初正月(はつしょうがつ)とは、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月のことです。男の子には破魔弓(はまゆみ)、女の子には羽子板(はごいた)を贈ってお祝いする風習があります。この記事では、初正月の意味や由来、贈り物のマナー・相場、飾り方や過ごし方まで詳しく解説します。
CHAPTER 01初正月とは?基本の意味
1月1日〜
初正月の時期
12月中旬まで
贈り物の準備時期
母方の実家
贈り主の伝統
初正月は、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月を祝う日本の伝統行事です。古くから赤ちゃんの無病息災と健やかな成長を願う意味が込められており、特別な飾り物を贈ってお祝いします。
- 読み方
- はつしょうがつ
- 時期
- 赤ちゃんが生まれて最初のお正月(1月1日〜)
- 意味
- 赤ちゃんの無病息災と健やかな成長を祈願する行事
- 贈り物
- 男の子には破魔弓、女の子には羽子板
CHAPTER 02初正月の由来と歴史
初正月の風習は、江戸時代に庶民の間で広まったとされています。かつての日本では「数え年」が一般的で、お正月を迎えるたびに全員が一斉に年を取りました。つまり生まれて初めてのお正月は、赤ちゃんにとって初めて年を重ねる節目でもあったのです。
この大切な節目を無事に迎えられたことを喜び、邪気を払って健やかな成長を願う意味で、破魔弓や羽子板を贈る風習が生まれました。お正月の遊びである「弓射」と「羽根突き」が魔除けの意味を持つことから、これらが初正月の贈り物として定着しました。
パ
新米パパ
初正月って初節句とは別の行事なんですか?
博
カゾイロ博士
はい、別の行事です。初正月は生まれて初めてのお正月、初節句は生まれて初めての節句(3月3日または5月5日)です。どちらも赤ちゃんの成長を願う行事ですが、時期も贈り物も異なります。
パ
新米パパ
12月生まれだと、すぐに初正月が来てしまいますね…
博
カゾイロ博士
そうですね。12月生まれの場合、生まれてすぐの初正月は見送り、翌年のお正月を初正月とするご家庭も多いですよ。赤ちゃんとお母さんの体調を優先して、無理のない形でお祝いしましょう。
CHAPTER 03破魔弓と羽子板の意味・選び方
初正月の贈り物として定番なのが、男の子には破魔弓、女の子には羽子板です。それぞれに深い意味が込められています。
破魔弓(はまゆみ)は、弓矢で邪気を射払うという意味を持つ縁起物です。「破魔」の文字どおり「魔を破る」力があると信じられ、男の子の力強い成長を願って飾ります。サイズは8号〜20号程度が一般的で、飾る場所に合わせて選びましょう。
初正月の贈り物として破魔弓・羽子板と並んで古くから親しまれてきたのが犬張子(いぬはりこ)です。犬張子は張り子で作られた犬の人形で、犬はお産が軽く多産であることから安産と子どもの健やかな成長の象徴とされてきました。宮中では皇子・皇女の産所に「犬筥(いぬばこ)」と呼ばれる犬型の容器を置き、産着や臍の緒を納めて魔除けとする風習がありました。江戸時代には庶民の間でも初正月や初節句の贈り物として犬張子が広まり、「子どもに降りかかる災厄を犬が代わりに引き受けてくれる」という身代わりの呪物としての意味が込められました。
羽子板で行う羽根突きもまた、初正月にゆかりの深い正月の伝統遊びです。羽根突きに使う羽根の先には「無患子(むくろじ)」という黒い木の実がつけられており、この字が「子が患わ無い」と読めることから、子どもの無病息災を祈る縁起遊びとして室町時代から行われてきました。さらに、空中を飛び交う羽根の姿が病気を媒介する蚊を食べるトンボに似ていることから、「蚊(疫病)を跳ね返す」という厄除けの意味も重ねられています。宮中の正月行事であった「毬杖(ぎっちょう)遊び」が変化したものともいわれ、現代でも浅草寺の羽子板市には初正月の贈り物を求める人々が多く訪れます。
羽子板(はごいた)は、羽根突きの道具ですが、羽根の先についている「無患子(むくろじ)」という木の実が「子が患わ無い」と読めることから、女の子の無病息災を願う縁起物として贈られます。押絵羽子板と呼ばれる華やかな装飾のものが一般的です。

浅草の羽子板市
羽子板の縁起物としての歴史を今に伝える行事が、東京の浅草寺で行われる羽子板市です。毎年十二月十七日から十九日ごろに開催される年末の風物詩で、羽子板は魔除け・厄除けの縁起物として知られています。会場には歌舞伎役者や美人画が描かれた押し絵羽子板がずらりと並び、華やかな雰囲気のなかで新年の縁起物を求める人々でにぎわいます。
パ
新米パパ
浅草で羽子板市があるんですね。初正月の羽子板もそこで買えるんですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
はい、浅草の羽子板市は初正月の羽子板を選ぶ場としても親しまれています。押し絵羽子板は職人が一つひとつ手づくりしたものですから、実際に手に取って選べるのが魅力ですね。
TIP / 飾る場所と時期
破魔弓・羽子板は12月中旬頃から1月15日(小正月)頃まで飾るのが一般的です。赤ちゃんの近くやリビングなど、家族が集まる場所に飾りましょう。雛人形や五月人形と同様に、お子さんの成長を見守る意味で毎年お正月に飾るご家庭もあります。
お正月の縁起物いろいろ
破魔弓・羽子板のほかにも、お正月にはさまざまな縁起物が飾られます。初正月のお祝いの席やお正月飾りと一緒に目にする機会も多いので、それぞれの意味を知っておくと、お祝いの場がより深みのあるものになります。
- だるま
- インドの高僧・達磨大師の坐禅姿をモデルにした起き上がりこぼし。倒しても起き上がることから「七転び八起き」の精神を表す。願い事をするときに片目を入れ、願いがかなったらもう一方の目を入れる
- 招き猫
- 右手を挙げているものは金運を招き、左手を挙げているものは人(客)を招くとされる
- 熊手
- 「福をかき集める」という意味がある縁起物。酉の市で売られることでも知られる
- 破魔矢
- 「魔を破る(払う)」矢。お正月に神社で授与される縁起物で、家に飾って一年の厄除けとする
パ
新米パパ
だるまや招き猫もお正月の縁起物なんですね。それぞれ意味が違うのが面白いです。
博
カゾイロ博士
そうですね。羽子板は羽根突きで邪気を「跳ね返す」、熊手は福を「かき集める」、破魔矢は魔を「射抜く」というように、それぞれ異なる方法で福を呼び込む意味があるのです。
CHAPTER 04初正月の贈り物のマナーと相場
初正月の贈り物は、伝統的には母方の祖父母(実家)から贈るのが一般的とされています。ただし、現在では両家で相談して決めるケースが増えています。
| 贈り物 | 相場 | 贈る時期 |
|---|---|---|
| 破魔弓(ケース入り) | 10,000〜50,000円 | 12月初旬〜中旬 |
| 羽子板(ケース入り) | 10,000〜50,000円 | 12月初旬〜中旬 |
| コンパクトタイプ | 5,000〜20,000円 | 12月初旬〜中旬 |
| お祝い金(現金) | 5,000〜10,000円 | 12月中旬〜年末 |
贈り物は12月中旬までに届くように手配するのがマナーです。お正月飾りと一緒に飾る家庭も多いため、年末ぎりぎりにならないよう余裕を持って準備しましょう。
CAUTION / お返し(内祝い)について
初正月のお祝いをいただいた場合、お返し(内祝い)は基本的に不要とされています。ただし、高額なお祝いをいただいた場合は、いただいた金額の3分の1〜半額程度の品物をお返しするのが丁寧です。
CHAPTER 05初正月の過ごし方
初正月は、お正月の行事と合わせて家族でお祝いするのが一般的です。特別な儀式があるわけではなく、破魔弓や羽子板を飾り、赤ちゃんの健やかな成長を祈ります。
赤ちゃんと一緒に初詣に出かけたり、家族写真を撮ったりして、初めてのお正月の思い出を残すのもおすすめです。ただし、冬の寒い時期なので赤ちゃんの体調と防寒対策には十分注意しましょう。
CHAPTER 06よくある質問
A.
義務ではありません。地域や家庭の方針によって、盛大にお祝いするところもあれば、特に何もしないところもあります。赤ちゃんの成長を願う気持ちが大切です。
A.
直後の1月が初正月にあたりますが、生まれたばかりで準備が難しい場合は翌年のお正月にお祝いしても問題ありません。
A.
一般的には12月中旬から1月15日(小正月)頃まで飾ります。お子さんが成長するまで毎年お正月に飾る家庭もあります。
A.
はい、別々の行事ですのでどちらもお祝いするのが一般的です。初正月は1月、初節句は3月(女の子)または5月(男の子)に行います。
CHAPTER 07まとめ
初正月は、赤ちゃんが生まれて初めて迎えるお正月を祝う伝統行事です。男の子には破魔弓、女の子には羽子板を贈り、無病息災と健やかな成長を願います。贈り物は12月中旬までに準備し、お正月飾りと一緒に飾りましょう。赤ちゃんの大切な節目を、家族で温かくお祝いしてあげてください。

