秋分(しゅうぶん)の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」ことを趣旨とする国民の祝日として親しまれています。毎年9月22日〜23日頃に訪れ、昼と夜の長さがほぼ等しくなる天文学的にも重要な節目でもあります。2026年は9月23日にあたります。この記事では意味・由来・お彼岸の風習から秋の味覚まで解説します。
CHAPTER 01秋分の意味と2026年の日付
秋分は二十四節気(にじゅうしせっき)の第16番目にあたる節気で、太陽の黄経が180度に達する日です。この日は太陽が真東から昇り真西に沈むため、昼と夜の長さがほぼ等しくなります。2026年は9月23日(水曜日)が秋分の日です。
天文学的には太陽が秋分点を通過する瞬間を指し、国立天文台の計算に基づいて毎年2月に翌年の日付が官報で公表されます。この日を境に日照時間が短くなり、秋の深まりを実感する季節へと移っていきます。
もともと秋分の日は、宮中で天皇が歴代天皇の霊を祀る「秋季皇霊祭」として執り行われていた祭日でした。1948年(昭和23年)に「国民の祝日に関する法律」が制定された際、秋季皇霊祭が「秋分の日」として国民の祝日に改められ、「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日と定められたのです。
9月22日頃
秋分の日の時期
昼夜等分
昼と夜の長さがほぼ同じ
お彼岸の中日
秋のお彼岸
CHAPTER 02お彼岸の風習と過ごし方
この祝日を中日(ちゅうにち)として前後3日間を合わせた7日間が「秋彼岸」です。最初の日を「彼岸の入り」、最後の日を「彼岸の明け」と呼びます。この期間にはお墓参りをして先祖を供養するのが日本の伝統的な風習です。お墓の掃除をし、花や線香を供えて手を合わせましょう。
NOTE / あの世とこの世が最も近づく日
秋分の中日には太陽が真東から昇り真西に沈みます。仏教では西の彼方に「西方浄土(さいほうじょうど)」があると考えられており、太陽が真西に沈むこの日はあの世(彼岸)とこの世(此岸)が最も近づく日とされてきました。お彼岸にお墓参りをする風習は、この考えに基づいています。
お彼岸のお供え物の定番はおはぎです。もち米をあんこで包んだおはぎは、秋の萩(はぎ)の花に見立てて名付けられたとされています。春のお彼岸では同じものを「ぼたもち」と呼び、牡丹(ぼたん)の花に由来します。小豆の赤い色には邪気を払う力があると信じられてきました。
INFO / 秋のお彼岸
秋分の日を中日として前後3日間がお彼岸です。お墓参りをしておはぎをお供えします。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、残暑が和らぎ過ごしやすくなる時期です。
CHAPTER 03旬の食べ物と秋の味覚
秋の味覚が最も充実する季節です。栗や松茸、秋刀魚、柿、梨など、食卓が豊かに彩られます。栗ご飯や松茸の土瓶蒸し、秋刀魚の塩焼きなど、この時期ならではの贅沢な料理を楽しみましょう。
新米も出回る時期で、ツヤツヤに炊き上がった白米は秋の最高のご馳走です。ぶどうやりんごなどの果物も旬を迎え、味覚狩りのレジャーにも最適な季節です。季節の恵みに感謝しながら、豊かな秋の食卓を囲みましょう。

パ
新米パパ / 2歳児のパパ
春分(しゅんぶん)のお彼岸と秋分のお彼岸で違いはありますか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
基本的に同じようにお墓参りをしますが、お供え物が違います。春は「ぼた餅(牡丹餅)」、秋は「おはぎ(お萩)」。同じお菓子ですが、季節の花の名前で呼び分けるのが日本の粋ですね。
CHAPTER 04秋のお彼岸の準備とマナー
お彼岸のお墓参りでは、掃除道具(ほうき、ぞうきん、バケツ)、お花、線香、ろうそく、ライター、お供え物を持参しましょう。墓石を丁寧に水洗いし、雑草を抜いて周囲をきれいに整えます。お供え物は参拝後に持ち帰るのがマナーです。
遠方でお墓参りが難しい場合は、自宅の仏壇に手を合わせるだけでも十分です。おはぎやお花を供え、故人を偲ぶ時間を持ちましょう。最近ではオンラインでの法要(ほうよう)サービスも広まっており、離れていても供養の気持ちを表すことができます。
CHAPTER 05秋の自然と文化
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉の通り、この頃には夏の暑さがすっかり和らぎ、過ごしやすい気候になります。彼岸花(曼珠沙華)が田んぼの畦道を赤く染める光景は、秋の風物詩として親しまれています。
秋分の日の風物詩として最も印象的なのが、畦道や川土手を鮮やかな赤に染める彼岸花(ひがんばな)です。その正式な名は曼珠沙華(まんじゅしゃげ)といい、仏教の経典に登場する「天上の花」に由来します。曼珠沙華はサンスクリット語で「天界に咲く赤い花」を意味し、おめでたい兆しとして古くから尊ばれてきました。一方、日本各地では「死人花(しびとばな)」「幽霊花」「地獄花」など不吉な別名も数多く、お墓の周辺に群生することから死者との結びつきが強く意識されてきました。こうした相反するイメージが共存するのは、彼岸花がまさに此岸と彼岸の境界に咲く花であることの表れといえるでしょう。
彼岸花には「葉見ず花見ず」という言い伝えがあります。花が咲くときには葉がなく、葉が茂るときには花がない――花と葉が決して出会わないその姿から、韓国では「相思華(サンチョ)」と呼ばれ、互いを想いながら会えない切ない恋の象徴とされています。また、彼岸花の球根にはアルカロイド系の毒が含まれており、かつてはモグラやネズミから田畑や墓地を守るために意図的に植えられました。秋分の日にお墓参りへ向かう道すがら目にする彼岸花の群生は、先人たちが大切なものを守ろうとした知恵の名残であり、命のつながりを静かに語りかけてくれる秋の使者なのです。
紅葉シーズンの始まりでもあり、北海道や標高の高い山々では色づきが始まります。ハイキングやドライブで美しい景色を楽しむのもこの季節のおすすめの過ごし方です。空気が澄んで星空も美しくなるため、天体観測にも適した時期です。秋は運動にも最適で、マラソンやサイクリング、ハイキングなど屋外のスポーツを楽しむ方が増えます。気持ちの良い秋晴れの下で体を動かせば、心身ともにリフレッシュできるでしょう。読書の秋、芸術の秋とも称されるこの季節を、さまざまな楽しみ方で満喫してください。

TIP / 秋分の日の過ごし方
「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日とされる秋分の日。家族でお墓参りをし、秋の味覚を楽しみましょう。彼岸花が咲き、コスモスも見頃を迎える美しい季節です。
CHAPTER 06秋の七草
秋分の頃に咲きそろう秋の七草。春の七草は食べて無病息災を願うのに対し、秋の七草は眺めて楽しむ花です。お供えの「おはぎ」の名前は「萩」に由来しています。
- 萩(はぎ): 万葉集で140首以上詠まれた秋を代表する花。草花ではなく落葉低木。花言葉は「思案」
- 尾花(おばな): ススキのこと。万葉集でも多く詠まれ、穂が風になびく姿に風情がある。花言葉は「活力」「勢力」
- 葛(くず): 花は秋の代表格。根からくず粉がとれる。花言葉は「治癒」
- 撫子(なでしこ): 日本女性を指す「大和撫子」の由来となった花。花言葉は「純愛」「純粋な愛」
- 女郎花(おみなえし): たおやかな美人にたとえられる花。万葉集では14首詠まれている。花言葉は「美人」
- 藤袴(ふじばかま): 香りが強く、平安貴族が衣服や髪につけていた花。花言葉は「ためらい」
- 桔梗(ききょう): 万葉集に登場する「朝顔」とは桔梗を指すといわれる。根は漢方にも使われる。花言葉は「誠実」「気品」
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
秋分の日のおはぎとお彼岸のぼたもちは同じものですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
基本的に同じものです。春のお彼岸では「ぼたもち(牡丹餅)」、秋のお彼岸では「おはぎ(お萩)」と、季節の花にちなんで呼び分けます。こしあんと粒あんの違いとする説もありますが、地域によってまちまちです。
A.
2026年の秋分の日は9月23日(水曜日)です。
A.
いいえ。国立天文台の天文計算で毎年決定されます。9月22日か23日のどちらかになります。
A.
基本的に同じお菓子で、春は牡丹にちなんで「ぼた餅」、秋は萩にちなんで「おはぎ」と呼びます。
CHAPTER 07まとめ
秋分の日は2026年9月23日で、祖先を敬い亡き人を偲ぶ国民の祝日です。お彼岸のお墓参りやおはぎの文化、秋の味覚や紅葉など、この時期ならではの楽しみが満載です。季節の移ろいを感じながら、先祖への感謝の気持ちを大切にしていきましょう。お彼岸にはぜひお墓参りに出かけて、家族の歴史に思いを馳せてみてください。

