受賞祝いや叙勲(じょくん)祝いは、社会的な功績が認められた方への敬意と祝福の気持ちを伝えるお祝いです。受賞は文学賞やスポーツ賞など各種コンクールの表彰を、叙勲は国から贈られる勲章や褒章(ほうしょう)を指し、いずれも人生における大きな名誉といえます。この記事では、受賞祝い・叙勲祝いの違いからお祝いの仕方、贈り物の相場、メッセージの文例、マナー・注意点までわかりやすく解説します。

CHAPTER 01
受賞祝い・叙勲祝い・褒章祝いとは?それぞれの違い

「お祝いを贈りたいけれど、受賞と叙勲と褒章の違いがよくわからない」という方は少なくありません。まずは三つのお祝いの違いを整理しましょう。

受賞祝いとは

受賞祝いとは、文学賞・芸術賞・スポーツ賞・学術賞・業界団体の表彰など、各種の賞を受けた方に贈るお祝いです。ノーベル賞や芥川賞のような世界的・全国的な賞から、地域の功労者表彰まで幅広い場面で行われます。受賞は民間団体や学術機関が授与するものであり、国の栄典(えいてん)である叙勲・褒章とは性質が異なります。

叙勲祝いとは

叙勲(じょくん)祝いとは、国から勲章を授与された方に贈るお祝いです。勲章は長年にわたり国家や公共のために功労があった方に対して天皇陛下の名で授けられるもので、日本の栄典制度の中でも最も格式が高い栄誉とされています。代表的な勲章には以下のものがあります。
  • 旭日章(きょくじつしょう) --- 社会のさまざまな分野で顕著な功績を挙げた方に授与
  • 瑞宝章(ずいほうしょう) --- 長年にわたり公務などに従事し功労のあった方に授与
  • 文化勲章 --- 文化の発達に著しい貢献をした方に授与(文化の日に親授式が行われる)

褒章祝いとは

褒章(ほうしょう)祝いとは、国から褒章を授与された方に贈るお祝いです。褒章は勲章とは別の制度で、特定の分野で優れた行いをした方や社会に貢献した方に授与されます。褒章には以下の6種類があります。
褒章の種類と対象
褒章名授与対象
紅綬褒章(こうじゅほうしょう)紅色人命救助に尽力した方
緑綬褒章(りょくじゅほうしょう)緑色長年にわたり社会奉仕活動に従事した方
黄綬褒章(おうじゅほうしょう)黄色業務に精励し他の模範となる方(農業・工業・商業など)
紫綬褒章(しじゅほうしょう)紫色学術・芸術・スポーツの分野で優れた業績を挙げた方
藍綬褒章(らんじゅほうしょう)藍色公共の利益に貢献した方(教育・衛生・社会福祉など)
紺綬褒章(こんじゅほうしょう)紺色公益のために多額の寄附をした方
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INFO / 叙勲・褒章の発表時期
叙勲(じょくん)・褒章(ほうしょう)は、毎年春(4月29日・昭和の日秋(11月3日・文化の日)の年2回発表されます。受賞者の名前は官報(かんぽう)に掲載されるため、官報で正式に確認してからお祝いを贈るのがマナーです。
受賞祝い・叙勲祝い・褒章祝いの違いまとめ
種類授与元対象具体例
受賞祝い民間団体・学術機関など各種賞を受けた方芥川賞、日本アカデミー賞、国民栄誉賞など
叙勲祝い国(天皇陛下の名で授与)国家・公共に功労があった方旭日章、瑞宝章、文化勲章など
褒章祝い特定分野で優れた行いをした方紫綬褒章、藍綬褒章、黄綬褒章など

CHAPTER 02
受賞祝い・叙勲祝いのお祝いの仕方

受賞・叙勲のお祝いは、祝電・花束・品物・現金のいずれか、または組み合わせで贈るのが一般的です。叙勲や褒章のように格式の高いお祝いでは、祝賀会(しゅくがかい)が開催されることも多く、参列する場合は会費とは別にお祝いを用意します。

お祝いを贈る時期

受賞祝いは、受賞の知らせを受けたらできるだけ早く(1週間以内が目安)贈るのが望ましいとされています。叙勲・褒章の場合は、官報発表後1〜2週間以内が目安です。祝賀会が予定されている場合は、当日に合わせて届けると丁寧です。

表書きとのし袋の選び方

のし袋は紅白の蝶結び(花結び)を使うのが基本です。受賞・叙勲は何度繰り返しても喜ばしいお祝いであるため、結び切りではなく蝶結びを選びます。表書きは以下を参考にしてください。
表書きの書き方一覧
場面表書きの例
受賞祝い御受賞御祝・祝御受賞・御祝
叙勲祝い御叙勲御祝・祝御叙勲・御祝
褒章祝い御受章御祝・祝御受章・御祝
祝賀会の会費御祝儀(会費と明記されている場合は「会費」)
TIP / のし袋のポイント
のし袋の水引紅白の蝶結びで、のし付きのものを選びましょう。金額が10,000円以上の場合は、格式あるのし袋(多当折り型)を使うのがマナーです。名前はフルネームで、会社名を入れる場合は代表者名の右に小さく記載します。のし袋の書き方について詳しくは祝儀袋・のし袋の書き方ガイドもあわせてご覧ください。

祝賀会に招かれた場合

叙勲・褒章の場合はホテルや料亭で祝賀会が開催されることが少なくありません。祝賀会に招かれた場合のポイントは以下のとおりです。
  • 服装はフォーマルが基本。男性はダークスーツにネクタイ、女性は上品なワンピースやスーツが適切
  • 会費とお祝いは別に用意する。会費は受付で支払い、お祝い(現金または品物)は別途渡す
  • 花束を贈る場合は事前に会場へ届けておくと当日の受付がスムーズ
  • スピーチを頼まれた場合は、受賞・叙勲の具体的な功績に触れて祝意を述べる

CHAPTER 03
受賞祝い・叙勲祝いの金額の相場

受賞祝い・叙勲祝いの金額は、贈る相手との関係性によって異なります。以下の表を目安にしてください。
関係性別の金額相場
贈り先との関係金額の目安備考
親・祖父母30,000〜100,000円家族間では高額になることが多い
兄弟・姉妹10,000〜50,000円普段の付き合いの深さに応じて
親戚10,000〜30,000円叔父・叔母・いとこなど
友人・知人5,000〜10,000円品物で贈るケースも多い
仕事関係(個人)5,000〜30,000円上司・恩師は高めに設定
仕事関係(法人)10,000〜50,000円胡蝶蘭や祝電と現金の組み合わせが一般的
近所・地域3,000〜10,000円町内会などの連名で贈ることも
10,000円~
親族の相場中央値
5,000円~
友人・知人の目安
1/3〜半額
お返しの目安
祝賀会が開催される場合は、会費(10,000〜20,000円程度)とは別にお祝いの品物や現金を用意するのが一般的です。会費はパーティーの参加費であり、お祝いそのものとは区別されます。金額相場について詳しくはお祝い金の相場早見表も参考にしてください。
新米パパ / 2歳児のパパ
叙勲祝いの祝賀会に招かれたのですが、会費のほかにお祝いも必要なんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
はい、会費はあくまで食事代であって、お祝いとは別物です。のし袋に現金を包むか、花束や記念品を用意するのがマナーですよ。

CHAPTER 04
受賞祝い・叙勲祝いにおすすめの贈り物

受賞祝い・叙勲祝いの贈り物は、格式と品格を感じさせるものがふさわしいです。特に叙勲は国の栄典ですので、カジュアルすぎる品物は避けましょう。贈り物のタブーについては贈り物のタブー・マナーガイドもあわせてご確認ください。
受賞祝い・叙勲祝いにおすすめの贈り物
贈り物予算目安ポイント
胡蝶蘭(こちょうらん)10,000〜50,000円法人の贈り物として最も格式が高い。3本立て以上が一般的
花束・フラワーアレンジメント5,000〜30,000円祝賀会に贈る場合は大きめのスタンド花も選択肢に
紅白ワイン・日本酒3,000〜10,000円ラベルに受賞名や日付を入れられるサービスもある
高級菓子の詰め合わせ3,000〜10,000円ご家族で楽しめる。日持ちする焼き菓子が喜ばれる
記念品(置き時計、クリスタル製品)10,000〜50,000円名入れをすると特別感が増す
カタログギフト5,000〜30,000円相手の好みがわからない場合に安心
祝電1,000〜3,000円遠方の場合や取り急ぎお祝いを伝えたい場合に最適
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CAUTION / 避けたほうがよい贈り物
以下の品物は受賞祝い・叙勲祝いでは避けるのがマナーです。
現金(目上の方へ): 目上の方に現金を直接贈るのは失礼にあたる場合があります。品物や商品券で贈りましょう。
日用品(洗剤・タオルなど): 格式にそぐわない印象を与えることがあります。
「4」「9」の個数: 「死」「苦」を連想させるため、4個入り・9個入りの品物は避けます。

CHAPTER 05
受賞祝い・叙勲祝いのメッセージ文例

お祝いの品に添えるメッセージは、相手の功績をたたえ、今後の活躍を願う内容が基本です。格式あるお祝いにふさわしい、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。以下に場面別の文例をご紹介します。

受賞祝いのメッセージ文例

NOTE / 受賞祝いの文例
このたびのご受賞、誠におめでとうございます。長年にわたるご努力が実を結ばれましたこと、心よりお喜び申し上げます。今後ますますのご活躍をお祈りいたします。

叙勲祝い・褒章祝いのメッセージ文例

NOTE / 叙勲祝いの文例
このたびの叙勲(じょくん)の栄に浴されましたこと、心よりお祝い申し上げます。長きにわたるご功績が認められましたこと、まことに喜ばしい限りです。今後とも一層のご健勝とご多幸をお祈りいたします。

祝電の文例

NOTE / 祝電の文例
栄えあるご受章、謹んでお祝い申し上げます。日頃のご精励(せいれい)が高く評価されましたこと、心よりお慶び申し上げます。ご健勝にてますますご活躍されますようお祈りいたします。
メッセージカードや手紙を添える場合は、白無地またはクリーム色の封筒・便箋を使い、万年筆または毛筆で書くのが正式です。横書きよりも縦書きのほうが格式を感じさせます。

CHAPTER 06
受賞祝い・叙勲祝いのマナーと注意点

受賞祝い・叙勲祝いは、通常のお祝いよりも格式やマナーが重視される場面です。以下の点に注意しましょう。
  1. 正式な発表を確認してから贈る --- 叙勲・褒章は官報発表前にお祝いを贈るのはマナー違反。受賞の場合も、公式発表や本人からの報告を待ちましょう
  2. 「受賞」と「受章」を使い分ける --- 賞を受けることは「受賞」、勲章・褒章を受けることは「受章」と書きます。表書きやメッセージで間違えないよう注意が必要です
  3. お祝いはなるべく早く贈る --- 発表後1〜2週間以内が目安。遅れる場合はまず祝電を送り、後日改めて品物を届けましょう
  4. 目上の方への現金は避ける --- 上司や恩師など目上の方へは品物で贈るのがマナー。どうしても現金を贈る場合は「御花料」として渡す方法もあります
  5. 重複を避ける --- 複数人で贈り物を検討している場合は、事前に他の方と相談して品物が重複しないよう配慮しましょう
  6. 忌み言葉に注意する --- 「落ちる」「下がる」「失う」などの縁起の悪い言葉はメッセージや祝辞で使わないよう気をつけます
新米パパ / 2歳児のパパ
「受賞」と「受章」、漢字を間違えそうです。のし袋に書くときは特に注意ですね。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そのとおりです。迷ったときは「御祝」と書けばどの場面でも失礼にならないので、覚えておくと安心ですよ。

CHAPTER 07
受賞・叙勲のお返し(内祝い・記念品)

受賞祝い・叙勲祝いをいただいた側は、記念品としてお返しをするのが一般的です。いただいた金額の3分の1〜半額程度を目安に品物を選びます。のし紙をかけ、表書きは「内祝」「受賞記念」「叙勲記念」とします。
お返しの品物は、お菓子の詰め合わせ、タオルセット、カタログギフトなどが定番です。祝賀会を開催した場合は、その席での食事や引き出物がお返しを兼ねることもあります。お返しを贈る時期は、お祝いをいただいてから1か月以内が目安です。

CHAPTER 08
よくある質問

A.
官報発表後1〜2週間以内に贈るのが理想です。祝賀会が予定されている場合は、その日に合わせて届けましょう。まず祝電を送り、後日品物を届ける方法もあります。
A.
「このたびのご受賞、誠におめでとうございます。長年のご努力が実を結ばれましたこと、心よりお喜び申し上げます」のような格調ある丁寧な文面が適しています。受賞の具体的な名称を入れると、よりお祝いの気持ちが伝わります。
A.
法人名義で贈る場合は代表者名を併記するのが正式です。金額は10,000〜50,000円程度が相場で、胡蝶蘭や祝電と現金の組み合わせが一般的です。経費処理の方法も事前に確認しておきましょう。
A.
叙勲(じょくん)は長年の功労に対して勲章を授与する制度で、褒章(ほうしょう)は特定の分野での優れた行いに対して授与する制度です。叙勲は旭日章・瑞宝章など、褒章は紫綬褒章・藍綬褒章などの種類があります。どちらも国の栄典ですが、制度上は別のものです。

CHAPTER 09
まとめ

受賞祝い・叙勲祝いは、社会的な功績が認められた方への敬意と祝福を伝える大切なお祝いです。受賞は各種の賞、叙勲は国の勲章、褒章は国の褒章と、それぞれ性質は異なりますが、いずれも人生における大きな名誉です。のし紙は紅白蝶結びを選び、表書きは「御受賞御祝」「御叙勲御祝」「御受章御祝」と記載します。贈り物は胡蝶蘭、花束、記念品など格式を感じさせるものを選びましょう。祝賀会では会費とは別にお祝いを用意するのがマナーです。相手の栄誉をたたえ、心を込めたお祝いを届けてください。