厄落とし・厄祓い(やくばらい)・厄除け(やくよけ)。どれも厄年に関わる言葉ですが、実は意味も行う場所も少しずつ異なります。この記事では、厄落とし・厄祓い・厄除けの違い、それぞれを行うタイミングや場所、自宅でできる厄落としの方法、初穂料の相場まで、わかりやすく整理して解説します。
CHAPTER 01厄落とし・厄祓い・厄除けの違い
厄落とし・厄祓い・厄除けは、厄年や災厄から身を守るための行為として混同されがちですが、本来は意味も行う場所も異なります。
| 呼び方 | 意味 | 主に行う場所 |
|---|---|---|
| 厄落とし | 身につけているものを意図的に落として厄を一緒に落とす行為。神事ではなく自助的な習慣 | 自宅・自分自身で行う |
| 厄祓い(やくばらい) | 神道の祈祷で、すでに身についた厄を祓い清める儀式 | 神社 |
| 厄除け(やくよけ) | 仏教の祈祷で、災厄が近づかないよう祈願する儀式 | お寺 |
INFO
現代では3つの言葉はほぼ同じ意味で使われることが多く、神社・お寺によっては「厄祓い」「厄除け」の両方を案内しているところもあります。意味の違いを知っておくと、自分に合った参拝先を選びやすくなります。
- 厄落とし
- 古いものを手放して厄を一緒に落とす自発的な行為
- 厄祓い
- 神社で受ける神道の厄祓い祈祷。お祓いとも呼ばれる
- 厄除け
- お寺で受ける仏教の厄除け祈祷。護摩焚きを伴うことも
- お祓い
- 神道の浄化の儀式全般。厄祓いもお祓いの一種
CHAPTER 02厄落としをするタイミングと時期
厄落としは厄年に行うのが一般的ですが、人生の節目や運気の流れを変えたいときに行ってもかまいません。
おすすめのタイミング
- 前厄・本厄・後厄に入る年の年初: 元旦から節分までが伝統的
- 誕生日の前後: 数え年が変わる節目として
- 新年度の始まり: 4月の生活変化に合わせて
- 体調や運気の変化を感じたとき: 不調が続くときの気持ちの切り替えに
TIP
厄祓いは「節分まで」と聞くことが多いですが、これは立春(りっしゅん)が暦の上で新年とされてきたためです。1年中いつでも行えるので、ご自身の都合や気分に合わせて選びましょう。
パ
新米パパ / 本厄を迎える夫
今年本厄なんですが、神社とお寺どちらに行けばいいか迷っています。なんとなく違いがあるとは聞きましたが、選び方の基準はありますか?
博
CHAPTER 03神社とお寺、どちらに行くべきか
神社とお寺では祈祷の方法や雰囲気が異なります。それぞれの特徴を知って、ご自身に合った場所を選びましょう。
| 項目 | 神社(厄祓い) | お寺(厄除け) |
|---|---|---|
| 主な祈祷 | 祓詞(はらえことば)の奏上、玉串奉奠 | 護摩焚き、読経 |
| 雰囲気 | 清浄な空気、静謐 | 祈祷の音と香、迫力 |
| 授与品 | お札、お守り、御幣 | お守り、護摩札 |
| 所要時間 | 20〜30分 | 30〜60分 |
| 代表例 | 明治神宮、大宮八幡宮、川崎大師(実は寺) | 西新井大師、佐野厄除け大師、川崎大師 |
CAUTION
「川崎大師」「佐野厄除け大師」「西新井大師」のように「大師」がつく寺院は、お寺ですが厄除けで非常に有名です。「神社かお寺か」だけでなく、地域で信頼されている祈祷所を選ぶのも良い方法です。
CHAPTER 04自宅でできる厄落としの方法
神社やお寺へ行く時間が取れない方や、祈祷とあわせて日常的に厄を落としたい方には、自宅でできる厄落としもおすすめです。
- 01古いものを手放す古い財布・着なくなった服・割れた食器など、長く使ったものを思い切って処分します。「物を手放すと厄が落ちる」という考え方です。
- 02塩を使ったお清め玄関先に盛り塩を置く、お風呂に天然塩をひとつまみ入れて入浴するなど、塩の浄化作用を活用します。
- 03節分の豆まき「鬼は外、福は内」の豆まきは家庭でできる代表的な厄落としです。節分に家族で行いましょう。
- 04近隣の神社に参拝祈祷を受けなくても、近所の神社に静かに手を合わせるだけでも気持ちが整います。
- 05厄除けのお守りを身につける前年に頂いたお札・お守りは、その年の年末に神社やお寺の古札納所に納めます。
TIP
厄落としは「気持ちの切り替え」の効果も大きい習慣です。新しいスタートを切る覚悟が決まり、行動が前向きになるという心理的な効果も期待できます。
CHAPTER 05初穂料・お布施(ふせ)の相場と包み方
厄祓い・厄除けの祈祷を受ける際は、神社では「初穂料」、お寺では「お布施」または「祈祷料」を納めます。
5,000〜10,000円
神社の初穂料
5,000〜10,000円
お寺のお布施
5,000〜30,000円
有名な厄除け寺
10,000〜30,000円
団体・家族祈祷
INFO
のし袋は紅白の蝶結びを選び、表書きは神社なら「初穂料」「御初穂料」、お寺なら「お布施」「御祈祷料」と書きます。下段に祈祷を受ける方の氏名を記します。新札を用意するとより丁寧です。
CHAPTER 06厄落とし・厄祓い・厄除けの正しい使い分け
「厄落とし」「厄祓い」「厄除け」の3つの言葉は混同されがちですが、厳密には異なる意味を持ちます。厄除けは、厄(災い)が寄ってこないように予防すること。厄祓いは、すでに身についている厄を祓い清めること。厄落としは、自ら厄を落とすための行為を行うことです。
日常会話ではこの3つをほぼ同じ意味で使っても問題ありませんが、神社とお寺では使い分けがあります。一般的に、神社では「厄祓い」「厄除け」、お寺では「厄除け」の祈祷を行います。ただし、すべての神社・寺院がこの区分を厳密に守っているわけではないので、気にしすぎる必要はありません。
厄除け祈祷の受け方
- 01神社・お寺を選ぶ氏神様の神社や、厄除けで有名な神社・お寺を選びます。厄除けに特にご利益があるとされる社寺もあります。
- 02祈祷の予約大きな神社では予約不要で随時受付ですが、小さな神社やお寺では事前予約が必要な場合があります。
- 03初穂料(祈祷料)を用意相場は5,000円〜10,000円です。のし袋に「初穂料」(神社)または「お布施」(お寺)と書いて準備します。
- 04当日の服装正装でなくても問題ありませんが、清潔感のある服装で参拝しましょう。ジーンズやサンダルは避けるのが無難です。
- 05祈祷を受ける受付後、拝殿や本堂に通され、神主や僧侶による祈祷を受けます。所要時間は15分〜30分程度です。
- 06お札・お守りを受け取る祈祷後にお札やお守りが授与されます。お札は神棚や目線より高い清浄な場所に祀りましょう。
厄除けに最適な時期
厄除け祈祷を受ける最適な時期は、一般的に年の初め(元旦〜節分)とされています。旧暦では節分が大晦日(おおみそか)にあたるため、新年を迎える前に厄を祓うという考え方です。ただし、年間を通じていつでも厄除け祈祷は受けられますので、気になったときに参拝するのが良いでしょう。
厄年の前年(前厄)に祈祷を受け、本厄の年にも再度祈祷を受け、後厄の年にもお参りするという「3年間通う」スタイルが最も丁寧です。ただし、本厄の年に1度だけ祈祷を受けるのでも十分です。
CHAPTER 07自分でできる厄落としの方法
神社やお寺に行かなくても、日常的にできる厄落としの方法はいくつかあります。最も一般的なのは「身の回りのものを新しくする」ことです。財布、下着、靴など、肌に直接触れるものを新調すると、厄が落ちるとされています。特に白い下着は清浄の象徴として効果的と言われています。
断捨離も厄落としに効果的です。不要なものを処分し、部屋を清潔に保つことで、気の流れが良くなるとされています。古くなったお守りやお札は、いただいた神社やお寺にお返し(お焚き上げ)しましょう。また、塩を使った浄化(盛り塩など)も家庭でできる簡易的な厄除けです。
INFO / 厄年でない年でも厄除けは効果がある?
厄年以外でも厄除け祈祷を受けることはできます。最近不運が続く、体調が優れない、大きな決断を控えているなど、気持ちの整理をつけたい場面では、厄年に関係なく祈祷を受けるのも良い選択です。神社やお寺は「心の支え」を得る場所でもあります。
パ
新米パパ
厄除けのお守りはどこに付けておくのがいいですか?
博
カゾイロ博士
厄除けのお守りは常に身につけておくのが最も効果的とされています。バッグの内ポケットや財布の中に入れておくのが一般的です。車に乗る方は、車内に安全祈願のお守りとして置くのも良いでしょう。お守りの有効期限は一般的に1年間とされ、年末年始に神社にお返しして新しいものを受けるのが理想的です。
厄落とし・厄祓い・厄除けは、名前は違えどすべて「災いから身を守りたい」という人々の願いから生まれた伝統です。科学的根拠の有無に関わらず、自分の心身を大切にし、前向きな気持ちで過ごすきっかけとして活用してください。
CHAPTER 08厄年の年齢一覧 ─ 男性・女性の厄年早見表
厄年は男女で異なり、数え年で数えます。数え年は生まれた年を1歳とし、元旦に1歳ずつ加える計算方法です。前厄・本厄・後厄の3年間が厄年にあたり、本厄が最も注意が必要とされています。
| 性別 | 前厄 | 本厄 | 後厄 | 大厄 |
|---|---|---|---|---|
| 男性 | 24歳 | 25歳 | 26歳 | |
| 男性 | 41歳 | 42歳 | 43歳 | 42歳が大厄 |
| 男性 | 60歳 | 61歳 | 62歳 | |
| 女性 | 18歳 | 19歳 | 20歳 | |
| 女性 | 32歳 | 33歳 | 34歳 | 33歳が大厄 |
| 女性 | 36歳 | 37歳 | 38歳 | |
| 女性 | 60歳 | 61歳 | 62歳 |
INFO / 数え年と満年齢の違い
数え年は、生まれた日を1歳として計算します。例えば、2026年に満年齢で24歳になる方は、数え年では25歳です。厄年の計算は数え年で行うのが伝統的ですが、神社によっては満年齢で受け付けるところもあります。祈祷を受ける前に確認しましょう。
厄年にやってはいけないこと・気をつけること
厄年には「大きな決断を避けるべき」という言い伝えがありますが、これはあくまで昔からの風習であり、科学的根拠はありません。ただし、心がけとして知っておくと安心でしょう。
一般的に厄年に避けたほうがよいとされるのは、引越し・家の新築・転職・結婚・起業など人生の大きな転機となる事柄です。しかし現代では「厄年だから」という理由だけで人生の大切な決断を先延ばしにする必要はないという考え方が主流です。
パ
新米パパ
厄年に転職を考えているのですが、やめたほうがいいですか?
博
カゾイロ博士
厄年を理由に転職を見送る必要はありません。厄年は体調や環境の変化が起きやすい年齢に重なることが多いので、「いつも以上に慎重に判断しましょう」という先人の知恵だと捉えてください。厄除け祈祷を受けて心の区切りをつけ、前向きに進むのが良いですよ。
CHAPTER 09厄除けで有名な神社・お寺
全国には厄除けのご利益で知られる神社やお寺が数多くあります。地元の氏神様で祈祷を受けるのが基本ですが、特に有名な社寺を訪れるのも良いでしょう。
| 神社・お寺 | 所在地 | 特徴 |
|---|---|---|
| 佐野厄除け大師(惣宗寺) | 栃木県佐野市 | 関東の三大厄除け大師の一つ。正月の厄除け祈祷で有名 |
| 川崎大師(平間寺) | 神奈川県川崎市 | 関東の三大厄除け大師。初詣の参拝者数は全国屈指 |
| 西新井大師(總持寺) | 東京都足立区 | 関東の三大厄除け大師。女性の厄除けに特にご利益があるとされる |
| 門戸厄神(東光寺) | 兵庫県西宮市 | 関西随一の厄除け寺。毎年1月の厄除け大祭に多くの参拝者が訪れる |
| 石清水八幡宮 | 京都府八幡市 | 厄除けの神として信仰される八幡大神を祀る。国宝の社殿も必見 |
| 大本山 成田山新勝寺 | 千葉県成田市 | 不動明王のご利益で厄除け祈祷が人気。交通安全祈願でも有名 |
厄除け祈祷の服装とマナー
厄除け祈祷を受ける際の服装に厳密な決まりはありませんが、神聖な場にふさわしい清潔感のある服装を心がけましょう。男性はスーツまたはジャケット着用、女性はワンピースやブラウス+スカートなどのきちんとした装いが望ましいです。
避けるべき服装は、露出の多い服、派手な色柄、サンダル、ジーンズ、スウェットなどです。特に本殿での祈祷は靴を脱いで上がることが多いため、素足は避けて靴下を履いておきましょう。冬場は寒いのでカイロや膝掛けがあると安心です。
TIP / 祈祷を受ける際の持ち物
初穂料(のし袋に入れる)、数珠(じゅず)(お寺の場合)、ハンカチ、カイロ(冬場)を持参しましょう。初穂料は事前に金額を確認し、お釣りが出ないように新札で用意するのが丁寧です。のし袋の表書きは神社なら「御初穂料」、お寺なら「御祈祷料」と書きます。
CHAPTER 10前厄・後厄の過ごし方と厄明け
厄年は本厄だけでなく、前厄と後厄の3年間を通して注意が必要とされています。前厄は「厄の前兆が現れ始める年」、後厄は「厄が薄れていく年」と考えられています。
前厄の年は、本厄に備えて厄除け祈祷を受けるのがおすすめです。3年間毎年祈祷を受けるのが最も丁寧な方法ですが、本厄の年だけ祈祷を受ける方も多いです。後厄が明ける年(後厄の翌年)には「厄明け」として、お世話になった神社やお寺にお礼参りをする風習があります。
パ
新米パパ
前厄・本厄・後厄の3年間、毎年祈祷を受けたほうがいいですか?
博
カゾイロ博士
理想的ではありますが、必ずしも3年間すべてで祈祷を受ける必要はありません。一番大切なのは本厄の年です。前厄で一度祈祷を受け、本厄で再度受け、後厄はお礼参りをするという方も多いですよ。無理のない範囲で参拝しましょう。
厄除けグッズ・お守りの効果と扱い方
厄除け祈祷を受けた際にいただくお守りやお札には、災厄から身を守る力が込められているとされています。お札は自宅の神棚や目線より高い清潔な場所に祀り、お守りは肌身離さず持ち歩くのが理想です。
お守りやお札の有効期限は一般的に1年間です。1年経ったら、いただいた神社やお寺に返納してお焚き上げをしてもらいましょう。遠方の場合は郵送で受け付けている社寺もあります。他の神社のお守りを返納しても問題ないところが多いですが、事前に確認すると安心です。
- 厄除けのお守り
- カバンや財布に入れて持ち歩く。汚れないよう丁寧に扱い、1年後に返納する。
- 厄除けのお札
- 神棚または目線より高い場所(東向きまたは南向き)に祀る。直射日光を避ける。
- 厄除けの腕輪(ブレスレット)
- パワーストーンの厄除けブレスレットも人気。黒色のオニキスや水晶が定番。
- 七色のもの
- 「七難即滅 七福即生」の教えから、七色のものを身につけると厄除けになるとされる。長い紐に7色のビーズを通した厄除けアクセサリーなども。
厄年と人生の転換期の関係
厄年の年齢は、実は人生の転換期と深く関係しています。男性の25歳は社会人として仕事に慣れ始め責任が増す時期、42歳は管理職として重責を担い体力の衰えも感じ始める時期です。女性の19歳は進学・就職という大きな環境変化、33歳は出産・育児のピーク、37歳は仕事と家庭の両立に悩む時期にあたります。
昔の人々は経験的に「この年齢には体調を崩しやすい」「判断を誤りやすい」ということを知っており、それを「厄」として注意を促す文化を作りました。現代医学の観点からも、これらの年齢ではホルモンバランスの変化や生活習慣病のリスク増加が指摘されており、厄年は「健康に気をつけなさい」という先人からのメッセージとも解釈できます。
パ
新米パパ
厄年に実際に悪いことが起こる確率は高いのですか?
博
カゾイロ博士
科学的な統計で「厄年に不幸が多い」という結果は出ていません。しかし、厄年の年齢は身体的・精神的に変化が大きい時期と重なるため、体調を崩したりトラブルに見舞われたりするリスクが相対的に高まるのは事実です。厄年を「定期的に自分を見つめ直す機会」として活用するのが賢い付き合い方ですね。
CHAPTER 11厄除け祈祷の当日の流れ
厄除け祈祷の当日は、以下の流れで進みます。初めて祈祷を受ける方も、事前に流れを知っておけば安心して臨めるでしょう。
- 01受付・申込書の記入社務所または受付で祈祷の申込書に名前・住所・生年月日・願意(厄除け・厄祓い)を記入し、初穂料を納めます。
- 02待合室で待機祈祷の順番が来るまで待合室で待ちます。コートは脱いでおき、携帯電話はマナーモードにしましょう。
- 03本殿・本堂に入場案内に従い、靴を脱いで本殿または本堂に上がります。指定の場所に正座またはあぐらで座ります。
- 04祈祷の開始神社では祝詞(のりと)が奏上され、お寺では読経が行われます。目を閉じて静かに祈りを捧げましょう。
- 05お祓い・焼香神社では大麻(おおぬさ)で祓い清められます。お寺では焼香を行う場合があります。
- 06お守り・お札の授与祈祷が終わると、厄除けのお守りやお札が授与されます。お札は自宅に持ち帰り、神棚や高い場所に祀りましょう。
祈祷の所要時間は15〜30分程度が一般的です。複数の祈祷者と合同で行う場合は、自分の名前が読み上げられたら軽く頭を下げましょう。正月〜節分の時期は混雑するため、予約制の神社やお寺もあります。事前に電話やウェブサイトで確認しておくとスムーズです。
厄除けに関する食べ物と風習
厄除けに関連する食べ物や風習にはさまざまなものがあります。厄除け饅頭は最もポピュラーな風習で、厄年の人が紅白の饅頭やお菓子を周囲の人に配ることで厄を分散させるという考え方に基づいています。
また、厄除けの「長いもの」を身につける風習もあります。マフラー、ネクタイ、ネックレス、帯など長い形状のものは「長寿」を象徴し、厄を祓う力があるとされています。厄年の方へのプレゼントとして、パールのロングネックレスやシルクのマフラーを贈るのも喜ばれます。
TIP / 厄除けの品 ── 長いもの・うろこ模様・七色
厄除けの品として伝統的に贈られるものには3つの系統があります。「長いもの」(帯、ネクタイ)は長寿を願う意味、「うろこ模様のもの」(財布、小物)は蛇の脱皮に通じ厄を脱ぐ意味、「七色のもの」は七難を避ける意味があるとされています。厄年の方へ贈り物を選ぶ際の参考にしてみてください。
TIP / 厄除けに良いとされる食べ物
小豆(あずき)は赤色が邪気を祓うとされ、お赤飯やぜんざいが厄除けに良いと言われています。また、桃は古来から邪気を祓う果物として珍重されてきました。節分の豆も厄除けの食べ物の一つで、年の数だけ食べることで健康を祈ります。
厄除けの色と縁起の良いアイテム
厄除けに効果があるとされる色やアイテムがあります。最も代表的なのは「七色」のもので、これは「七難即滅 七福即生」という仏教の教えに由来します。虹の七色を身につけることで七つの災難が去り、七つの幸福が訪れるとされています。七色のブレスレットやストラップ、ポーチなどが厄除けグッズとして人気です。
色別では、赤は古くから邪気を祓う力があるとされ、還暦(かんれき)の赤いちゃんちゃんこもこの考えに基づいています。白は清浄を象徴し、お守りや下着に白を選ぶ方もいます。金色・黄色は金運を招く色として財布やアクセサリーに取り入れる方が多いです。厄年の方へのプレゼントには、これらの色を使ったアイテムを選ぶと喜ばれるでしょう。
厄除け・厄祓いのパワースポット巡り
厄年を機にパワースポットを巡る方も増えています。神社やお寺に限らず、滝や巨石、古木など自然のエネルギーを感じられる場所も厄除けスポットとして人気です。特に「気」の流れが良いとされる場所を訪れることで、心身のリフレッシュ効果も期待できます。
パワースポット巡りのポイントは、一日に何箇所も回らないことです。欲張って多くの場所を訪れると、かえって疲れてしまいます。一箇所でゆっくり時間を過ごし、境内を散策したり、自然の音に耳を傾けたりすることで心が整います。お参り後は近くの温泉や旅館に宿泊して、日常から離れた時間を楽しむのもおすすめです。
TIP / 厄除け旅行のおすすめ
厄年にはお伊勢参り(三重県・伊勢神宮)や熊野三山巡り(和歌山県)が古くから人気です。また、四国八十八ヶ所のお遍路も厄除けとして知られています。すべてを巡る本格的な遍路でなくても、数箇所だけ参拝する「プチ遍路」が手軽に楽しめると近年注目されています。
CHAPTER 12厄年を前向きに過ごすための心構え
厄年は「悪いことが起きる年」と捉えるのではなく、「自分を見つめ直す年」として前向きに活用することが大切です。厄年の年齢は身体的・社会的に変化が大きい時期と重なるため、健康診断を丁寧に受ける、生活習慣を見直す、人間関係を整理するなど、自分自身のメンテナンスに充てる良い機会です。
厄年を過度に恐れてストレスを溜め込むことは、かえって心身に悪影響を及ぼします。厄除け祈祷を受けることで「守られている」という安心感を得て、日々の生活を前向きに送ることが最も効果的な厄除けになるでしょう。実際に、厄年を機に新しいことに挑戦して人生が好転した方も多くいます。「厄」を「役」と読み替え、自分に与えられた役割を見つめ直す年として捉えてみてはいかがでしょうか。
パ
新米パパ
厄年にあえて新しいことを始めるのは良くないのでしょうか?
博
カゾイロ博士
厄年に新しいことを始めてはいけないという決まりはありません。むしろ、厄年を変化のきっかけにして資格取得や健康づくりを始める方も多いですよ。大切なのは、いつも以上に慎重に計画を立て、無理をしないことです。
厄年のお祝い ─ 厄払い飲み会と厄祝い
厄年を前向きに捉える風習として、「厄祝い」や「厄払い飲み会」があります。親しい友人や同僚が集まって厄年の本人をお祝いし、みんなで厄を分散させようという考え方です。特に男性の42歳、女性の33歳の大厄では、仲間が厄除けグッズをプレゼントしたり、一緒に神社に参拝したりするケースもあります。
厄年の本人が周囲にお菓子やお酒を振る舞うことで厄を落とす「厄まき」の風習もあります。地域によっては厄年の方が紅白の餅や饅頭を近所に配る文化が残っており、厄を「みんなに分けて小さくする」という考え方に基づいています。厄年だからといって閉じこもるのではなく、人との繋がりを大切にしながら明るく過ごすことが、最良の厄除けになるのかもしれません。
厄落としの方法として餅まきや宴席を設ける風習も各地に残っています。人に振る舞うことで自分の厄を分散させるという考え方で、特に本厄の年に盛大に行う地域もあります。餅まきは神社の境内で行われることが多く、近隣の住民がこぞって集まる地域の行事にもなっています。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
男性の42歳が大厄と言われますが、「42」という数字に何か意味があるのですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
実は語呂合わせの俗説があります。四十二(しに)は「死に」、女性の大厄の三十三(さんざん)は「散々」と読めるため不吉とされたのです。ただしこれは後付けの民間語源で、厄年の起源そのものとは別の話です。身を慎み、派手な振る舞いや大きな変化を避けるのが良いとされてきたのは、年齢的に体調を崩しやすい時期と重なるためでしょう。
厄落とし・厄祓い・厄除けは、名称や方法は異なりますが、いずれも災厄を遠ざけて平穏な日々を送りたいという人々の切実な願いから生まれた風習です。科学的な根拠の有無にかかわらず、神社やお寺に参拝して心を整え、自分自身と向き合う時間を持つことには大きな意味があります。厄年をきっかけに生活習慣を見直したり、健康診断を受けたり、お世話になった方に感謝を伝えたりすることで、結果的に人生がより良い方向に進むことも少なくありません。厄年は恐れるものではなく、自分の人生を丁寧に生きるための知恵として受け止めてみてはいかがでしょうか。
厄年を前向きに捉えることで、人生の節目を意義あるものにすることができます。自分の健康と向き合い、家族や友人への感謝を改めて感じる機会として活用しましょう。厄除け祈祷で心を清め、新たな気持ちで日々の生活に臨むことが、最良の厄除けとなるはずです。
CHAPTER 13よくある質問
A.
何回行っても問題ありません。前厄・本厄・後厄の3年間続けて行う方も多く、年に1回の習慣として続けてもよいでしょう。
A.
両方行うのは問題ありませんが、本来は同じ目的の祈祷です。ご家族の宗教や好みに合わせて、どちらか1つを選ばれる方が多いです。
A.
古くは厄年の方が「厄落としの宴」を開き、親しい人を招いて飲食を振る舞う風習がありました。現代では家族で祈祷後に食事会をする程度が一般的です。
A.
本厄の年だけ受ける方が多いですが、心配なら3年連続で受けてもかまいません。気持ちが落ち着く範囲で行うのがおすすめです。
A.
もちろんです。人生の節目、転職や引っ越しのタイミング、運気の流れを変えたいときなど、いつ行っても意味があります。
A.
男性は3回(25歳・42歳・61歳が本厄)、女性は4回(19歳・33歳・37歳・61歳が本厄)あります。それぞれの前後1年を含めると、男性は計9年間、女性は計12年間が厄年にあたります。
A.
必ずしも必要ではありませんが、後厄が明けたらお礼参りをするのが丁寧です。祈祷を受けた神社やお寺を訪れ、無事に厄年を過ごせたことへの感謝を伝えましょう。お守りやお札の返納も兼ねて参拝するのがおすすめです。
A.
どちらか一方で十分です。厄除けはお寺、厄祓いは神社で行われます。どちらも厄を遠ざけるという目的は同じなので、普段から参拝している神社やお寺で祈祷を受けるのが最も自然です。
TIP / あわせて読みたい
『冠婚葬祭 暮らしのマナー大百科』では、厄落とし・厄祓い・厄除けはいずれも厄年にまつわる災厄を避けるための風習ですが、それぞれ意味合いが異なると解説されています。厄祓い(やくばらい)は神社で穢れを祓う神道系の儀式、厄除け(やくよけ)は寺院で護摩祈祷などにより厄を寄せ付けない仏教系の祈願を指します。一方、厄落としは自ら大切なものを落とす(手放す)ことで意図的に災いを小さくする民間の風習です。同書では時期は元日から節分までの間に済ませるのが望ましいとされ、服装は落ち着いた清潔感のあるものを選ぶとよいと記されています。
CHAPTER 14まとめ
厄落とし・厄祓い・厄除けは、いずれも厄を遠ざけて新しい年を清らかに迎えるための日本の伝統的な習慣です。神社か寺院かに迷ったら、ご家族の宗教やご縁のある祈祷所を選ぶとよいでしょう。自宅での厄落としも気持ちの切り替えに効果的なので、ぜひ取り入れてみてください。

