啓蟄(けいちつ)は、二十四節気(にじゅうしせっき)の3番目にあたる春の節気で、2027年は3月6日(土)です。「冬ごもりしていた虫たちが地中からはい出る頃」という意味を持ち、大地が温まり始めて生き物が動き出す時期です。この記事では、啓蟄の意味と七十二候、旬の食べ物、春の行事と時候の挨拶、子どもと楽しむ生き物探しまでわかりやすく解説します。
CHAPTER 01啓蟄とは?意味と2027年の日付
「啓」は「開く」、「蟄」は「土の中で冬ごもりしている虫」という意味です。つまり啓蟄とは、冬ごもりをしていた虫が春の陽気に誘われて巣穴を開き、地上に出てくる時期を表しています。太陽の黄経が345度に達する日で、2027年は3月6日(土)、2026年は3月5日(木)でした。期間としては、次の春分(2027年は3月21日)の前日までの約15日間を指します。
啓蟄の日付(自動計算)
| 2026年 | 3月5日(木) |
|---|---|
| 2027年 | 3月6日(土) |
| 2028年 | 3月5日(日) |
二十四節気は太陽の位置、旧暦の行事は新月の日、干支の日は暦の巡りから計算しています。 正式な日付は、国立天文台が毎年2月に翌年分を発表する暦要項で確定します。「頃」は時刻が日付の変わり目に近く、前後する可能性がある日です。
なお、ここでいう「虫」は現代の昆虫に限らず、蛇やカエル、トカゲなど冬眠する生き物全般を指す言葉でした。立春(りっしゅん)を過ぎて少しずつ地温が上がり、土の中の生き物たちが目を覚まし始める様子を、古人は暦の名前に託したのです。
新米パパ / 2歳児のパパ
啓蟄って「虫が出てくる」という意味なんですね。でもなぜ「啓」という字を使うのですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
「啓」には「ひらく」「あける」という意味があります。つまり、虫たちが自ら巣穴の戸を開いて外に出てくるという情景を、たった二文字で表した言葉なのです。自然の目覚めを感じさせる、美しい節気の名前ですね。
3月6日
2027年の啓蟄(土)
第3番目
二十四節気での順番
春分の前
雨水の次に位置

CHAPTER 02啓蟄の七十二候
INFO / 七十二候とは?二十四節気をさらに3つに分けた季節の暦
七十二候(しちじゅうにこう)は、二十四節気をさらに3等分して約5日ごとの季節の変化を表したものです。気象や動植物の変化を短い文で記し、より細やかに季節の移ろいを感じ取る仕組みになっています。中国で生まれた暦ですが、日本の気候風土に合わせて独自に改訂された「本朝七十二候」も使われています。
啓蟄の期間は、初候・次候・末候の三つに分けられます。日本の七十二候では以下の三候が定められており、それぞれが春の訪れを象徴する自然の変化を描いています。
初候:蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)
3月5日頃からの約5日間。冬の間、土の中に隠れていた虫たちが巣穴の戸を開いて地上に姿を現す時期です。啓蟄という節気の名前そのものを体現する候であり、大地の温もりとともに生き物たちが一斉に動き出す瞬間を捉えています。
次候:桃始笑(ももはじめてさく)
3月10日頃からの約5日間。春の到来とともに桃の花が咲き始める時期です。注目すべきは「笑」の字が「咲く」の意味で使われている点です。古語では花が咲くことを「笑う」と表現しました。桃の花がほころぶ様子を、まるで花が笑っているかのように見立てた、日本人ならではの繊細な感性が表れています。
末候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる)
3月15日頃からの約5日間。菜の花などの葉を食べていた青虫が羽化して、蝶となって飛び始める時期です。幼虫から成虫への変態は、冬から春への劇的な季節の転換を象徴しています。畑や野原にモンシロチョウが舞い始めると、春の到来を実感できるでしょう。
中国の七十二候との違い
中国の啓蟄の七十二候は日本とやや異なります。中国では次候が「倉庚鳴(そうこうなく)」、すなわちウグイスが鳴き始めるとされています。また、日本の「桃始笑」に対して中国では「桃始華(ももはじめてはなさく)」と表記され、同じ桃の開花でも「笑」と「華」という字の選び方に日中の文化的な感性の違いが見て取れます。
さらに興味深いのが、中国の啓蟄に関連する表現「鷹化為鳩(たかけしてはととなる)」です。これは猛々しい鷹が、春のうららかな日差しのもとで穏やかな鳩(一説にはカッコウとも)のようになるという意味で、春の温かさが万物の気質さえも和らげるという中国的な自然観を反映しています。
| 候 | 日本 | 中国 |
|---|---|---|
| 初候 | 蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく) | 桃始華(ももはじめてはなさく) |
| 次候 | 桃始笑(ももはじめてさく) | 倉庚鳴(そうこうなく) |
| 末候 | 菜虫化蝶(なむしちょうとなる) | 鷹化為鳩(たかけしてはととなる) |
CHAPTER 03啓蟄の旬の食べ物と春の味覚
この時期は春の山菜や野菜が本格的に出回り始めます。

- たらの芽:「山菜の王様」と呼ばれ、天ぷらが絶品
- うど:独特の香りとシャキシャキした食感が魅力。酢味噌和えやきんぴらに
- 新玉ねぎ:辛みが少なくみずみずしい。サラダでそのまま味わえる
- しらす:春に漁が解禁される地域が多く、釜揚げしらす丼が旬の味覚
TIP / 啓蟄の旬の食材
「春の皿には苦みを盛れ」ということわざのとおり、たらの芽やふきのとう、わらびなど春の山菜のほろ苦さは、冬の体を目覚めさせてくれるといわれてきました。小さな子どもには苦みが強いので、天ぷらにしたり少量から試したりするとよいでしょう。
CHAPTER 04春の行事・風物詩と暮らしのヒント
この節気の頃はひな祭り(3月3日)の余韻が残り、卒業式シーズンが始まる時期でもあります。梅の花が見頃のピークを迎え、各地の梅園では観梅のイベントが催されます。水戸の偕楽園や東京の湯島天神、大阪城公園の梅林は名所として有名です。

農業の面では、春の種まきや苗の準備が本格化します。家庭菜園では春野菜の種を蒔く適期にあたり、ガーデニングショップが活気づく季節です。昆虫や爬虫類が活動を再開するため、庭仕事の際には蛇や蜂への注意も必要になってきます。この時期は卒業式や卒園式のシーズンでもあり、門出を祝う花束やフラワーアレンジメントの需要が高まります。花屋の店先にはチューリップやラナンキュラス、スイートピーなど色とりどりの春の花が並び、見ているだけでも心が弾む華やかな季節です。
新米パパ / 2歳児のパパ
啓蟄って虫が出てくる日ですよね。子どもと何か体験できることはありますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
啓蟄の頃は自然観察にぴったりの時期です。てんとう虫やチョウが活動し始め、カエルの声も聞こえてきます。公園で春の生き物探しをすると、お子さんにとって素敵な体験になりますよ。ただ、蜂が活動を始める時期でもあるので、巣に近づかないことと、虫を触ったあとの手洗いは忘れずに。
時候の挨拶と暮らしのヒント
手紙やメールでは「啓蟄の候」「仲春の折」「春暖のみぎり」といった時候の挨拶が使えます。「啓蟄を過ぎ、日ごとに春めいてまいりました」のような書き出しが季節感を伝えます。
暮らしの面では、スギ花粉の飛散がピークに近づく時期のため、花粉対策を万全にしておきましょう。三寒四温を繰り返しながらも確実に暖かくなっていくこの時期、冬物のコートやブーツをクリーニングに出し、春物への衣替えを進めるのにもよいタイミングです。冬の間に蓄えた体重を戻すためにウォーキングやジョギングを始めるのにも最適な気候で、体を動かすことで花粉症の症状が和らぐという研究結果もあります。春の陽光を浴びながら適度な運動を心がけ、心身ともに爽やかにリフレッシュしましょう。
CHAPTER 05啓蟄に関するよくある質問
A.
2027年の啓蟄は3月6日(土)です。期間としては、3月21日の春分の前日までの約15日間を指します。2026年は3月5日(木)でした。
A.
「けいちつ」と読みます。「啓」は「開く」、「蟄」は「虫が土の中に隠れる」という意味で、冬ごもりの虫が穴を開いて出てくるという意味です。
A.
「啓蟄の候」「春暖の候」「日増しに暖かくなってまいりました」などが使えます。
CHAPTER 06まとめ
啓蟄は、冬ごもりの虫たちが地上に姿を現す春の節気で、2027年は3月6日(土)です。たらの芽やうどなど春の山菜が旬を迎え、梅の花も見頃のピークを迎えます。花粉対策や蜂への注意をしながら、子どもと一緒に公園で春の生き物を探して、自然が目覚める季節を感じてみてください。






