お盆(おぼん)は、ご先祖様の霊をお迎えして供養する日本の伝統行事です。2027年は8月13日(金)〜16日(月)が一般的な時期です。この記事では、お盆の意味と由来から、迎え火・送り火・精霊馬の風習、お供え物のマナー、新盆(初盆)の迎え方、地域ごとの違いまで解説します。
CHAPTER 01お盆とは?意味と由来
お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」といいます。その典拠となる盂蘭盆経は、3世紀に中国の竺法護(じくほうご)が翻訳したとされる経典です。サンスクリット語の「ウランバナ(逆さ吊りの苦しみ)」に由来するという説と、古代イランの言葉で「霊魂」を意味する「ウルヴァン」に由来するという説があります。さらに仏教学者の間では、「盆」は供養の容器(うつわ)を意味するという解釈もあり、語源には複数の見方が存在しています。

8月13〜16日
お盆の一般的な期間
迎え火・送り火
代表的な風習
精霊馬
なす・きゅうりで作る飾り

目連救母の物語
お盆の起源として最も有名なのが、「目連救母(もくれんきゅうぼ)」の物語です。お釈迦様の弟子の中でも神通力に優れた目連尊者(もくれんそんじゃ)が、亡くなった母親のことが気になり、神通力で母の姿を探しました。
すると、母は餓鬼道に落ち、逆さ吊りにされたような苦しみの中にいました。目連が食べ物を差し出しても、口に入れる前に炎となって食べることができません。嘆き悲しむ目連にお釈迦様は、「7月15日に、修行を終えた僧侶たちに食べ物や飲み物を供養しなさい。その功徳によって母は救われるでしょう」と教えました。
目連がその通りにしたところ、母は餓鬼道から救われました。このとき目連が喜んで踊った姿が盆踊りの起源になったとも伝えられています。
日本古来の祖霊信仰との融合
日本には仏教伝来以前から、夏の時期にご先祖様の霊が帰ってくるという祖霊信仰がありました。仏教の盂蘭盆会がこの信仰と結びつき、日本独自の「お盆」として発展しました。606年に推古天皇が初めて盂蘭盆会を行ったとされ、以来1400年以上にわたり受け継がれている歴史ある行事です。
こうした古来の先祖祭は、もともと年に2度、初春と初秋の満月の日(15日)に行われていました。子孫のもとを訪ねる先祖霊を迎え、ともに過ごし、送り出すという行事です。仏教の盂蘭盆会も7月15日を中心に行われたことから、日本古来の先祖祭と自然に結びつきました。
さらに江戸時代には、中国の民俗信仰である道教の「中元」の習慣とも結び付きました。道教では1月15日を上元、7月15日を中元、10月15日を下元とし、それぞれの日に神を祀ります。7月15日の中元に贈り物をする風習が日本に伝わり、現在のお中元の起源となりました。
記録に残るお盆と仏壇の歴史
鎌倉時代の公家藤原定家の日記『明月記』や、九条兼実の日記『玉葉』には、当時の盆の行事の様子が記録されています。また、お盆には「生見玉(いきみたま)」という、健在の両親など生きている目上の人にもごちそうや贈り物をする習わしもありました。生者と死者の両方を敬う、日本人らしい心のあり方がうかがえます。
民俗学の観点では、お盆は「異界との交流」の時間と捉えられています。ご先祖様の霊が帰ってくるこの期間は、死者と生者の境界が曖昧になる特別な時間です。帰省という行為そのものも、日常の暮らしから故郷という「異界」への旅と重なります。流動化する現代社会において、お盆は自分のルーツを確認し、命のつながりを実感する貴重な機会といえるでしょう。
お盆に欠かせない仏壇にも長い歴史があります。日本書紀には、685年に天武天皇が「諸国の家ごとに仏舎を作り、仏像と経典を置いて礼拝せよ」と命じたとの記録が残っています。ただし当時のものは現在のような仏壇ではなく、仏像や経典を安置するための簡素な棚でした。現在のような形が広まったのは室町時代以降とされ、江戸時代の寺請制度(檀家制度)によって各家庭に仏壇を置く習慣が一般化しました。
怪談や花火とお盆
お盆は宗教行事にとどまらず、日本の文化や芸能にも深い影響を与えてきました。夏に怪談を楽しむ文化もそのひとつで、歌舞伎の『東海道四谷怪談』は文政8年(1825年)の夏に初演され、暑い夏に涼を取る「納涼」の芝居として親しまれてきました。ご先祖様の霊が身近にいるとされるこの時期ならではの楽しみ方です。
花火大会が夏に多いのにも理由があります。花火はもともと死者の慰霊や疫病退散の意味をもって打ち上げられたといわれます。隅田川花火大会の前身とされる両国の川開きは、享保18年(1733年)、前年の大飢饉と疫病で亡くなった人々の慰霊と悪霊退散を願って行われた水神祭がはじまりとされています。
新米パパ / 2歳児のパパ
お盆って怪談や花火とも関係があったんですね。子どもに「どうしてお盆に花火をするの?」と聞かれたら説明できそうです。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。花火も盆踊りもお墓参りも、すべて「亡くなった方を大切に想う気持ち」が根底にあります。お盆は日本の夏の風物詩を通じて、命のつながりを感じられる特別な時期ですね。
世界の祖先をまつる行事
お盆に類似した祖先崇拝の行事は世界各地に存在します。メキシコの「死者の日(ディア・デ・ロス・ムエルトス)」は11月1日〜2日に行われ、マリーゴールドの花で祭壇を飾り、故人の好きだった食べ物や飲み物を供えます。2003年にはユネスコの無形文化遺産に登録されました。カラフルなガイコツの仮装をしてパレードする様子は、お盆の「死」を暗いものではなく祝祭的に捉える点で共通しています。
中国の「清明節」は4月5日頃に行われる墓参りの行事で、日本のお彼岸に近い性格を持ちます。韓国の「秋夕(チュソク)」は旧暦8月15日に行われ、お盆と同様に帰省して先祖の墓参りをする重要な行事です。松餅(ソンピョン)という半月形の餅を家族で作り、茶礼(チャレ)と呼ばれる祭祀を行います。
これらの行事に共通するのは、「亡くなった方とのつながりを大切にする」という普遍的な人間の営みです。お盆は日本独自の仏教文化と祖霊信仰が融合した唯一無二の行事ですが、世界中の人々がご先祖様を想い、感謝する気持ちは同じであることに気づかされます。お盆の風習を次の世代に伝えていくことは、日本の精神文化を未来に残すことでもあるのです。
CHAPTER 022027年のお盆はいつ?時期と日程・地域の違い
お盆の時期は地域によって異なります。大きく分けて3つの時期があります。
- 7月盆(新暦のお盆):7月13日〜16日。東京・横浜の一部、静岡・函館の一部など
- 8月盆(月遅れのお盆):8月13日〜16日。全国的に最も一般的で「旧盆」と呼ばれることもある
- 旧暦のお盆:旧暦の7月13日〜15日。沖縄・奄美地方など。毎年日付が変わる
2027年のお盆は、一般的に8月13日(金)〜16日(月)です。土日をはさむので、カレンダーどおりでも4連休になりやすい並びです。
| 日付 | 曜日 | 区分 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 8月7日 | 土 | 休日 | 週末 |
| 8月8日 | 日 | 休日 | 週末 |
| 8月9日〜10日 | 月・火 | 平日 | 有給取得で連休を延ばせる |
| 8月11日 | 水 | 祝日 | 山の日 |
| 8月12日 | 木 | 平日 | 有給取得で連休を延ばせる |
| 8月13日 | 金 | お盆 | 迎え火(盆の入り) |
| 8月14日 | 土 | お盆 | 中日 |
| 8月15日 | 日 | お盆 | 中日・終戦記念日 |
| 8月16日 | 月 | お盆 | 送り火(盆の明け) |
INFO / 2027年の連休パターン
4連休(8/13〜16):8/13(金)・16(月)が会社休業日なら有給なし。6連休(8/11〜16):8/12(木)を休めば山の日からつながります。10連休(8/7〜16):8/9(月)・10(火)・12(木)を休めば最大10連休になります。
なぜ地域によって時期が違う?
明治6年(1873年)に太陽暦(新暦)が採用された際、政府はお盆を新暦の7月15日に移行しようとしました。しかし新暦の7月15日は梅雨の真っ只中にあたり、月の下での盆踊りどころではありません。また農繁期とも重なるため、全国の多くの農村部ではひと月遅らせて8月15日に行う「月遅れ」の形が定着しました。東京を中心とした都市部では新暦7月に切り替わりましたが、現在も全国的には8月のお盆が主流です。このように旧暦から新暦への移行で季節感がずれてしまった行事を「月遅れ」で調整するのは、お盆に限らず日本各地の年中行事に見られる工夫です。
沖縄では現在も旧暦に基づいて行われるため、毎年日付が変わります。2027年の沖縄の旧盆は8月14日(土)〜16日(月)です(2026年は8月25日〜27日)。
釜蓋朔日からはじまるお盆の日程
お盆の行事は、実は7月1日から段階的に始まります。各日程には意味があり、準備の目安として知っておくと安心です。
- 7月1日「釜蓋朔日(かまぶたついたち)」:地獄の釜の蓋が開いて精霊たちが戻ってくる時期が来たことを表す日です。盆提灯を吊るし、お盆を迎える準備をはじめます
- 7月7日「七日盆」:盆入りする地方もあります。盆棚の飾りつけをしたり、お墓や仏壇の掃除をはじめたりする日です
- 7月12日「草市・盆の市・花市」:お盆の仕度に必要なものを売る露店が出る日です。最近は花屋さんや八百屋さんの軒先で売られることが多くなっています。供え物や盆花、ロウソクなどを用意します
- 7月13日:仏壇より位牌を精霊棚に移し、お供え物をします。お墓参りをして盆提灯に火を灯して帰り、門前などで迎え火を焚き、先祖の霊を迎え入れます
- 14〜15日:灯明を絶やさないようにし、朝・昼・夕の3度の食事は家族と同じものを供えます。親戚の家の盆棚にもお参りします
- 7月16日:精霊は午前中まで家にいるとされ、食事などのお供え物をします。夕方に送り火を焚いて先祖の霊を送り出します。精霊流しや灯籠流しを行う地方もあります
INFO / 月遅れの場合
上記は7月盆の地域の日程です。8月盆(月遅れ盆)の地域では、それぞれの日程がひと月遅れとなり、8月1日〜16日の流れで行われます。
お盆の4日間にやること
お盆期間の4日間には、それぞれ意味のある行事や風習があります。以下の流れを参考に、ご先祖様をお迎えしましょう。
- 018月13日(金)迎え火 ― 盆の入り精霊棚(盆棚)を整え、お供え物を並べます。夕方になったら玄関先でおがら(麻の茎)を焚いて迎え火を灯し、ご先祖様の霊をお迎えします。提灯に火を移して仏壇まで導く地域もあります。
- 028月14日(土)・15日(日)中日 ― お供えと供養ご先祖様が家にいらっしゃる期間です。お墓参りに行き、仏壇には故人の好物や季節の果物をお供えします。家族が集まって食事を囲み、故人を偲ぶ時間を過ごしましょう。法要がある場合はこの期間に行うことが多いです。
- 038月16日(月)送り火 ― 盆の明け夕方に再びおがらを焚いて送り火を灯し、ご先祖様の霊をあの世にお送りします。京都の「五山送り火」はこの日に行われます。精霊馬をお供えしていた場合は、川や海に流す(精霊流し)風習もあります。
お盆の準備チェックリスト
お盆を迎える前に済ませておきたい準備を時系列でまとめました。直前に慌てないよう、1週間前から少しずつ進めるのがおすすめです。
- 1週間前: お墓の掃除・仏壇周りの片付け・帰省の交通手配
- 3〜4日前: お供え物(果物・お菓子・線香・ろうそく)の購入・精霊棚の組み立て
- 前日(12日): 盆提灯の準備・おがら(迎え火用)の購入・精霊馬づくり(きゅうりとなすに割り箸を刺す)
- 当日(13日): 午前中にお供え物を飾り付け。夕方に迎え火を焚く
TIP / お盆の準備
お盆の準備は8月12日頃から始めます。仏壇の掃除、お供え物の購入、精霊棚(盆棚)の設置を行い、13日の迎え火でご先祖様をお迎えしましょう。
地域による過ごし方の違い
お盆の過ごし方は、地域によって大きく異なります。
関東
精霊馬を作る風習が根付いており、迎え火・送り火にはおがらを焚きます。東京では7月盆の家庭もあり、7月13日〜16日にお盆を行う場合もあります。
関西
関西では精霊馬を作る習慣があまりない地域もあります。京都では8月16日に五山送り火が行われ、「大」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」が山に灯されてご先祖様の霊を送ります。
九州(長崎)
長崎の精霊流し(しょうろうながし)は、初盆を迎えた家が故人を偲んで精霊船(しょうろうぶね)を手作りし、爆竹を鳴らしながら街中を練り歩いて流し場まで曳いていく行事です。毎年8月15日の夜、長崎の街は爆竹の音と掛け声に包まれます。
沖縄
沖縄のお盆は旧暦に基づいて行われるため、毎年日付が変わります。3日間にわたって行われ、独自の風習が色濃く残っています。
- ウンケー(迎え日):初日。ご先祖様をお迎えする
- ナカヌヒー(中日):2日目。親族が集まり、仏壇にお供え物をする
- ウークイ(送り日):最終日。ご先祖様を送り出す。家族でウチカビ(あの世のお金)を燃やす
沖縄ではエイサーと呼ばれる伝統芸能が盆の時期に各地で踊られ、太鼓と三線(さんしん)の音色が夏の夜に響きます。
お盆には、火や灯りを使ったさまざまな供養の形があります。万灯会(まんとうえ)は、数多くの灯明(とうみょう)を灯して仏や死者を供養する法会で、奈良の東大寺や京都の壬生寺(みぶでら)など全国の寺院で行われています。何千もの灯りが夜闇に浮かぶ幻想的な光景は、ご先祖様の霊を慰める荘厳な雰囲気を醸し出します。
精霊流し(しょうりょうながし)は、お盆の最終日に灯籠(とうろう)や供え物を載せた小舟を海や川に流し、ご先祖様の霊をあの世へお送りする風習です。長崎の精霊流しは特に有名で、爆竹や鉦(かね)の音が鳴り響く中、手作りの精霊船(しょうりょうぶね)が街を練り歩く壮大な行事として知られています。また、広島の灯籠流しや京都嵐山の灯籠流しも、送り盆の夜を彩る美しい伝統行事として多くの人に親しまれています。
CHAPTER 03盆棚の飾り方・精霊馬・お供えと新盆のマナー
盆棚(精霊棚)の飾り方
仏壇の前に盆棚(ぼんだな)または精霊棚(しょうりょうだな)と呼ばれる特別な祭壇を設けます。小さなテーブルや台に真菰(まこも)を敷き、以下のものを飾るのが一般的です。

- 位牌:仏壇から出して盆棚の中央に安置する
- 精霊馬:きゅうりとなすで作った馬と牛
- 盆花:ほおずき(提灯に見立て、霊の目印とする)、菊、ミソハギなど
- 水の子:さいの目に切ったなすときゅうりを洗い米と混ぜたもの。餓鬼への施し
- 閼伽水(あかみず):蓮の葉に清らかな水を入れたもの
- 供物:果物、お菓子、故人の好物など
CAUTION
飾り方は宗派や地域によって異なります。浄土真宗では盆棚を設けない場合もあるので、不明な点は菩提寺(ぼだいじ)に確認しましょう。
盆花には桔梗(ききょう)や百合、蓮(はす)の花などが使われますが、なかでもほおずきは欠かせない存在です。ほおずきは漢字で「鬼灯」と書きますが、これは提灯のように赤く灯るその姿が、帰ってくる霊(鬼)を導く灯りに見立てられたことに由来します。これらの盆花は単なる飾りではなく、精霊を招き寄せる依り代である「招代(おぎしろ)」としての役割を持っていました。
また、先祖霊と一緒に祀る者のない無縁仏(餓鬼霊)もやって来ると信じられていたため、盆棚とは別に庭先の低い場所にお供えをする「施餓鬼(せがき)」の風習もあります。餓鬼は地面から現れるとされることから、地面に近い場所に水や食べ物を置いて供養しました。施餓鬼は現在でも多くの寺院で盂蘭盆会の法要(ほうよう)とあわせて行われています。
精霊馬の意味と作り方
きゅうりとなすに割り箸や爪楊枝を刺して作る飾りで、お盆の風物詩のひとつです。

- きゅうりの馬:ご先祖様が早く帰ってこられるように、足の速い馬に見立てる
- なすの牛:ゆっくりあの世に帰ってほしい、また、たくさんのお供え物を持って帰れるようにという願い
精霊馬の作り方はとてもシンプルです。きゅうりには4本の割り箸(または爪楊枝)を脚として刺し、なすにも同様に4本を刺します。きゅうりはすらりとした形が馬を連想させるため「精霊馬(しょうりょううま)」と呼ばれ、なすはずんぐりした形が牛に見えることから「精霊牛(しょうりょううし)」と呼ばれます。足の速い馬に乗って早くこの世に帰ってきてほしい、帰りは牛に乗ってゆっくり名残を惜しみながら戻ってほしい――そんな故人への愛情が込められた飾りです。
精霊馬の向きは地域や家庭によってさまざまですが、迎え盆(13日)はきゅうりの馬を家の内側(仏壇)に向けて、送り盆(16日)はなすの牛を外に向けて飾るのが一般的です。
TIP / 精霊馬の足には麻幹を
精霊馬の足の部分には、割り箸のほかに麻幹(おがら)を使うのが伝統的です。麻幹は迎え火や送り火にも使われる素材で、お盆の準備の際にまとめて購入しておくと便利です。使い終わった麻幹をタンスに入れておくと湿気対策になり、衣服に困らないという言い伝えもあります。
精霊馬・精霊牛には地域によって独自のアレンジも見られます。近年では、きゅうりやなすを使いながらも、まるでスポーツカーや恐竜のような独創的なデザインに仕上げる「創作精霊馬」がSNSで話題になることもあります。子どもたちと一緒に作れば、お盆の意味を楽しみながら学べるよい機会になるでしょう。ただし、お供えが終わった精霊馬は食べずに、塩で清めてから白い紙に包んで処分するのが一般的なマナーです。川に流す地域もありますが、環境への配慮から可燃ごみとして出す家庭が増えています。
ただし、精霊馬の風習は主に関東地方のものです。関西ではあまり作らない地域もあり、沖縄では全く異なるお供え物の形式があります。
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ガラス製 精霊馬(きゅうり・なす)(新しいタブで開きます)
毎年使えるガラス製の精霊馬。野菜で作る代わりに飾れて、お盆の飾り付けを手軽に整えられます。
お供えの基本(五供)
仏壇へのお供え物は、「五供(ごく)」と呼ばれる5つの要素が基本です。
- 香(こう):線香やお香。心身を清め、仏様とつながる役割
- 花(はな):仏花。菊やリンドウ、カーネーションが一般的。トゲのある花(バラ等)や香りの強い花は避ける
- 灯明(とうみょう):ろうそくの灯り。仏様の知恵の光を表す
- 浄水(じょうすい):清らかな水。毎日取り替える
- 飲食(おんじき):ご飯、果物、お菓子、故人の好物など
CAUTION
お供え物として人気なのは、果物の盛り合わせ、水菓子、そうめん、お茶菓子などです。日持ちするもの、小分けにできるものが喜ばれます。肉や魚など殺生を連想させるものは避けましょう。
お供えを贈るときののし・表書き
お供え物を贈る際の基本マナーを確認しましょう。
- 表書き:「御供」「御仏前」が一般的。新盆の場合は「新盆御見舞」「御供物料」も可
- 水引:黒白または黄白の結び切りを使用。蝶結びの水引は「何度も繰り返す」意味があるため弔事には使用しない
- 金額の相場:親族は5,000〜10,000円、知人・友人は3,000〜5,000円が目安
お返しは「志(こころざし)」の表書きで、いただいた金額の3分の1〜半額程度が相場です。
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京都 鼓月 和菓子詰め合わせ(新しいタブで開きます)
京都の和菓子店・鼓月の銘菓詰め合わせ。お供えや法事向けに用意されたセットで、お盆の贈り物に使えます。
新盆(初盆)の迎え方
新盆(にいぼん・あらぼん)・初盆(はつぼん)とは、故人が亡くなって四十九日(しじゅうくにち)を過ぎた後に初めて迎えるお盆のことです。通常のお盆よりも丁寧に供養を行います。
ただし、四十九日がお盆の期間中に当たる場合は、翌年が新盆となります。
- 白紋天(しろもんてん):新盆専用の白い盆提灯を用意する。故人の霊が初めて帰ってくるため、目印として白い提灯を飾る。新盆が終わったら燃やすか、お寺でお焚き上げしてもらう
- 僧侶の手配:菩提寺に連絡し、棚経(たなぎょう)や新盆の法要を依頼する。お布施の目安は地域や寺院によって異なるため、菩提寺に確認すると安心
- 会食の準備:親族や故人と親しかった方を招いて会食する。自宅で行う場合と、料理店で行う場合がある
TIP / 白提灯の意味
通常のお盆で飾る盆提灯は絵柄の入った色物ですが、新盆では白い無地の提灯を用います。初めて帰ってくる故人の霊が迷わないよう、清浄な白で目印とする意味が込められています。白提灯は新盆のときだけ使い、お盆が終わったらお焚き上げするのがならわしです。
新盆のお供え・香典の相場
- 親族:5,000〜10,000円
- 友人・知人:3,000〜5,000円
- 会社関係:3,000〜5,000円
CHAPTER 04迎え火・送り火・盆踊りとお盆の過ごし方

迎え火・送り火
迎え火は、ご先祖様の霊が迷わず家に帰ってこられるように焚く目印です。玄関先や庭でおがら(麻の茎)を焙烙(ほうろく)の上で燃やすのが伝統的なやり方です。
送り火は、ご先祖様の霊をあの世へ無事にお送りするために焚きます。有名な送り火の行事として、京都の五山送り火(8月16日)があります。「大」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の5つの文字や形が山に灯され、夏の夜空を幻想的に彩ります。
マンションやアパートなどで火を焚けない場合は、盆提灯を玄関先に置いて代用できます。最近は電池式のLED盆提灯も販売されており、安全に飾ることができます。
新米パパ / 2歳児のパパ
マンション住まいだと迎え火は焚けないですよね?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
火を使えない場合は、盆提灯や電気式の迎え火キャンドルで代用できますよ。大切なのはご先祖様をお迎えする気持ちです。最近はLEDのおがら風ライトも販売されています。
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盆提灯 LED コードレス(高さ26cm・選べる6種類)(新しいタブで開きます)
LEDの電池灯で使えるコードレスの盆提灯。火を使わないのでマンションでも安心で、置き場所を選ばない高さ26cmのコンパクトサイズです。
盆踊り
盆踊りは、帰ってきたご先祖様の霊を慰め、あの世に送り出すために踊るのが本来の目的です。先述の目連尊者が母を救えた喜びで踊ったことが起源とされています。
盆踊りのもうひとつの源流とされるのが、平安時代中期の僧侶空也上人(くうやしょうにん)が広めた念仏踊りです。空也上人は市中で鉦(かね)を叩きながら念仏を唱え、踊りによって民衆に教えを説きました。この念仏踊りが死者の霊を慰め送るための踊りと結びつき、やがて各地の盆踊りへと発展していったと考えられています。
さらに鎌倉時代になると、時宗(じしゅう)の開祖である一遍上人(いっぺんしょうにん)が全国を遊行しながら踊り念仏(おどりねんぶつ)を広めました。一遍上人は念仏を唱えながら激しく踊ることで信仰を説き、各地で民衆を熱狂させたと伝えられています。この踊り念仏が、先祖の霊を迎え送る盆の行事と結びつき、現在の盆踊りの形へとつながっていきました。
室町時代以降、念仏踊りの流れをくむ盆踊りは全国に広まり、現在では地域の夏祭りの一環として親しまれています。盆踊りには大きく分けて、やぐらを囲んで円を描く「輪踊り」と、列をなして街を練り歩く「行列踊り」の2つの形態があります。
有名な盆踊りとしては、以下のものがあります。
- 阿波踊り(徳島県):日本最大規模の盆踊り。「踊る阿呆に見る阿呆」で知られる
- 郡上踊り(岐阜県郡上市):7月〜9月の約30夜にわたって踊られ、8月の徹夜踊りが有名
- 西馬音内盆踊り(秋田県羽後町):幽玄な雰囲気で知られ、国の重要無形民俗文化財に指定
行列踊りの代表例としては、富山県富山市八尾町の「おわら風の盆」が知られています。毎年9月1日〜3日に行われ、胡弓と三味線の哀愁漂う音色に合わせ、編笠を深くかぶった踊り手が町筋を静かに踊り歩く姿は幻想的です。西馬音内盆踊りの「亡者踊り」とともに、先祖霊と交流する盆踊りの本来の姿を色濃く残しています。
地獄の釜の蓋もあく「地獄盆」
お盆には「地獄の釜の蓋もあく」といわれ、地獄で苦しんでいる亡者もこの時期だけは責め苦を免れると信じられていました。地獄の休日ともいえるこの考え方から、かつてはお盆を「地獄盆」と呼ぶこともありました。奉公人や使用人たちにとっても、お盆は数少ない休みの期間であり、子どもたちは「地獄の鬼でさえ休む日」として大いに喜んだといわれています。
お墓参りとお墓の掃除
お盆にはお墓参りをするのが一般的です。13日の迎え盆にお墓参りをして、ご先祖様の霊をお迎えする地域が多いですが、14日や15日にお参りする地域もあります。
お墓参りの持ち物は、線香・ろうそく・マッチ(ライター)・花・水・掃除道具が基本です。墓石を清め、花と線香を供え、手を合わせてご先祖様に感謝の気持ちを伝えましょう。
お墓の掃除を行うのが一般的です。墓石を水で洗い、雑草を抜き、周囲を清めます。8月のお盆前であれば、8月上旬(8日〜12日頃)に行うのがよいでしょう。お墓参りとお掃除を兼ねて、13日の迎え盆に行く家庭も多くあります。
お盆の精進料理と行事食
お盆の期間中は精進料理(しょうじんりょうり)を食べる風習があります。精進料理とは、肉や魚など動物性の食材を使わず、野菜・豆腐・穀類を中心に調理した料理のことです。ご先祖様を供養する期間に殺生を避けるという仏教の教えに基づいています。

代表的なお盆の精進料理には、がんもどき・ひじきの煮物・きんぴらごぼう・ごま豆腐・素麺・なすの煮浸し・かぼちゃの煮物などがあります。これらは「五味(甘・酸・辛・苦・鹹)」「五色(白・黒・赤・黄・緑)」「五法(生・煮・焼・蒸・揚)」を意識して調理するのが理想とされています。
TIP / お盆に食べる定番メニュー
お盆の定番として素麺(そうめん)があります。細く長い素麺は「幸せが長く続くように」という願いが込められ、暑い時期にぴったりの涼やかな食べ物です。天ぷらを添えてお供え膳に並べたり、流しそうめんで子どもたちと楽しんだりするのもおすすめです。
また、お盆にはおはぎ(ぼたもち)を作る地域も多くあります。春のお彼岸に食べるのが「ぼたもち(牡丹餅)」、秋のお彼岸が「おはぎ(お萩(はぎ))」ですが、お盆にもご先祖様へのお供え物として作られます。小豆の赤い色には邪気を祓う力があるとされ、ご先祖様への感謝と家族の健康を願って供えます。
お盆の服装
お盆の法要やお墓参りにふさわしい服装は、場面によって異なります。新盆(初盆)の法要では、招待状に「平服でお越しください」と書かれていても、略喪服を着用するのがマナーです。男性はダークスーツに黒ネクタイ、女性は黒や紺のワンピースやアンサンブルが適切です。
通常のお盆のお墓参りでは、落ち着いた色合いの普段着で問題ありません。ただし、露出の多い服装や派手な色柄は避けましょう。真夏の暑い時期なので、熱中症対策として帽子・日傘・飲み物を忘れずに。お寺の本堂で法要がある場合は、素足はマナー違反になるためストッキングや靴下を持参しましょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
子どもはどんな服装がいいですか?小さい子に黒い服を着せるのは大変で…
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
小さなお子さんの場合、黒でなくても紺やグレーなど落ち着いた色であれば問題ありません。制服がある年齢なら制服で参列するのが最も無難ですよ。赤ちゃんは白や淡い色のシンプルな服で大丈夫です。真夏なので、着替えや水分補給の準備もお忘れなく。
帰省と子どもと過ごすお盆
お盆は「帰省」と結びつく行事でもあります。故郷に帰ってお墓参りをし、親戚が一堂に会する機会として、多くの方にとって年に一度の大切な家族の時間です。近年は帰省ラッシュの混雑を避けるため、お盆の前後にずらして帰省する「分散帰省」を選ぶ方も増えています。
遠方で帰省が難しい場合は、オンラインでお墓参りをする「リモート参拝」サービスも登場しています。霊園のスタッフがお墓の清掃やお供えを代行し、その様子をビデオ通話で見守ることができます。また、自宅でご先祖様の写真を飾り、家族で思い出話をするだけでも立派な供養になります。

近年は、お盆に帰省した孫や子どもにお小遣いを渡す「お盆玉」も広まっています。お年玉の夏版ともいえる新しい習慣で、専用のぽち袋も販売されています。金額は年齢に合わせて、お年玉より少なめにする家庭が多いようです。
子どもたちにとってのお盆は、日本の伝統文化に触れる貴重な機会です。精霊馬を一緒に作ったり、盆踊りに参加したり、ご先祖様のお話を聞かせたりすることで、命のつながりや感謝の心を自然に学ぶことができます。花火大会や夏祭りとあわせて、夏の思い出として心に残る体験をさせてあげましょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
お盆の過ごし方、子どもにどう伝えたらいいですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
「ご先祖様が会いに来てくれる日」と伝えるのがわかりやすいですよ。精霊馬を一緒に作ったり、お墓参りで手を合わせたりする体験を通じて、命のつながりや感謝の気持ちを自然に学べます。
CHAPTER 05お盆に関するよくある質問
A.
「この時期に水辺に行くと霊に引き込まれる」という言い伝えがあります。これは迷信ではありますが、実際にこの時期はクラゲが増え、水温の変化で潮の流れが変わりやすいため、安全面での注意喚起としての意味もあるとされています。
A.
浄土真宗では「亡くなった方はすぐに浄土に往生する」という教えから、霊が帰ってくるという考えはありません。ただし、ご先祖様に感謝し、仏法に触れる機会として「歓喜会(かんぎえ)」という法要を行います。
A.
例年、下りはお盆入り前の週末、上りはお盆明けの前後がピークです。2027年は8月13日(金)〜16日(月)がお盆なので、下りは8月7日(土)〜13日(金)、上りは8月15日(日)〜16日(月)ごろに混雑が予想されます。高速道路の渋滞を避けるなら、早朝や深夜の出発がおすすめです。
A.
伝統的には、お盆の期間中は殺生を避ける、新しいことを始めない(引越し・結婚など)、針仕事をしないといった言い伝えがあります。ただし現代ではこれらを厳密に守る家庭は少なくなっており、ご先祖様に感謝の気持ちを持ちつつ過ごすことが大切です。
A.
仏壇がなくてもお盆を過ごすことはできます。小さなテーブルや棚の上に白い布を敷き、写真立て・お花・お線香・故人の好物を置いて簡易的な祭壇を作りましょう。マンション住まいで迎え火が焚けない場合は、盆提灯やLEDキャンドルで代用できます。
A.
マナー上は問題ありませんが、多くの方が帰省するため参列者が集まりにくく、会場も割高になる傾向があります。年配の親族から「お盆に慶事は控えるべき」と言われることもあるため、事前に両家で相談するのがよいでしょう。
CHAPTER 06まとめ
お盆は、ご先祖様を家にお迎えして供養し、感謝を伝える日本の夏の伝統行事です。2027年は8月13日(金)に迎え火、16日(月)に送り火が一般的な流れです。盆棚を整えて精霊馬や季節の果物を供え、火を使えない住まいでは盆提灯で代用しても構いません。子どもと一緒に精霊馬を作ったりお墓参りをしたりして、命のつながりを感じる時間を過ごしてください。






