初誕生(はつたんじょう)は、赤ちゃんの満1歳の誕生日を祝う日本の伝統行事です。一升餅を背負わせたり、選び取りで将来を占ったりして、健やかな成長を願います。この記事では、初誕生の意味や由来、お祝いの準備と当日の流れ、お祝い金とお返しのマナーまで解説します。
CHAPTER 01初誕生とは?意味と由来

初誕生とは、赤ちゃんが生まれてから初めて迎える誕生日(満1歳)をお祝いする行事です。昔は乳幼児の死亡率が高く、1歳まで無事に育つこと自体が大きな喜びでした。そのため、初めての誕生日は特別な節目として盛大にお祝いする風習が生まれました。
初誕生のお祝いで最も有名なのが「一升餅(いっしょうもち)」です。「一升」と「一生」をかけて、「一生食べ物に困らないように」「一生健やかに育つように」という願いが込められています。また、丸い餅の形には「円満な人生を送れるように」という意味もあります。
INFO / 地域による呼び名の違い
初誕生のお祝いは地域によって呼び名や風習が異なります。一升餅は「誕生餅」「踏み餅」(九州地方)、「背負い餅」「立ち餅」とも呼ばれます。九州では餅を踏ませる「餅踏み」が主流で、わらじを履かせて餅の上に立たせます。
満1歳
初誕生のお祝いの時期
約2kg
一升餅の重さ(もち米一升分)
約1〜3万円
初誕生のお祝い金の相場
「立ち歩き」を祝う通過儀礼
民俗学では、初誕生の祝いには「立ち歩き」という重要な意味があるとされています。一升餅を背負わせて歩かせる行為は、単なるお祝いの余興ではなく、子どもが立って歩くことを確認する通過儀礼としての性格を持っていました。
満1歳は、つかまり立ちや伝い歩きを始め、自分の足で歩き出す子が増える時期です。一升餅という重い荷を背負わせて歩かせることは、子どもの成長を家族や地域の人々が確かめ、祝福する大切な節目でした。
地域によっては、河原から石を拾って膳に置くという風習も見られます。石には生命力が宿るという信仰が古くからあり、初誕生の膳に石を添えることで、子どもの丈夫な成長を願う意味が込められていました。
新米パパ / 2歳児のパパ
一升餅を背負って歩くことに「立ち歩き」という意味があったんですね。成長を確認する通過儀礼だとは知りませんでした。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
昔は1歳まで無事に育つこと自体が大変なことでした。初誕生の「立ち歩き」は、子どもがしっかり成長したことを皆で確認し合う儀式でもあったんですよ。泣いても転んでも縁起が良いとされるのは、その場にいること自体が大切だったからなんです。
- 一升餅(いっしょうもち)
- もち米一升(約1.8リットル)で作る大きなお餅。「一生(一升)食べ物に困らないように」という願いが込められています。赤ちゃんに背負わせて歩かせる風習です。
- 選び取り(えらびとり)
- 赤ちゃんの前にいくつかのアイテムを並べ、最初に手に取ったもので将来を占う行事。そろばん(商才)、筆(学問)、お金(財運)などが定番です。
- 踏み餅(ふみもち)
- 九州地方に多い風習で、赤ちゃんにわらじを履かせてお餅の上に立たせます。「地に足のついた人生を歩めるように」という願いが込められています。
- 転ばせ餅
- 東日本に多い風習で、一升餅を背負った赤ちゃんをわざと転ばせます。「早く歩きすぎると親元を離れてしまう」という言い伝えから生まれた風習です。
CHAPTER 02初誕生の2大行事|一升餅と選び取り
一升餅のやり方
一升餅は、もち米一升(約1.8リットル)でつく約2kgのお餅を、風呂敷やリュックに入れて赤ちゃんに背負わせる儀式です。1歳の赤ちゃんにとってはかなりの重さですが、立っても座り込んでも、転んでも縁起がよいとされます。
- 01一升餅を用意する和菓子店やオンラインショップで一升餅を購入します。大きな丸餅1つのタイプと、小分けの丸餅が複数入ったタイプがあります。最近は名前入りの一升餅も人気です。
- 02風呂敷やリュックに入れる一升餅を風呂敷で包んで斜めがけにするか、一升餅用のリュックに入れます。ベビーリュックは初誕生後も普段使いできるので実用的です。
- 03赤ちゃんに背負わせる赤ちゃんに一升餅を背負わせて、立ち上がらせたり歩かせたりします。重さでうまく立てなくても、転んでしまっても、どちらも縁起がよいとされます。
- 04家族で見守って記録する立てたら「身を立てられる」、座り込んだら「家にいてくれる(家を継ぐ)」、転んだら「厄落としができた」と、どんな結果でも前向きに解釈します。動画や写真をしっかり撮りましょう。
TIP / 一升餅の準備ポイント
一升餅は和菓子店や餅専門店で予約注文するのが確実です。名前入りの紅白餅や、ハート型、小分けタイプなどバリエーションも豊富。注文は1〜2週間前に済ませておきましょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
一升餅で赤ちゃんが泣いてしまったらどうすればいいですか?無理に続けるべき?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
泣いてしまったら無理に続けず、すぐに下ろしてあげましょう。泣いている姿も含めて微笑ましい思い出になりますよ。背負うのが嫌な子には、餅の横に座らせるだけでもOK。大切なのは家族みんなで1歳のお祝いを楽しむことです。
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一升米 ベビーリュック(選び取りセット)(新しいタブで開きます)
一升餅の代わりに背負える一升米のリュック。中身はお米なので後から食べられ、選び取りも一緒に楽しめます。
一升餅の背負わせ方や、お祝いの後の食べ方は「一升餅のやり方ガイド」で詳しく紹介しています。
地域による一升餅の違い
一升餅の風習は地域によって大きく異なります。「一升餅はどこの風習?」と疑問に思う方もいますが、実は日本全国で広く行われている伝統行事です。ただし、やり方や呼び名には地域差があります。
| 地域 | 呼び名 | やり方の特徴 |
|---|---|---|
| 東日本(関東・東北) | 一升餅・誕生餅 | 風呂敷で包んで背負わせるのが主流 |
| 西日本(関西・中国・四国) | 一升餅・踏み餅 | 餅を踏ませる「餅踏み」が多い。特に九州で盛ん |
| 九州(福岡・佐賀など) | 踏み餅・餅踏み | わらじを履かせて餅の上に立たせる |
| 東海・北陸 | 一升餅・力餅 | 背負い餅が主流だが転ばせる風習もある |
| 沖縄 | タンカーユーエー | 一升餅ではなく選び取りのみ行う地域が多い |
INFO
一升餅の風習は全国共通ではなく、「背負う」「踏む」「転ばせる」など地域によって異なります。ご家庭の出身地の風習を取り入れるのもよいですし、お住まいの地域のやり方に合わせるのも自然です。
選び取り
選び取り(えらびとり)は、赤ちゃんの前にさまざまなアイテムを並べ、最初に手に取ったもので将来を占う遊びの儀式です。一升餅と合わせて行うのが定番です。

並べるアイテムとその意味、並べ方のコツ、手作りカードの作り方は「選び取りの種類と意味一覧」でまとめています。実物の代わりに選び取りカードを使う家庭も増えています。
新米パパ / 2歳児のパパ
選び取りで子どもが何も取らなかったらどうすればいいですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
お子さまの機嫌やタイミングによっては、アイテムに興味を示さないこともあります。そんな時は無理に取らせず、少し時間を置いてから再チャレンジしましょう。それでも取らない場合は「すべての可能性を秘めている」とポジティブに解釈するのが正解ですよ。
CHAPTER 03初誕生のお祝いの準備と当日の流れ
初誕生のお祝いは、自宅で行うのが一般的です。準備するものと段取りをまとめました。

- 一升餅 — 和菓子店・通販で購入。名前入り、小分けタイプなど種類が豊富
- 背負い袋(リュック・風呂敷) — 一升餅セットに含まれることが多い
- 選び取りアイテムまたはカード — 実物を用意するか、市販の選び取りカード
- バースデーケーキ — スマッシュケーキ(赤ちゃんが手づかみで食べるケーキ)も人気
- 飾り付け — バースデーバナー、風船、数字の「1」バルーンなど
- お祝い着 — 袴ロンパースやドレスなどのおめかし衣装
- カメラ・ビデオ — 一升餅と選び取りの瞬間は必ず記録しておきたい
TIP / 一升餅セットを活用しよう
オンラインショップでは、一升餅・リュック・選び取りカード・ガーランドなどがセットになった商品が3,000〜8,000円程度で販売されています。個別に揃えるよりも手軽で、統一感のあるお祝いができます。名前や写真を入れられるオーダーメイド商品も人気です。
当日の流れ
初誕生のお祝いを楽しいイベントにするためのコツは、赤ちゃんのペースに合わせることです。一升餅や選び取りはお子さまの機嫌の良い時間帯に行い、疲れてきたら無理せず休憩を入れましょう。プログラムを詰め込みすぎず、余裕のあるスケジュールにすることが成功の秘訣です。
イベントの順番は、一般的に「一升餅→選び取り→ケーキ・食事→プレゼント開封」の流れが多いです。一升餅は重いので赤ちゃんが転んでけがをしないよう、周りに柔らかいマットやクッションを敷いておきましょう。泣いてしまった場合も「良い運動になったね」と笑って見守ってあげてください。
お祝い膳とケーキ
初誕生のお祝い膳には、特に決まったメニューはありませんが、お赤飯やお寿司など華やかな料理を用意するご家庭が多いです。主役のお子さまには、月齢に合った離乳食を特別にアレンジした「バースデープレート」を用意してあげましょう。
1歳のお誕生日ケーキは、生クリームの代わりにヨーグルトクリームを使った「スマッシュケーキ」が人気です。お子さまが手づかみで豪快にケーキを食べる姿は、最高のフォトチャンスになります。卵や小麦アレルギーのお子さまには、米粉や豆乳を使ったアレルギー対応ケーキも選べます。
新米パパ / 2歳児のパパ
初誕生のお祝いに祖父母を招く場合、食事はどう準備すればいい?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
自宅でお祝いする場合は、仕出し弁当やケータリングを利用すると準備の負担が減ります。赤ちゃんのお世話をしながら料理するのは大変ですから、無理は禁物です。お祝い膳として鯛(たい)の尾頭付きやお赤飯を注文するのが定番です。外食の場合は個室のある和食店が人気です。予約時にお祝い用のケーキや飾り付けに対応できるか確認しておきましょう。
飾り付けのアイデア
初誕生の会場を華やかに飾り付けることで、特別な雰囲気を演出できます。「HAPPY BIRTHDAY」のガーランドやバルーンは100円ショップでも手に入るため、手軽に準備できます。数字の「1」のバルーンやお子さまの名前のバナーを飾ると、写真映えもばっちりです。
壁面に月齢ごとの写真を並べた「成長フォトボード」を飾るのも人気の演出です。生後1か月、3か月、6か月、9か月、12か月の写真を並べると、この1年間の成長が一目でわかり、祖父母やゲストにも喜ばれます。赤ちゃんの足のサイズの変化を記録するのもユニークな方法です。
写真と記念の残し方
TIP / 写真撮影のベストタイミング
一升餅や選び取りの様子は動画で撮影するのがおすすめです。スマホを三脚に固定して両手を空けておくと、お子さんのサポートもしやすくなります。スマッシュケーキの瞬間は特にフォトジェニックなので、カメラの連写モードを活用しましょう。
初誕生の記念写真は、一升餅を背負う姿や選び取りの瞬間を撮影するのが定番です。しかし、1歳の赤ちゃんは思い通りにポーズを取ってくれないもの。上手に撮影するコツは、自然光が入る窓際で撮影すること、連写モードを活用すること、そして赤ちゃんの目線の高さにカメラを構えることです。
プロのカメラマンに出張撮影を依頼する家庭も増えています。自宅や祖父母の家でリラックスした雰囲気の中、一升餅や選び取りの瞬間を自然体で撮影してもらえるのが魅力です。料金は2万円〜3万円程度が相場で、データは50〜100枚程度納品されるのが一般的です。
初誕生の記念に、赤ちゃんの手形・足形をアートとして残すのも人気です。専用のスタンプパッドやインクを使い、画用紙やキャンバスに押します。手形を花びらに見立ててひまわりを描いたり、足形を動物の体に見立ててアートにしたりと、アイデア次第でオリジナルの作品が完成します。額に入れて飾れば、成長の記録として長く楽しめます。
1歳の誕生日プレゼント
1歳の誕生日プレゼントは、お子さまの成長を後押しするおもちゃや絵本が人気です。歩き始めの時期に合わせた手押し車、積み木やブロック、音の出る楽器おもちゃなどが定番です。絵本なら「だるまさんが」シリーズや「いないいないばあ」など、繰り返し楽しめるものが喜ばれます。
祖父母からのプレゼントは、自転車(三輪車)やベビーリング、名入れのフォトフレームなど、記念に残るアイテムが人気です。最近はファーストシューズ(初めての靴)を贈るのも定番で、お子さまの歩き始めの記念になります。靴のサイズは12〜13cm程度が一般的です。
CHAPTER 04初誕生のお祝い金とお返し
初誕生のお祝い金の相場は、祖父母が10,000〜30,000円、親族が5,000〜10,000円、友人が3,000〜5,000円程度が一般的です。現金の代わりにおもちゃや洋服などのプレゼントを贈る場合も同程度の金額が目安です。
お祝いをいただいた場合のお返し(内祝い)は、いただいた金額の3分の1〜半額程度が相場です。のし紙は紅白の蝶結びで、表書きはお子さまの名前にします。一升餅を小分けにしたものや、名入れのお菓子、フォトフレームなどが人気のお返し品です。お祝いの席に招いて食事を振る舞った場合は、別途お返しを贈らなくても失礼にはあたりません。
食事会に招いた方にはお食事がお返しの代わりとなりますが、別途お土産として一升餅を小分けにしたものを持ち帰っていただくと喜ばれます。小分けタイプの一升餅を選んでおくと、切り分ける手間もかかりません。
初誕生は、お七夜(生後7日)、お宮参り(生後1ヶ月)、お食い初め(生後100日)、初節句を経て迎える1歳の大きな節目です。古くは乳幼児の死亡率が高かったため、1歳を無事に迎えられたこと自体が大きな喜びでした。
CHAPTER 051歳の誕生日をテーマ別にくわしく
気になるテーマごとにくわしく解説した記事もあわせてご覧ください。
- 1歳の誕生日ケーキ
- 1歳の誕生日ご飯
- 1歳の誕生日プレゼントの選び方
- 1歳の誕生日の飾り付け
- 一升餅の代わりになるもの
- 一升餅の食べ方と保存方法
- 2歳の誕生日プレゼントの選び方
- 3歳の誕生日プレゼントの選び方
- 2歳からの誕生日の過ごし方
CHAPTER 06初誕生に関するよくある質問
A.
誕生日当日でなくても構いません。前後の週末など、家族が集まりやすい日に行うのが一般的です。誕生日の前に行う「前祝い」でも問題ありません。
A.
和菓子店、大型スーパーの和菓子コーナー、オンラインショップ(楽天、Amazon)などで購入できます。名前入りや小分けタイプが人気で、注文から届くまで数日〜1週間かかるため早めに手配しましょう。
A.
はい、歩けなくても大丈夫です。背負わせて座った状態でも、ハイハイの姿勢でもOK。立てなくて座り込むのは「家にいてくれる」と解釈され、どんな結果でも縁起がよいとされています。
A.
お祝いの後は切り分けて、家族や参加者で食べるのが一般的です。焼き餅、お雑煮、きなこ餅、あんこ餅など好みの食べ方で楽しみましょう。大きな一升餅は冷凍保存も可能です。
A.
一升餅を自宅で作ることは可能ですが、約2kgの一升餅をつくにはかなりの労力が必要です。また、大きな餅を均一に蒸すのは難しいため、和菓子店や専門店で注文するのがおすすめです。名入れや紅白のデザインなどのオプションも選べます。
A.
一般的には両家の祖父母を招くのが基本です。親しい親族や友人を招く場合もありますが、あまり大人数になるとお子さまが緊張してしまうこともあるため、少人数でアットホームに行うのがおすすめです。
CHAPTER 07まとめ
初誕生は、赤ちゃんの満1歳を祝う一生に一度の行事です。一升餅を背負う姿や選び取りの瞬間は、家族にとってかけがえのない思い出になります。誕生日前後の週末に、赤ちゃんの機嫌のよい時間を選び、無理のないペースでお祝いしましょう。






