清明(せいめい)は、二十四節気(にじゅうしせっき)の第5番目にあたる春の節気で、2026年は4月5日頃に訪れます。「万物が清らかで明るく、生き生きとする頃」という意味を持ち、草木が芽吹き、花が咲き誇る春爛漫の季節です。桜の見頃と重なる地域も多く、一年でもっとも華やかな時期を迎えます。

CHAPTER 01
意味と二十四節気の位置づけ

二十四節気は太陽の黄経をもとに一年を24等分した暦で、この節気は黄経15度の地点にあたります。春分(しゅんぶん)の次、穀雨の前に位置し、正式には「清明節(せいめいせつ)」と呼ばれます。
「清明」という名は「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」の略です。すべてのものが清らかで生き生きとしている状態を意味し、草木が芽吹き、花が咲き、生命力に満ちあふれる頃を表しています。「清らかですがすがしい」というこの言葉が示す通り、空気は澄み渡り、自然界のあらゆるものが冬の眠りから目覚めて輝きを放つ季節です。
七十二候では「玄鳥至(つばめきたる)」「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」「虹始見(にじはじめてあらわる)」の三候に分けられ、ツバメが南からやってきて、雁が北へ帰り、虹が見え始める春本番の情景が暦に記されています。
清明は二十四節気のなかでも春の生命力がもっとも際立つ時期として、古代中国では格別に重視されてきました。中国では清明節として祖先の墓を掃除し供物を捧げる「掃墓(そうぼ)」の習慣があり、唐代には国家の休日にもなっていました。この風習が日本に伝わり、沖縄のシーミー(清明祭)として独自の形で根づきました。本土では春分の彼岸が墓参りの中心になりましたが、清明の頃の晴れやかな空気は、古来より農耕の始まりを告げる大切な季節の節目として暮らしに息づいています。
4月5日頃
清明の時期
清浄明潔
名前の由来(せいじょうめいけつ)
万物が清らかで明るい
季節の意味

CHAPTER 02
清明風と春の訪れ

清明の頃に吹く風は「清明風(せいめいふう)」と呼ばれ、東南の方角から届く心地よい春風です。この清明風が吹く季節が終わると、本格的な春がやってくることを告げるとされてきました。風が穏やかに吹き渡る頃には桜の花も満開を迎え、南の国からはつばめが海を渡ってやってきます。
古来、この風は農作業の目安としても重要でした。清明風が吹き始めると田畑の準備を本格化させ、種まきの時期を見極めたのです。現代では気象予報に頼る場面が多くなりましたが、肌に触れる風の温もりから季節の移ろいを感じ取る感覚は、暦を大切にしてきた日本人ならではの繊細さといえるでしょう。
NOTE / 清明風(せいめいふう)とは
春先に東南から吹いてくる心地よい風のこと。清明風が吹く頃には桜が満開となり、南からつばめが渡ってきます。この風が収まると、いよいよ本格的な春の到来です。

CHAPTER 03
沖縄のシーミー(清明祭)

日本本土ではこの節気を意識する機会は少なくなっていますが、沖縄ではシーミー(清明祭)として盛大に祝われる重要な行事です。中国の清明節の影響を受けたこの風習は、琉球王国時代に伝わったとされ、現在も沖縄の家族にとっては正月お盆と並ぶ大切な年中行事として受け継がれています。
シーミーでは、親族がお墓の前に集まり、重箱にお供えを入れてお墓に行くのが習わしです。重箱には三枚肉(豚の角煮)、かまぼこ、天ぷら、昆布巻き、田芋の煮物などが丁寧に詰められます。お墓に到着すると先祖の墓前で家族そろって重箱を開き、お供え物をいただきます。一般的な墓参りとは異なり、お墓の前でごちそうを食べるピクニックのような風習が大きな特徴です。
親族が一堂に会してお墓の前で食事と歓談を楽しむこの行事は、先祖への感謝と家族の絆を深める大切な機会です。子どもからお年寄りまで世代を超えて集まり、賑やかに過ごすシーミーの光景は、沖縄の春の風物詩となっています。
新米パパ / 2歳児のパパ
沖縄のシーミーって、お墓の前でごはんを食べるんですか?ちょっと驚きました。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
はい。ご先祖様と一緒に食事を楽しむという考え方なんです。重箱に詰めた料理をお墓に供えた後、その場で家族みんなでいただきます。本土のお墓参りとはだいぶ雰囲気が違って、明るく賑やかな行事ですよ。中国の清明節の影響を受けた沖縄ならではの文化ですね。
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INFO / 中国の清明節との関係
中国では清明節に墓参りをする習慣があり、国民の祝日にもなっています。沖縄のシーミーはこの中国の風習が琉球王国時代に伝わったもので、重箱にお供えを詰めて墓前で家族と食事をする点が共通しています。日本本土のお盆に相当する先祖供養の行事です。

CHAPTER 04
旬の食べ物と春の味覚

この時期は春の食材が最も豊富に出回る季節です。
  • 筍(たけのこ):春の味覚の代表格。筍ごはんや若竹煮が食卓の主役
  • 春キャベツ:やわらかく甘みがあり、サラダや浅漬けに最適
  • 鯛(たい):桜鯛とも呼ばれ、産卵前の脂がのった上品な味わい
  • よもぎ:草餅やよもぎ団子の材料。独特の香りが春を感じさせる
和菓子の世界では桜餅や花見団子が主役を務め、見た目にも春の華やかさが溢れる季節です。

CHAPTER 05
お花見と春の行楽

この節気の頃は日本各地で桜が見頃を迎え、お花見シーズンの真っ只中です。家族や友人とお弁当を広げて桜の下で過ごす時間は、日本の春を象徴する風景といえるでしょう。
入学式や新学期の始まりとも重なり、街には新しいランドセルやスーツ姿のフレッシュな表情が溢れます。新年度のスタートにふさわしい、明るく清らかなこの時期の名前は、まさに万物が輝く春の本質を言い当てています。ガーデニングでは夏野菜の種まきや苗の植え付けが本格化する時期でもあり、家庭菜園を楽しむ方にとっては忙しくも楽しい季節です。
新米パパ / 2歳児のパパ
清明の頃はお花見シーズンですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
はい。東北や信州では桜の見頃、関東以西では桜が散り始め新緑が広がる時期です。清明風が吹く頃に桜が満開を迎えるのは、まさに「清浄明潔」の名にふさわしい光景ですよ。
TIP / 清明の過ごし方
清明は春の美しさを全身で感じるのにぴったりの時期です。新緑の中を散歩したり、野草を観察したり、春の味覚を楽しんだり。お子さんと一緒にタンポポやレンゲソウを摘むのも季節の良い体験になります。
A.
2026年の清明は4月5日です。清明の期間は約15日間で、4月20日頃の穀雨まで続きます。
A.
「せいめい」と読みます。「清浄明潔(せいじょうめいけつ)」の略で、すべてのものが清らかで生き生きとしている様子を表す言葉です。
A.
清明の頃に東南から吹いてくる心地よい春風のことです。この風が吹く頃に桜が満開を迎え、つばめが南から渡ってきます。
A.
中国では清明節は国民の祝日で、お墓参りをする「掃墓節」とも呼ばれます。日本のお盆に相当する行事で、沖縄のシーミーはこの影響を受けています。
花にとまる蝶
清明の頃は桜が見頃を迎える

CHAPTER 06
まとめ

清明は「清浄明潔」の略で、万物が生き生きと輝く春本番の節気です。東南から吹く清明風とともに桜が満開を迎え、つばめが渡ってくる華やかな季節でもあります。沖縄ではシーミー(清明祭)として、重箱料理を携えてお墓の前で家族が集う独自の風習が今も大切に受け継がれています。筍や春キャベツなど旬の食材を味わいながら、春爛漫のひとときを楽しみましょう。