お盆が近づくと、仏壇のそばや玄関先に飾られる盆提灯(ぼんぢょうちん)。やわらかな灯りには、お盆に帰ってくるご先祖様の霊が、迷わず家に帰ってこられるようにという目印の意味が込められています。この記事では、盆提灯の意味や種類、飾る時期と飾り方、そして新盆(初盆)の提灯の選び方や、贈り物にする際のマナーまで、わかりやすく解説します。
CHAPTER 01盆提灯とは?飾る意味
盆提灯とは、お盆に先祖の霊を迎え、供養するために飾る提灯です。盆提灯の灯りは、あの世から帰ってくるご先祖様が家までの道に迷わないための目印であり、同時に故人への感謝と供養の気持ちを表すものとされています。お盆の迎え火(むかえび)・送り火(おくりび)と同じく、「灯りで霊を導く」という意味を持つ、お盆の大切な飾りです。
- 盆提灯
- お盆に先祖の霊を迎え、供養するために飾る提灯。霊が迷わず帰る目印となる
- 大内行灯(おおうちあんどん)
- 床に置く脚付きの提灯。盆提灯の代表的な形
- 御所提灯(ごしょぢょうちん)
- 天井から吊るすタイプの提灯。住宅事情に合わせて広く使われる
CHAPTER 02盆提灯の種類
盆提灯は、置き方や用途によっていくつかの種類に分けられます。住まいの広さや飾る場所に合わせて選びましょう。
| 種類 | 形・置き方 | 特徴 |
|---|---|---|
| 大内行灯 | 床に置く脚付き | もっとも一般的。木製の脚に火袋をのせる |
| 御所提灯(吊り提灯) | 天井から吊るす | 場所をとらず、マンションでも飾りやすい |
| 霊前灯(れいぜんとう) | 小型・対で飾る | 新盆や仏壇まわりに飾る小ぶりな提灯 |
| 回転灯 | 絵柄が回る | 内部が回転し、走馬灯のように模様が動く |
近年は住宅事情に合わせて、コンパクトで電気式(コードレス・LED)の盆提灯も増えています。火を使わないため安全で、毎年くり返し使えるのが利点です。
CHAPTER 03盆提灯を飾る時期と飾り方
盆提灯は、お盆の入りである8月13日(地域によっては7月13日)までに飾り始め、送り盆の16日が過ぎたら片付けるのが一般的です。新盆を迎える家では、お盆の少し前から早めに飾ることもあります。
- 01飾る場所を決める仏壇や精霊棚(しょうりょうだな)のそば、または玄関先など、ご先祖様を迎える場所に飾ります。
- 02対で飾るのが基本盆提灯は左右一対(二つ)で飾るのが正式とされますが、住宅事情に合わせて一つだけでも問題ありません。
- 03灯りをともすお盆の期間中は、夕方から夜にかけて灯りをともします。電気式なら安全に長時間つけておけます。
- 04お盆が終わったら片付ける送り盆を過ぎたら、ほこりを払い、火袋を傷めないよう丁寧にしまいます。来年も使えるよう、湿気を避けて保管しましょう。
TIP / 火の扱いに注意
ろうそく式の盆提灯は火事の原因になることがあります。その場を離れるときは必ず火を消し、小さな子どもやペットがいる家庭では電気式を選ぶと安心です。
CHAPTER 04新盆(初盆)の盆提灯
故人が亡くなって初めて迎えるお盆を新盆(初盆)といい、通常のお盆よりも丁寧に供養します。新盆では、白木に白い火袋の「白提灯(しろぢょうちん)」を飾るのがならわしです。
パ
新米パパ
白い提灯と、絵柄の入った提灯は、何が違うんですか?
博
カゾイロ博士
白提灯は、新盆を迎える家だけが飾る特別なものです。けがれのない白で、初めて帰ってくる故人の霊を清らかにお迎えする意味があります。翌年からは、絵柄の入った華やかな盆提灯を毎年くり返し飾りますよ。
CAUTION / 白提灯の取り扱い
新盆の白提灯は、その年限りで使うのが本来の習わしです。お盆が終わったら、送り火で燃やすか、菩提寺(ぼだいじ)に納める、あるいは自治体のルールに従って処分します。最近は一部を形式的に燃やして納める方法も一般的です。
新盆のお供えや香典(こうでん)、服装などのマナー全般については、新盆(初盆)とは?の記事で詳しく解説しています。
CHAPTER 05盆提灯を贈るときのマナー
盆提灯は、新盆を迎える家へ贈るお盆の贈り物としても古くから親しまれてきました。かつては親族が盆提灯そのものを贈りましたが、住宅事情から、近年は提灯の代わりに「御提灯料(おちょうちんりょう)」として現金を包むことも増えています。
5,000〜20,000円
盆提灯(品物)
3,000〜10,000円
御提灯料(現金)
パ
新米パパ
親戚の新盆に呼ばれたのですが、盆提灯を持っていったほうがいいですか?
博
カゾイロ博士
最近は、ご遺族が提灯を用意していることが多いので、まずは先方の意向を確認するのが安心です。提灯そのものより、「御提灯料」として現金を包む形が今は主流ですよ。表書きや金額に迷ったら、地域の慣習に合わせるとよいでしょう。
CHAPTER 06盆提灯に関するよくある質問
A.
お盆の入り(多くは8月13日、地域により7月13日)までに飾り、送り盆の16日が過ぎたら片付けるのが一般的です。新盆の家ではお盆の少し前から飾ることもあります。
A.
絵柄の入った盆提灯は毎年くり返し使えます。一方、新盆で飾る白提灯は、その年限りで処分するのがならわしです。
A.
はい。天井から吊るす御所提灯や、コンパクトな電気式の盆提灯なら、省スペースで安全に飾れます。火を使わないLEDタイプが人気です。
A.
品物なら5,000〜20,000円、現金(御提灯料)なら3,000〜10,000円ほどが目安です。相手との関係や地域の慣習に合わせて決めましょう。
CHAPTER 07まとめ
盆提灯は、お盆に帰ってくるご先祖様の霊が迷わず家に帰れるよう、目印として飾る提灯です。大内行灯や御所提灯などの種類があり、住まいに合わせて選べます。飾る時期はお盆の入りから送り盆まで。故人が初めて迎える新盆では、清らかな白提灯を飾るのがならわしです。贈り物にする際は、のしや水引のマナーを押さえましょう。やさしい灯りとともに、ご先祖様をあたたかくお迎えしたいものですね。
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