結納(ゆいのう)と顔合わせ食事会は、結婚が決まった二人の両家が正式に挨拶を交わす大切な儀式です。伝統的な結納と、カジュアルな顔合わせ食事会のどちらを選ぶかは家庭によって異なります。この記事では、結納と顔合わせの違いから流れ、費用の相場、服装、準備のポイントまでわかりやすく解説します。
CHAPTER 01結納と顔合わせ食事会の違い

結納と顔合わせ食事会は、どちらも両家の親が顔を合わせて婚約を確認する場ですが、形式や費用が大きく異なります。

| 項目 | 結納 | 顔合わせ食事会 |
|---|---|---|
| 形式 | 正式な儀式。結納品を取り交わす | 食事会が中心。儀式的な要素は少ない |
| 費用の目安 | 結納金・結納品に加え、会場と食事代 | 食事代のみ(1人1万〜1.5万円程度) |
| 場所 | 女性側の自宅、料亭、ホテルの個室 | レストラン、料亭、ホテルの個室 |
| 服装 | フォーマル(振袖・訪問着・スーツ) | セミフォーマル〜きれいめ |
| 所要時間 | 2〜3時間(食事を含む) | 2〜3時間 |
| こんな方におすすめ | 伝統を大切にしたい、地域の慣習を重んじるご両家 | 気軽に両家の親睦を深めたいご両家 |
近年は結納を行わず、顔合わせ食事会だけを行うカップルが大半で、正式な結納は少数派になっています。ただし、地域やご両家の意向によって結納を重視する場合もあるため、事前に両家の希望を確認することが大切です。
1人1万〜1.5万円
顔合わせ食事会の料理の目安(1人あたり)
50万〜100万円
結納金の相場
2〜3時間
結納・顔合わせの所要時間
新米パパ / 2歳児のパパ
結納と顔合わせ食事会、最近はどちらが多いですか?決め方のポイントは?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
近年は顔合わせ食事会だけを行うカップルが大半です。結納は格式を重んじるご家庭や、地域の慣習が強い場合に行われます。大切なのは両家の意向を事前にすり合わせること。「うちは結納をしたい」「うちは顔合わせで十分」と意見が分かれることもあるので、お二人が間に入って調整しましょう。
CHAPTER 02結納の種類と流れ
正式な結納の流れをご紹介します。最近は略式結納(仲人(なこうど)なし・結納品を簡略化)で行うケースが主流です。
正式結納
正式結納は、仲人が両家を行き来して結納品を届ける伝統的なスタイルです。仲人は男性側から結納品と結納金を預かり、女性側のご自宅に届けます。女性側は受書(うけしょ)を渡し、仲人が男性側に届けます。この往復で結納が成立します。現在では仲人を立てない略式結納が主流になっています。
略式結納
略式結納は、両家が一堂に会して結納品を取り交わすスタイルです。ホテルの個室や料亭で行われることが多く、仲人を立てずに進行します。男性側から女性側に結納品と結納金を贈り、女性側は受書を渡します。食事会を兼ねて行うことが多く、所要時間は2〜3時間程度です。
- 01両家の挨拶男性側の父親(または本人)が挨拶をし、婚約のお礼と結納の口上を述べます。「本日はお日柄もよく…」から始まる決まった口上があります。
- 02結納品の取り交わし男性側から女性側に結納品(結納金・目録・結納飾り)を贈ります。関東式では同時に取り交わし、関西式では男性側から贈り女性側がお返しを後日する形式です。
- 03婚約記念品の披露婚約指輪やお返しの品(腕時計など)をお披露目します。
- 04記念撮影結納品の前で両家そろっての記念撮影を行います。
- 05祝い膳結納の儀式が終わったら、食事をしながら両家の親睦を深めます。
- 結納金(ゆいのうきん)
- 男性側から女性側に贈るお金。関東では「御帯料(おんおびりょう)」、関西では「小袖料(こそでりょう)」とも呼びます。相場は50万〜100万円程度。
- 結納品
- 結納の際に取り交わす縁起物。関東式では目録を含む九品目が正式ですが、七品目・五品目などに簡略化することも多いです。
- 受書(うけしょ)
- 結納品を受け取った側が渡す受領書。略式結納でも取り交わすことがあります。
- 顔合わせ食事会
- 結納に代わる両家の顔合わせ。料亭やレストランの個室で食事をしながら両家の紹介を行います。
INFO / 地域による結納文化の違い
結納の形式は地域によって異なります。関東式では両家が結納品を「取り交わす」考え方で、女性側も結納返しを同時に用意することがあります。関西式では男性側から女性側へ結納品を「納める」考え方で、結納飾りが豪華なのが特徴です。女性側の結納返しは後日、または簡略にする場合もあります。どちらの形式で行うかは、両家で事前に確認しておきましょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
結納と顔合わせ、どちらにするか迷っています。最近の傾向はどうですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
最近は結納を行わず、顔合わせ食事会のみを選ぶカップルが大半です。ただし、ご両親の世代や地域によっては結納を重視される方もいるので、両家の意向を丁寧に確認することが大切です。両家の考えが異なる場合は、顔合わせ食事会の場で略式の結納品や記念品を取り交わす折衷案もありますよ。
CHAPTER 03結納品・結納金の相場と結納返し
結納品は縁起物を揃えた品々で、正式には9品目(関東式)、略式では5品目や3品目で行うこともあります。

| 品目 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 目録 | もくろく | 結納品の一覧表 |
| 長熨斗(のし) | ながのし | アワビを伸ばしたもの。長寿の象徴 |
| 金包(きんぽう) | きんぽう | 結納金を包んだもの |
| 勝男武士(節) | かつおぶし | 勝男の語呂合わせ。男性の強さ |
| 寿留女 | するめ | 末永く幸せが続くことを願う |
| 子生婦 | こんぶ | 子宝に恵まれることを願う |
| 友白髪 | ともしらが | 白髪になるまで仲良く |
| 末広 | すえひろ | 扇子。末広がりの繁栄 |
| 家内喜多留 | やなぎだる | 酒料。お祝いの宴の費用 |
結納品の数は地域によって異なり、関東式は九品目が正式とされ、七品目・五品目に簡略化することもあります。関西式では品数を奇数にそろえ、松竹梅や鶴亀をかたどった豪華な飾りが用いられます。最近では目録・金包・長熨斗・末広など数品に絞った略式セットや、結納品を省いて記念品の交換だけを行うケースも増えています。
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略式結納セット「カトレア」(新しいタブで開きます)
顔合わせ食事会でも使える略式の結納セット。品目を絞ったセットで、両家の準備の負担を抑えられます。
結納金の相場と使い道
結納金の相場は50万〜100万円が一般的で、キリのよい金額にします。「100万円」が最も多く、次いで「50万円」「70万円」の順です。結納返し(お返し)は関東式では結納金の半額、関西式では1割程度が目安です。
結納金は「小袖料」「帯地料」とも呼ばれ、花嫁の嫁入り支度のための資金として贈られます。金額の相場は50万円〜100万円が最も一般的で、キリの良い金額を包みます。「割れない」数字として奇数の金額(50万、70万、100万など)が好まれますが、80万円は「末広がり」として縁起が良いとされています。
いただいた結納金は、家具や家電、新生活の準備費用に充てるのが伝統的な使い方です。最近はマンションの頭金や結婚式の費用に充てるカップルも増えています。結納金の使い道に厳密な決まりはないので、二人で相談して賢く活用しましょう。
結納返し・お返しのマナー
結納金をいただいた女性側は、「結納返し」としてお返しを贈るのが慣例です。関東式では結納金の半額を現金で返す「半返し」が一般的ですが、関西式では結納金の1割程度を「御袴料」として返す風習があります。
最近では現金でのお返しに代えて、腕時計やスーツなどの記念品を贈るケースも増えています。金額の目安は関東式で結納金の30〜50%、関西式で10〜20%程度です。お返しの品物とタイミングについては、両家で事前に相談しておくとスムーズです。
婚約記念品の選び方と相場
婚約の証として交換する記念品にも相場があります。男性から女性への定番は婚約指輪(エンゲージリング)で、相場は30万〜70万円が中心。プラチナ台のダイヤモンドリングが最も人気です。女性から男性へのお返しは10万〜20万円程度で、腕時計やスーツが選ばれています。
CHAPTER 04顔合わせ食事会の流れ・費用・服装
顔合わせ食事会は結納よりもカジュアルですが、段取りをしっかり準備しておくことでスムーズに進行できます。
- 011. 両家の紹介男性側の父親が進行役となり、両家の家族を紹介します。最近では本人同士が進行役を務めることも増えています。
- 022. 婚約記念品の交換(任意)婚約指輪や腕時計などの記念品を交換する場合はこのタイミングで行います。
- 033. 記念撮影料理が運ばれる前に全員での集合写真を撮影します。
- 044. 乾杯・会食両家の父親または本人の挨拶のあと乾杯し、食事を楽しみながら親睦を深めます。
- 055. 結びの挨拶両家の父親が締めの挨拶を行い、今後の結婚準備について簡単に話し合います。
TIP / 顔合わせをスムーズにする「しおり」
最近は顔合わせ食事会用の「顔合わせしおり」を手作りするカップルが増えています。両家の家族紹介、二人のプロフィール、出会いのエピソード、今後のスケジュールなどをまとめた冊子で、初対面のご家族同士の会話のきっかけになります。テンプレートを活用すれば簡単に作れます。
TIP / 顔合わせ食事会を成功させるコツ
初対面の両家が打ち解けやすいよう、婚約者の幼少期の写真アルバムを用意しておくと話題が広がります。席順は上座にお互いの父親、その隣に母親が座り、カップルが間に入るのが基本です。しおり(進行表)を作成しておくとスムーズに進行できます。
顔合わせの費用と支払い
顔合わせ食事会の費用は、一人あたり1万〜1.5万円程度のコース料理が目安です。会場はホテルの個室、料亭、レストランなどが選ばれます。支払いは、両家を招く立場としてお二人が負担するケースが多く、両家で折半したり、男性側が多めに出したりすることもあります。事前にお二人で話し合って決めておきましょう。
どちらかの家が遠方から来る場合は、交通費・宿泊費の負担についても事前に相談しておきましょう。一般的には、開催地側の家が食事代を多めに負担し、遠方から来る家は交通費を自己負担とすることが多いです。
新米パパ / 2歳児のパパ
顔合わせ食事会の費用は誰が負担するのが一般的ですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
最も多いのは「二人(本人たち)が負担する」パターンです。両家に気を遣わせないためにも、招待する側として二人が持つのがスマートです。両家で折半する場合や、男性側が多めに出す場合もありますので、事前にお二人で話し合って決めましょう。
顔合わせ食事会の服装
顔合わせ食事会の服装は、両家の格を揃えることが最も大切です。一方がフォーマルで一方がカジュアルだとバランスが悪くなるため、事前に服装のトーンを合わせておきましょう。

- 女性(本人) — ワンピースやセットアップが主流。振袖も華やかで好印象
- 男性(本人) — スーツが基本。ネクタイは明るめの色で
- 母親 — セミフォーマルなワンピースやスーツ。訪問着もおすすめ
- 父親 — ダークスーツ(紺・チャコールグレー)にネクタイ
- 全体のポイント — 「きちんと感」を大切に。露出の多い服やカジュアルすぎる服は避ける
一般的には、男性はスーツかジャケットスタイル、女性はワンピースやセットアップが選ばれます。女性は振袖(ふりそで)や訪問着を着用するケースもありますが、その場合は相手方にも和装を検討してもらうよう伝えるのがマナーです。
話題選びとNGマナー
顔合わせでの話題選びに困ったときのために、事前にいくつかネタを用意しておくと安心です。二人の馴れ初め、趣味の話、旅行の思い出、出身地の話題、好きな食べ物の話などは、どなたでも参加しやすい話題です。子どもの頃のエピソードやアルバムを持参すると、自然と会話が弾みます。
結婚式の具体的な話(会場・日取り・招待客の人数など)は顔合わせの場では深入りしすぎず、「こんな雰囲気の式にしたいと考えています」程度にとどめるのが無難です。詳細は後日改めて相談する旨を伝えれば、両家とも安心して会食を楽しめます。
CAUTION / 結納・顔合わせのNG行動
遅刻はもちろん厳禁ですが、それ以外にも注意すべき点があります。宗教や政治の話題、相手の家族への否定的な発言、他の結婚式との比較、年収や学歴の詮索などは避けましょう。また、スマートフォンを頻繁に確認するのもマナー違反です。
両家の顔合わせでは、どちらかの家が一方的に話し続けないよう、バランスの良い会話を心がけることが大切です。進行役(多くの場合、新郎の父親または新郎本人)が適度に話題を振り、全員が発言できる雰囲気を作りましょう。
CHAPTER 05顔合わせをテーマ別にくわしく
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CHAPTER 06結納・顔合わせに関するよくある質問
A.
お二人の希望と両家の意向をすり合わせて決めましょう。迷った場合は、両方の親に希望を聞くのがベストです。「結納をしたい」というご両親がいれば結納を検討し、「カジュアルでよい」ということであれば顔合わせ食事会がおすすめです。
A.
個室のある料亭やレストランが定番です。両家の中間地点にあるお店を選ぶと公平です。和食の料亭は落ち着いた雰囲気でフォーマルな席にぴったり。予算は1人1万〜1.5万円程度のコース料理が目安です。
A.
プロポーズや両家への挨拶が済み、結婚式の準備を本格的に始める前後に行うのが一般的です。日取りは大安や友引などの吉日を選ぶ方が多いですが、こだわりがなければ両家の都合が合う日で構いません。
A.
両家ともに手土産を持参するのがマナーです。地元の銘菓や有名店のお菓子が定番で、2,000〜5,000円程度が相場です。のしは不要で、きちんとした紙袋に入れて渡しましょう。事前に相手方と同程度の品を用意するよう、二人が間に入って調整するとスムーズです。
A.
兄弟姉妹の子どもや、お二人のお子さんが同席することもあります。その場合は、周りを気にせず過ごせる個室を選び、子ども用の椅子や食事を事前にお店に相談しておきましょう。2〜3時間の会食は小さな子どもには長いので、おもちゃや絵本を用意し、途中で席を外せるよう進行に余裕を持たせると安心です。
CHAPTER 07まとめ
結納・顔合わせ食事会は、両家が一つの家族になるための大切な第一歩です。最近は顔合わせ食事会だけを行うカップルが大半ですが、地域の慣習やご両親の希望によっては略式の結納を組み合わせることもあります。形式・費用の負担・服装の格を事前に両家ですり合わせ、お二人が間に入って橋渡しをすれば、全員が和やかに過ごせる時間になります。






