大晦日(おおみそか)は、一年の最後の日である12月31日のこと。2026年は木曜日です。この記事では、大晦日の意味や由来、年越しそばや除夜の鐘に込められた願い、家族での過ごし方や各地の風習までわかりやすく解説します。

CHAPTER 01大晦日とは?意味と由来
大晦日(おおみそか)は、12月31日、すなわち一年の最終日を指す言葉です。「晦日(みそか)」とは毎月の最終日を意味し、一年の最後の晦日であることから「大」をつけて「大晦日」と呼ばれるようになりました。
「みそか」の語源は「三十日(みそか)」にあります。旧暦では月の満ち欠けを基準に暦が作られており、一ヶ月がおよそ30日であったため、月の最終日を「三十日」と呼んでいました。これが転じて、月末全般を「晦日」と表すようになったのです。
また、江戸時代にはこの日を「大つごもり」とも呼んでいました。「つごもり」は「月隠り(つきごもり)」が転じた言葉で、月が隠れて見えなくなる月末を意味しています。
古くから日本では、この日は単なる年の終わりではなく、新年の年神様(としがみさま)をお迎えする準備の日として特別な意味を持っていました。年神様は元旦の朝に各家庭を訪れるとされており、この夜は年神様を待つ神聖な時間と考えられていたのです。
伝統的な考え方では、大晦日の晩は先祖霊が年神(正月様)となって家を訪れ、新しい生命力である「年魂(としだま)」を授けてくれるとされていました。この「年魂」こそ現在のお年玉の語源です。年神を恙なく迎えるため、12月8日の「事八日」から準備を始め、12月13日には家中の煤を払って清める「煤払い」を行いました。
12月31日
大晦日の日付
108つの煩悩
除夜の鐘の回数
年越しそば
長寿と切りの良さを願う
日本の大晦日は古くから「年籠り(としごもり)」の日とされていました。年籠りとは、家長が大晦日の夜から元旦にかけて氏神様の社に籠もり、新年の豊作と安全を祈る行事です。この風習が後に「除夜」(大晦日の夜)の過ごし方として形を変え、現代の年越しの風習につながっています。
年越の祓(大祓)
大晦日には、多くの神社で大祓(おおはらえ)が行われます。一年の半分にあたる6月30日の「夏越の祓(なごしのはらえ)」と並ぶもので、12月の大祓は「年越の祓(としこしのはらえ)」と呼ばれ、半年間に積もった罪や穢れを祓い清めます。京都・八坂神社の「をけら詣り」では、をけら火を吉兆縄に移して持ち帰り、元日の雑煮を炊く火種にする風習が今も続いています。
NOTE / 大祓の祓具
大祓で用いられる形代(かたしろ)は、人の形をした紙に自分の名前と年齢を書き、体をなでて息を吹きかけることで、罪や穢れを移します。この形代を川に流したり、焚き上げたりすることで、身を清める意味があります。
CHAPTER 02年越しそばの由来と食べ方
この日の食べ物として最もなじみ深いのが年越しそばです。江戸時代中期に定着したとされ、現在でもこの夜にそばを食べる家庭は多く、日本の代表的な年末行事の一つとなっています。

年越しそばは「みそかそば」「つごもりそば」とも呼ばれます。忙しい年の瀬に、手軽に食べられるそばが重宝されていたことがその由来です。「みそか」は月の末日、「つごもり」は「月隠り」が転じた言葉で、いずれも月末を意味する言葉がそのまま名前になりました。
新米パパ / 2歳児のパパ
年越しそばには「みそかそば」や「つごもりそば」という別名もあるのですね。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。どちらも月末を表す言葉に由来しています。忙しい年の瀬にそばを食べていた習慣が、年越しそばとして定着していったのです。
年越しそばに込められた意味
年越しそばには古くから複数の由来が伝えられています。どれか一つが正解というわけではなく、さまざまな縁起担ぎの意味が重なり合って現在の風習に定着しました。
- 延命長寿
- そばは細く長くのびるため、長寿を願って「長寿そば」「延命そば」とも呼ばれた
- 運気上昇
- そばは強い植物で、風雨で倒れても日が差せば再び立ち上がる。その生命力にあやかって運気の上昇を願った
- 縁切り・厄切り
- 切れやすいそばを「厄切りそば」「縁切りそば」と呼び、旧年の苦労や災厄を断ち切る意味を込めた
- 金運
- 金細工の職人が散った金粉をそば粉で練って丸めた団子で集めたことから、そばは金を集める縁起物とされた
- 晦日そば
- 江戸時代、商家では「晦日そば」といって月の末日にそばを食べる習慣があった。それが年末の大晦日に特に盛大に行われるようになり、年越しそばとして定着した
年越しそばはいつ・どう食べる?
年越しそばは、大晦日のうちに食べ終えるのが習わしです。年をまたいで食べると翌年の金運や健康運に恵まれないという言い伝えがあるためです。具材は地域によってさまざまですが、海老天(長寿)、にしん(「二親」で子孫繁栄)、卵(金運)などの縁起の良い食材が好まれます。
年越しそばは地域によって個性があります。温かいかけそばが主流ですが、信州(長野)では冷たいざるそばで食べる家庭もあります。北海道や京都では身欠きにしんの甘露煮をのせたにしんそばが定番で、沖縄では沖縄そばを年越しに食べるのが一般的です。

近年はそばアレルギーの方向けに年越しうどんを食べる家庭も増えています。讃岐うどんの本場・香川県では「年越しうどん」が定番で、太くて長いうどんは「太く長く生きる」という縁起を担いでいます。そばにこだわらず、家族で温かいものを食べて一年を締めくくるということ自体に意味があるのでしょう。
INFO / そばの栄養
そばには、たんぱく質やビタミンB1・B2、食物繊維、ポリフェノールの一種であるルチンなどが含まれています。縁起担ぎだけでなく、年末の食卓にうれしい食材です。そばアレルギーは症状が重くなりやすいので、小さな子どもに初めて食べさせるときは少量から、医療機関を受診できる日中に試すと安心です。
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信州安曇野 手打ち生そば(年越しそば)(新しいタブで開きます)
安曇野のそば店が手打ちする生そば。年越しそばを自宅で本格的に味わえます。
CHAPTER 03除夜の鐘の意味|なぜ108回つくの?
12月31日の夜から元日の未明にかけて、全国の寺院で除夜の鐘が撞かれます。「除夜」とは「旧年を除く夜」という意味で、12月31日の夜を指す言葉です。

除夜の鐘の打ち始めは、大晦日の午後11時頃が一般的です。108回目の鐘が元旦の午前0時をまたぐように時間を調整して打つお寺が多く、最後の鐘の音が新年の始まりを告げます。一般の参拝者が鐘を突かせてもらえるお寺もあり、整理券を配布したり先着順で受け付けたりする場合があるため、参加したい方は事前に確認しておくとよいでしょう。近年は騒音問題から昼間に「除夜の鐘」を行うお寺も出てきていますが、やはり年越しの深夜に響く鐘の音は格別の風情があります。
108回の理由
最も広く知られているのは、人間の煩悩の数が108つあるという仏教の教えに基づく説です。煩悩とは、心を惑わし苦しめる欲望や怒り、迷いのことで、鐘を一つ撞くごとに煩悩を一つずつ払い、清らかな心で新年を迎えるという意味が込められています。
除夜の鐘が108回撞かれる背景には、仏教における人間の苦しみへの深い洞察があります。108という数は、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)が外界と触れることで生じる感覚を好(ここちよい)・悪(不快)・平(どちらでもない)の3種に分け、さらにそれぞれを浄(清らか)・染(けがれ)の2種に分類し、過去・現在・未来の三世を掛け合わせた「6×3×2×3=108」から導き出されたものです。つまり、人間が生きるうえで避けられないあらゆる心の揺れを数えつくした結果がこの108という数字であり、鐘の音はそのすべてを一つずつ払い清める意味を持っています。除夜の鐘を聴きながら一年を振り返る時間は、日本人が古くから大切にしてきた内省と浄化の儀式といえるでしょう。
他にも、一年の月の数(12)、二十四節気(にじゅうしせっき)の数(24)、七十二候の数(72)を合計して108とする説や、四苦八苦(4×9+8×9=108)に由来するという説もあります。
除夜の鐘のつき方と最近の変化
除夜の鐘は、12月31日の夜11時頃から撞き始め、107回を旧年のうちに、最後の1回を新年に入ってから撞くのが正式な作法とされています。ただし、寺院によって撞き方や時間帯は異なります。近年では一般参拝者が鐘を撞ける寺院も多く、この夜の風物詩として親しまれています。

なお、近隣への騒音配慮から「除夕の鐘」として大晦日の夕方に撞くお寺や、完全に取りやめるお寺も増えています。事前にお近くのお寺の除夜の鐘の予定を確認しておくとよいでしょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
除夜の鐘はなぜ108回つくんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
人間の煩悩の数が108あるとされ、鐘をついて一つずつ煩悩を払うためです。107回を年内につき、最後の1回を新年に入ってからつくのが正式な作法です。お寺によっては一般参加もできますよ。
CHAPTER 04大晦日の過ごし方と各地の風習
年取り膳とおせちの準備
年越しそばとは別に、かつては大晦日の晩に「年取り魚」を食べる風習も広く行われていました。東日本では鮭、西日本では鰤(ぶり)が年取り魚の定番で、出世魚である鰤は縁起物として特に珍重されました。大晦日の晩の食事は「年取膳(としとりぜん)」と呼ばれ、新年を迎える特別な膳として家族で囲みました。

かつての日本では大晦日が「歳取りの日」とされ、この日にひとつ歳を数える「数え年」が使われていました。正月ではなく大晦日の夜に年取り膳(祝い膳)を食べて新しい年齢を迎える風習は、東北地方や北陸地方の一部で今も残っています。年越しそばも、年取り膳の一品として定着したものと考えられています。
大晦日は、翌日の元日に向けたおせち料理の仕上げの日でもあります。すべて手作りせず、市販品や通販おせちと組み合わせれば、大晦日をゆとりを持って過ごせます。おせちの意味や手作りのコツは「おせち料理とは?」で紹介しています。
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千賀屋謹製 和風おせち 三段重(3人前)(新しいタブで開きます)
三段重に詰められた冷蔵の和風おせち。大晦日の準備の負担を減らしたい家庭に向いています。
大掃除と正月飾り
年内に大掃除を済ませ、門松やしめ縄などの正月飾りを整えておくのが習わしです。ただし、12月31日に正月飾りを飾ることは「一夜飾り」と呼ばれ、縁起が悪いとされています。正月飾りは12月28日までか、30日に飾るのが良いとされています。

大晦日当日は、お正月飾りの最終確認と年越しの準備に専念します。鏡餅を飾り、おせち料理の仕上げをし、お風呂でゆっくりと「年の湯」に浸かって一年の汚れを落とします。年の湯は一年の疲れを癒し、清らかな体で新年を迎えるための大切な儀式です。柚子湯にする地域もあります。
年越し参り(二年参り)

12月31日の深夜から元日にかけて神社や寺院を参拝することを「年越し参り」または「二年参り」と呼びます。旧年と新年の二つの年にまたがって参拝することから、ご利益が大きいとされています。
初詣の作法やいつまでに行くかは「初詣とは?」で詳しく解説しています。
各地の年越し行事
全国各地には、この日ならではの行事が受け継がれています。秋田県の「なまはげ」は、鬼の面をかぶった人々が家々を訪れ、怠け者を戒める伝統行事です。京都の八坂神社では「をけら詣り」が行われ、をけら火を吉兆縄に移して持ち帰る風習があります。
紅白歌合戦とカウントダウン
1951年に始まったNHK紅白歌合戦は、大晦日の定番番組です。紅白のあとは「ゆく年くる年」で除夜の鐘の中継を見ながら新年を迎えるのが、多くの家庭の恒例になっています。東京タワーや横浜みなとみらいなど、各地のカウントダウンイベントに出かける人もいます。
世界の年越し
日本の大晦日にあたる年越し行事は世界各国にもあり、それぞれユニークな風習があります。スペインでは大晦日の深夜0時に鐘の音に合わせて12粒のブドウを食べる「ラス・ウバス・デ・ラ・スエルテ(幸運のブドウ)」が有名です。12個の鐘が鳴り終わるまでにすべてのブドウを食べきると、翌年の12か月が幸運に恵まれるとされています。
デンマークでは友人や隣人の玄関先に使い古した皿やグラスを投げつける風習があり、玄関先に割れた食器が多いほど友人が多い証とされます。フィリピンでは丸いものが縁起が良いとされ、水玉模様の服を着たりコインの入ったポケットをじゃらじゃら鳴らしたりします。ブラジルでは白い服を着て海に入り、波を7つ飛び越えると幸運が訪れるとされています。
子どもと過ごす大晦日
大晦日は子どもにとっても特別な夜です。普段は許されない夜更かしを体験できる年に一度のチャンスとして、ワクワクしながら過ごしているお子さまも多いことでしょう。家族で楽しむ大晦日の過ごし方をご紹介します。
まず年越しそばを一緒に作るのがおすすめです。そばを茹でる係、ネギを切る係(安全な子ども用包丁で)、天ぷらを盛り付ける係と役割分担すれば、料理を通じた食育にもなります。そばが苦手なお子さまには、うどんや年越しラーメンでも構いません。大切なのは「一年の感謝を込めて食べる」という気持ちです。
0時のカウントダウンまで起きていられたら、近くのお寺や神社に初詣に出かけるのも素敵な体験です。ただし小さなお子さまは寒さや混雑に注意が必要です。無理に深夜に出かけなくても、窓から除夜の鐘の音を聴いたり、家族で「今年ありがとう、来年もよろしく」と挨拶し合ったりするだけでも、心に残る大晦日になります。
新米パパ / 2歳児のパパ
子どもがまだ小さくて夜更かしできないんですが、大晦日の雰囲気を味わわせたいです。何かいいアイデアはありますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
小さなお子さまには「お昼寝をたっぷりとって、特別に夜更かし」が効果的です。それでも起きていられない場合は、除夜の鐘の音を録音しておいて元旦の朝に聴かせるのも一つの手ですよ。年越しそばを一緒に食べて、お風呂に入って寝る。それだけでもお子さまにとっては十分に特別な大晦日になります。
大晦日の言い伝えと歳暮の和歌
大晦日にはさまざまな言い伝えや風習が残っています。「大晦日に早く寝ると白髪やシワが増える」という言い伝えは、年神様をお迎えする大切な夜に眠ってしまうのは失礼にあたるという考えからきています。また「大晦日にお風呂に入ると一年の厄が落ちる(年の湯)」とされ、柚子を浮かべた柚子湯に入る地域もあります。
昨日といひ 今日と暮らして あすか河 流れてはやき 月日なりけり(春道列樹) 行く年の 惜しくもあるかな ます鏡 見る影さへに くれぬと思へば(紀貫之) あらたまの 年のをはりに なるごとに 雪もわが身も ふりまさりつつ(在原元方)
これらは「古今和歌集」に収められた歳暮の歌です。めまぐるしい歳月の流れのなかに老いと人生の大切さを考えさせる三首で、年の瀬に寄せる日本人の繊細な感情が詠み込まれています。
CHAPTER 05大晦日に関するよくある質問
A.
大晦日は毎年12月31日で、2026年は木曜日です。翌日の2027年1月1日(金)から三が日が始まります。
A.
大晦日の夜、除夜の鐘が鳴る前までに食べるのが一般的です。年をまたいで食べると翌年の運気が下がるとされています。
A.
多くのお寺で一般参拝者も鐘をつくことができます。整理券制の場合もあるので、事前に確認しておきましょう。
A.
特に禁忌はありませんが、お雑煮や鯛など「正月料理」は元旦まで取っておくのが慣わしです。
A.
「年の夜(としのよ)に早く寝ると白髪になる」「シワが増える」という言い伝えが各地にあります。年神様を迎えるために起きて待つべきとする信仰がその背景にあります。もちろん迷信ですので、小さなお子さんは無理せず早めに休ませて構いません。
A.
はい、多くの国でカウントダウンイベントが行われます。ニューヨークのタイムズスクエア、ロンドンのビッグベン、シドニーのオペラハウスでの花火は世界的に有名です。ただし日本のように除夜の鐘や年越しそばのような独自の風習を持つ国は珍しく、日本の大晦日の過ごし方は世界的にもユニークです。
A.
どちらでも構いません。温かいかけそばでも、冷たいざるそばでも、年越しの縁起にかわりはありません。お好みで選んでください。具材もエビ天、にしん、きつね、月見などお好きなものでOKです。
CHAPTER 06まとめ
大晦日は、一年を締めくくり、新しい年の年神様を迎える大切な日です。2026年は12月31日(木)。年越しそばで長寿と厄除けを願い、除夜の鐘で煩悩を払い、清らかな気持ちで新年を迎えましょう。小さな子どもがいる家庭は無理に夜更かしせず、年越しそばを一緒に食べて「今年もありがとう」と伝え合うだけでも、心に残る大晦日になります。






