すす払い(煤払い)は、一年の煤やほこりを払い清めて、お正月に年神様を迎える年末の行事です。昔から12月13日の「正月事始め」に行うのが習わしで、2026年の12月13日は日曜日です。この記事では、なぜ12月13日なのか、意味と由来、家庭でのやり方と道具、有名な寺社のすす払いを紹介します。
NOTE / PR
この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。
CHAPTER 01すす払いとは?読み方・意味・由来
12月13日
伝統的なすす払いの日
年神様
お迎えするための清め
冬
俳句の季語
すす払いは「煤払い」と書き、「すすはらい」と読みます。「煤掃き(すすはき)」「煤納め」とも呼ばれます。囲炉裏やかまどで薪を燃やしていた時代は、天井や梁(はり)に煤がたくさん積もったため、年末にまとめて払い落とす習慣が生まれました。英語では「susuharai」とそのまま紹介されるほか、「year-end cleaning(年末の大掃除)」と説明されます。
すす払いは、ただの掃除ではありません。家の汚れと一緒に一年の厄を払い、清らかになった家に、お正月の神様である年神様(としがみさま)をお迎えするための準備です。すす払いに使った笹竹やほうきも、神聖なものとして大切に扱われました。

すす払いの由来と歴史
すす払いの歴史は古く、平安時代には宮中の行事として行われていたといわれます。平安時代の法令集『延喜式(えんぎしき)』にも、すす払いと同じ意味の「煤掃き」ということばが見られます。鎌倉時代の記録にも「御煤払(おすすはらい)」が登場します。
江戸時代になると、江戸城で12月13日にすす払いを行うことが定められ、武家や町人にも広まりました。この日は、お城でも長屋でも朝から一斉に掃除をし、終わると胴上げをしたり、商家では餅や酒をふるまったりして、にぎやかに一年の労をねぎらったといわれます。
すす払いと大掃除の違い
新米パパ / 2歳児のパパ
すす払いと大掃除って同じものじゃないんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
似ていますが、もとの意味が違います。すす払いは年神様を迎えるための神聖な行事で、12月13日に行うのが本来の形。大掃除は年末に家をきれいにする実用的な掃除で、すす払いから広まった習慣なんですよ。
| すす払い | 大掃除 | |
|---|---|---|
| 目的 | 年神様を迎えるために、汚れと厄を払い清める | 年末に家をきれいにする |
| 時期 | 12月13日(正月事始め) | 決まりはなく、12月後半が多い |
| 中心になる場所 | 神棚・天井・梁など高い場所の煤 | 家じゅう(水回り・窓・換気扇など) |
今は、すす払いと大掃除を分けて考える家庭は少なく、年末の大掃除がすす払いの役割を引き継いでいるといえます。
CHAPTER 02すす払いはいつ?なぜ12月13日?
すす払いは、12月13日に行うのが古くからの習わしです。この日は、お正月の準備を始める「正月事始め(しょうがつことはじめ)」の日。かつては同じ日に、門松にする松を山から切ってくる「松迎え」も行われていました。
12月13日が選ばれたのは、昔の暦でこの日が「鬼宿日(きしゅくにち)」にあたり、婚礼以外のことには何をするにもよい日とされたためといわれます。江戸城でこの日にすす払いを行うようになったことで、12月13日は「すす払いの日」として定着しました。
| 年 | 12月13日 | ポイント |
|---|---|---|
| 2026年 | 日曜日 | 家族そろって始めやすい |
| 2027年 | 月曜日 | 前の週末から少しずつ始めても |
とはいえ、今は12月13日にこだわる必要はありません。仕事や学校の都合に合わせて、12月中旬から少しずつ進めれば十分です。29日は「二重苦」、31日は「一夜飾り」を嫌って、お正月飾りは28日までに飾る地域が多いので、掃除は28日ごろまでに終えておくと、飾りつけまで余裕をもって進められます。
CHAPTER 03家庭でできるすす払いのやり方と道具
昔の道具「煤竹」「煤梵天」
昔のすす払いでは、長い竹竿の先に笹や藁(わら)を束ねた「煤竹(すすだけ)」「煤梵天(すすぼんてん)」を使い、高い天井や梁の煤を払いました。東北地方の一部では、使い終わった煤梵天を正月に庭に立て、しめ縄を張って祀る習わしもありました。今の家庭では、ハタキや柄の長いモップがこの役割を果たします。

PR
(新しいタブで開きます)
伸縮式 モップブラシ(高所掃除用・最長約276cm)(新しいタブで開きます)
柄を伸ばすと最長約276cmになり、天井や照明、エアコンの上まで届きます。煤竹(すすだけ)の代わりに、高い場所のほこりを落とすのに便利です。
すす払いの手順
- 01神棚・仏壇から始める神様をお迎えする場所なので、まず神棚から。お札を一度おろして白い布の上に置き、ほこりを払ってから、かたく絞った布で拭きます。仏壇も同じように。
- 02高い場所のほこりを落とす天井・照明・カーテンレール・エアコンの上など、高い場所から。窓を開けて、ほこりを外に出しながら進めます。
- 03上から下、奥から手前へ棚・壁・床の順に、部屋の奥から入口に向かって掃除すると、落ちたほこりを二度掃除せずにすみます。
- 04最後に玄関を清める年神様が入ってくる玄関は、たたきを掃き、ドアや表札も拭いておきましょう。

神棚のすす払い
神棚は、すす払いでいちばん大切な場所です。お札をおろすときは、手を洗ってから両手で扱いましょう。掃除が終わったら、しめ縄や榊(さかき)を新しくし、年末に神社でいただいた新しいお札をお祀りします。古いお札は、年明けに神社へ納めます。昔は、すす払いが終わったあとに神棚に明かりをともし、小豆飯やだんごをお供えしました。
PR
(新しいタブで開きます)
オーストリッチ はたき PATA(松本羽毛商店)(新しいタブで開きます)
ダチョウの羽根を使った日本製のはたき。やわらかい羽根がほこりをからめ取り、神棚や家具、飾り物など傷つけたくない場所のほこり払いに向いています。
身近なもので大掃除
わざわざ洗剤や道具を買い足さなくても、家にあるものを使った昔ながらの知恵で、驚くほどきれいになります。
- パンストはたき
- 古くなったパンストを細く切り、棒にくくりつけてはたきに。静電気を帯びやすいナイロンの繊維が、ほこりを吸いつけてくれます
- 米のとぎ汁で床みがき
- とぎ汁に浸してかたく絞った雑巾で床を拭くと、とぎ汁に含まれる油分で床にツヤが出ます
- 新聞紙で窓ふき
- 水で濡らしてしぼった新聞紙で窓ガラスを拭くと、インクの油分が汚れを落とし、仕上がりがきれいになります。丸めて下駄箱に入れると、湿気とりにもなります

棚の上や玄関など、狭い場所には小さな手ぼうきが便利です。電気を使わないので、朝早くや夜でも気兼ねなく掃除できます。
PR
(新しいタブで開きます)
棕櫚皮 3玉 荒神箒(しゅろほうき)(新しいタブで開きます)
棕櫚(しゅろ)の皮でつくった、昔ながらの小さな手ぼうき。棚の上や玄関、神棚まわりなど、狭い場所をさっと掃けます。電気を使わないので静かに掃除できます。
物を減らす:売る・譲る・捨てる
家が片付かないいちばんの理由は、物が多いことです。すす払いをきっかけに、いらない物や、2年以上使っていない物を見直してみましょう。
- 売る:「買ったときの値段を覚えていて、安く売ると損をした気がする」と手放せずにいる物こそ、フリマアプリで売ってしまいましょう。メルカリは300円から出品できるので、安い値段でも売れればそれで十分です
- 譲る:家具やベビーカーなど、送料が高くつく大きな物は、ジモティーで近くの人に直接渡すと、送料がかからずお得なこともあります
- 捨てる:それでも売れない、もらい手のない物は捨てましょう。着なくなった服も、思い切って手放します
物を手放せるかどうかは、きれい好きかどうかではなく、思い切る勇気の問題です。子どもが小さい家庭は、サイズアウトした服やおもちゃも見直すと、ぐっとすっきりします。
掃除は、一度始めると意外と集中できるものです。まずは「机の上だけ」のように小さく始めると、だんだんほかの場所も気になってきます。がんばりましょう。
大掃除をラクにするコツ
- 上から下へ:天井・照明→壁→床の順に掃除すると効率的
- 奥から手前へ:部屋の奥から玄関に向かって進める
- 家族で分担:場所ごとに担当を決めると、無理なく進められる
- 12月13日から少しずつ:一気にやらず、場所ごとに日を分けると続けやすい
- 換気扇・エアコンは早めに:寒くなるほど油汚れが固まって落ちにくくなる。プロに頼むなら、年末は混み合うので11月中に予約を

CHAPTER 04子どもと一緒にすす払い
TIP / 子どもと一緒にすす払い
すす払いは、子どもに「新しい年を迎える準備」の大切さを伝えるよい機会です。年齢に合ったお手伝いをお願いして、終わったら「ありがとう、きれいになったね」と声をかけてあげましょう。
年齢別のお手伝い
- 2〜3歳:おもちゃの片付け、ハンディモップでのほこり取り、新聞紙での窓ふき
- 4〜6歳:自分の引き出しの整理、床の雑巾がけ、玄関の靴並べ
- 小学生:自分の机と本棚の掃除、お風呂や洗面台の簡単な掃除、ごみの分別
子どもに話したい「すす」と道具のお話
室町時代の絵巻『付喪神記(つくもがみき)』には、すす払いで捨てられた古い道具たちが「長年働いてきたのに、捨てるなんてひどい」と怒って妖怪(付喪神)になる、というお話が描かれています。昔の人は、長く使った道具には魂が宿ると考えていたのです。
すす払いのときに「おもちゃや道具を大切にしないと、付喪神になっちゃうかもね」と話すと、子どもも楽しみながら片付けに取り組めます。映画『となりのトトロ』の「まっくろくろすけ」(『千と千尋の神隠し』では「ススワタリ」)を思い出して、「すすを追い出そう!」と声をかけるのもおすすめです。
CHAPTER 05有名な寺社のすす払い
毎年12月になると、各地の寺社で大がかりなすす払いが行われ、年末の風物詩としてニュースでも取り上げられます。主なものをまとめました。日程は年によって変わることがあるので、見学するときは各寺社の案内を確認しましょう。
| 寺社 | 例年の日 | 特徴 |
|---|---|---|
| 日光・神橋(栃木) | 12月12日 | 神職や巫女が約4mの竹で欄干のほこりを払う「煤払祭」 |
| 浅草寺(東京) | 12月12日・13日 | 12日夕方にご本尊の煤払い(非公開)、13日早朝から本堂などのすす払い |
| 成田山新勝寺(千葉) | 12月13日 | 江戸時代から続く行事。僧侶や職員が本堂や仏像を清める |
| 東本願寺・西本願寺(京都) | 12月20日 | 門信徒が割竹で畳をたたき、大うちわでほこりを外へあおぎ出す |
| 知恩院(京都) | 12月25日 | 宗祖・法然上人の像のほこりをぬぐい清める「御身拭式」 |
日光の神橋(栃木)
日光二荒山神社の神橋(しんきょう)では、毎年12月12日に「煤払祭(すすはらいさい)」が行われます。装束をまとった神職や巫女が、長さ約4mの竹を手に、朱塗りの欄干などに積もった一年分のほこりを払い清めます。

浅草寺(東京)
浅草寺のすす払いは「御宮殿御煤払(ごくうでんおすすはらい)」と呼ばれ、2日にわたって行われます。12月12日の夕方、『観音経』が読まれるなか、貫首がご本尊を納めた御宮殿の中で、御前立(おまえだち)ご本尊の煤を筆の穂先で払います(非公開)。13日は早朝から本堂の内外や境内のお堂のすす払いが行われ、午後には御宮殿の扉が開かれる「御宮殿開扉法要」が営まれます。
詳しくは浅草寺の公式サイト(御宮殿御煤払・御宮殿開扉法要)をご覧ください。

成田山新勝寺(千葉)
成田山新勝寺でも12月13日にすす払いが行われます。江戸時代から続く年末の行事で、作業着姿の僧侶や職員が、本堂や仏像のほこりを静かに払い清めます。

東本願寺・西本願寺(京都)
京都の東本願寺・西本願寺では、毎年12月20日に「お煤払い(御煤払)」が行われます。全国から集まった門徒や本山の職員が横一列に並んで割竹で畳をたたき、舞い上がったほこりを長さ2mほどもある大うちわで堂の外へあおぎ出します。東本願寺では、そのあと門首が紙に「寿」の字をなぞる「御規式(ごきしき)」が行われます。室町時代から500年以上続くといわれる、京都の年の瀬の風物詩です。

知恩院(京都)
浄土宗の総本山・知恩院では、12月25日の午後に、御影堂で「御身拭式(おみぬぐいしき)」が営まれます。ふだんは厨子(ずし)に納められている宗祖・法然上人の御影(みえい)を、念仏が唱えられるなか、羽二重(はぶたえ)の白い絹布でぬぐい清める儀式です。
詳しくは知恩院の公式サイト(御身拭式・英語のページ)をご覧ください。
INFO / 奈良の大仏さまは夏にお掃除
「奈良の大仏 すす払い」で検索されることも多い東大寺の大仏さまのほこり払いは、年末ではなく毎年8月7日の「お身拭い(おみぬぐい)」です。白装束の僧侶たちが、高さ約15mの大仏さまの顔や肩に積もった一年分のほこりを払います。
CHAPTER 06すす払いに関するよくある質問
A.
12月13日は、昔の暦で婚礼以外のすべてによいとされる「鬼宿日」にあたり、お正月の準備を始める「正月事始め」の日とされたためといわれます。江戸城でこの日にすす払いを行ったことから、庶民にも広まりました。
A.
決まりはありませんが、お正月飾りを28日ごろまでに飾る地域が多いので、掃除も28日ごろまでに終えておくと安心です。12月13日から少しずつ始めると、無理なく進められます。
A.
大晦日や元日に掃除をすると「年神様が運んできた福を掃き出してしまう」といわれ、避ける家庭もあります。大晦日は、軽い片付けや玄関を整える程度にしておくとよいでしょう。
A.
すす払いに使う、長い竹竿の先に笹や藁を束ねた道具です。「煤竹」とも呼ばれ、天井や高い場所の煤を払うために使われました。
A.
はい、「煤払い」は冬の季語です。「煤掃き」「煤竹」なども、年の暮れを表す冬のことばとして俳句に詠まれます。
A.
「Susuharai is a traditional year-end cleaning to welcome the New Year god.(すす払いは、年神様を迎えるための伝統的な年末の大掃除です)」のように説明できます。
CHAPTER 07まとめ
すす払いは、年神様を迎えるために一年の汚れと厄を払い清める年末の行事で、12月13日の正月事始めに行うのが古くからの習わしです。今の大掃除のもとになった行事で、浅草寺や東西本願寺のすす払いは年末の風物詩として親しまれています。2026年の12月13日は日曜日。神棚や高い場所から少しずつ始め、子どもにも年齢に合ったお手伝いを任せて、気持ちよく新年を迎えましょう。






