みかづき)
- 旧暦3日目ごろの細い月。英語ではクレセントムーン
- 上弦の月(じょうげんのつき)
- 旧暦7〜8日目。右半分が光る半月
- 十三夜月(じゅうさんやづき)
- 旧暦13日目。満月の少し手前の美しい月
- 十五夜(じゅうごや)
- 旧暦15日目。ほぼ満月で、お月見の対象となる月
- 十六夜(いざよい)
- 旧暦16日目。満月の翌日で、少しためらうように遅れて昇る
- 立待月(たちまちづき)
- 旧暦17日目。立って待つうちに昇る月
- 居待月(いまちづき)
- 旧暦18日目。座って待つころに昇る月
INFO / 「月読命」── 月の神さまの名の由来
日本神話で月をつかさどる神「月読命(ツクヨミノミコト)」の「読む」は、月齢を数える(=読む)ことに由来するという説があります。月の満ち欠けで日を数えていた古代の暮らしが、名前に残っているのかもしれません。
月にまつわる美しい日本語
日本語には月にまつわる表現が数多くあり、日本人がいかに月を身近に感じてきたかがわかります。
- 花鳥風月(かちょうふうげつ)
- 自然の美しさを愛でること。日本的な美意識の象徴
- 雪月花(せつげつか)
- 雪・月・花。季節を代表する三つの風物詩
- 月夜に提灯(つきよにちょうちん)
- 必要のないもののたとえ。明るい月があれば灯りは要らない
- 月が綺麗ですね
- 夏目漱石が「I love you」をこう訳したという逸話で知られる言葉。ただし漱石の著作などに記録はなく、後世の俗説とされる
十五夜が曇りで月が見えない夜を「無月(むげつ)」、雨が降る夜を「雨月(うげつ)」と呼びます。日本では月が見えないことを嘆くのではなく、雲の向こうの月を想像して楽しむのが風流とされてきました。見えない月にも趣を見出すのは、日本の美意識ならではです。
全国のお月見スポットとイベント
自宅でのお月見も素敵ですが、各地の名所やイベントに足を運ぶと一味違った月見を体験できます。お寺や庭園では、ライトアップや雅楽の演奏とともに名月を楽しめる催しが開かれることも。
| 地域 | スポット | 特徴 |
|---|---|---|
| 京都 | 大覚寺「観月の夕べ」 | 大沢池に映る月を舟上から眺める。平安時代の雅を追体験 |
| 京都 | 下鴨神社「名月管絃祭」 | 中秋の名月の夜に、雅楽や舞楽が奉納される |
| 滋賀 | 石山寺「秋月祭」 | 紫式部が『源氏物語』の着想を得たと伝わる寺で、名月を眺める |
| 奈良 | 采女祭(うねめまつり) | 猿沢池で花扇を浮かべる幻想的な祭り |
| 横浜 | 三溪園「観月会」 | 三重塔と名月の共演。お茶席やお囃子も |
TIP / お月見スポット選びのコツ
月は東〜南東の空から昇るので、その方角が開けた場所を選びましょう。高台・海辺・広い公園は空が広く見渡せておすすめです。各地の観月行事は年によって日程や予約方法が変わるため、事前に公式サイトで確認してください。
CHAPTER 05十五夜に関するよくある質問
A.
はい、どちらも旧暦8月15日の月を指す同じ意味の言葉です。「十五夜」は日付に由来する呼び方、「中秋の名月」は秋の真ん中の名月という意味です。
A.
2027年の十五夜は9月15日(水)です。天文学上の満月は翌日の9月16日ですが、肉眼ではほぼ丸い月が楽しめます。
A.
十五夜には15個をお供えするのが一般的です。下から9個・4個・2個の三段に積み上げます。十三夜の場合は13個です。
A.
お月見が終わったあとに「お下がり」として食べるのが正しい作法です。月の力を体に取り込むという意味があり、翌日に食べても構いません。
A.
曇りで月が見えないお月見を「無月(むげつ)」、雨の場合を「雨月(うげつ)」と呼びます。見えなくても雲の向こうの月を想いながらお供え物を楽しむのが風流とされています。
A.
十五夜は旧暦8月15日で中国伝来の行事、十三夜は旧暦9月13日で日本独自の風習です。十五夜は里芋をお供えするため「芋名月」、十三夜は栗や豆をお供えするため「栗名月」「豆名月」と呼ばれます。
A.
十五夜当日の夜がメインですが、前後数日も月は美しく見えます。十五夜の翌日の月は「十六夜(いざよい)」と呼ばれ、これも風流なお月見として楽しまれてきました。
A.
もちろんできます。月が見える方角にテーブルを出し、お団子とすすきを飾るだけで立派なお月見になります。高層階なら街の明かりに邪魔されず、より美しい月を楽しめることも多いです。
CHAPTER 06まとめ
十五夜は、秋の実りに感謝しながら美しい月を眺める日本の伝統行事です。2027年の十五夜は9月15日(水)で、満月は翌16日です。月見団子を15個並べ、すすきと里芋や栗などの秋の味覚を供えて、家族で秋の夜長を楽しんでみてください。十五夜のあとは、十三夜(2027年は10月12日)・十日夜(11月7日)の月見まで楽しめば、秋をより深く味わえます。






