法事(ほうじ)に参列する際、「何を着ていけばいいのだろう」と迷った経験はありませんか。葬儀とは異なり、法事では回忌ごとに服装の格が変わるため、知らないまま参列すると恥ずかしい思いをすることもあります。この記事では、四十九日から三回忌以降まで法要の種類別に適切な服装を男女・子供別にわかりやすく解説します。
新米パパ
今度、義父の三回忌に家族で参列するんですが、服装ってどこまでフォーマルにすればいいんでしょうか?子供もいるので悩んでいます。
カゾイロ博士
三回忌以降は服装の格がやや下がるのが一般的です。ただし地域や家庭によって差がありますので、基本のマナーをしっかり押さえておきましょう。

CHAPTER 01
法事の服装の基本ルール

法事の服装を選ぶうえで最も大切なのは、「故人への敬意」と「遺族への配慮」を形で示すことです。法事は弔事の一つであるため、華美な装いを避け、落ち着いた色合いの服装を選ぶのが基本です。喪服には格式があり、法要の種類や自分の立場によってふさわしい服装が異なります。まずは喪服の三つの格を押さえておきましょう。
正喪服(せいもそう)
最も格式の高い喪服。喪主や遺族が葬儀・告別式で着用します。男性はモーニングや紋付羽織袴、女性は黒無地の着物や黒のフォーマルスーツが該当します。
準喪服(じゅんもそう)
一般参列者が葬儀や四十九日で着用する服装。男性はブラックスーツ、女性はブラックフォーマルが基本です。法事では四十九日・一周忌まではこの格が求められます。
略喪服(りゃくもそう)
三回忌以降や「平服で」と案内された場合に着用する服装。黒・紺・ダークグレーなど落ち着いた色のスーツやワンピースを指します。
TIP
迷ったら「準喪服」を選べば間違いありません。格が高すぎて失礼になることはほぼありませんが、格が低すぎると失礼にあたる場合があります。
また、法事では香典を持参するのが通例です。服装だけでなく持ち物のマナーもあわせて確認しておくと安心です。

CHAPTER 02
法要の種類別 服装の違い(四十九日・一周忌・三回忌以降)

法事・法要は回忌が進むにつれて服装の格が緩やかになっていくのが一般的です。ただし、施主(せしゅ)や遺族は参列者よりも格を上げるのが基本マナーとされています。以下の表で、法要の種類ごとの服装の目安を確認しましょう。
法要の種類施主・遺族一般参列者備考
四十九日正喪服または準喪服準喪服(ブラックフォーマル)葬儀に近い格式が求められる
一周忌準喪服準喪服四十九日と同等の服装が一般的
三回忌準喪服または略喪服略喪服でも可案内状に「平服で」とあれば略喪服
七回忌以降略喪服略喪服地味な色合いの服装であればよい
十三回忌以降略喪服略喪服家族のみで行う場合はさらにカジュアルも

四十九日・一周忌のポイント

四十九日と一周忌は、まだ故人が亡くなってから日が浅いため、葬儀に準じた服装が求められます。男性はブラックスーツに白シャツ・黒ネクタイ、女性は黒のフォーマルスーツまたはワンピースが基本です。光沢のある素材やアクセサリーは控えめにしましょう。なお、施主や喪主は参列者より格上の服装を着用するのがしきたりですので、立場に応じた選び方を心がけてください。

三回忌以降のポイント

三回忌以降は、案内状に「平服でお越しください」と記載されるケースが増えます。ただし、平服=普段着ではないため注意が必要です。次の章で詳しく解説します。

CHAPTER 03
「平服でお越しください」と言われたら?

法事の案内状で「平服でお越しください」という文言を目にすることがあります。特に三回忌以降の法要でよく見かける表現ですが、この「平服」は日常的な普段着という意味ではありません。弔事における平服とは、「正式な喪服でなくても構いませんが、きちんとした装いでお越しください」という意味です。施主側が参列者の負担を軽くするために使う配慮の言葉ですので、受け取り方を間違えないようにしましょう。
新米パパ
平服って普段着のことだと思っていました。カジュアルな服で行くところでした……。
カゾイロ博士
よくある勘違いですね。法事における平服は「略喪服」を指します。具体的にはダークカラーのスーツやワンピースのことです。

平服として適切な服装の例

  • 男性:紺・ダークグレーのスーツ+白シャツ+地味なネクタイ
  • 女性:黒・紺・グレーのワンピースまたはアンサンブル
  • 靴:黒の革靴またはシンプルなパンプス(ヒールは3〜5cm程度)
  • バッグ:黒の布製または革製のフォーマルバッグ
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CAUTION
デニム・スニーカー・派手な柄物・カジュアルすぎるニットなどは、平服の範囲には含まれません。あくまで「略式のフォーマル」と考えましょう。

CHAPTER 04
女性の法事の服装マナー

女性の法事の服装は、法要の格に合わせてブラックフォーマルまたはダークカラーの落ち着いた装いを選びます。ここでは、アイテムごとに押さえるべきポイントを解説します。

服装の選び方

四十九日・一周忌ではブラックフォーマル(黒のワンピースまたはアンサンブルスーツ)を着用します。スカート丈はひざ下が基本で、露出を控えるのがマナーです。三回忌以降は黒に限らず、紺やダークグレーのワンピース・パンツスーツでも問題ありません。

ストッキング・靴・バッグ

ストッキングは黒の薄手(30デニール以下)が基本です。タイツのように厚手のものはカジュアルな印象を与えるため避けましょう。靴は黒のプレーンパンプスが無難で、ヒールは3〜5cm程度の低めが適しています。エナメルやスエード素材、つま先の開いたオープントゥは避けます。バッグは黒の布製か革製で、金具が目立たないものを選びましょう。

アクセサリー・メイク

弔事で許されるアクセサリーは真珠(パール)が定番です。一連のパールネックレスとパールのイヤリング程度にとどめましょう。二連のネックレスは「不幸が重なる」ことを連想させるため避けてください。メイクはナチュラルメイクが基本で、濃いアイシャドウや赤いリップは控えます。ネイルも落とすか、ベージュ系に整えておくのが望ましいです。
NOTE
夏場の法事では、半袖のブラウスにジャケットを羽織るスタイルも許容されます。ただし、ノースリーブのまま参列するのはマナー違反です。薄手のジャケットやカーディガンを必ず用意しましょう。

CHAPTER 05
男性の法事の服装マナー

男性の法事の服装は、女性に比べるとシンプルですが、細かな部分で気をつけたいポイントがあります。

スーツ・シャツ・ネクタイ

四十九日・一周忌ではブラックスーツが基本です。ビジネス用の黒スーツではなく、冠婚葬祭用の光沢のないブラックフォーマルを選びましょう。シャツは白無地、ネクタイは黒が鉄則です。三回忌以降の略喪服であれば、紺やダークグレーのスーツに地味な色のネクタイでも構いません。

靴・靴下・ベルト

靴は黒の革靴(紐タイプ・ストレートチップ)が最もフォーマルです。ローファーやスリッポンはカジュアルな印象になるため、できるだけ避けましょう。靴下は黒無地を履きます。白い靴下は慶事を連想させるため厳禁です。ベルトも黒の革製で、バックルが目立たないものを選びます。

髪型・その他の注意点

髪型は清潔感のある落ち着いたスタイルに整えます。長髪の場合はすっきりまとめましょう。腕時計は派手なデザインを避け、シンプルなものを着用します。結婚指輪以外の指輪やブレスレットは外すのが無難です。香水も控えめにするか、つけないようにしましょう。また、ポケットチーフは弔事では入れないのが原則です。コートを着用する季節の場合は、会場に入る前に脱いで手に持つのがマナーです。

CHAPTER 06
子供の法事の服装マナー

子供の服装は大人ほど厳格なルールはありませんが、やはり場にふさわしい装いが求められます。特に初めて法事に子供を連れていく場合、何を着せるか悩む方も多いでしょう。年齢別のポイントを確認しましょう。

制服がある場合

学校の制服がある場合は、制服が正式な礼装にあたります。制服を着用し、清潔に整えて参列すれば問題ありません。ただし、靴下が派手な色の場合は黒や紺に替えておくとよいでしょう。

制服がない場合(幼児〜小学生)

制服のない小さな子供の場合は、次のような服装を心がけましょう。
  • 男の子:白のポロシャツまたはシャツ+黒や紺のズボン
  • 女の子:黒・紺・グレーのワンピースまたは白のブラウス+暗い色のスカート
  • 靴:黒のローファーまたは地味な色のスニーカー(華美でないもの)
  • 靴下:白・黒・紺の無地
新米パパ
3歳の子供がじっとしていられるか心配です。服装以外にも気をつけることはありますか?
カゾイロ博士
小さなお子さんは多少動きやすい服装でも大丈夫です。色味だけ落ち着いたものにしておけば、周囲も理解してくれますよ。音の出るおもちゃは避けて、静かに遊べる絵本などを持参するとよいでしょう。

CHAPTER 07
法事の服装でよくある失敗と対策

法事に参列する際にやってしまいがちな服装のミスをまとめました。事前に確認して、当日焦ることのないようにしましょう。
  1. 01
    平服を普段着と誤解してカジュアルすぎる服で参列
    前述のとおり、平服は略喪服のこと。ダークカラーのスーツやワンピースを用意しましょう。
  2. 02
    黒のビジネススーツで代用してしまう
    ビジネス用の黒スーツはよく見ると光沢やストライプが入っていることがあります。冠婚葬祭用のブラックフォーマルとは生地が異なるため、四十九日・一周忌では正式なものを用意するのが安心です。
  3. 03
    殺生を連想させる革製品を多用してしまう
    本来、仏事では殺生を連想させる素材(ワニ革・ヘビ革など)は避けるべきとされています。バッグや靴は、目立つ型押しや毛皮素材は控えましょう。シンプルな革製品は一般的に許容されています。
  4. 04
    香水やコロンをつけすぎる
    法事の場ではお線香の香りが大切にされます。強い香水は周囲への配慮に欠けるため、無香料もしくはごく控えめにしましょう。
  5. 05
    数珠(じゅず)を忘れる
    法事では数珠が必要です。忘れがちなアイテムですので、事前に用意しておきましょう。宗派によって形式が異なりますが、略式の数珠であればどの宗派でも使えます。
法事には香典を持参しますが、不祝儀袋の選び方やのし・水引のマナーも事前に確認しておくと安心です。

CHAPTER 08
よくある質問(FAQ)

A.
四十九日・一周忌では準喪服(ブラックフォーマル)が基本です。三回忌以降は略喪服として、黒・紺・ダークグレーのスーツやワンピースでも問題ありません。案内状に「平服で」とあっても、普段着ではなくきちんとした装いが求められます。
A.
弔事における平服とは「略喪服」を意味します。具体的には、黒・紺・ダークグレーなど落ち着いた色のスーツやワンピースのことです。デニムやスニーカーなどのカジュアルな服装は含まれません。
A.
三回忌以降は略喪服が一般的です。ダークカラーのスーツやワンピースで、派手でなければ黒一色でなくても構いません。ただし、地域や家庭のしきたりにもよりますので、不安な場合は施主や親族に確認するのがベストです。
A.
弔事で身につけてよいアクセサリーは真珠(パール)が基本です。一連のパールネックレスやパールのイヤリング程度にとどめましょう。ゴールドや派手な宝石のアクセサリーは避けてください。結婚指輪は着用したままで問題ありません。
A.
男の子は白のシャツやポロシャツに黒や紺のズボン、女の子は黒・紺・グレーのワンピースや暗い色のスカートに白のブラウスが適しています。キャラクターものの服や派手な色は避け、落ち着いた色合いでまとめましょう。

CHAPTER 09
まとめ

法事の服装は、法要の種類(回忌)によって求められる格が異なります。四十九日・一周忌では準喪服、三回忌以降は略喪服が基本的な目安です。「平服で」と案内された場合でも、普段着ではなくダークカラーのきちんとした服装を選びましょう。迷ったときは、やや格上の服装を選んでおけば失礼になることはありません。
女性はブラックフォーマルまたは暗い色のワンピース、男性はブラックスーツまたはダークスーツ、子供は制服か落ち着いた色の服装を心がければ安心です。服装とあわせて、数珠や香典、ハンカチなどの持ち物も事前に準備しておきましょう。大切なのは、故人を偲(しの)び、遺族に寄り添う気持ちを服装で表現することです。この記事を参考に、法事の場にふさわしい装いで心を込めて参列してください。