お宮参り(おみやまいり)は、赤ちゃんが生まれて初めて氏神様に参拝し、無事な誕生を報告して健やかな成長を祈願する日本の伝統行事です。生後1ヶ月頃に行うのが一般的ですが、時期や服装、初穂料など初めてのことで戸惑うパパ・ママも多いのではないでしょうか。この記事では、お宮参りの意味・由来から当日の流れ、服装、初穂料、写真撮影、食事会まで詳しく解説します。
CHAPTER 01お宮参りとは?意味と由来
お宮参りは、正式には「初宮参り(はつみやまいり)」または「産土参り(うぶすなまいり)」と呼ばれます。生まれた土地の守り神である産土神(うぶすながみ)に赤ちゃんの誕生を報告し、氏子(うじこ)として認めてもらう儀式です。お宮参りの起源は鎌倉時代〜室町時代にさかのぼるとされています。当時は医療が未発達で乳幼児の死亡率が高く、生後1ヶ月を無事に過ごせたことは大きな喜びでした。氏神様に感謝を捧げ、この先も健やかに育つよう祈願するのがお宮参りの本来の意味です。
INFO / 「産土神」と「氏神」の違い
産土神(うぶすながみ)は生まれた土地の守護神、氏神(うじがみ)は現在住んでいる地域の守護神です。本来のお宮参りは産土神に参拝するものでしたが、現代では住んでいる地域の氏神様や、ご縁のある神社に参拝するのが一般的です。有名な大きな神社でなくても、地元の神社で十分です。
CHAPTER 02お宮参りの時期はいつ?男の子・女の子の違い
お宮参りの時期は、伝統的には男の子が生後31日目、女の子が生後32日目とされています。ただし、この日数はあくまで目安であり、地域によっても異なります。
生後31日目
男の子の伝統的な時期
生後32日目
女の子の伝統的な時期
生後1ヶ月前後
現代の一般的な時期

現代では、厳密に日数にこだわる必要はありません。生後1ヶ月前後を目安に、母子の体調や天候、家族の都合に合わせて柔軟に日程を決めましょう。真夏や真冬の場合は時期をずらしても問題ありません。生後100日の「お食い初め」と合わせて行う家庭もあります。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
お宮参りの日取りで「大安」や「仏滅」は気にしたほうがいいですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
六曜(大安・仏滅など)は中国由来の占いで、神道とは直接の関係はありません。気になる方は大安や友引を選ぶとよいですが、それよりも赤ちゃんとお母さんの体調を最優先にしてください。
CHAPTER 03お宮参りの服装 ─ 赤ちゃん・母親・父親・祖父母
お宮参りでは赤ちゃんに「祝い着(いわいぎ)」を着せるのが正式です。白い内着(ベビードレスや肌着)の上に、美しい柄の祝い着(掛け着)をかけます。男の子は黒や紺の「熨斗目模様(のしめもよう)」、女の子は赤やピンクの「友禅模様」が伝統的です。
| 対象 | 正式な服装 | カジュアルな場合 |
|---|---|---|
| 赤ちゃん | 白い内着 + 祝い着(掛け着) | ベビードレスやセレモニードレスのみ |
| 母親 | 訪問着・色無地・付け下げなどの着物 | フォーマルなワンピース・セットアップ |
| 父親 | ダークスーツ + 白シャツ + ネクタイ | ジャケット + スラックス |
| 祖母(父方) | 黒留袖・色留袖・訪問着 | フォーマルなスーツ・ワンピース |
| 祖父 | ダークスーツ | ジャケット + スラックス |
最近はレンタルの祝い着を利用する家庭も増えています。写真スタジオでお宮参りプランを申し込むと、祝い着のレンタルが無料になるサービスもあります。服装は格を揃えることが大切で、片方の祖父母だけ着物で、もう片方がカジュアルといったアンバランスにならないよう、事前に両家で相談しておきましょう。
CHAPTER 04初穂料の相場とのし袋の書き方
お宮参りで神社にご祈祷をお願いする場合、初穂料(はつほりょう)を納めます。初穂料とは神社への謝礼のことで、「玉串料(たまぐしりょう)」とも呼ばれます。
初穂料の相場は5,000〜10,000円が一般的です。多くの神社では金額が決まっているので、事前に確認しておくとよいでしょう。金額が「お気持ちで」と言われた場合は5,000円を目安にします。
TIP / のし袋の書き方
水引(みずひき)は紅白の蝶結び(花結び)を選びます。表書きの上段は「御初穂料」または「御玉串料」、下段には赤ちゃんの名前(フルネーム)をふりがな付きで書きます。中袋の表に金額(「金 伍仟圓」など旧字体)、裏に住所と赤ちゃんの名前を書きます。新札を用意するのがマナーです。
CHAPTER 05お宮参り当日の流れ
お宮参り当日は、参拝・ご祈祷を中心に、写真撮影や食事会を組み合わせるのが一般的です。赤ちゃんの体力を考えて、あまり詰め込みすぎないスケジュールを心がけましょう。
- 01準備・身支度を整える赤ちゃんの着替え、ミルク・おむつなどの持ち物を確認。授乳やおむつ替えは出発前に済ませておきましょう。
- 02神社に到着、社務所で受付社務所でご祈祷の申し込みをし、初穂料を納めます。予約制の神社もあるので事前確認を。
- 03ご祈祷を受ける(約15〜30分)拝殿で神職が祝詞を奏上し、赤ちゃんの健やかな成長を祈願します。祝い着は赤ちゃんを抱く人の肩から掛けます。
- 04記念撮影神社の境内で家族写真を撮影。出張カメラマンを手配する家庭も増えています。
- 05お祝いの食事会自宅やレストラン・料亭で両家の家族と食事を楽しみます。赤ちゃんの様子を見ながら無理のない範囲で。
CAUTION / 赤ちゃんを抱くのは誰?
伝統的には父方の祖母が赤ちゃんを抱いて参拝します。これは産後の母親の体を気遣う意味と、赤ちゃんが父方の家の氏子になるという意味がありました。現代ではこだわらない家庭も多く、母親が抱いても問題ありません。大切なのは事前に誰が抱くか話し合っておくことです。
CHAPTER 06お宮参りの写真撮影 ─ スタジオ撮影と出張撮影
お宮参りは赤ちゃんにとって初めての大きなイベント。記念写真を残したいと考えるご家庭がほとんどです。撮影方法は大きく分けてスタジオ撮影と出張撮影(ロケーション撮影)の2つがあります。
| 項目 | スタジオ撮影 | 出張撮影 |
|---|---|---|
| 費用の目安 | 3〜5万円(アルバム込み) | 2〜4万円(データ渡し) |
| メリット | 天候に左右されない、衣装レンタル付きが多い | 神社の雰囲気をそのまま残せる、自然な表情が撮れる |
| デメリット | 移動の手間がかかる、背景が人工的 | 天候に左右される、授乳・おむつ替えの場所確保が必要 |
| おすすめの人 | 衣装をたくさん着たい、アルバムが欲しい | 神社での自然な写真が欲しい、移動を最小限にしたい |
お宮参りの日とは別の日にスタジオ撮影をする「前撮り・後撮り」も人気です。当日は参拝と食事に集中し、別日にゆっくり撮影するほうが赤ちゃんへの負担が少なく、よい写真が撮れることも多いです。
CHAPTER 07お宮参り後の食事会
お宮参りの後、両家の祖父母を招いて食事会(祝い膳)を開くのが一般的です。場所は自宅、レストラン、料亭のいずれかを選びます。赤ちゃんがいるので、個室があるお店を予約するのがおすすめです。授乳やおむつ替えがしやすく、泣いても周囲を気にせず過ごせます。
食事会の費用は、お宮参りを主催するパパ・ママが負担するのが一般的ですが、祖父母が「お祝い」として負担してくれるケースもあります。一人あたり5,000〜10,000円程度の会席やコース料理を予約する家庭が多いです。お祝い膳には尾頭付きの鯛(たい)や赤飯を含むと、よりお祝いらしい雰囲気になります。
CHAPTER 08季節別のお宮参り ─ 春夏秋冬の注意点
お宮参りは生後1ヶ月前後に行うため、季節によって準備や服装が大きく変わります。それぞれの季節で気をつけるべきポイントを確認しておきましょう。
春(3〜5月)のお宮参り
春は気候が穏やかでお宮参りに最適な季節です。ただし花粉の時期と重なることが多いため、赤ちゃんや授乳中のお母さんが花粉症の場合はマスクや目薬を用意しましょう。3月下旬〜4月上旬は桜が見頃の神社も多く、美しい記念写真が撮れる好シーズンです。
夏(6〜8月)のお宮参り
真夏のお宮参りでは熱中症対策が最も重要です。日傘やベビー用の日よけ、保冷グッズを持参し、こまめな水分補給を心がけましょう。長時間の屋外は避け、ご祈祷と記念撮影を済ませたら早めに涼しい場所へ移動してください。赤ちゃんの祝い着は薄手の素材を選び、肌着の下に汗取りパッドを入れておくと安心です。
猛暑日が続く時期であれば、無理をせず生後2〜3ヶ月まで延期するのも賢明な判断です。赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、大人以上に暑さの影響を受けやすいことを忘れないでください。
秋(9〜11月)のお宮参り
秋は七五三シーズンと重なる11月を除けば、比較的空いている時期です。紅葉をバックにした写真も美しく、過ごしやすい気候で赤ちゃんへの負担も少ない季節です。ただし、10月後半からは朝晩の冷え込みが強くなるため、赤ちゃん用のおくるみやブランケットを忘れずに持参しましょう。
冬(12〜2月)のお宮参り
冬のお宮参りでは防寒対策が欠かせません。赤ちゃんには厚手のおくるみやケープを用意し、ベビーカーに毛布を掛けて冷気から守ります。ご祈祷の待ち時間が長い場合は、授乳室や待合室がある神社を選ぶとよいでしょう。インフルエンザやRSウイルスが流行する時期でもあるため、人混みを避けて早朝の参拝を検討するのもおすすめです。
TIP / 季節を問わず持っておきたい持ち物チェックリスト
おむつ(5枚以上)、おしりふき、着替え一式、ミルク・哺乳瓶、授乳ケープ、タオル2〜3枚、おくるみ、抱っこひも、初穂料(のし袋入り)、カメラ・スマートフォン、天候に応じた日傘または防寒具。これらをひとつのマザーズバッグにまとめておくと当日の慌ただしさが軽減されます。
祖父母の関わり方と両家間の調整
お宮参りは赤ちゃんを中心に両家の祖父母が集う貴重な機会です。しかし、両家の考え方の違いからトラブルが起きやすい場面でもあります。円満にお宮参りを迎えるための調整ポイントを押さえておきましょう。
パ
新米パパ
父方の祖母が「私が祝い着を買う」と言ってくれたのですが、母方の祖母も買いたがっていて困っています。
博
カゾイロ博士
伝統的には母方の実家が祝い着を用意するのが一般的でした。現在はどちらが購入しても構いませんが、両家で役割を分担するとスムーズです。例えば、母方が祝い着、父方が食事会の費用を負担するなど、お互いの顔が立つように事前に話し合っておきましょう。
祖父母が遠方に住んでいる場合や、体調の都合で参加できない場合は、ビデオ通話でご祈祷の様子を中継するご家庭も増えています。後日、記念写真とともにお礼の手紙を送ると、参加できなかった祖父母にも喜ばれます。
両家の祖父母が全員参加する場合は、服装の格を揃えることが大切です。片方の家だけ着物、もう片方が普段着では気まずい雰囲気になりかねません。パパとママが中心になって、事前に「和装で揃えましょう」「洋装のフォーマルで統一しましょう」と声をかけておくとよいでしょう。
地域ごとに異なるお宮参りの風習
お宮参りの風習は全国共通ではなく、地域によって独自の慣習が残っています。代表的な地域差をご紹介します。
| 地域 | 特徴的な風習 |
|---|---|
| 関西(大阪・兵庫など) | 赤ちゃんのおでこに「大」や「小」と墨で書く「犬張子」の風習がある。犬は安産の象徴とされている |
| 東北(秋田・山形など) | お宮参りの帰り道に知人の家を訪ねる「おめもらい」の風習が残る地域がある |
| 九州(福岡・長崎など) | お宮参りの際にお祝い用の「のし餅」を親戚に配る習慣がある |
| 北海道 | 冬の厳寒期を避けるため、生後100日の百日祝いと兼ねて行うケースが多い |
| 沖縄 | お宮参りに相当する行事がない地域もあり、代わりに「ウスマチ」という先祖報告の儀式を行う |
転勤や引っ越しで地元を離れている場合、パパ・ママの出身地の風習を取り入れるか、現在住んでいる地域のやり方に合わせるかは自由です。両家の祖父母の意向も聞きながら、家族が納得できる形を見つけましょう。
CHAPTER 09お宮参りのご祈祷の流れと作法
初めてのご祈祷で緊張するパパ・ママも多いはずです。事前に流れを把握しておけば、当日は落ち着いて臨めます。
- 01社務所で受付到着したらまず社務所で「お宮参りのご祈祷をお願いしたい」と伝えます。申込用紙に赤ちゃんの名前・生年月日・住所を記入し、初穂料を渡します。予約制の神社では事前に電話かウェブで予約しましょう。
- 02待合室で待機受付後は待合室や控室で順番を待ちます。この間に赤ちゃんの着替えやおむつ替えを済ませておくとよいでしょう。授乳が必要な場合もこのタイミングで行います。
- 03拝殿に移動神職の案内で拝殿に上がります。靴を脱いで上がるため、脱ぎ履きしやすい靴がおすすめです。拝殿では正座か椅子に座ります。
- 04祝詞奏上神職が祝詞(のりと)を奏上し、赤ちゃんの健やかな成長を神様に祈願します。この間、赤ちゃんを抱いたまま静かに座っていましょう。赤ちゃんが泣いても気にする必要はありません。
- 05玉串拝礼神職から玉串(榊の枝)を受け取り、神前に捧げます。二礼二拍手一礼の作法で拝礼します。赤ちゃんを抱いている場合は片手で行っても構いません。
- 06撤下品を受け取り退出ご祈祷の後、お守りやお札などの撤下品(おさがり)をいただきます。お神酒をいただく場合もあります。全体で15〜30分程度です。
INFO / ご祈祷中に赤ちゃんが泣いたら?
赤ちゃんが泣くのは自然なことで、神職も慣れています。「元気に泣く子は健やかに育つ」と好意的に受け止める神社がほとんどです。おしゃぶりやお気に入りのおもちゃを用意しておくと安心ですが、無理に泣き止ませようとせずリラックスして参拝しましょう。
お宮参りの記念写真を上手に撮るコツ
お宮参りの記念写真は一生の宝物になります。プロに任せる場合も、家族でスマートフォン撮影する場合も、いくつかのポイントを押さえておくとよい写真が残せます。
パ
新米パパ
出張カメラマンを頼むか迷っているのですが、自分たちで撮影するのと比べてどのくらい違いますか?
博
カゾイロ博士
プロの出張カメラマンは構図やライティングの知識があるため、完成度の高い写真が数十〜数百枚残ります。費用は2〜4万円が相場です。一方、家族撮影でもスマートフォンの性能が向上しているため、コツを押さえれば十分に美しい写真が撮れますよ。
自分たちで撮影する場合のポイントは、まず逆光を避けることです。神社の拝殿前など建物の影になる場所は暗くなりがちなので、木漏れ日が差す場所や開けた参道を背景にすると自然光で明るい写真になります。赤ちゃんの表情を撮るにはカメラを低い位置に構え、連写モードで撮影しましょう。
集合写真を撮る際は、三脚やスマートフォン用のミニ三脚とタイマー機能を活用すると、撮影者も一緒に写ることができます。赤ちゃんを中心に祖父母が両脇、パパ・ママが後列に立つのが定番の配置です。祝い着の柄がきれいに見えるよう、赤ちゃんの正面を向けて撮影するのもお忘れなく。
TIP / お宮参り写真の撮影タイミング
赤ちゃんの機嫌が最も良いのは授乳直後の満腹時です。ご祈祷前に授乳を済ませ、そのタイミングで撮影するとご機嫌な表情が撮れます。ご祈祷後は疲れて眠ってしまうことが多いため、寝顔のショットも意外と人気のある一枚になります。
お宮参りにかかる費用の総額と節約のコツ
お宮参り全体にかかる費用は、初穂料、衣装、撮影、食事会を含めると5万〜15万円程度が一般的です。何にお金をかけるかは家庭によって異なるため、全体の予算を事前に決めておくことが大切です。
| 項目 | 費用の目安 | 節約ポイント |
|---|---|---|
| 初穂料 | 5,000〜10,000円 | 金額が決められている神社が多いため節約は難しい |
| 祝い着(レンタル) | 5,000〜15,000円 | 写真スタジオのプランにレンタルが含まれることがある |
| 祝い着(購入) | 20,000〜50,000円 | 七五三でも使えるものを選ぶとコスパが良い |
| 写真撮影(スタジオ) | 30,000〜50,000円 | 平日割引やキャンペーンを活用する |
| 写真撮影(出張) | 20,000〜40,000円 | マッチングサイトで比較すると安く見つかることもある |
| 食事会(1人あたり) | 5,000〜10,000円 | 自宅で仕出し弁当にすると費用を抑えられる |
費用を抑えたい場合は、祝い着はレンタル、写真は出張カメラマンまたは家族撮影、食事会は自宅でケータリングという組み合わせがおすすめです。祖父母がお祝い金として費用を負担してくれるケースもあるので、事前に相談しておくとよいでしょう。
パ
新米パパ
お宮参りの祝い着は買った方がいいのか、レンタルの方がいいのか悩みます。
博
カゾイロ博士
七五三でも同じ着物を使いたいなら購入がおすすめです。お宮参りの祝い着は仕立て直せば3歳の七五三で着ることができます。一度きりで構わないならレンタルが合理的です。最近は祖父母から受け継いだ祝い着を使うケースもあり、世代を超えた絆を感じる素敵な選択ですね。
お宮参りの写真撮影のポイント
お宮参りの記念撮影は、前撮りと当日撮影の2パターンがあります。前撮りはスタジオでゆっくり撮影できるため、赤ちゃんの体調やご機嫌に合わせやすいのがメリットです。当日撮影は神社の境内でロケーション撮影ができ、臨場感のある写真が残せます。両方を組み合わせるご家庭も多くいます。
赤ちゃんの機嫌が良い時間帯は午前中が多いため、撮影は午前に設定するのがコツです。授乳後30分〜1時間が最もご機嫌な時間帯です。着替えやおむつ替えのスペースも事前に確認しておきましょう。
お宮参り後のお食事会
お宮参りの後は、両家の祖父母を交えてお食事会を開くのが一般的です。会場は料亭やレストランの個室が人気で、お宮参りプランを提供しているお店も多くあります。授乳室やおむつ替えスペースがあるか、ベビーベッドの貸し出しがあるかを事前に確認しておくと安心です。
自宅でお祝い膳を囲むスタイルも増えています。仕出し料理を注文すれば準備の負担も少なく、赤ちゃんが泣いても周囲を気にする必要がないため、リラックスして食事を楽しめます。お赤飯やお吸い物、鯛の尾頭付きなどの祝い膳が定番メニューです。
季節別のお宮参りの注意点
お宮参りは生後1か月頃に行うため、季節によって注意すべきポイントが異なります。春(3〜5月)は気候が穏やかでお宮参りに最適ですが、花粉の季節でもあるため花粉症の方はマスクや薬を準備しておきましょう。桜の時期と重なれば、美しいロケーション写真が撮れるチャンスです。
夏(6〜8月)は暑さ対策が最優先です。赤ちゃんは体温調節が未熟なため、日差しの強い時間帯を避け、午前中の早い時間か夕方に参拝するのがおすすめです。抱っこ紐の中は蒸れやすいので、こまめに汗を拭いてあげましょう。
秋(9〜11月)は七五三のシーズンと重なるため、11月の週末は神社が混み合います。平日を選ぶか、時間帯をずらすと混雑を避けられます。冬(12〜2月)は防寒対策が必須です。赤ちゃんにはおくるみやブランケットを用意し、長時間の外出は避けましょう。
お宮参りは赤ちゃんとママの体調を最優先に考えることが大切です。生後1か月にこだわらず、体調が整ってから無理のないタイミングで参拝すれば問題ありません。最近では100日祝い(お食い初め)と合わせて行うご家庭も増えています。
CHAPTER 10お宮参りの祝い着と費用
お宮参りの祝い着(産着・初着)は、赤ちゃんに掛けるようにして抱っこする独特のスタイルです。男の子は黒や紺を基調とした熨斗目模様(のしめもよう)、女の子は赤やピンクを基調とした友禅模様が定番です。レンタルの場合は5,000〜20,000円程度、購入の場合は30,000〜100,000円程度が相場です。
最近はベビードレスにケープを羽織るスタイルも人気があります。洋装なら着付けの手間がなく、赤ちゃんへの負担も少ないのがメリットです。和装・洋装のどちらを選ぶかは各ご家庭の判断ですが、記念写真の映えを考えて和装を選ぶ方が多い傾向にあります。
お宮参りの初穂料は5,000〜10,000円が一般的です。のし袋は紅白の蝶結びで、表書きは「御初穂料」とし、下段には赤ちゃんのフルネームを記入します。お参りの後に神社からお守りやお札をいただけることが多いので、大切に保管しましょう。
お宮参りは赤ちゃんが初めて氏神様にご挨拶する大切な行事です。しかし何より大切なのは、赤ちゃんとお母さんの体調です。生後1か月にこだわりすぎず、母子ともに無理のないタイミングで行いましょう。生後2〜3か月になってからお参りするご家庭も少なくありません。
お宮参りで訪れる神社は、地域の氏神様(うじがみさま)が基本です。氏神様とは、住んでいる地域を守護する神様のことで、赤ちゃんが生まれた土地の氏神様にご挨拶するのがお宮参りの本来の意味です。最寄りの神社がわからない場合は、各都道府県の神社庁に問い合わせると教えてもらえます。
ただし最近は、有名な神社や安産祈願をした神社にお宮参りをするご家庭も増えています。東京の明治神宮や水天宮、大阪の住吉大社、京都の上賀茂神社など、お宮参りで有名な神社は全国各地にあります。大切なのは赤ちゃんの健やかな成長を祈る気持ちであり、どの神社を選んでも問題ありません。
お宮参りは赤ちゃんにとって生まれて初めての大きな外出イベントです。授乳やおむつ替えのタイミング、着替えの準備、移動手段の確保など、事前にしっかり計画を立てておくことが、当日を楽しく過ごすためのポイントです。何より赤ちゃんの体調を最優先に考え、無理のないスケジュールを組みましょう。
お宮参りの帰り道、祝い着に包まれてすやすやと眠る赤ちゃんの寝顔を見つめながら、これからの成長に思いを馳せる。そんな穏やかなひとときこそが、お宮参りの本当の意味なのかもしれません。赤ちゃんの健やかな成長を、家族みんなで見守っていきましょう。
お宮参りは「初宮参り」や「初宮詣」とも呼ばれ、赤ちゃんの誕生を氏神様に報告し、健やかな成長を祈願する大切な行事です。形式にとらわれすぎず、赤ちゃんとご家族の笑顔あふれる一日にしてください。
魔除けの印「ヤッコ」── 赤ちゃんの額に文字を書く風習
かつて日本では、お宮参りの際に赤ちゃんの額に「大」や「犬」の文字を書いて魔除けとする風習がありました。この風習は「ヤッコ」と呼ばれ、赤ちゃんを災いや邪霊から守るためのおまじないとして各地で行われていました。
「大」の文字には大きく健やかに育つようにという願いが込められ、「犬」の文字には犬がお産が軽く子をよく育てることにあやかる意味がありました。墨や紅で額に書くのが一般的で、地域によっては男の子に「大」、女の子に「小」と書き分けるところもあります。現代ではこの風習を行う家庭は少なくなりましたが、関西地方を中心に今もこの伝統を受け継いでいる地域があります。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
赤ちゃんの額に文字を書くというのは不思議な風習ですね。犬の文字を書くのは安産のお守りと同じ発想なんですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そのとおりです。犬は安産の象徴であり、子どもをよく育てる動物として古くから縁起が良いとされてきました。額に文字を書くことで魔除けの印としたのです。戌の日の安産祈願と同じく、犬にあやかるという日本古来の信仰がお宮参りにも反映されているんですよ。
赤ちゃんの通過儀礼とお宮参りの位置づけ
お宮参りは、赤ちゃんが誕生してから迎える一連の通過儀礼(人生儀礼)のひとつです。日本では古来より、子どもの成長の節目ごとに儀式を行い、無事な成長を神仏に感謝してきました。お宮参りは、お七夜・命名式(生後7日)に続く二番目の大きな節目にあたります。
お宮参りの前後には、親戚や友人から出産祝いをいただくことも多いでしょう。出産祝いのお返し(内祝い)は、お宮参りの頃に贈るのが一般的なタイミングです。お宮参りの準備とあわせて、内祝いの手配も進めておくとスムーズです。
CHAPTER 11お宮参りに関するよくある質問
A.
雨天でも参拝は可能ですが、生後間もない赤ちゃんの体調が心配な場合は延期して問題ありません。「雨降って地固まる」という言葉もあるように、雨の日のお宮参りは縁起が悪いということはありません。
A.
おむつ(多めに)、着替え、ミルクや哺乳瓶、授乳ケープ、タオル、おくるみ、初穂料(のし袋入り)が基本です。季節に応じて日傘や防寒具も用意しましょう。ご祈祷中に赤ちゃんがぐずった場合に備え、おしゃぶりやおもちゃもあると安心です。
A.
必ずしも全員が参加する必要はありません。遠方に住んでいたり、体調が優れなかったりする場合は、パパ・ママと赤ちゃんだけでも問題ありません。両家のバランスを気にする場合は、事前に相談して無理のない形で調整しましょう。
A.
神道では忌中(故人が亡くなってから50日間)の間は神社への参拝を控えるのが一般的です。忌明け後であれば問題ありません。忌中と重なる場合は、お寺でのお参りに切り替えるか、時期をずらすことを検討しましょう。
A.
お祝いをいただいた場合は、お宮参りから1ヶ月以内にお返し(内祝い)を贈るのがマナーです。金額はいただいた額の3分の1〜半額程度が目安。赤ちゃんの名前入りのお菓子やタオルなどが定番です。
A.
伝統的には母方の実家が祝い着を用意しますが、現在では決まりはありません。父方が購入する場合や、両家で話し合って分担するケースも増えています。レンタルで済ませる家庭も多く、家族の事情に合わせて柔軟に対応して問題ありません。
A.
双子の場合もそれぞれに祝い着を用意し、一緒に参拝するのが一般的です。初穂料は2人分を納めます。赤ちゃん2人を同時にお世話するため、パパ・ママだけでなく祖父母にも参加してもらうと安心です。ご祈祷は2人同時に受けられる神社がほとんどです。
A.
可能です。遠方の祖父母を何度も呼ぶのが難しい場合や、赤ちゃんの体調が安定してからまとめて行いたい場合は、生後100日前後にお宮参りとお食い初めを同日に行うご家庭もあります。ただし、赤ちゃんの負担を考えてスケジュールにゆとりを持たせましょう。
『冠婚葬祭 暮らしのマナー大百科』では、お宮参りは赤ちゃんが生まれた土地の氏神様(産土神)に初めて参拝する行事であり、男の子は生後31日目・女の子は生後33日目が伝統的な目安とされています。参拝時は神前で二拝二拍手一拝の作法で拝礼し、祝詞(のりと)を上げてもらう場合は社務所で初穂料を納めます。同書では、赤ちゃんの体調や季節に応じて時期を前後させることはまったく問題ないとも記されており、形式にとらわれすぎず家族揃って感謝と祈りを捧げることが大切だと説いています。
CHAPTER 12まとめ
お宮参りは、赤ちゃんの誕生を氏神様に報告し、健やかな成長を祈願する大切な行事です。生後1ヶ月前後を目安に、母子の体調や天候に合わせて無理のない日程を選びましょう。服装や初穂料は事前に準備し、当日は参拝・写真撮影・食事会とゆとりあるスケジュールで赤ちゃんとの特別な一日を楽しんでください。

