三伏(さんぷく)とは、夏の中でも最も暑さが厳しい時期を示す暦の用語で、初伏・中伏・末伏の3つの期間の総称です。陰陽五行説に基づく中国由来の暦注で、日本においても古くから夏の厳しい暑さを表す言葉として使われてきました。この記事では三伏の意味や時期の求め方、暑中見舞いとの関係を解説します。

CHAPTER 01
三伏の意味と由来

この暦注は陰陽五行説における「庚(かのえ)の日」に基づいて決まります。五行では夏は「火」の季節ですが、庚は「金」の性質を持つ日です。火が金を支配する(火剋金)関係にあるため、金の気が伏せられる=「伏」と呼ばれるようになりました。
中国ではこの期間を特に暑い時期として重視し、韓国でも「伏日」に参鶏湯(サムゲタン)を食べる風習が広く知られています。日本では暦注としての認知度は低くなりましたが、暑中見舞いの時期を決める基準として間接的に影響を残しています。
初伏・中伏・末伏
三伏の3つの期間
庚の日
十干で定まる日
1年で最も暑い時期
三伏の意味

CHAPTER 02
初伏・中伏・末伏の時期

初伏夏至(げし)の後の3番目の庚の日、中伏は4番目の庚の日、末伏立秋(りっしゅう)の後の最初の庚の日にあたります。庚の日は10日ごとに巡ってくるため、おおよそ以下の時期になります。
初伏は7月中旬〜下旬、中伏は7月下旬〜8月上旬、末伏は8月上旬〜中旬頃です。年によって日付は変動しますが、梅雨明け後の最も暑い時期とほぼ一致しており、先人の暦の知恵が気候をよく捉えていたことがわかります。

CHAPTER 03
2026年の三伏はいつ?

2026年の初伏は7月16日、中伏は7月26日、末伏は8月15日と推定されます(庚の日の巡りにより変動)。初伏から末伏までの約30日間が「三伏の候」として手紙の時候の挨拶にも用いられます。
この期間は日本各地で猛暑日を記録することが多く、気象データでも年間最高気温が観測されやすい時期です。近年の地球温暖化の影響もあり、かつての暦の知恵がますます実感を伴うものになっています。

CHAPTER 04
暑中見舞いとの関係

暑中見舞いの「暑中」は、もともと三伏の期間を指す言葉でした。現在では小暑(7月7日頃)から立秋(8月7日頃)までが暑中見舞いの時期とされていますが、これはこの期間とほぼ重なります。
立秋を過ぎると「残暑見舞い」に切り替えるのがマナーです。暑中見舞いのはがきには、相手の健康を気遣う言葉と近況報告を簡潔に書くのが一般的で、涼しげなイラストやデザインを選ぶと季節感が伝わります。
暑中見舞いの歴史をたどると、江戸時代にはすでに暑中に贈答品を届ける風習が広まっていました。もともとはお盆に先祖へ供物を贈る習慣から転じて、日頃お世話になっている方へ夏の挨拶として品物を届けるようになったのです。明治時代に郵便制度が整備されると、品物の代わりにはがきで暑中の挨拶を交わすスタイルが定着しました。三伏の期間が「暑中」の語源であることからもわかるように、暑中見舞いは単なる季節の挨拶ではなく、一年で最も過酷な時期に相手の健康を気遣う日本人ならではの思いやりの文化なのです。
TIP / 暑中見舞いの時期
暑中見舞いは小暑(7月7日頃)から立秋の前日(8月6日頃)までに届くように送ります。立秋以降は「残暑見舞い」に切り替えましょう。三伏の期間とほぼ重なるのは偶然ではなく、暑さのピークに相手を気遣う文化です。

CHAPTER 05
三伏の時期の過ごし方

一年で最も暑い時期にあたるため、熱中症対策が欠かせません。こまめな水分補給、適切なエアコンの使用、外出時の帽子や日傘の活用が基本です。特に高齢者や小さな子どもは暑さに弱いため、周囲の気配りが大切です。
食事面では、うなぎや豚肉などスタミナのつく食材を積極的に摂りましょう。夏野菜のトマトやきゅうり、すいかなど水分の多い食材も体を冷やしてくれます。適度な運動と十分な睡眠を心がけ、厳しい暑さを乗り切りましょう。
風鈴や簾(すだれ)、緑のカーテンなど、日本の伝統的な涼の取り方も見直されています。エアコンだけに頼らず、五感で涼しさを感じる工夫を取り入れてみましょう。読書や映画鑑賞など、涼しい室内でゆっくり過ごす時間も夏の楽しみのひとつです。冷たい甘味処でかき氷やあんみつを味わうのも、暑い日の良い気分転換になります。
風鈴
三伏の暑さを風鈴の音色で涼しく
新米パパ / 2歳児のパパ
三伏って初めて聞きました。今でも意識されているんですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
日本ではあまり馴染みがなくなりましたが、韓国では三伏の日に参鶏湯(サムゲタン)を食べる風習が今でも盛んです。日本の「土用(どよう)の丑の日にうなぎ」と似た発想ですね。暑い時期に栄養をつける知恵です。
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INFO / 三伏と土用の違い
三伏は中国由来の暦注で庚の日をもとに計算され、土用は雑節(ざっせつ)で立秋前の約18日間を指します。どちらも「1年で最も暑い時期」を表しますが、計算方法が異なります。
新米パパ / 2歳児のパパ
三伏とはいつ頃のことですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
三伏は初伏・中伏・末伏の3つの期間で、7月中旬〜8月上旬にあたります。暦の上で一年で最も暑いとされる時期で、この頃を「三伏の候」と呼びます。暑中見舞いの時期とほぼ重なります。
A.
2026年の初伏は7月16日、中伏は7月26日、末伏は8月15日です(庚の日で計算)。
A.
陰陽五行説で「金の気(秋)が火の気(夏)に伏せられる」という意味です。秋の涼しさがまだ夏の暑さに負けている期間を表しています。
A.
韓国では三伏の日に参鶏湯を食べて暑気払いをする風習があります。「以熱治熱(熱をもって熱を治す)」の考え方に基づいています。
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CHAPTER 06
まとめ

この暦の知恵は陰陽五行説に基づいており、夏の最も暑い時期を示す用語として、初伏・中伏・末伏の3期間を指します。暑中見舞いの時期の由来にもなっており、日本の夏の暮らしに深く関わる暦の知恵です。先人の知恵を参考にしながら、しっかりと暑さ対策を講じて、体調管理に気を配りながら夏を元気に過ごしましょう。水分と栄養をしっかり摂ることが大切です。