遠足や運動会の前の日、子どもと一緒に作った思い出のあるてるてる坊主。晴れを願って軒先に吊るす日本の風習ですが、その由来にはちょっと怖い伝説が隠されていることをご存知でしょうか?この記事では、てるてる坊主の意味と歴史、知られざる怖い由来、正しい作り方と飾り方、願いがかなったあとの処分の仕方まで、梅雨の季節に親子で楽しめるようわかりやすく解説します。
CHAPTER 01てるてる坊主とは?子どもへの伝え方
てるてる坊主は、翌日の晴れを願って軒先や窓辺に吊るす白い人形です。「てるてる」は太陽が照ること、「坊主」はお坊さんやお人形を表す言葉。子どもに説明するときは「あした晴れますように、ってお願いするおまもりだよ」と伝えると、すんなり理解してくれます。
新米パパ / 2歳児のパパ
子どもに『なんで坊主なの?』と聞かれて困りました。なんて答えればいいでしょう?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
昔は、お天気を晴れにしてくれるよう祈ってくれるお坊さんがいたんです。そのお坊さんにあやかって作ったお人形だから「てるてる坊主」。子どもには「お空に晴れをお願いしてくれる、やさしいお人形」と伝えてあげると、想像がふくらんでいいですよ。

CHAPTER 02てるてる坊主の由来と歴史
中国の「掃晴娘」が起源
てるてる坊主の起源は、中国から伝わった掃晴娘という風習にあるとされています。これは雨が続いたとき、ほうきを持った紙の女の子の人形を軒先に吊るして晴れを願うもの。人形がほうきで雨雲を掃き清めてくれる、という願いが込められていました。
日本に伝わると、雨を止める祈祷をするお坊さん(僧侶)のイメージと結びつき、次第に「照る照る坊主」という男性的な姿に変化したといわれています。江戸時代にはすでに庶民の間に広まっており、当時の文献にもその名が見られます。

CHAPTER 03てるてる坊主は怖い?知られざる由来と童謡の秘密
子どもの遊びとして親しまれているてるてる坊主ですが、じつはその由来をたどると少しゾッとするような伝説が隠されています。
首を切られたお坊さんの伝説
てるてる坊主の由来として伝わる話のひとつに、こんな伝説があります。昔、長く雨が続いて人々が苦しんでいた時代、ひとりのお坊さんが「私が経を唱えれば必ず晴れる」と約束しました。しかし、いくら祈っても雨は止まず、人々は怒り、お坊さんを嘘つきと罵りました。
そして——お坊さんは首を切られ、その首を白い布に包んで吊るされました。すると、翌日には見事に晴天になったのです。つまり、てるてる坊主の丸い頭は切り落とされたお坊さんの首を象徴しているとも解釈されています。

CAUTION / あくまで「伝説のひとつ」です
この話はあくまで諸説あるうちのひとつで、史実として確認されたものではありません。子どもに伝える場合は、掃晴娘の由来など、やさしい説明で十分です。怖い由来を知ることで、日本の風習の奥深さを改めて感じられるのではないでしょうか。
童謡「てるてる坊主」3番の怖い歌詞
有名な童謡「てるてる坊主」(浅原鏡村 作詞・中山晋平 作曲、1921年)。1番・2番はやさしい願い事の歌詞ですが、3番には驚くような内容が含まれています。
| 番 | 内容 | 意味 |
|---|---|---|
| 1番 | 「あした天気にしておくれ」——晴れたら金の鈴をあげよう | やさしいお願い。晴れたらお礼をする |
| 2番 | 「あした天気にしておくれ」——晴れたらあまいお酒を飲ませよう | お礼にお神酒(甘酒)をふるまう |
| 3番 | 「あした天気にしておくれ」——それでも曇って泣いてたら、そなたの首をチョンと切るぞ | 願いがかなわなければ罰を与えるという怖い内容 |
1番でお礼→2番でご褒美→3番で脅しという構成は、段階的にエスカレートする昔の童謡ならではの表現です。「さるかに合戦」や「かごめかごめ」など、日本の童謡には大人が聞くとドキッとするような怖い歌詞が隠れているものが少なくありません。お坊さんの首を切った伝説と合わせて考えると、3番の歌詞にも深い意味が見えてきます。
逆さ吊りは「雨乞い」の意味
もうひとつ知っておきたいのが、てるてる坊主を逆さに吊るすと「雨が降りますように」という雨乞いの意味になるということ。農家が田畑のために雨を願うときの風習で、「ふれふれ坊主」「るてるて坊主」と呼ぶ地域もあります。晴れを願うときに間違って逆さにしないよう気をつけましょう。
CHAPTER 04てるてる坊主の正しい作り方
てるてる坊主は、家にあるティッシュや布で5分ほどで簡単に作れます。子どもの手先の練習にもなり、雨の日の室内遊びにぴったりです。
- 01頭の中身を丸めるティッシュ2〜3枚をくしゃっと丸めて、頭の芯を作ります。脱脂綿を使うと、ふんわりときれいな丸になります。ビー玉などの小さくて硬いものは、小さな子どもが取り出して口に入れるおそれがあるので使わないようにしましょう。
- 02白い布やティッシュで包む丸めた芯を、広げた白い布やティッシュ、ハンカチの中央にのせて包み込みます。
- 03首を輪ゴムや糸で結ぶ頭の下を輪ゴムや糸でくくり、頭と体の形を作ります。きつく締めすぎないのがコツです。
- 04吊るす糸をつける頭のてっぺんに糸を通すか、首の結び目に長めの糸を結んで吊るせるようにします。
- 05顔を描く(※描かないのが伝統)晴れてほしいときは、顔は最後に描くか空白のままにする地域もあります。願いがかなったら笑顔を描く楽しみ方もおすすめです。
TIP / 顔は「吊るしてから」描くのが昔ながらの作法
じつはてるてる坊主の顔は、最初は描かないのが伝統的とされます。願いがかなって晴れたら、お礼の気持ちを込めて笑顔を描いてあげる——そんな順番にすると、子どもも願いの結果を楽しみに待てます。

CHAPTER 05てるてる坊主の飾り方と処分の仕方
てるてる坊主は、晴れてほしい前日の夜に、南向きの窓辺や軒先に吊るすのが基本です。顔を外(空)に向けると効果があるともいわれます。
- 吊るす場所 — 雨に濡れにくい軒下や、外がよく見える窓の内側
- 向き — 顔を空・南に向ける(逆さは雨乞いの意味になるので注意)
- 飾る時期 — 晴れてほしい前日の夜から当日まで
- 願いがかなったら — 笑顔を描いてお礼をし、感謝の気持ちとともに処分する
処分の仕方
願いがかなったあとの処分は、昔はお神酒(甘酒)をかけて川に流す習わしもありましたが、現在は白い紙に包んで感謝の気持ちとともに処分するのが一般的です。神社のお焚き上げに出す方法もあります。子どもと一緒に「晴れにしてくれてありがとう」と声をかけてから片づけると、ものを大切にする気持ちが育ちます。
CHAPTER 06てるてる坊主に関するよくある質問
A.
諸説ありますが、「雨を止められなかったお坊さんが首を切られ、その首を布に包んで吊るしたら翌日晴れた」という伝説があります。また、童謡の3番には「首をチョンと切るぞ」という歌詞もあります。あくまで伝説のひとつであり、子どもには掃晴娘の由来などやさしい説明で十分です。
A.
逆さに吊るすと「雨が降りますように」という雨乞いの意味になるといわれます。農家が雨を願うときの風習で、「ふれふれ坊主」と呼ぶ地域もあります。晴れを願うときは正しい向きで飾りましょう。
A.
晴れてほしい日の前日の夜に飾るのが一般的です。窓辺や軒先など、空がよく見える場所に顔を外に向けて吊るします。
A.
描いても大丈夫ですが、伝統的には願いがかなってから顔を描くのが正しい作法とされています。晴れたらお礼に笑顔を描いてあげると、子どもも結果を楽しみに待てます。
A.
晴れなくても落ち込む必要はありません。「お願いしてくれてありがとう」と感謝して片付けましょう。子どもには、願うこと自体の大切さを伝えるよい機会になります。







