「あかりをつけましょ ぼんぼりに」で始まる「うれしいひなまつり」は、1936年(昭和11年)にサトウハチローが作詞、河村光陽が作曲した童謡です。毎年口ずさむ歌ですが、実は歌詞に「間違い」といわれる部分があります。この記事では、歌に込められた意味と、間違いといわれる理由を解説します。
飾られた雛人形
歌詞に出てくる人形を、実際の雛人形と見比べてみましょう

CHAPTER 01
「うれしいひなまつり」とは

作詞のサトウハチローは、娘のために雛人形を買ったことをきっかけに、この歌を作ったといわれています。曲は河村光陽がつけ、ひな祭りを代表する歌として80年以上歌い継がれています。
i
INFO / 歌詞の著作権について
サトウハチローの作品は著作権の保護期間中のため、この記事では歌詞の全文は掲載していません。歌詞は、童謡集や音楽配信サービスなどで確かめてください。

CHAPTER 02
1番から4番までに歌われていること

「うれしいひなまつり」で歌われている内容
番歌われていること
1番ぼんぼりにあかりをつけ、桃の花を飾り、五人囃子が笛や太鼓を鳴らす、楽しいひな祭りの様子
2番男雛と女雛が並んですまし顔で座っている様子と、お嫁にいらした姉さまの思い出
3番金の屏風に映るあかり、白酒を飲んで赤い顔をした大臣など、宴の様子
4番着物を着て帯を締め、晴れやかに過ごす「今日はわたしも晴れ姿」という喜び
段飾りの雛人形
段飾りには、歌詞に出てくる五人囃子や大臣が並びます

CHAPTER 03
間違いといわれる2つの点

1. 「お内裏様とお雛様」

2番では、男雛を「お内裏様」、女雛を「お雛様」と呼んでいるように聞こえます。しかし本来、「内裏雛(だいりびな)」は男雛と女雛の一対を指す言葉です。男雛だけを「お内裏様」と呼ぶのは正確ではないといわれ、作詞者自身もこの点を気にしていたと伝えられています。

2. 「赤いお顔の右大臣」

3番に出てくる、白酒を飲んで顔が赤くなった大臣は、実際の雛人形では年配の「左大臣」のほうだといわれています。左大臣は人形を正面から見て右側に飾られるため、見たままの位置で「右大臣」と書いたのではないかと考えられています。
✓
TIP / 左大臣・右大臣の見分け方
雛人形の随身(ずいじん)は、白いひげの年配の人形が左大臣、若い人形が右大臣です。左大臣は正面から見て右側、右大臣は左側に飾ります。ひな祭りの日に、子どもと一緒に探してみるのも楽しいですね。
器に盛られたひなあられ
ひなあられや白酒(子どもは甘酒)を用意して、歌に出てくる宴の気分を味わうのも楽しい

CHAPTER 04
子どもに歌の意味を伝えるには

  • 歌に出てくる人形(五人囃子・大臣など)を、実際の雛人形で指さしながら歌う
  • 「ぼんぼり」「屏風」など、知らない言葉を一緒に確かめる
  • 「間違い」を、昔の人も勘違いしたんだねと楽しい豆知識として話す
  • 4番の「晴れ姿」に合わせて、着物や好きな服でお祝いする
新米パパ
新米パパ / 2歳児のパパ
娘に「お内裏様ってどれ?」と聞かれて、男雛を指さしてしまいました……。
カゾイロ博士
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
多くの人がそう覚えているので、気にしなくて大丈夫ですよ。「本当は二人そろって『内裏雛』っていうんだって」と、一緒に新しいことを知る機会にすれば、娘さんもきっと面白がってくれます。

CHAPTER 05
ひな祭りの歌に関するよくある質問

A.
4番まであります。1番だけを歌うことが多いですが、2番以降には雛人形や宴の様子が歌われています。
A.
「ひなまつり」(作詞者不詳の文部省唱歌)など、ほかにもひな祭りを歌った童謡があります。
A.
白酒はアルコールを含むお酒なので、子どもには飲ませません。子どもには、アルコールを含まない米麹の甘酒を用意しましょう。
A.
子ども向けに一部を変えたり、1番だけを歌ったりする場合があるためです。

CHAPTER 06
まとめ

「うれしいひなまつり」は1936年にサトウハチローが作詞した童謡で、ひな祭りの楽しい様子が4番まで歌われています。「お内裏様とお雛様」「赤いお顔の右大臣」は、本来の雛人形とは違うといわれる部分です。実際の雛人形と見比べながら、子どもと一緒に歌ってみましょう。雛人形の飾り方はひな祭りの由来と雛人形の飾り方をまとめた記事で紹介しています。