夏の暑さが本格化すると、職場や仲間内で「暑気払い(しょきばらい)でもしようか」と声がかかることがあります。暑気払いとは、夏の暑さで弱った体を癒し、たまった熱気を払って元気を取り戻すことを指します。この記事では、暑気払いの意味と由来、行う時期、昔ながらの方法から現代の宴会としての楽しみ方、おすすめの食べ物・飲み物までをわかりやすく解説します。

CHAPTER 01
暑気払いとは?意味と語源

暑気払いとは、夏の暑さ(暑気)によってこもった体の熱を払い、夏バテを防いで体調を整えることをいいます。「暑気」は夏の厳しい暑さやそれによる不調を、「払う」は取り除くことを意味します。つまり暑気払いは、文字どおり「暑さを払いのける」という意味の言葉です。
もともとは、体を冷やす効果のある食べ物や薬草、涼をとる工夫によって暑さによる不調を和らげることを指していました。現代では、暑い時期に仲間で集まってお酒や食事を楽しむ宴会そのものを暑気払いと呼ぶことが一般的になっています。
暑気払い(しょきばらい)
夏の暑さでこもった熱を払い、体調を整えること。転じて夏の宴会も指す
暑気あたり
暑さによって起こる体調不良。だるさ・食欲不振・めまいなど
夏バテ
夏の暑さで自律神経が乱れ、疲れや食欲不振が続く状態

CHAPTER 02
暑気払いの時期はいつ?

暑気払いには「この日」という決まった日付はありません。一般的には、暑さが厳しくなる梅雨明けごろから8月末までの間に行われます。とくに一年で最も暑いとされる時期が目安になります。
暦のうえでは、二十四節気小暑(7月7日ごろ)から大暑(7月23日ごろ)、そして立秋(8月7日ごろ)までが暑さのピークです。また、夏のもっとも暑い時期を指す「三伏(さんぷく)」も暑気払いの目安として知られています。三伏については三伏の記事でくわしく解説しています。
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INFO / 土用の丑の日も暑気払いのひとつ
夏の土用の丑の日にうなぎを食べる習慣も、暑さに負けないスタミナをつける暑気払いの一種といえます。土用の丑の日の由来や食べ物は土用の丑の日の記事でくわしく紹介しています。

CHAPTER 03
暑気払いの由来と昔ながらの方法

暑気払いの歴史は古く、冷蔵庫やエアコンのなかった時代の人々は、さまざまな工夫で暑さをしのいできました。代表的な昔ながらの暑気払いには次のようなものがあります。
  • 体を冷やす作用があるとされる食べ物(瓜・豆腐・甘酒など)をとる
  • 薬草やびわの葉を煎じた飲み物で体調を整える
  • 井戸水で冷やした食べ物や飲み物で涼をとる
  • 打ち水をして涼しい風を呼び込む
庭や道に水をまいて涼を得る打ち水も、暮らしのなかの暑気払いのひとつです。打ち水で涼しくなる仕組みややり方は打ち水の記事でくわしく解説しています。先人たちは自然の力を上手に取り入れ、暑さと付き合ってきたのです。

CHAPTER 04
暑気払いにおすすめの食べ物・飲み物

暑気払いには、体を内側から冷やしたり、夏バテを防いだりする食べ物・飲み物が向いています。代表的なものを紹介します。
暑気払いにおすすめの飲食物
種類代表的なもの・特徴
体を冷やす食材きゅうり・スイカ・トマト・なす・冬瓜(とうがん)など夏野菜
スタミナがつく食材うなぎ・豚肉・甘酒など。疲労回復を助ける
さっぱり食べられる料理そうめん・冷やし中華・冷ややっこ・酢の物
冷たいデザートかき氷・水ようかん・ところてん
ひんやり冷たいかき氷は、昔から暑気払いの定番として親しまれてきました。また、夏の暑さで食欲が落ちたときの食事の工夫は夏バテ対策の食べ物の記事がくわしいので、あわせて参考にしてください。
TIP / 冷たいものの取りすぎに注意
暑気払いだからといって冷たい飲食物ばかりとると、かえって胃腸が冷えて夏バテの原因になることがあります。冷たいものと温かいものをバランスよくとり、体を冷やしすぎないようにしましょう。

CHAPTER 05
現代の暑気払い(宴会・暮らしの工夫)

今日では、暑気払いというと職場や友人同士で開く夏の宴会を指すことがほとんどです。ビアガーデンや居酒屋に集まり、冷たいビールや料理を楽しみながら暑さを忘れて英気を養う、夏ならではの交流の場になっています。
もちろん、家庭で旬の夏野菜を食べたり、打ち水や風鈴で涼を演出したりするのも立派な暑気払いです。涼を呼ぶ風鈴を軒先に飾れば、音色からも涼しさを感じられます。暑気払いは、夏を元気に乗りきるための昔ながらの知恵といえるでしょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
会社で暑気払いに誘われたんですが、これって飲み会のことですよね?由来があるなんて知りませんでした。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
そうなんです。今では夏の飲み会の意味で使われますが、もとは暑さで弱った体を癒すという意味だったんですよ。冷たいものをとったり打ち水をしたり、昔の人の暑さ対策が言葉のルーツなんです。飲み会でも、水分をしっかりとって体をいたわるのが本来の暑気払いですね。

CHAPTER 06
暑気払いに関するよくある質問

A.
決まった日付はなく、暑さが厳しくなる梅雨明けごろから8月末ごろまでに行うのが一般的です。小暑から立秋までの最も暑い時期が目安になります。
A.
『暑さ厳しき折、暑気払いを兼ねて一席設けたく存じます』のように、暑さをねぎらう一文を添えるとていねいです。日時・場所・会費を明記しましょう。
A.
どちらも夏に行う集まりですが、暑気払いは暑さで弱った体を癒す意味合いが強く、納涼会は涼しさを楽しむことに重きがあります。実際にはほぼ同じ意味で使われることも多いです。
A.
もちろんできます。冷たいお茶やジュース、旬の夏野菜を使った食事でも暑気払いになります。大切なのは暑さをしのいで体をいたわることです。

CHAPTER 07
まとめ

暑気払いとは、夏の暑さでこもった熱を払い、夏バテを防いで元気を取り戻すことです。決まった日付はなく、梅雨明けから8月末ごろまでの最も暑い時期に行われます。昔は体を冷やす食べ物や打ち水で暑さをしのぎ、現代では夏の宴会としても親しまれています。
冷たいものをとりすぎず、旬の食材や涼を呼ぶ工夫を取り入れながら、上手に暑気払いをして厳しい夏を乗りきりましょう。家族や仲間と過ごす夏のひとときが、暑さを忘れさせてくれるはずです。