厄年(やくどし)とは、人生の中で災厄が降りかかりやすいとされる年齢のことです。男性にとっては25歳・42歳・61歳が本厄にあたり、とくに42歳の「大厄」は古来より最も注意が必要な年とされてきました。この記事では、厄年の意味や歴史的な由来から、男性の厄年一覧、厄払いの時期・服装・当日の流れ、やってはいけないとされること、厄除けの贈り物まで詳しく解説します。
CHAPTER 01厄年とは?意味と基本の考え方
厄年とは、身体的にも社会的にも変化が起きやすい年齢に注意を促す、日本古来の風習です。「厄」は災難や苦難を意味し、その年齢にあたる人は神社やお寺で厄払い(厄除け)の祈祷を受けることが広く行われています。
厄年は数え年(かぞえどし)で計算します。数え年とは、生まれた年を1歳と数え、その後は毎年1月1日に1歳加える方式です。実用的には「満年齢+1歳」、もしくは「誕生日前なら+2歳」で求められます。
- 前厄(まえやく)
- 本厄の前年。厄の前兆が現れるとされ、慎重に過ごしたい年です
- 本厄(ほんやく)
- 最も災厄が降りかかりやすいとされる年。厄払いを行う中心の年です
- 後厄(あとやく)
- 本厄の翌年。厄が薄れていく年ですが、油断は禁物とされます
つまり厄年は本厄だけでなく、前厄・本厄・後厄の3年間を通じて注意すべきとされています。前厄から厄払いを受ける方も多く、3年間毎年祈祷に行く方もいます。
CHAPTER 02男性の厄年一覧 — 年齢早見表
25・42・61歳
男性の本厄(数え年)
42歳
男性の大厄
3年間
前厄〜後厄の期間
男性の厄年は数え年で25歳・42歳・61歳の3回です。それぞれの前厄・本厄・後厄を一覧にまとめます。
| 区分 | 第1の厄年 | 第2の厄年(大厄) | 第3の厄年 |
|---|---|---|---|
| 前厄 | 24歳 | 41歳 | 60歳 |
| 本厄 | 25歳 | 42歳 | 61歳 |
| 後厄 | 26歳 | 43歳 | 62歳 |
この中でも42歳の本厄は「大厄(たいやく)」と呼ばれ、最も注意が必要とされています。「四十二」が「死に」に通じることから、古来より特に警戒されてきました。
25歳は社会人として責任が増す時期、42歳は働き盛りで体力の変化を感じ始める時期、61歳は定年前後の生活の転換期にあたります。いずれも人生の節目として体調や生活環境が変わりやすい年齢であることが、厄年として伝えられてきた背景にあります。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
数え年って、普段使わないのでよくわからないんですが、自分が今年厄年かどうかはどう調べればいいですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
一番簡単なのは「今年の西暦 − 生まれ年 + 1」で数え年を出す方法です。たとえば1984年生まれなら、2026年の数え年は43歳。つまり42歳の大厄の後厄にあたりますよ。
CHAPTER 03厄年の歴史と由来 — いつから始まった?
厄年の概念は平安時代にはすでに存在していたとされ、陰陽道(おんみょうどう)の影響を強く受けています。陰陽五行説は推古天皇の頃(7世紀初め)に中国から伝わり、暦の作成や遷都の日時選定などに用いられました。やがて人の運気にも応用され、陰陽道では人間の運気は一定の周期で変動すると考えられており、特定の年齢で災厄が訪れやすいとされました。
文献としては、『源氏物語』にも厄年に関する記述が見られ、貴族社会ではすでに厄年を意識した生活が行われていたことがうかがえます。室町時代になると、厄払いの風習は武家社会にも広がり、江戸時代には庶民の間にも定着しました。
男性の42歳・女性の33歳が特に重視されるようになったのは江戸時代以降です。当時の平均寿命を考えると、これらの年齢は人生の後半に差しかかる大きな節目であり、体調を崩しやすい時期として経験的に認識されていたと考えられます。
NOTE
興味深いことに、現代医学の観点からも42歳前後は生活習慣病のリスクが高まる年齢とされています。古来の知恵と現代科学が一致している点で、厄年には一定の合理性があるといえるでしょう。
現代でも厄年を気にする方は多く、ある調査では日本人の約6割が厄年を意識しているという結果もあります。宗教的な信仰とは別に、人生の節目で立ち止まって自分を見つめ直す機会として、厄年は現代社会でも意味のある風習といえるでしょう。
CHAPTER 04厄払いの時期と場所の選び方
おすすめの時期
厄払いの時期に厳密な決まりはありませんが、一般的には以下のタイミングが選ばれています。
- 元旦〜1月中 — 初詣と合わせて行う方が最も多い時期です
- 節分(2月3日頃)まで — 旧暦では節分が年の区切り。この日までに祈祷を受けるのが良いとされます
- 誕生日の前 — 新しい一年を清らかに迎えるために行う方もいます
結論として、都合のよい時期に行えば問題ありません。気になる方は年の初めに済ませておくと安心です。「行きそびれた」と感じても、いつでも受け付けている神社がほとんどです。
神社とお寺のどちらに行く?
厄払いは神社でもお寺でも受けられます。呼び方や作法に多少の違いがありますが、ご利益に優劣はありません。地元の氏神様や、厄除けで有名な社寺を選ぶ方が多いです。
| 項目 | 神社 | お寺 |
|---|---|---|
| 呼び方 | 厄払い(やくばらい) | 厄除け(やくよけ) |
| 祈祷の名称 | 御祈祷(ごきとう) | 護摩祈祷(ごまきとう)等 |
| お礼の名称 | 初穂料(はつほりょう) | お布施・祈祷料 |
| 相場 | 5,000〜10,000円 | 5,000〜10,000円 |
| 事前予約 | 不要な場合が多い | 必要な場合がある |
CHAPTER 05厄払いの服装と持ち物
厄払いには「正装でなければならない」という厳格な決まりはありませんが、神聖な場にふさわしい清潔感のある装いを心がけましょう。
TIP / 服装のポイント
男性の推奨服装:スーツまたはジャケット+パンツ、襟付きシャツ、革靴。ネクタイは必須ではありませんが、あると丁寧な印象になります。色は黒・紺・グレーなど落ち着いた色合いが無難です。
CAUTION
Tシャツ、ジーパン、サンダル、派手な柄物などカジュアルすぎる服装は避けましょう。帽子やサングラスも祈祷中は外すのがマナーです。
持ち物としては、初穂料(のし袋に入れるのが丁寧)と、授与品を持ち帰るための袋があると便利です。のし袋には「御初穂料」と書き、下段に氏名を記します。付き添いの家族も清潔感のある服装で参拝しましょう。
厄払い当日の流れと作法
- 01受付社務所(寺務所)で厄払いの申し込みをし、初穂料を納めます。申込用紙に住所・氏名・生年月日・願意を記入します
- 02待合室で待機祈祷の時間まで待合室で静かに待ちます。混雑時は30分〜1時間ほど待つこともあります
- 03本殿・本堂へ移動案内に従って祈祷を受ける場所へ移動します。靴を脱ぐ場合が多いので、脱ぎやすい靴がおすすめです
- 04祈祷を受ける正座または椅子に座り、神職・僧侶の祈祷を静かに受けます。所要時間は15〜30分程度です
- 05授与品を受け取るお札・お守りなどの授与品を受け取ります。お札は自宅の神棚や目線より高い場所にお祀りしましょう
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
初穂料はのし袋に入れた方がいいですか?そのまま現金で渡しても大丈夫?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
のし袋に入れるのが丁寧ですが、白封筒でも問題ありません。表書きは「御初穂料」、裏に金額を書きます。最近はそのまま現金を受け付ける神社も多いので、気負わなくて大丈夫ですよ。
CHAPTER 06厄年にやってはいけないこと
伝統的に、厄年には以下のようなことを避けた方がよいとされています。ただし、これらはあくまで言い伝えであり、科学的根拠があるわけではありません。
- 引っ越しや転職など大きな環境の変化
- 家の新築・購入など大きな出費を伴う決断
- 新規事業の立ち上げや大きな投資
- 不摂生や無理な体力の使い方
とはいえ、人生の大切な機会をすべて先延ばしにする必要はありません。大切なのは、厄年を「自分の健康や生活を見直す良いきっかけ」と捉えることです。厄払いを受けたうえで、慎重に判断しながら前向きに行動するのが現代の賢い過ごし方といえるでしょう。
実際、厄年に結婚や出産、マイホーム購入を経験して「厄落としになった」とポジティブに捉える方もいます。気持ちの持ち方次第で、厄年も前向きな年にすることができます。
男性が厄年に特に注意すべきこと
男性の本厄は25歳・42歳・61歳ですが、それぞれの年齢は仕事やライフステージの転換期と重なっています。25歳は社会人として責任ある立場を任され始める時期、61歳は定年を迎える前後の節目です。中でも男性の大厄である42歳は「死に(しに)」の語呂合わせからも最も注意が必要とされています。42歳前後では転職・独立・大きな投資といった重大な判断は慎重に行い、できれば厄払いを済ませてから行動に移すとよいでしょう。また、42歳は生活習慣病が顕在化しやすい年齢でもあります。人間ドックや健康診断を積極的に受け、体のメンテナンスを意識することが大切です。
女性が厄年に特に注意すべきこと
女性の本厄は19歳・33歳・37歳・61歳で、男性よりも回数が多いのが特徴です。特に女性の大厄である33歳は「散々(さんざん)」の語呂合わせからも警戒されますが、出産や育児を控える必要はありません。33歳前後は妊娠・出産・子育てなどライフイベントが集中しやすい時期ですが、厄年だからといって人生の大切な選択を先延ばしにする必要はないとされています。むしろ、厄年を健康管理の強化や生活リズムの見直しに活かすことが大切です。37歳の本厄も体力の変化を感じやすい年齢であるため、定期的な検診やセルフケアを心がけましょう。
CHAPTER 07厄除けの贈り物 — 厄年の方に贈るなら
厄年にあたる方への贈り物には、「長いもの」「七色のもの」「うろこ模様のもの」が縁起が良いとされています。「長いもの」には長寿の願い、「七色のもの」には七つの厄を払う力があると伝えられています。
TIP / おすすめの贈り物
男性への厄除け贈り物の定番:ネクタイ、ベルト、マフラー(長いもの)、パワーストーンのブレスレット(七色)、ヘビ柄の財布(うろこ模様)。実用的なものを選ぶと喜ばれます。
厄除けの贈り物は、のし紙をかける必要はありません。「厄除けに」「お守り代わりに」と一言添えて渡すのがスマートです。お守りやお札を贈る場合は、厄除けで有名な神社のものを選ぶと特別感があります。
CHAPTER 08地域による厄年の違い
厄年の年齢や過ごし方には、地域差も見られます。一般的な「25歳・42歳・61歳」以外にも、地域独自の厄年が伝わっている場所があります。
関西地方の一部では13歳の厄年(十三参りと関連)が重視され、北陸・東北地方では厄年の方が地域の人々に餅や菓子を配る「厄祝い」「厄投げ」の風習が残っています。また、沖縄では旧暦に基づいた独自の厄年計算が行われる地域もあります。
厄年の祝い方も地域によって異なり、関東では静かに厄払いを済ませる方が多いのに対し、関西では厄年の方が率先して厄払いの宴を開くこともあります。お住まいの地域の慣習を確認してみるのも面白いでしょう。
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
地域によって厄年の年齢が違うこともあるんですね。うちの地元だとどうなんだろう。
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
地元の神社に問い合わせると、その地域の厄年表をもらえることが多いですよ。全国共通の年齢とは違う場合もあるので、一度確認しておくと安心です。
厄年の科学的な根拠
厄年に科学的な根拠はあるのでしょうか。実際のところ、厄年の年齢は人生の転換期に重なることが多いのは事実です。男性の25歳は社会人として一人前になる時期、42歳は管理職として責任が増す時期、61歳は定年退職の時期にあたります。
女性の19歳は進学や就職で環境が変わる時期、33歳は出産・育児で体力的な負担が大きい時期、37歳はキャリアと家庭の両立に悩む時期です。こうした生活の変化がストレスとなり、心身のバランスを崩しやすいことから「厄年には気をつけよう」という知恵が生まれたと考えられています。
医学的に見ても、男性の42歳前後は生活習慣病のリスクが急上昇する時期であり、女性の33歳前後はホルモンバランスが変化しやすい時期です。厄年を「健康診断を受けるきっかけ」「生活習慣を見直す機会」と前向きに捉えるのが、現代の賢い厄年の過ごし方です。
厄年の年齢早見表
| 性別 | 前厄 | 本厄(大厄) | 後厄 |
|---|---|---|---|
| 男性 | 24歳 | 25歳 | 26歳 |
| 男性 | 41歳 | 42歳(大厄) | 43歳 |
| 男性 | 60歳 | 61歳 | 62歳 |
| 女性 | 18歳 | 19歳 | 20歳 |
| 女性 | 32歳 | 33歳(大厄) | 34歳 |
| 女性 | 36歳 | 37歳 | 38歳 |
上記は「数え年」での年齢です。数え年は生まれた年を1歳と数え、毎年元旦に1歳加算する数え方です。満年齢に1歳(元旦を迎えていれば)〜2歳を足したものが数え年にあたります。神社によっては満年齢で厄年を計算するところもあるため、参拝先の神社に確認するとよいでしょう。
CHAPTER 09厄払い(厄除け)の方法
神社での厄払い
最も一般的な厄除けの方法は、神社で祈祷(きとう)を受けることです。祈祷料(初穂料)は5,000円〜10,000円が相場で、のし袋に「初穂料」「御祈祷料」と表書きして納めます。祈祷は予約が必要な神社と当日受付の神社がありますので、事前に確認しましょう。
厄払いを受ける時期は、元旦から節分(2月3日)までが最適とされています。これは旧暦では立春(りっしゅん)(2月4日頃)が新年にあたるため、新しい年を迎える前に厄を祓うという考え方に基づいています。ただし、節分を過ぎてからでも厄払いは可能ですので、思い立ったときに参拝して構いません。
お寺での厄除け
お寺でも厄除けの祈祷を受けることができます。特に関東では川崎大師(神奈川県)、関西では太融寺(大阪府)など、厄除けで有名なお寺が多数あります。神社が「祈祷」と呼ぶのに対し、お寺では「護摩祈祷(ごまきとう)」「祈願」と呼ぶことが多いです。
厄年の過ごし方
厄年だからといって、すべてを自粛する必要はありません。新しいことを始めるのを避けるべきという考え方もありますが、チャンスを逃さないことも大切です。大切なのは「慎重に行動すること」と「健康に気を配ること」です。
厄年には以下のような過ごし方が推奨されています。まず健康診断を受けること。厄年の年齢は体に変化が起きやすい時期ですので、定期的な検診は欠かせません。次に生活習慣を見直すこと。食事、運動、睡眠のバランスを整え、心身の健康を維持しましょう。
また、厄除けのお守りを持つのも精神的な安心につながります。厄払いの祈祷を受けた際にいただくお札やお守りは、自宅の神棚や目につく場所に置いて大切にしましょう。お守りの効力は一般的に1年間とされており、翌年の初詣の際に神社に返納し、新しいお守りをいただくのが慣例です。
民俗学的に見ると、厄年は単なる迷信ではなく、人生の節目として身を慎む期間という重要な意味を持っています。厄年には派手な振る舞いや大きな変化(転居、結婚、新築など)を避けるのが良いとされ、氏神(うじがみ)に参拝して厄除け・厄祓いを受けることが基本とされてきました。日常生活の中で自分の行動を見つめ直し、身を慎んで過ごすことが、厄年の本来の趣旨です。
厄年にまつわる厄除けの品の風習も広く伝わっています。代表的なものは、「長いもの」(帯、ネクタイなど)、「うろこ模様のもの」(財布、小物)、「七色のもの」の3種類です。「長いもの」は長寿への願いを込めたもの、「うろこ模様」は蛇の脱皮のように厄を落とす意味、「七色」は七福神の加護を意味するとされています。厄年の方がこれらを身につけたり、周囲の人が贈り物として渡したりする風習が今も続いています。
TIP / 厄落としの風習
厄落としとして、餅をまいたり、宴席を設けて人に振る舞う風習が各地に残っています。これは厄を周囲の人々に分散させるという考え方に基づくもので、厄年の本人が率先してもてなす側に回ることがポイントです。現代でも、厄年に食事会を開いたりお菓子を配ったりする方は少なくありません。
パ
新米パパ
厄除けの品って、具体的にはどんなものを選べばいいんですか?自分用に買ってもいいんでしょうか。
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
もちろん、自分用に購入しても構いません。男性なら「長いもの」としてネクタイやベルト、「うろこ模様」として蛇柄の財布やカードケース、「七色のもの」としてパワーストーンのブレスレットなどが人気です。日常的に身につけられるものを選ぶと、お守り代わりになりますよ。
パ
新米パパ
妻の厄年と自分の厄年が重なっているんですが、何か気をつけることはありますか?
博
カゾイロ博士
夫婦同時の厄年は珍しくありません。一緒に厄払いに行くのがおすすめです。二人で参拝することで、お互いの健康を祈り合う良い機会になります。また、厄年は「普段よりも慎重に、健康に気をつけて過ごす年」と前向きに捉えてください。過度に心配する必要はありませんよ。
厄年にまつわる風習
地域によって厄年にまつわるさまざまな風習があります。最も広く知られているのは「厄落とし」で、自分の身につけているものを道に落として厄を払う方法です。現代では、厄年の本人がお菓子やお餅を配って「厄を分散させる」という風習が一般的です。
関西地方では厄年の人が厄神さんに参拝した後、参道で安い品物を買って帰ると厄が落ちるとされています。また、数え年で42歳の男性が地域の祭りで重要な役割(神輿(みこし)を担ぐ、行司を務めるなど)を引き受けることで厄を落とすという風習もあります。
TIP / 厄年は「役年」?
一説には「厄年」はもともと「役年(やくどし)」で、地域社会で重要な役割を担う年齢を意味していたとも言われています。実際に、厄年の年齢は社会的に責任ある立場になる時期と重なっています。「厄」を「役」と読み替えて、積極的に社会に貢献する年と捉えるのも素敵な考え方です。
有名な厄除け神社・お寺
全国には厄除けで有名な神社やお寺が数多くあります。関東地方では、佐野厄よけ大師(栃木県)、川崎大師(神奈川県)、成田山新勝寺(千葉県)が「関東三大師」として知られ、正月には厄除け祈願の参拝客でにぎわいます。
関西地方では、門戸厄神(兵庫県西宮市)、石清水八幡宮(京都府八幡市)、住吉大社(大阪府大阪市)が有名です。門戸厄神は日本三大厄除けのひとつに数えられ、毎年1月18日・19日に行われる「厄除大祭」には数十万人の参拝客が訪れます。
東海地方では、熱田神宮(愛知県)、伊勢神宮(三重県)が厄除け祈願の人気スポットです。九州地方では、若八幡宮(福岡県)が「厄八幡」の名で親しまれ、厄除けのご利益が高いとされています。
CHAPTER 10厄年のお守りと縁起物
厄年には、日常的に身につけるお守りやアクセサリーで厄を遠ざけるという考え方もあります。長いもの(ネックレス、ベルト、ネクタイ)、七色のもの(七色のブレスレット)、うろこ模様のもの(蛇皮の財布)は厄除けの効果があるとされ、これらを贈る風習が全国各地に残っています。
「長いもの」は長寿を意味し、「七色のもの」は七福神に通じ、「うろこ模様」は蛇が脱皮して再生することから厄落としの象徴とされています。厄年の方へのプレゼントとしてこれらを贈るのもよいでしょう。
厄年は決して恐れるべきものではなく、自分の健康や生活を見つめ直す良いきっかけです。「厄を避ける」のではなく、「厄年をきっかけに自分を大切にする」という前向きな姿勢で過ごしましょう。神社やお寺で心を落ち着け、日頃の感謝を祈る時間を持つことが、何よりの厄除けになるのかもしれません。
厄年と現代の暮らし
現代の厄年の過ごし方は、伝統的な風習と現代の価値観をうまく組み合わせるのが賢い方法です。神社やお寺で厄払いの祈祷を受けつつ、健康診断を予約し、保険の見直しや資産計画の確認を行う。厄年をきっかけにした「人生の棚卸し」は、迷信とは無関係に有意義な行為です。
会社の同僚や友人が厄年の場合は、厄除けグッズをプレゼントするのもよいでしょう。七色のブレスレットやパワーストーン、厄除けのお守りなどは気軽に贈れるアイテムです。「厄年だから気をつけてね」のひと言が、相手の健康意識を高めるきっかけになるかもしれません。
厄年は、単なる迷信と切り捨てるにはもったいない日本の生活文化です。科学的根拠があるかどうかに関わらず、「自分の体と向き合う機会」「生活を見つめ直すきっかけ」として活用すれば、厄年は人生の転換点になり得ます。前厄・本厄・後厄の3年間を通じて、心身ともに健やかな毎日をお過ごしください。
厄年にまつわる統計的な調査はいくつかあり、興味深い結果が出ています。ある保険会社の調査によると、男性の42歳前後は交通事故の発生率が統計的に高くなる傾向があり、女性の33歳前後は婦人科系の疾患が増える時期に重なるとされています。偶然の一致かもしれませんが、「厄年には気をつけよう」という教えは、結果的に健康管理の意識を高める効果があるといえます。
厄年は、古の日本人が経験的に見出した「注意すべき年齢」の知恵です。科学的根拠の有無に関わらず、この伝統を「自分を大切にするきっかけ」として活用することが、現代に生きる私たちの賢い厄年の過ごし方ではないでしょうか。
前厄・本厄・後厄の3年間、健康と安全に気を配りながら、充実した毎日をお過ごしください。厄が明けた翌年には、感謝の気持ちを込めて「厄明け参り」に行くのもよいでしょう。
厄年を迎える方への贈り物としては、厄除けの意味を込めた長いもの(マフラー、ネックレス、ベルト)が定番です。「長く健康でいてほしい」という願いを込めて、親しい方の厄年にさりげなく贈るのも日本ならではの温かい風習です。
厄年は、立ち止まって自分自身と向き合う贅沢な時間です。健康診断の予約、保険の見直し、食生活の改善。厄年をきっかけに始めたこれらの習慣は、厄が明けた後もあなたの健康と幸せを守り続けてくれることでしょう。神社やお寺で心を清め、日々の暮らしに感謝しながら、厄年を実りある一年にしてください。
厄年をきっかけに人間ドックを受けたら早期のがんが見つかった、という話も珍しくありません。厄年は迷信だと笑い飛ばすこともできますが、「健康を意識するリマインダー」として活用すれば、実際に命を救うこともあるのです。
厄年を乗り越えた先には、新しいステージが待っています。不安を感じる必要はありません。適切な備えをし、心穏やかに過ごすことが、厄年を実りある一年にする最善の方法です。
厄年は日本人が古来より大切にしてきた人生の知恵です。科学の時代だからこそ、こうした伝統的な節目を活かして自分の心身と向き合う時間を持つことは、かえって価値のある行為かもしれません。厄年を無事に過ごされた暁には、一回り成長した自分に出会えることでしょう。
厄年は、日本人の生活に深く根付いた文化的な節目です。迷信として片付けるのではなく、「立ち止まって自分を見つめ直す機会」として大切にしてみてください。きっと厄年が終わる頃には、心身ともにリフレッシュした新しい自分に出会えるはずです。
厄年を迎えるすべての方に、健やかで穏やかな一年が訪れますように。心身のバランスに気を配り、充実した日々を過ごされることを心からお祈りいたします。
心穏やかに、健康第一で。厄年を人生の良い転機にしてください。前厄・本厄・後厄の3年間が、あなたにとって実りある年となりますように。
CHAPTER 11よくある質問
A.
厄年は数え年で計算します。「今年の西暦 − 生まれ年 + 1」で求められます。満年齢に1歳を足した年齢が数え年です。
A.
一般的に5,000〜10,000円が相場です。神社によっては金額が指定されている場合もあるので、事前にウェブサイトや電話で確認しましょう。
A.
家族と一緒に行っても問題ありません。付き添いの家族も一緒に祈祷を受けられる神社がほとんどです。お子さん連れでも大丈夫です。
A.
厄年だからといって大きな決断を避ける必要はありません。気になる方は厄払いを受けてから行動に移すとよいでしょう。「厄落とし」として前向きに捉える考え方もあります。
A.
本厄のみ行く方が最も多いですが、前厄から3年間毎年行く方もいます。気になる年だけ行けば十分です。
A.
自宅の神棚がある場合はそこにお祀りします。神棚がない場合は、目線より高い棚や家具の上に、南向きまたは東向きに立てかけて置きましょう。
A.
厄年であっても、引っ越しや結婚を避ける必要はありません。厄年を理由に人生の大切な決断を先延ばしにすると、かえってチャンスを逃してしまいます。気になる方は厄払いの祈祷を受けた上で、前向きに進んでください。
A.
何回行っても問題ありません。前厄・本厄・後厄の3年間、毎年初詣の際に厄払いを受ける方もいます。複数の神社やお寺を回っても構いませんが、いただいたお札やお守りは大切に扱いましょう。
A.
特にタブーとされるものはありませんが、「苦(く)」「死(し)」を連想させるもの(くし=櫛など)は縁起が悪いとされることがあります。厄除けの意味を込めて、長いもの(マフラー、ネクタイ)や七色のもの(カラフルなアクセサリー)を贈るのがおすすめです。
厄年は家族にとっても大切な時期です。厄年を迎える方がいるご家庭では、家族で一緒に神社を訪れたり、健康診断を受けたりするのも良いきっかけになります。夫婦で厄年が重なる場合は、一緒に祈祷を受けることもできます。
『日本のしきたりがまるごとわかる本』では、厄払いの際の神社参拝の作法について詳しく解説されています。まず鳥居の前で一礼し、参道の端を歩いて手水舎(ちょうずや)で手と口を清めるのが基本の流れです。手水の作法は、右手で柄杓を取り左手を清め、持ち替えて右手を清め、再び右手に持って左の手のひらに水を受けて口をすすぎ、最後に柄杓を立てて柄を洗います。厄年の厄払いに訪れる際も、こうした正しい参拝作法を身につけておくことで、より清々しい気持ちで祈願に臨むことができるでしょう。
CHAPTER 12まとめ
厄年は人生の転機にあたる時期であり、男性にとっては42歳の大厄が最も重要な節目です。25歳・42歳・61歳の前後3年間は、健康管理に気を配り、慎重に過ごすことが大切です。
厄払いは年の初めや節分の頃に神社・お寺で受けるのが一般的です。清潔感のある服装で参拝し、初穂料は5,000〜10,000円を目安に用意しましょう。厄年を「自分の生活を見直すきっかけ」と前向きに捉えて、新しい年を健やかに過ごしてください。

