六曜(ろくよう)は、「先勝」「友引」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」の6つで日の吉凶を示す暦注です。結婚式は大安がよい、葬儀に友引は避けるなど、日本の暮らしに深く根づいています。この記事では、六曜の意味や由来からそれぞれの日の過ごし方、行事との関係までわかりやすく解説します。
CHAPTER 01六曜とは?意味と由来
六曜とは、暦に記される日の吉凶を示す6種類の注記のことです。もともとは中国から伝わった占いの一種で、日本の暦に取り入れられました。江戸時代の終わりごろに現在の形が定まり、明治時代以降に一般に広まったとされています。
六曜はもとは時刻の吉凶を占うものでしたが、やがて日の吉凶を示すものへと変化しました。旧暦の月と日の合計を6で割った余りで機械的に決まるため、科学的な根拠はありませんが、冠婚葬祭の日取りを決める際に今でも広く参考にされています。
新米パパ / 2歳児のパパ
カレンダーに書いてある大安や仏滅が六曜なんですね。どうやって決まるんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
旧暦の月と日を足して6で割った余りで決まります。たとえば旧暦1月1日は先勝、2月1日は友引、というように月の始まりが固定されていて、そこから順番に巡ります。そのため旧暦の月が変わると六曜の順番がリセットされるのが特徴です。
六曜の基盤 ── 旧暦(太陰太陽暦)と月の満ち欠け
六曜は旧暦(太陰太陽暦)の日付に基づいて決まります。旧暦は月の満ち欠けを基準にした暦で、新月(朔 = さく)が月の第一日です。月の周期は約二十九・五日のため、一ヶ月は二十九日か三十日になります。日本の暦は明治五年(1872年)に太陽暦(グレゴリオ暦)に切り替わりましたが、六曜の計算には今でも旧暦の日付が使われています。六曜は旧暦の月と日の合計で決まるため、旧暦の月が変わると六曜のパターンもリセットされます。
| 旧暦の日付 | 月の名称 | 読み方 |
|---|---|---|
| 一日 | 新月(朔) | しんげつ(さく) |
| 三日 | 三日月 | みかづき |
| 七日ごろ | 上弦の月 | じょうげんのつき |
| 十三日 | 十三夜月 | じゅうさんやづき |
| 十五日 | 満月(望) | まんげつ(ぼう) |
| 二十三日ごろ | 下弦の月 | かげんのつき |
| 二十六日 | 有明月 | ありあけづき |
| 三十日 | 晦日 | みそか |
新米パパ / 2歳児のパパ
六曜が旧暦ベースだから、新暦のカレンダーでは並び方が不規則に見えるんですね。でもなぜ今でも旧暦で計算するんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
六曜はもともと太陰太陽暦の日付から機械的に割り出す仕組みなので、太陽暦に変換してしまうと計算の根拠がなくなってしまうのです。旧暦の月が変わるたびに六曜の巡りがリセットされるのも、月の満ち欠けの周期と暦が連動しているからこそです。
CHAPTER 02六曜それぞれの意味と過ごし方
六曜は先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の順に繰り返されます。それぞれの意味と吉凶の時間帯を確認しましょう。
- 先勝(せんしょう / せんかち / さきがち)
- 「先んずれば勝ち」の意味。午前中が吉、午後は凶とされます。急ぎ事によい日で、何事も早めに行動するのがよいとされています。
- 友引(ともびき / ゆういん)
- 朝晩は吉、昼(11時〜13時)は凶。「友を引く」と解釈されるため、葬儀を避ける風習があります。逆にお祝い事には「幸せのおすそ分け」として吉日とされます。
- 先負(せんぷ / せんまけ / さきまけ)
- 「先んずれば負ける」の意味。午前は凶、午後が吉です。何事も控えめに平静を保つ日とされ、急用や争い事は避けたほうがよいとされています。
- 仏滅(ぶつめつ)
- 何をしても凶とされる日。「仏も滅する」大凶日と解釈され、結婚式や開業などを避ける人が多いです。ただし「すべてが滅んで新しく始まる日」と捉え、物事のリスタートに向くという解釈もあります。
- 大安(たいあん / だいあん)
- 何をしても吉とされる最も縁起のよい日。結婚式、地鎮祭、お宮参り、七五三、納車など慶事に人気が集中します。「大いに安し」の意味で、一日を通じて吉です。
- 赤口(しゃっこう / しゃっく / せきぐち)
- 午前11時〜午後1時のみ吉、それ以外は凶。「赤」の字から火事や刃物による怪我に注意する日ともされます。お祝い事は正午前後に行うとよいでしょう。
| 六曜 | 読み方 | 吉の時間帯 | 凶の時間帯 | 一言メモ |
|---|---|---|---|---|
| 先勝 | せんしょう / せんかち / さきがち | 午前中 | 午後 | 急ぎ事によい |
| 友引 | ともびき / ゆういん | 朝・夕方以降 | 昼(11〜13時) | 葬儀を避ける日 |
| 先負 | せんぷ / せんまけ / さきまけ | 午後 | 午前中 | 控えめに過ごす日 |
| 仏滅 | ぶつめつ | なし | 終日 | 大凶日 |
| 大安 | たいあん / だいあん | 終日 | なし | 最も縁起のよい日 |
| 赤口 | しゃっこう / しゃっく / せきぐち | 11〜13時のみ | それ以外 | 火・刃物に注意 |
六曜の名称は時代とともに変化しており、現在の表記が定まるまでには語源の変遷がありました。たとえば「友引」は本来「共引」と書き、「引き分け」を意味していました。「勝負なし」の日という意味だったのが、「友を引く」と読み替えられるようになり、葬儀を避ける風習が生まれたのです。また「仏滅」は本来「物滅」と書き、「すべてのものが滅ぶ」の意味でした。仏教の「仏」とは本来無関係であり、後に字が当てられて仏教と結びつけられるようになったものです。
INFO / 友引と物滅 ── 字が変わると意味も変わる
「共引(引き分け)」が「友引(友を引く)」に、「物滅(物が滅ぶ)」が「仏滅(仏が滅する)」に変化したことで、本来の意味とは異なる解釈や風習が生まれました。六曜を理解するうえで、現在の漢字表記がもとの意味をそのまま表しているわけではないという点は押さえておきたいポイントです。
CHAPTER 03六曜と行事・冠婚葬祭の関係
六曜は日本の冠婚葬祭と密接に結びついています。特に結婚式では大安が圧倒的に人気で、式場の予約が集中するため費用が高くなる傾向があります。逆に仏滅は割引プランが用意されることもあり、気にしないカップルにはお得な選択肢です。
葬儀では友引の日を避ける風習が根強く、友引の日は火葬場が定休日になっている地域も多くあります。「友を引く(道連れにする)」という語呂合わせから、弔事には不向きとされてきました。ただし、これは迷信であり、仏教的な根拠はありません。
お宮参りや七五三などの子どもの祝い事でも、六曜を気にして大安や友引を選ぶご家庭は多いです。しかし、必ずしも六曜にこだわる必要はなく、家族の都合や体調を優先して日程を決めるのが現代では一般的になりつつあります。
TIP / 六曜を気にしすぎないことも大切
六曜はあくまで暦の上の慣習であり、宗教的な教えとは関係がありません。仏教の「仏滅」やキリスト教の行事とも本来は無関係です。年配の方が気にされる場合は配慮しつつ、家族にとって都合のよい日を選ぶのがベストです。
CHAPTER 04暦注の体系と六曜の位置づけ
六曜をより深く理解するには、日本の暦に記される暦注(れきちゅう)の全体像を知ることが役立ちます。暦注は大きく上段・中段・下段の三層に分かれており、六曜はこのうち「中段」に位置しています。
| 区分 | 主な内容 | 特徴 |
|---|---|---|
| 暦注上段 | 日の出・日の入り、二十四節気など | 天文・季節に関する情報 |
| 暦注中段(六曜) | 先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口 | 日の吉凶を6種類で示す |
| 暦注下段 | 十二直(じゅうにちょく)・二十八宿(にじゅうはっしゅく)・九星(きゅうせい)など | 陰陽道の影響を受けた詳細な吉凶判断 |
暦注下段には「十二直」「二十八宿」「九星」などがあり、かつてはこちらのほうが六曜よりも重視されていました。これらは陰陽道の影響を強く受けた吉凶判断で、建築や旅行、婚礼などの日取りを細かく指示するものでした。
六曜は鎌倉時代に中国から伝わったとされますが(諸説あり)、暦注として広く定着したのは江戸時代以降のことです。明治初期に太陽暦(グレゴリオ暦)が採用された際、政府は暦注を迷信として排除しようとしました。しかし民間では根強く暦注が残り、民間暦(かわら版暦、略暦)として庶民の間で広く使われ続けたのです。
新米パパ / 2歳児のパパ
六曜以外にも暦の吉凶を判断するものがあったんですね。暦注下段の「十二直」とかは今でも使われていますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
建築業界では今でも十二直を参考にすることがあります。たとえば地鎮祭(じちんさい)の日取りを「建(たつ)」の日にするなどの風習が残っています。ただ一般家庭で意識されるのはほぼ六曜だけですね。明治政府が暦注を排除しようとしたにもかかわらず、民間暦として生き残った六曜の浸透力はなかなかのものです。
INFO / 陰陽道と暦注の関係
日本の暦注は、中国から伝わった陰陽道の影響を受けて形成されました。陰陽道の考え方が日本の暦に組み込まれていった歴史は古く、平安時代の陰陽寮が暦の編纂を担っていたことに遡ります。現在でも冠婚葬祭の日取りを六曜で判断する風習が広く残っているのは、こうした長い歴史の積み重ねによるものです。
CHAPTER 05六曜は迷信?科学的根拠と現代の考え方
六曜はもともと中国の占いの一種であり、科学的な根拠は確認されていません。旧暦の日付から機械的に計算されるだけで、天文学や統計学に基づくものではないのです。実際に、明治政府は六曜を含む暦注を「迷信」として暦から削除しようとした歴史があります。
しかし、六曜は庶民の間で根強い支持を受け、現在でもカレンダーや手帳に記載され続けています。「気にしすぎず、よい日を選ぶ参考程度に」と考えるのが現代にふさわしいスタンスでしょう。大切なのは六曜の吉凶そのものよりも、関わる人が気持ちよく過ごせるよう配慮することです。
INFO / 六曜の豆知識
六曜は旧暦に基づいているため、新暦のカレンダーでは不規則に並んでいるように見えます。旧暦の月が変わるたびに六曜の順番がリセットされるため、新暦上では突然順序が入れ替わることがあります。これが六曜に「不思議な力」があるように感じさせる一因かもしれません。
CHAPTER 06六曜に関するよくある質問
A.
六曜が日本の暦に登場したのは鎌倉時代末期から室町時代にかけてとされています。ただし、現在のように「大安」「仏滅」などの名称が定まったのは江戸時代の終わりごろです。明治の改暦以降に広く庶民に浸透しました。
A.
仏滅は「何をしても凶」とされる日ですが、科学的な根拠はなく、仏教とも無関係です。仏滅の日は式場が割引になることも多く、気にしないカップルにとってはお得な選択肢です。ご両親や親族が気にされる場合は相談して決めるとよいでしょう。
A.
「友を引く」という語呂から葬儀を避ける風習がありますが、仏教的な根拠はありません。ただし、地域の火葬場が友引を定休日にしていることが多いため、実務的に友引の葬儀は難しいケースがあります。近年は友引でも火葬場を開けている自治体も増えてきています。
A.
友引は「幸せのおすそ分け」ができる日として慶事に向いています。また、先勝の午前中や先負の午後も吉とされるため、時間帯を選べばお祝い事に適しています。赤口も正午前後(11時〜13時)であれば吉です。
暦と年中行事の書籍によると、六曜は中国の占術が日本に伝わり、江戸時代後期に民間暦に取り入れられたものです。もともとは時刻の吉凶を占う「小六壬(しょうろくじん)」と呼ばれる占いが原型で、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の六種が日の吉凶に転用されました。書籍では、明治政府が「迷信である」として暦への掲載を禁じた時期があったにもかかわらず、民間では根強く信仰され続け、現在でも冠婚葬祭の日取りに大きな影響を与えていると紹介されています。
CHAPTER 07まとめ
六曜は、先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口の6つで日の吉凶を示す暦注です。中国から伝わり、江戸時代末期に現在の形になりました。結婚式には大安、葬儀には友引を避けるなど、冠婚葬祭の日取り選びの指標として今も参考にされています。
ただし、六曜に科学的な根拠はなく、あくまで暦の上の慣習です。気にしすぎず、家族やまわりの方々が気持ちよく過ごせる日を選ぶことが大切です。六曜を参考にしつつも、自分たちにとって最適な日を見つけてください。

