体育の日(スポーツの日)は、スポーツを楽しみ健康な心身を培う趣旨で制定された日本の国民の祝日です。2026年は10月12日(月曜日)。1964年の東京オリンピック開会式を記念して生まれたこの祝日について、由来や歴史、おすすめの過ごし方を解説します。
CHAPTER 01体育の日とは?由来と歴史
体育の日は、1964年10月10日に開催された東京オリンピックの開会式を記念して制定された祝日です。1966年に「国民の祝日に関する法律」の改正により正式に祝日となりました。
制定当初は毎年10月10日が固定日でしたが、2000年のハッピーマンデー制度の導入により、10月の第2月曜日に変更されました。さらに2020年には名称が「スポーツの日」に改められ、「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」という趣旨に更新されています。
1964年の開会式の日に10月10日が選ばれたのは、東京の過去の気象データから晴れの確率が最も高い日だったためです。実際、開会式当日は見事な秋晴れに恵まれました。
INFO / 日本の運動会の起源
日本最初の「運動会」は、1874年(明治7年)に海軍兵学校で、イギリス人教師に指導されて行われた、アスレチックスポーツとレクリエーションを組み合わせた「競闘遊戯会(きょうとうゆうぎかい)」とされています。「運動会」という言葉は1883年(明治16年)から東京大学で使いはじめ、後に初代文部大臣の森有礼(もりありのり)が集団訓練として運動会を勧めたことで、小中学校でも広く行われるようになりました。現在では秋の風物詩として全国の学校で親しまれています。
なお、「運動会」の名称が初めて使われたのは三崎学校だとされています。また、明治11年(1878年)には札幌農学校で「遊戯会」が開催されるなど、各地で独自の名称による体育行事が広がっていきました。運動会は文学の世界にも登場し、夏目漱石の「三四郎」や二葉亭四迷の「浮雲」には運動会の場面が描かれています。明治期の運動会は単なる体育行事ではなく、近代日本の国民文化として社会に定着していったのです。
10月第2月曜
2026年のスポーツの日
1964年
東京オリンピック開会式
2020年
「スポーツの日」に名称変更

CHAPTER 022026年のスポーツの日
2026年のスポーツの日は10月12日(月曜日)です。土曜日から3連休となるため、スポーツイベントへの参加や行楽に最適な時期です。
多くの自治体や企業では、この祝日に合わせて体育館やプールの無料開放、市民マラソン大会、スポーツ体験教室などを開催しています。家族で参加できるイベントも多いため、事前にお住まいの地域のイベント情報をチェックしておくとよいでしょう。自治体の広報紙やウェブサイトに詳細が掲載されています。
CHAPTER 03おすすめの過ごし方
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
スポーツの日、小さい子どもと何をして過ごすのがおすすめですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
各地の体育館やスポーツ施設で無料開放イベントが開催されることが多いですよ。親子で参加できる運動教室や、ミニ運動会なども人気です。公園でかけっこやボール遊びでも十分楽しめます。
体を動かす
- 地域のスポーツイベントに参加:市民マラソン、ウォーキング大会、運動会など
- 家族でアウトドア:サイクリング、ハイキング、公園でのキャッチボール
- 施設を活用:プールやジムの無料・割引開放を利用する
観戦・学び
- スポーツ観戦:プロ野球、Jリーグ、ラグビーなどの秋のスポーツを楽しむ
- 博物館・資料館:日本オリンピックミュージアムなどスポーツの歴史を学べる施設を訪問
CHAPTER 04運動習慣のきっかけに
スポーツの日は、運動習慣を始める良いきっかけになります。厚生労働省の調査によると、日本人の約半数が運動習慣を持っていないとされており、この祝日をきっかけに体を動かすことの楽しさを再発見する方も少なくありません。
初心者におすすめなのはウォーキングです。特別な道具も不要で、近所の公園や川沿いを30分歩くだけでも健康効果が期待できます。秋の心地よい気候の中で、自分のペースで始められるのが魅力です。ジョギングやヨガ、サイクリングなど、自分に合った運動を見つけて、祝日をきっかけに継続してみましょう。
CHAPTER 05武芸からスポーツへ -- 日本の身体文化
武芸の伝統
日本の身体文化は近代スポーツの導入以前から豊かな伝統を持っていました。江戸時代には馬術・剣術・弓術が武士のたしなみとして盛んに行われ、中でも京都三十三間堂の「通し矢」は壮絶な記録合戦として知られています。約120メートルにおよぶ堂の端から端まで矢を射通すこの競技は、各藩の名誉をかけた一大イベントでした。また、馬上から的を射る流鏑馬(やぶさめ)は鎌倉時代から続く古武術であり、現在も神社の祭礼で披露される日本の伝統的な身体文化です。
山中鹿之助と「憂きことの」の歌
戦国時代の武将山中鹿之助(幸盛)は、主家・尼子氏の再興を願い、三日月に祈りを捧げた逸話で知られています。鹿之助が詠んだとされる歌「憂きことの なほこの上に 積もれかし 限りある身の 力ためさん」は、「つらいことよ、もっと降りかかるがいい。この限りある身の力を試してやろう」という意味です。どんな困難にも屈しない不屈の精神と、鍛え抜かれた身体を象徴するこの武将の生き様は、いわば日本古来のスポーツマンシップの原型ともいえるでしょう。尼子氏を救おうとした鹿之助のネバーギブアップの心意気は、現代のスポーツにも通じる精神です。
パ
新米パパ / 子育て中の父親
山中鹿之助の「憂きことの なほこの上に 積もれかし」って、わざわざ自分から苦労を求めたんですか? すごい根性ですね。
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。「限りある身の 力ためさん」という下の句に、困難を乗り越えて自分を鍛え上げようという強い意志が込められています。スポーツの日に改めて、身体を鍛えることの精神的な意味を考えてみるのもいいですね。
CHAPTER 06体育の日にまつわる豆知識
INFO / 10月10日は晴れの特異日?
旧体育の日の10月10日は「晴れの特異日」としても有名です。1964年の東京オリンピックの開会式がこの日に設定されたのも、統計的に晴天率が高いことが理由の一つでした。
- 10月10日は今も「体育の日」?:法律上は10月第2月曜日に移動済みだが、10月10日を「旧体育の日」として記憶している人は多い
- 名称変更の理由:「スポーツ」は「体育」より広い概念で、競技だけでなくレクリエーションや健康づくりも含む
- 世界のスポーツの日:国連は4月6日を「開発と平和のためのスポーツの国際デー」に制定しており、スポーツの持つ社会的な力が世界的に注目されている
TIP / 運動習慣のきっかけに
スポーツの日をきっかけに、家族で週末に体を動かす習慣を始めてみませんか。週に150分の中程度の運動が健康維持に推奨されています。
A.
2020年に「体育の日」から「スポーツの日」に名称が変更されました。「スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う」日とされています。
A.
2000年のハッピーマンデー制度により、固定の10月10日から10月の第2月曜日に移動しました。3連休を作り、国民の余暇活動を促進する目的があります。
A.
2026年のスポーツの日は10月12日(月曜日)です。10月の第2月曜日にあたります。
CHAPTER 07日本で最初の運動会 -- 海軍兵学寮の記録
日本で最初の運動会は、明治七年(一八七四)に海軍兵学寮で開催されました。開会の合図には大砲が用いられたとされ、当時の軍事教練の色合いが強い催しでした。その後、学校での運動会は各地に広まり、やがて秋の恒例行事として全国に定着していきました。
『日本のしきたりがまるごとわかる本』によれば、スポーツの日のルーツである体育の日は1964年の東京オリンピック開会式が行われた10月10日を記念して制定された祝日です。秋は「天高く馬肥ゆる秋」と称されるように澄んだ空気と過ごしやすい気候がスポーツに最適な季節であり、収穫を終えた農村部では秋祭りに合わせて運動会を行う風習もありました。季節の移り変わりとともに体を動かす喜びを感じるこの祝日は、日本の暦文化にも深く根ざしています。
CHAPTER 08まとめ
体育の日(スポーツの日)は、1964年の東京オリンピック開会式を記念して制定された祝日です。2020年に「スポーツの日」へ名称変更され、スポーツを通じた健康づくりと他者への敬意を促す日として位置づけられています。2026年は10月12日の3連休を活用して、スポーツに親しむ秋の一日を楽しんでみてはいかがでしょうか。

