7月7日の七夕に欠かせないのが、短冊(たんざく)に願い事を書いて笹に飾る習わしです。でも「どんな願い事を書けばいい?」「短冊の色に意味はあるの?」と迷うことも多いもの。この記事では七夕の短冊の書き方や願い事の例文、五色の短冊に込められた意味、子どもの願いを引き出すコツまでをわかりやすく解説します。今年の七夕は家族で素敵な願いを飾りましょう。
CHAPTER 01七夕に短冊を飾る意味
七夕に短冊を飾る風習は、中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」という行事に由来します。これは織女星(織姫)にあやかり、機織りや裁縫の上達を願うものでした。やがて日本では和歌や書道の上達を願って梶の葉や短冊に文字を書くようになり、現在の「願い事を書く」習わしへと広がりました。
つまり七夕の願い事は、本来「習い事や技芸の上達を願う」のが筋とされます。「お金持ちになりたい」より「字が上手になりたい」「逆上がりができるように」といった努力で叶う願いを書くのが、本来の七夕らしい願い事です。
歳時記の書籍によると、短冊の五色(青・赤・黄・白・黒)は中国の「五行思想」に由来しています。青(緑)は木、赤は火、黄は土、白は金、黒(紫)は水を表し、それぞれが自然界の調和と人の徳目に結びつけられました。もともと七夕は機織りの上達を願う「乞巧奠(きこうでん)」という中国の行事が起源で、短冊に願い事を書く風習は江戸時代の寺子屋で子どもたちが書道の上達を祈ったことから広まったとされています。

新米パパ
子どもが『ゲームがほしい』って短冊に書こうとするんですが、それでもいいんでしょうか?
カゾイロ博士
微笑ましいですね。本来は技芸の上達を願う行事なので、できれば「〇〇が上手になりますように」という形にやさしく導いてあげるといいですよ。とはいえ、子どもの素直な気持ちを大切にするのも七夕。願いを否定せず、一緒に言葉を考える時間そのものが宝物です。
CHAPTER 02五色の短冊の意味
七夕の歌にも登場する「五色(ごしき)の短冊」。この五色は、中国の陰陽五行説に由来し、それぞれに意味と願いが対応しています。願い事の内容に合わせて色を選ぶと、より気持ちが込められます。
- 青(緑)
- 「仁」。思いやりや人間性を高める願い。徳を積む、やさしくなりたいなど。
- 赤
- 「礼」。両親や祖先への感謝の願い。家族を大切にする気持ち。
- 黄
- 「信」。信頼や人間関係の願い。友だちと仲良く、約束を守るなど。
- 白
- 「義」。義務や規則を守る願い。決まりを守る、約束を果たすなど。
- 紫(黒)
- 「智」。学問や知恵の願い。勉強・習い事の上達など。最も格が高いとされる。
INFO / 勉強の願いは「紫」がぴったり
「勉強ができるようになりたい」「字が上手になりたい」といった学業・技芸の願いは、智を表す紫(黒)の短冊がふさわしいとされます。色の意味を知って選ぶと、願い事にもう一段の説得力が生まれます。
CHAPTER 03願い事の書き方と例文
短冊の願い事は、「〜できますように」「〜になりますように」と言い切る形で書くのが基本です。具体的に書くほど、目標が明確になります。年齢別の例文を見てみましょう。
0〜2歳の赤ちゃん(親が代筆)
- げんきにおおきくなれますように
- はじめてのたっちができますように
- たくさんおともだちができますように
- にこにこわらってすごせますように
- ごはんをもりもりたべられますように
- よるぐっすりねむれますように
- かぜをひかずにげんきにすごせますように
- いっぱいおしゃべりできるようになりますように
- おにいちゃん(おねえちゃん)となかよくあそべますように
3〜5歳(保育園・幼稚園)
- じてんしゃにのれますように
- ひらがながぜんぶかけますように
- おともだちとなかよくあそべますように
- およげるようになりますように
- かけっこで1ばんになれますように
- やさいがたべられますように
- おうたがじょうずになりますように
- せんせいみたいにえがじょうずにかけますように
- なわとびがとべるようになりますように
- おかたづけがじょうずにできますように
- おべんとうをのこさずたべられますように
小学生(低学年・高学年)
- かけ算九九をぜんぶおぼえられますように
- さかあがりができるようになりますように
- じをきれいにかけるようになりますように
- ピアノのはっぴょうかいでじょうずにひけますように
- サッカーのリフティングが100回できますように
- 夏休みの自由研究でいい発表ができますように
- 漢字テストで100点をとれますように
- クロールで25メートル泳げるようになりますように
- 都道府県を全部覚えられますように
- 英語で自己紹介ができるようになりますように
中学生・高校生
- 志望校に合格できますように
- 部活の大会で自己ベストを更新できますように
- 英検2級に合格できますように
- 苦手な数学の成績を上げられますように
- 文化祭を成功させられますように
- 人前で堂々と発表できるようになりますように
- 受験勉強を最後までやりきれますように
- 新しいクラスでいい友達ができますように
大人
- 資格試験に合格できますように
- 仕事で新しいプロジェクトを成功させられますように
- 毎日30分のウォーキングを続けられますように
- 家族で旅行に行けますように
- 趣味の料理のレパートリーを増やせますように
- 健康で穏やかな一年を過ごせますように
- 新しい趣味を見つけて楽しめますように
- 子どもの成長を見守りながら笑顔で過ごせますように
家族みんなで書く短冊
- 家族みんなが健康で笑顔で過ごせますように
- 来年も元気に七夕を迎えられますように
- おじいちゃんおばあちゃんがいつまでも元気でいてくれますように
- 家族の絆がもっと深まりますように
短冊の書き方のポイント
- 01筆記具を選ぶ油性マーカーか筆ペンがおすすめです。水性ペンは雨や夜露でにじむことがあります。小さなお子様にはクレヨンや太めのマーカーが書きやすいです。
- 02短冊の色を選ぶ願いの内容に合った五色を選ぶと本格的です。学業なら紫(黒)、健康なら黄、人間関係なら赤が対応しています。
- 03願い事を書く「〜できますように」「〜になりますように」の形で、自分の努力で叶えられる具体的な目標を書きます。縦書きが伝統的ですが、横書きでもかまいません。
- 04名前を書く短冊の下の方に名前を書きます。フルネームでもあだ名でもOKです。赤ちゃんの場合は、親が名前を書いてあげましょう。
- 05笹に飾る短冊の上に穴を開けるか、こよりを通して笹の枝に結びます。願い事が空に届くよう、なるべく高い位置に飾るのが良いとされています。
TIP / 願い事は「努力で叶う形」にすると◎
「お金持ちになりたい」のような他力の願いより、「毎日練習してピアノが上手になりますように」のように自分の努力で近づける願いにすると、七夕の本来の意味にも合い、子どもの目標づくりにもなります。
編集部スタッフの姪っ子の短冊エピソード
最後に、編集部スタッフの実体験をひとつご紹介します。
スタッフの姪っ子(小学生)が書いた短冊には、こんな願い事が書かれていました。
INFO
「肉が食べれますように」
お肉が苦手で、食べられるようになりたいという願い事だそうです。思わず笑ってしまう可愛らしさですが、子どもにとっては切実な願い。きっとそのうち叶いますよ!
そしてもう一枚の短冊には、こう書かれていました。
INFO
「パパとママと私と弟とおじちゃんとおばちゃんといとこの○○ちゃんが健康で過ごせますように」
おじちゃん(=筆者)、おばちゃん(=筆者の妻)、いとこの○○ちゃん(=筆者の娘)まで名前を並べて、家族全員の健康を願ってくれていたのです。読んだ筆者は思わず涙が出そうになりました。子どもの純粋な気持ちがこもった短冊は、大人にとっても宝物ですね。
このように、子どもの短冊には「正解」も「不正解」もありません。自由に書いた願い事こそが、その子らしい七夕の思い出になります。ぜひお子さんの言葉をそのまま大切にしてあげてください。
保育園で見つけた子どもたちの短冊
筆者が子どもの保育園に行ったとき、笹に飾られた短冊を読んでみました。どれも子どもらしさ全開で、思わず笑顔になるものばかりです。
- 「みんなが健康にすごせますように」 ― 思いやりあふれる優しいお願い
- 「アンパンマンに会えますように」 ― ヒーローへの純粋な憧れ
- 「ライオンになりたい」 ― なりたいものに制限なし!
そして一番笑ってしまったのがこちら。
INFO
「はっけっきゅうになりたい」
白血球になりたい……!おそらく『はたらく細胞』の影響でしょうか。体の中で悪い菌をやっつけるヒーローに憧れたのかもしれません。大人では絶対に思いつかない発想に、保育園の先生方も笑っていたそうです。
こうした自由な短冊こそ、七夕の醍醐味。「正しい願い事」を書かせようとせず、子どもの言葉をそのまま受け止めてあげることが、一番すてきな七夕の過ごし方ではないでしょうか。
CHAPTER 04子どもの願いを引き出すコツ
子どもにいきなり「願い事は?」と聞いても、なかなか出てこないものです。普段の様子から会話を広げると、その子らしい願いが見つかります。
- 最近がんばっていることを聞く(「鉄棒、練習してたね」など)
- 好きなこと・将来の夢から広げる(「大きくなったら何になりたい?」)
- 親自身の願いも一緒に書いて見本を見せる
- 飾り作りも一緒に楽しむ(七夕飾りの意味を見ながら)
CHAPTER 05短冊はいつ飾る?飾り方と片付け
短冊を飾るタイミングや片付け方にも、昔ながらの習わしがあります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 飾る時期 | 7月6日の夕方が伝統的。前日に飾って一晩だけ願いを星に届ける |
| 飾り方 | 短冊の上部に穴を開けるか、こより(紙縒り)を通して笹の枝に結ぶ |
| 飾る位置 | 願い事が天に届くよう、なるべく高い位置に飾る |
| 片付け | 7月7日が終わったら片付ける。翌日の朝が目安 |
| 処分方法 | 神社のお焚き上げに出すか、感謝の気持ちを込めて白い紙に包んで処分する |
NOTE
昔は七夕の翌日に笹ごと川や海に流す「七夕送り」という風習がありました。願い事を水に託して天に届けるという意味があります。現在は環境への配慮から、神社のお焚き上げが一般的です。
CHAPTER 06七夕のメッセージカード・手紙の書き方
短冊だけでなく、七夕にちなんだメッセージカードや手紙を贈るのもすてきです。保育園・幼稚園の行事で先生から園児へ、大人同士の季節の挨拶として使えます。
保育園・幼稚園の先生から園児へ
- たなばたさま、おほしさまにおねがいがとどきますように。せんせいは〇〇ちゃんのえがおがだいすきです。
- きらきらおほしさまみたいに、〇〇くんもまいにちきらきらかがやいてね。
- おりひめさまとひこぼしさまみたいに、おともだちとなかよくすごしてね。
親から子どもへ
- まいにちがんばっている〇〇のねがいごとが、おほしさまにとどきますように。
- 〇〇がうまれてきてくれたことが、パパとママのいちばんのねがいごとです。
- ことしのたなばたも、かぞくでたのしくすごせてうれしいよ。だいすき。
大人同士の七夕メッセージ
- 七夕の夜、天の川を見上げながら皆様のご健勝をお祈りしております。
- 笹の葉が風に揺れる季節となりました。ご家族の皆様がますますお元気でお過ごしになりますよう、お祈り申し上げます。
- 七夕の宵、星に託してあなたの幸せを願っています。暑さ厳しき折、お体ご自愛ください。
新米パパ
保育園から「七夕カードを書いてきてください」って言われたんですが、何を書けばいいですか?
カゾイロ博士
お子さんへの「がんばっているね」という気持ちと、七夕らしい星やお願い事の言葉を添えるとぴったりです。上の例文を参考に、お子さんの名前を入れてアレンジしてみてください。
CHAPTER 07よくある質問
A.
決まりはありませんが、願い事の内容に色の意味を合わせるとより気持ちが込められます。勉強なら紫、感謝なら赤、思いやりなら青など。好きな色を選んでも問題ありません。
A.
何個でも構いません。短冊1枚に1つの願いを書くのが基本です。家族それぞれが複数枚書いて、笹にぎっしり飾るのも七夕らしくて楽しいものです。
A.
7月7日が終わったら片付けるのが一般的です。昔は川や海に流す「七夕送り」がありましたが、現在は神社のお焚き上げに出すか、感謝して処分します。
A.
「〜できますように」「〜になりますように」と言い切る形がおすすめです。具体的に書くほど目標が明確になり、子どもの励みにもなります。
A.
短冊の願い事とは別に、相手への思いやりと季節の挨拶を添えます。保育園では先生から園児へ「おほしさまにおねがいがとどきますように」、大人同士なら「笹の葉が揺れる季節、ご健勝をお祈りします」のような文面が定番です。
A.
油性マーカーか筆ペンがおすすめです。屋外に飾る場合、水性ペンは雨や夜露でにじむことがあります。小さなお子様にはクレヨンや太めの水性マーカーが書きやすいです。
A.
五色は青(緑)・赤・黄・白・黒(紫)の5つで、中国の陰陽五行説に由来します。それぞれ木・火・土・金・水の五行に対応し、青は「仁(思いやり)」、赤は「礼(感謝)」、黄は「信(信頼)」、白は「義(約束を守る)」、紫は「智(学問・知恵)」を表しています。
A.
本来は技芸や習い事の上達を願う行事ですが、子どもの素直な気持ちを否定する必要はありません。「おもちゃで上手に遊べるようになりたい」「サッカーがうまくなりますように」のように少し言い換える工夫を一緒にしてみるのもよいでしょう。
A.
名前は書いても書かなくてもどちらでも構いません。保育園や幼稚園の行事では名前を書くことが多いです。自宅で飾る場合は、家族で「だれの短冊かわかるように」名前やイラストを添えると楽しめます。
A.
笹の代わりに壁や窓に飾る方法もあります。マスキングテープで壁に笹のシルエットを描いて短冊を貼ったり、枝ものに吊るしたり、七夕ガーランドとして紐に短冊を並べる方法も人気です。
A.
七夕の短冊には願い事を「言葉にして意識する」こと自体に意味があります。目標を書くことで子ども自身が頑張ろうとするきっかけになり、大人にとっても一年の中間地点で自分を振り返る機会になります。叶うかどうかより、願う気持ちを大切にしましょう。
A.
思い出として保管するのがおすすめです。アルバムに挟んだり、写真に撮って成長記録にしたりするご家庭が多いです。毎年の短冊を残しておくと、子どもの成長がわかる素敵な記録になります。
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