一周忌(いっしゅうき)は、故人が亡くなってから満1年目の命日(めいにち)に行う法要(ほうよう)です。四十九日(しじゅうくにち)と並んで重要な法要とされ、遺族・親族のほか親しい友人や知人も招いて営まれます。この記事では、一周忌の意味や一回忌との違い、法要の準備・当日の流れ、お布施(ふせ)や香典(こうでん)の相場、服装マナー、引き出物まで詳しく解説します。

CHAPTER 01
一周忌とは?基本の意味

1年目の命日
一周忌の時期
年忌法要の最初
法要の位置づけ
喪明け
服喪期間の終了
一周忌は、故人の死後満1年目の命日に営む法要です。法要の中でも「年忌法要」に分類され、四十九日(忌明け)後に行う最初の大きな法要として重要視されています。
一周忌をもって喪(も)が明けるとされ、遺族は正式に服喪期間を終えます。一周忌以降は、三回忌七回忌十三回忌と続く年忌法要を営み、故人を長く偲んでいきます。
読み方
いっしゅうき
時期
故人が亡くなってから満1年の命日
別名
一周忌法要、一周忌法事
意味
服喪期間の終了(喪明け)と、故人への追善供養

CHAPTER 02
一周忌と一回忌の違い

「一周忌」と「一回忌」は混同されやすいですが、まったく別の意味を持ちます。一回忌は「亡くなった日そのもの(命日)」を指し、一周忌は「亡くなってから満1年の命日」を指します。
年忌法要の数え方は独特で、亡くなった年を1回目として数えます。そのため「二回忌」が「一周忌」にあたり、「三回忌」は亡くなってから満2年の命日になります。この数え方は「数え年」と同じ考え方です。
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INFO / 年忌法要の数え方
一回忌=命日(亡くなった日)、二回忌=一周忌(満1年)、三回忌=満2年、七回忌=満6年、十三回忌=満12年。「回忌」は亡くなった年を1として数え、「周忌」は満年数で数えます。
宗派による違いも知っておきましょう。浄土真宗では「追善供養」ではなく「報恩感謝」の法要として位置づけられます。浄土真宗の一周忌では、読経(どきょう)のほかに正信偈(しょうしんげ)の勤行が行われ、参列者も一緒にお勤めをするのが特徴です。また、焼香(しょうこう)の作法も他の宗派と異なり、額にいただかずにそのまま香炉に落とします。曹洞宗では回向文(えこうもん)を唱えて故人の冥福を祈ります。宗派ごとの作法がわからない場合は、事前に菩提寺(ぼだいじ)に確認しておくと安心です。
また、近年は家族葬の増加に伴い、一周忌法要も家族のみで行うケースが増えています。少人数での法要であっても、僧侶に読経していただき、お斎の席を設けるという基本的な流れは同じです。家族だけの法要の場合、引き出物は不要とすることもあります。故人との向き合い方は家族それぞれですので、形式にとらわれすぎず、故人を大切に偲ぶ気持ちを第一に考えましょう。

CHAPTER 03
一周忌法要の準備・手配

一周忌法要の準備は、2ヶ月前から始めるのが理想的です。四十九日よりも規模が大きくなることが多いため、早めの手配を心がけましょう。
  1. 01
    日程・会場の決定(2ヶ月前)
    命日またはそれより前の土日祝日で、菩提寺と日程を調整します。会場は寺院・自宅・セレモニーホールなどから選びます。
  2. 02
    招待者リストの作成(2ヶ月前)
    親族のほか、故人と親しかった友人・知人をリストアップします。一周忌は四十九日よりも招待範囲を広げることが一般的です。
  3. 03
    案内状の発送(1ヶ月前)
    法要の日時・場所・お斎の有無を記した案内状を送付します。出欠の返信期限を2週間前に設定します。
  4. 04
    お斎(会食)の手配(3週間前)
    出席人数に基づいて料亭・レストラン・仕出しを予約します。精進料理にこだわる必要はなく、和食の会席が一般的です。
  5. 05
    引き出物の準備(2週間前)
    参列者へのお返しを手配します。のし紙は「志」(関西は「粗供養」)、水引は黒白または黄白の結びきりです。
  6. 06
    お花・お供え物の準備(1週間前)
    仏前に供える花(白や淡い色の菊・ユリなど)と、果物・お菓子・故人の好物などを用意します。

一周忌までに済ませておくこと

一周忌は喪明けの節目であるため、法要だけでなく遺品整理や各種手続きもこの時期までに済ませておくのが理想的です。四十九日の忌明けから一周忌までの間に、以下の事項を確認しておきましょう。
遺品の整理は、四十九日後から少しずつ進めるのが一般的です。故人の衣類や日用品を整理し、形見分けを行います。形見分けは四十九日以降、一周忌までに行うのがマナーとされています。目上の方に形見を贈ることは失礼にあたるため注意しましょう。
お墓の準備も重要です。四十九日に納骨を済ませていない場合は、一周忌までに墓石の建立や納骨先の決定を進めましょう。近年は納骨堂や樹木葬など多様な選択肢がありますので、家族で話し合って決めることが大切です。
また、仏壇の購入・仏具の整備相続手続きの完了、各種名義変更(不動産・預貯金・保険など)もこの期間に済ませておくと、喪明け後の生活がスムーズに始められます。

CHAPTER 04
一周忌法要の当日の流れ

一周忌法要の当日は、以下の流れで進行します。初七日(しょなのか)や四十九日と基本構成は同じですが、一周忌ならではの要素もあります。
まず僧侶が入場し、読経が行われます(30〜40分程度)。読経中に参列者が順番に焼香を行い、その後僧侶から法話があります。法要が終わったら墓参りに向かい、最後にお斎(会食)で故人を偲びます。
施主は法要の冒頭で開式の挨拶を述べます。「本日はお忙しい中、亡き○○の一周忌法要にお集まりいただき、誠にありがとうございます」というように、参列への感謝と故人への想いを簡潔に伝えましょう。お斎の開始時と終了時にも挨拶をします。
新米パパ
一周忌と四十九日で、法要の内容に違いはありますか?
カゾイロ博士
基本的な流れは同じですが、一周忌では納骨がすでに済んでいるため、墓参りがメインになります。また、四十九日は「忌明け」の意味合いが強いですが、一周忌は「喪明け」として遺族が日常に戻る区切りの意味があります。
新米パパ
命日が平日の場合はどうすればいいですか?
カゾイロ博士
命日より前の土日祝日に行うのが一般的です。命日を過ぎて行うことは避ける慣習がありますので、早めに菩提寺と日程を調整しましょう。

CHAPTER 05
一周忌のお布施・香典の相場

一周忌法要のお布施と香典の金額目安は以下のとおりです。四十九日と同程度の金額が目安となります。
項目金額の目安備考
お布施30,000〜50,000円宗派・地域により異なる
お車代5,000〜10,000円僧侶が会場に出向く場合
御膳料5,000〜10,000円僧侶がお斎を辞退した場合
香典(子ども・兄弟)10,000〜50,000円故人との関係と年齢による
香典(親戚)10,000〜30,000円家族の慣習に従う
香典(友人・知人)5,000〜10,000円一周忌に招かれた場合
お布施の表書き「御布施」と書き、白い無地の封筒に入れます。濃い墨で記入し、法要前に僧侶にお渡しするか、法要後にお礼とともにお渡しします。切手盆(小さなお盆)やふくさの上に載せて差し出すのが丁寧です。

CHAPTER 06
一周忌の服装マナー

一周忌の服装は、喪服(ブラックフォーマル)が基本です。施主・遺族は正式な喪服を着用し、参列者も準喪服で臨みます。
対象男性女性
施主・遺族黒のスーツ・白シャツ・黒ネクタイ黒のワンピースまたはアンサンブル
参列者黒またはダークスーツ黒や濃紺のワンピース・スーツ
黒の革靴黒のパンプス(ヒール低め)
小物数珠・ふくさ数珠・ふくさ・パール(一連)
TIP / 三回忌以降は略喪服でもOK
一周忌までは準喪服が基本ですが、三回忌以降は施主から「平服で」と案内されることが増えます。その場合はダークスーツや地味な色のワンピースなど略喪服で問題ありません。

CHAPTER 07
引き出物・お返しのマナーと相場

一周忌法要に参列していただいた方には、引き出物をお渡しします。金額の目安は3,000〜5,000円で、のし紙は「」(関西では「粗供養」)と記します。
品物は消えもの(消耗品)が適しています。お茶・海苔・お菓子・洗剤・タオルのほか、近年はカタログギフトが人気です。参列者が持ち帰りやすいよう、軽くてかさばらないものを選びましょう。
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CAUTION / 引き出物で避けるべきもの
肉・魚などの生ものや、慶事を連想させるもの(鰹節・昆布など)は避けましょう。また、「四」や「九」の数は不吉とされるため、品数にも注意が必要です。

CHAPTER 08
一周忌の食事(お斎)

一周忌法要の後には、お斎(おとき)と呼ばれる会食の席を設けるのが一般的です。故人を偲びながら、参列者への感謝を込めてもてなします。
一人あたりの食事代は5,000〜10,000円が相場です。料亭・レストラン・ホテルでの会食のほか、自宅で仕出し弁当を手配する方法もあります。かつては精進料理が基本でしたが、現在は和食の会席料理が一般的です。伊勢海老や鯛(たい)など、祝い事を連想させる食材は避けるのがマナーとされています。
お斎の席では、施主が献杯(けんぱい)の発声を行います。乾杯とは異なり、グラスを合わせたり高く掲げたりせず、静かに杯を口元に運ぶのがマナーです。献杯の際は「故人の冥福を祈り、献杯」と短く述べます。故人の好きだった料理や飲み物を供えてから始めるのも丁寧な心遣いです。
お斎を省略する場合は、法要後に折詰(おりづめ)とお酒の小瓶を参列者にお渡しするのが一般的です。「本日は粗餐(そさん)を用意できませんでしたが、折詰をご用意いたしましたのでお持ち帰りください」と一言添えましょう。最近ではコロナ禍を機にお斎を省略するケースも増えており、必ずしも会食を行わなければならないわけではありません。
施主はお斎の冒頭で「本日はお忙しいところお集まりいただき、ありがとうございました。ささやかではございますが、お食事を用意いたしましたので、故人の思い出話などしながらお召し上がりいただければ幸いです」と挨拶します。

一周忌の後に続く年忌法要

一周忌の次は三回忌(満2年)、その後は七回忌(満6年)、十三回忌(満12年)と続きます。三回忌までは親族・知人を幅広く招くのが一般的ですが、七回忌以降は家族と近い親族のみで行うケースが増えます。
年忌法要の最終回を「弔い上げ(とむらいあげ)」と呼び、一般的には三十三回忌(満32年)または五十回忌(満49年)をもって弔い上げとします。弔い上げ以降は個別の年忌法要を行わず、先祖代々の霊として合祀されます。

CHAPTER 09
一周忌のお供え物と仏壇の整え方

一周忌法要に際しては、仏壇やお供え物の準備も欠かせません。一周忌のお供え物は「五供(ごく)」と呼ばれる香・花・灯燭(とうしょく)・浄水・飲食(おんじき)の5つが基本です。線香(香)、生花(花)、ろうそく(灯燭)、お水(浄水)、そしてお菓子や果物・故人の好物(飲食)を丁寧にお供えしましょう。
仏壇の花は白や淡い色の菊・ユリ・カーネーションなどが適しています。一周忌は忌明け後の法要とはいえ、赤やオレンジなど派手な色の花は避けるのがマナーです。お供えの果物はりんご・みかん・ぶどうなど丸い形のものが好まれ、奇数(3個・5個)で盛り付けるのが一般的です。
NOTE / 参列者からのお供え物への対応
参列者からお供え物をいただいた場合は、仏壇の横や祭壇の周囲にお供えします。法要が終わった後は「お下がり」として参列者に分けてお持ち帰りいただくのが通例です。果物やお菓子などの食品は、傷まないうちに分配しましょう。

CHAPTER 10
一周忌における会食のマナーと心遣い

お斎で避けるべき話題と振る舞い

一周忌のお斎(会食)は、故人を偲ぶ厳かな場であると同時に、参列者への感謝を伝える場でもあります。食事の場では故人の思い出を語り合うのが自然ですが、亡くなった原因や遺産の話など、デリケートな話題は避けるのがマナーです。故人の楽しかった思い出や人柄にまつわるエピソードを中心に会話を進めましょう。
飲酒は控えめにするのが望ましいですが、故人が生前お酒を好んだ場合は、杯を交わして思い出を語るのも供養のひとつです。ただし、酔いすぎて場の雰囲気を壊すことのないよう、節度を保ちましょう。施主は参列者一人ひとりにお礼を伝え、席を回ることが丁寧な対応とされています。

菩提寺との関係を大切にするために

一周忌は菩提寺との関係を改めて確認する良い機会でもあります。法要の依頼だけでなく、お墓の管理やお寺の行事への参加など、菩提寺とのつながりを大切にすることで、今後の三回忌以降の法要もスムーズに進められます。
菩提寺がない場合や、遠方で直接伺えない場合は、葬儀社やインターネットで僧侶を手配するサービスを利用することもできます。近年は「お坊さん便」などの僧侶派遣サービスも一般的になっており、宗派を指定して依頼することが可能です。ただし、将来的にお墓の管理やその後の法要を考えると、菩提寺を持つメリットは大きいため、一周忌を機に検討してみるのもよいでしょう。
新米パパ
一周忌を機に菩提寺との関係を見直すというのは、具体的にどういうことをすればよいですか?
カゾイロ博士
まずは法要の日程調整の際にご住職としっかりお話しする機会を持つことが第一歩です。お寺の行事(お彼岸やお盆の合同法要など)に参加してみるのもよいですよ。日頃からお付き合いがあると、急な法事の相談にも対応していただきやすくなります。

一周忌で避けるべきこと・注意点

一周忌は厳かな法要ですので、服装や持ち物だけでなく、振る舞いにも気をつけましょう。まず、遅刻は厳禁です。法要の開始時刻の10〜15分前には会場に到着するようにしましょう。到着したら施主に挨拶をし、受付がある場合は香典をお渡しします。
携帯電話はマナーモードに設定するか電源を切っておくのが基本です。読経中に着信音が鳴ると、厳かな雰囲気が損なわれてしまいます。写真撮影は基本的に控えるべきですが、施主から記念撮影を提案された場合は参加して問題ありません。
お斎の席でのマナーとして、「乾杯」とは言わず「献杯」と言うことも重要なポイントです。グラスを高く掲げたり合わせたりせず、静かに杯を口元に運ぶのが正しい作法です。また、派手な装飾品やネイル、華美な化粧は控え、場にふさわしい落ち着いた身だしなみを心がけましょう。

一周忌法要の当日の流れ

  1. 01
    受付・着席
    参列者は受付で記帳し、香典を渡して着席。遺族は参列者を出迎える。
  2. 02
    僧侶の入場・読経
    僧侶が入場し、読経が始まる。読経の時間は30〜40分程度。
  3. 03
    焼香
    施主から順に焼香を行う。焼香の回数は宗派によって1〜3回。
  4. 04
    僧侶の法話
    僧侶が故人にまつわる法話を行うことがある。
  5. 05
    墓参り
    法要後にお墓に移動し、墓前で手を合わせる。
  6. 06
    会食(お斎)
    料亭やホテルの個室で会食。施主が挨拶を行い、故人を偲ぶ。

CHAPTER 11
一周忌の香典の相場

関係金額の目安備考
子ども(施主以外)10,000〜30,000円会食に参加する場合は多めに
兄弟姉妹10,000〜30,000円
5,000〜10,000円
親戚5,000〜10,000円関係の深さによる
友人・知人5,000〜10,000円
会社関係3,000〜10,000円個人で出す場合
一周忌の香典袋は、白黒または双銀の結び切り不祝儀袋(ぶしゅうぎぶくろ)を使います。表書きは仏式の場合「御仏前」「御佛前」とします。「御霊前」は四十九日までに使う表書きなので、一周忌では使いません。裏面に住所と金額を記入し、中袋がある場合は中袋にも同様に記入します。

一周忌の引き出物

一周忌法要に参列していただいた方へのお返しとして、引き出物を用意します。金額は2,000〜5,000円程度が一般的で、消えもの(お菓子・お茶・タオルなど)やカタログギフトが定番です。のし紙は黒白または黄白の結び切りで、表書きは「志」「粗供養」とします。
一周忌は故人が亡くなってから丸一年を迎える大切な法要です。月日が経つにつれ悲しみは和らいでいきますが、一周忌法要は改めて故人との思い出を振り返り、感謝の気持ちを伝える機会です。ご遺族にとっても、故人を大切に想ってくれる人々が集まってくれることは、何よりの励ましになります。

一周忌と三回忌の違い

一周忌は故人が亡くなってから満1年目に行う法要です。三回忌は「亡くなった年を1回目と数えて3回目」なので、実際には満2年目に行います。このように、仏教の法要では「数え」で回忌を数えるため、一般的な年の数え方とは1年のずれが生じます。
一周忌は年忌法要の中でも特に重要視されており、親族や友人を幅広く招いて行うのが一般的です。三回忌以降は徐々に規模を縮小し、七回忌からは遺族と近親者のみで行うことが多くなります。法要の規模は縮小しても、故人を偲ぶ気持ちの大切さは変わりません。

一周忌の施主の挨拶例

一周忌法要の開始時と会食前に、施主(通常は喪主を務めた方)が挨拶を行います。開始時は「本日はお忙しい中、○○の一周忌法要にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。早いもので○○が旅立ってから一年が経ちました。皆様のおかげで無事にこの日を迎えることができました」のように、感謝と故人への想いを簡潔に述べます。
会食前の挨拶では「ささやかではございますが、お食事をご用意いたしました。故人の思い出話などお聞かせいただければ幸いです。本日は誠にありがとうございました」と締めくくります。形式的な言葉よりも、故人への想いや参列者への感謝の気持ちが伝わることが大切です。
一周忌は、故人を偲び、残された家族が互いに支え合ってきた一年を振り返る大切な法要です。法要を通じて故人との絆を確かめ、これからも故人の教えを大切にしながら日々を歩んでいく。そのような心のこもった法要になりますように。
一周忌法要の後は、参列者全員で会食(お斎・おとき)を行うのが一般的です。料亭やホテルの個室で和食のコース料理をいただくことが多いですが、寿司やお弁当を手配して自宅で行うスタイルも増えています。精進料理にこだわる必要はなく、故人が好きだった料理を取り入れるのも素敵な趣向です。
会食の席では、故人の思い出話を中心に和やかな雰囲気で過ごしましょう。故人が好きだった音楽を流したり、生前の写真をスライドショーにして見せたりする演出も喜ばれます。暗い雰囲気にする必要はなく、故人との楽しかった思い出を共有する温かな時間にすることが大切です。
一周忌を迎え、遺族も少しずつ日常を取り戻している頃でしょう。「泣くのを我慢しなくちゃ」と思う必要はありません。思い出に触れて涙が溢れるのは、それだけ深い愛情があった証です。一周忌は悲しみの日ではなく、故人への愛情を確かめ合う日です。
一周忌法要の準備で最も重要なのは、日程の調整です。命日当日が平日の場合は、直前の土日に行うのが一般的です。命日より後に法要を行うのは避けるべきとされているため、必ず命日と同日か、それより前の日を選びましょう。
お墓参りでは、事前に墓地の管理者に連絡して清掃をお願いしておくとスムーズです。卒塔婆(そとば)を立てる場合は、お寺に事前にお願いしておく必要があります。卒塔婆料は1本2,000〜5,000円程度が相場です。
一周忌は「喪が明ける」最初の大きな法要です。この日を境に、遺族は少しずつ社会的な活動を再開していきます。法要を通じて故人への想いを確かめ合い、これからも故人の教えを胸に生きていく。そんな前向きな気持ちを持てる一日になることを願っています。

CHAPTER 12
一周忌法要後の年忌法要について

一周忌の次の年忌法要は三回忌で、故人が亡くなってから満2年目に行います。その後は七回忌(満6年)、十三回忌(満12年)、十七回忌(満16年)、二十三回忌(満22年)、二十七回忌(満26年)、三十三回忌(満32年)と続き、三十三回忌をもって「弔い上げ」とするのが一般的です。
年忌法要は回を重ねるごとに規模を縮小していくのが通例です。一周忌と三回忌は親族や親しい友人を招いて行いますが、七回忌以降は家族のみで執り行うケースが多くなります。法要の規模に関わらず、故人を偲ぶ気持ちが最も大切です。
新米パパ
一周忌法要で子どもに故人のことをどう伝えればいいですか?
カゾイロ博士
お子さまの年齢に合わせて、故人との思い出を語ってあげるのが一番です。写真を見せながら「おじいちゃんは○○ちゃんが生まれたとき、とても喜んでいたよ」と具体的なエピソードを伝えましょう。法要は「命の大切さ」を自然に学べる機会です。堅苦しく説明するよりも、故人への感謝を素直に表現する姿を見せることが、お子さまにとって最良の教育になります。
一周忌法要は、遺族にとって悲しみの区切りであると同時に、故人との新たな関係の始まりでもあります。「会えなくなった人」ではなく「心の中にいつもいる人」として、故人の存在を日常に溶け込ませていくことが、本当の意味での供養ではないでしょうか。

一周忌法要の引き出物の選び方

一周忌法要の引き出物は、参列者への感謝の気持ちを込めた品物です。金額の相場は3,000円〜5,000円程度で、消えもの(食べ物や日用品など使えばなくなるもの)を選ぶのがマナーとされています。定番は海苔、お茶、調味料の詰め合わせ、タオルセットなどです。最近ではカタログギフトを選ぶ家庭も増えており、参列者が好きなものを選べるため喜ばれています。
引き出物の掛け紙(のし紙)は、黒白または黄白の結び切りの水引(みずひき)を使用し、表書きは「志」または「粗供養」とします。地域によって慣習が異なるため、地元の葬儀社や百貨店に相談するのも一つの方法です。引き出物は法要当日にお持ち帰りいただくのが基本ですが、遠方から参列される方には後日郵送する配慮も大切です。
一周忌法要を終えた後、次の年忌法要は三回忌(満2年)です。一周忌と三回忌は特に重要な法要とされており、親族や故人と親しかった方を招いて行うのが一般的です。三回忌の準備は一周忌の経験を活かしてスムーズに進められるでしょう。法要の形式や規模は家族で相談し、故人が喜ぶようなお祝いの仕方を選んでください。
故人を想う気持ちに終わりはありません。年忌法要という節目を大切にしながら、日々の生活の中で故人の教えや思い出を胸に、前を向いて歩んでいくことが最良の供養です。
一周忌は、故人がいなくなった寂しさと向き合いながらも、残された家族が支え合い、前を向いて歩み続ける決意を新たにする日です。故人の笑顔を思い出しながら、家族でともに過ごす穏やかな時間を大切にしてください。
故人の遺してくれたものは、目に見えるものだけではありません。教え、思い出、愛情。それらを大切にして生きることが、最良の供養です。
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INFO
あわせて読みたい: 三回忌とは?法要とは?

CHAPTER 13
よくある質問

A.
故人が亡くなった日から満1年の命日に行うのが正式ですが、命日が平日の場合は直前の土日祝日に行うのが一般的です。命日を過ぎてから行うのは避けましょう。
A.
親族を中心に、故人と親しかった友人・知人を招きます。四十九日よりも範囲を広げるのが一般的ですが、家族だけで行う場合もあります。
A.
金額の目安はどちらも3〜5万円で、ほぼ同じです。ただし、四十九日は納骨を同時に行う場合に別途お布施が必要になることがあります。
A.
早めに施主に連絡し、欠席の旨を伝えます。香典を現金書留で送るか、供花・供物を手配しましょう。後日改めてお参りに伺うのも丁寧です。
A.
法要の1ヶ月前を目安に発送し、2週間前までに出欠の返信をもらえるようにしましょう。近親者のみの場合は電話での連絡でも問題ありません。
A.
お菓子(和菓子や焼き菓子)、果物、お線香、ろうそくなどが一般的です。故人が好んでいたものを持参するのも喜ばれます。のし紙は「御供」とし、黒白または黄白の結びきりの水引を使います。金額は3,000〜5,000円程度が目安です。
A.
はい、一周忌の法要が終わった後でもお墓参りはいつでも行って構いません。命日やお彼岸、お盆など節目の時期に足を運ぶ方が多いですが、故人を偲ぶ気持ちがあればいつ訪れても問題ありません。
書籍『日本のしきたり』では、一周忌を含む年忌法要の贈答作法について解説されています。同書によると、一周忌は「喪が明ける」節目であり、遺族はこの法要をもって服喪期間を終えるとされています。一周忌以降の法要に参列する際の香典袋は「御仏前」の表書きを用い、水引は黒白または双銀の結び切りとするのが正式です。金額は故人との関係性に応じて1万〜3万円が目安で、会食がある場合はさらに5,000〜1万円を上乗せして包むのが心遣いです。
また同書は、法要の引き出物の選び方にも触れています。一周忌の引き出物は3,000〜5,000円程度が相場で、お茶・海苔・タオル・石けんなどの「消えもの」が好まれます。のし紙の表書きは「志」または「粗供養(そくよう)」とし、黒白または黄白(関西)の結び切りの水引を使います。引き出物にはお斎の折詰と小瓶の酒を添えるのが古くからの習わしで、法要に足を運んでくださった方への感謝の気持ちを形にするものとされています。

CHAPTER 14
まとめ

一周忌は、故人が亡くなってから満1年の命日に行う重要な年忌法要です。服喪期間の終了(喪明け)の意味を持ち、遺族・親族・友人が集まって故人を偲びます。準備は2ヶ月前から計画的に進め、お布施・引き出物・お斎の手配を早めに行いましょう。法要の基本を押さえつつ、故人への感謝を込めた一周忌法要にしてください。