出雲大社(いずもおおやしろ)の参拝作法は、ほかの神社の「二礼二拍手一礼」と違い、「二礼四拍手一礼」です。本殿の裏にある素鵞社(そがのやしろ)では、浜の砂を納めて代わりの砂をいただく独特の習わしもあります。この記事では、出雲大社の参拝作法と参拝順路、素鵞社のお砂、2026年の神在祭の日程を紹介します。

CHAPTER 01出雲大社の参拝作法は「二礼四拍手一礼」
出雲大社にお祀りされているのは、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)です。「だいこくさま」として親しまれ、男女の縁だけでなく、人と人、人と仕事など、あらゆる縁を結ぶ神様とされています。
拝殿や御本殿の前では、次の順番でお参りします。お賽銭を入れて鈴を鳴らすところまでは、ほかの神社と同じです。
- 01姿勢を正して軽く会釈する神前に進み、お賽銭を入れて一礼します。
- 02深いお辞儀を2回(二礼)背中をまっすぐにして、腰から90度ほど曲げます。
- 03手を4回打つ(四拍手)胸の高さで手を合わせ、右手を少し下にずらしてから、肩幅ほどに開いて4回打ちます。
- 04指先をそろえて祈るずらした手を元に戻して指先をそろえ、心の中でお願いごとや感謝を伝えます。
- 05深いお辞儀を1回(一礼)最後にもう一度深くお辞儀をして、軽く会釈してから下がります。

なぜ4回?年に一度の例祭では八拍手
出雲大社では、5月14日の例祭(れいさい)など大きなお祭りのときに、神職が手を8回打つ「八拍手(やはくしゅ)」で拝礼します。「八」は古くから数の限りないことを表す数で、神様をたたえる最上の作法とされています。
ふだんの参拝で打つ四拍手は、その半分の形と言われています。4という数には「四季」「東西南北」などの意味を重ねる説明もありますが、決まった由来が伝わっているわけではありません。
手のひらをずらして打つのはなぜ?
拍手で右手を少し下にずらすのは、出雲大社に限らず、神社本庁が案内している一般的な作法です。ずらして打つと、手のひらがきれいに当たり、よく響く音が出ます。
INFO / よく紹介される「ずらす」意味
ずらした手は「神様と人がまだ一つになっていない状態」、指先をそろえて合わせるのは「神様と一つになって祈る」ことを表す、と説明されることがあります。神社の公式な定めではありませんが、心をこめて祈るための目安として覚えておくとよいでしょう。
新米パパ / 2歳児のパパ
ドラマで登場人物が手をずらして叩いて、最後にすり合わせるように手を合わせていて、意味が気になっていました。
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
あれは丁寧な拍手の作法ですね。ずらして打ち、指先をそろえてから祈ります。出雲大社なら打つのは4回ですよ。子どもには「パンパンパンパン、と4回だよ」と数えながら教えると、楽しく覚えてくれます。
CHAPTER 02出雲大社の参拝順路
出雲大社は境内が広く、見どころが参道に沿って並んでいます。正門の鳥居から入り、次の順で回るのが基本です。
| 順番 | 場所 | ポイント |
|---|---|---|
| 1 | 勢溜(せいだまり)の大鳥居 | 正門にあたる鳥居。ここから下り坂の参道が始まります |
| 2 | 祓社(はらえのやしろ) | 参道の右手にある小さな社。本殿の前に、ここで心身のけがれを祓います |
| 3 | 松の参道 | 松並木の参道。松の根を守るため、中央ではなく両脇を歩きます |
| 4 | 手水舎・銅鳥居 | 手と口を清め、銅鳥居をくぐって拝殿へ進みます |
| 5 | 拝殿 | 二礼四拍手一礼でお参りします |
| 6 | 八足門(やつあしもん) | 御本殿の正面にある門。ふだんはここから御本殿を拝みます |
| 7 | 御本殿の西側 | 大国主大神は西を向いてお祀りされているため、西側の拝所からもお参りします |
| 8 | 素鵞社(そがのやしろ) | 御本殿の真後ろ、八雲山のふもとにある社 |
| 9 | 神楽殿 | 長さ約13m、重さ約5トンの大しめ縄が掛かる建物 |
御本殿は南を向いて建っていますが、中の神座は西向きです。そのため、八足門で正面からお参りしたあと、御本殿を囲む瑞垣(みずがき)に沿って西側へ回り、もう一度お参りする人が多くいます。

CAUTION / 素鵞社の方面は夕方に閉まります
御本殿の北側(素鵞社の方面)は、境内のほかの場所より早い時間に参拝できなくなります。夕方に着く場合は素鵞社を先に回るなど、時間に余裕をもって計画しましょう。参拝時間は時期や祭事で変わるため、出雲大社の公式サイトで確認してください。
CHAPTER 03素鵞社(そがのやしろ)とお砂の習わし
素鵞社は、御本殿のすぐ裏、八雲山のふもとにある社です。お祀りされているのは、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治した素戔嗚尊(すさのおのみこと)です。大国主大神の祖先にあたり、妻・須勢理毘売(すせりびめ)の父でもある神様です。
ドラマ「VIVANT」でも登場人物がお参りする場面が映り、注目が集まりました。本殿よりも山に近く、静かな空気に包まれた場所で、出雲大社でも特に人気の高い参拝スポットです。
稲佐の浜の砂と交換する習わし
素鵞社には、稲佐の浜(いなさのはま)でとった砂を納め、代わりに社の床下にある砂をいただくという習わしがあります。稲佐の浜は、神在月に全国の神々をお迎えする浜で、出雲大社から歩いて20分ほどの場所にあります。
- 01稲佐の浜で砂をとる弁天島の前の浜で、小さな袋に少しだけ砂を入れます。浜でも一礼してからとりましょう。
- 02出雲大社を参拝する順路に沿って拝殿・御本殿にお参りしてから、素鵞社へ向かいます。
- 03素鵞社にお参りして砂を納めるお参りのあと、社の床下にある砂箱に、持ってきた砂を納めます。
- 04代わりの砂を少しいただく納めた量と同じくらいか、それより少ない量をいただきます。持ち帰ったお砂は清めの砂として扱います。
TIP / 持ち帰ったお砂の使い方
お守り袋に入れて持ち歩く、家の四隅や玄関に少しまく、庭や鉢植えにまく、などの使い方が伝わっています。決まった作法があるわけではないので、家族で相談して大切に扱いましょう。

CHAPTER 042026年の神在祭はいつ?
旧暦の10月は、全国では「神無月(かんなづき)」ですが、神々が集まる出雲では「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。集まった神々は、人々の縁について話し合う「神議り(かみはかり)」を開くと伝えられています。2026年の旧暦10月10日は11月18日にあたり、この日の夜に稲佐の浜で神々をお迎えします。
| 日付 | 祭事 |
|---|---|
| 11月18日(水)夕刻 | 神迎神事・神迎祭(稲佐の浜) |
| 11月19日(木) | 神在祭 |
| 11月23日(月・祝) | 神在祭・縁結大祭 |
| 11月25日(水) | 神在祭・縁結大祭、午後4時に神等去出祭(からさでさい) |
NOTE / 縁結大祭の参列申し込みは締め切り済み
出雲大社の発表では、2026年の縁結大祭(23日・25日)の参列申し込みは、どちらも定員に達しています。神在祭の期間は境内も周辺の道路も大変混み合うため、最新の案内を公式サイトで確認してから出かけましょう。
神無月と神在月の関係は、神無月とは?意味・由来・出雲大社との関係で詳しく紹介しています。
CHAPTER 05出雲大社の参拝でよくある質問
A.
いいえ。多くの神社は「二礼二拍手一礼」です。四拍手は出雲大社のほか、宇佐神宮(大分県)や弥彦神社(新潟県)など一部の神社の作法です。参拝する神社の作法に合わせましょう。
A.
そうした話を聞くことがありますが、根拠のない俗説です。両方にお参りする人も多く、気にする必要はありません。
A.
そんなことはありません。大国主大神は、家族や友人、仕事、住まいなど、人が幸せに生きるためのさまざまな縁を結ぶ神様とされています。子どもが良い先生や友だちに恵まれるよう祈る人もいます。
A.
本来は、稲佐の浜の砂を納めてから、代わりにいただくのが習わしです。浜に寄れない場合でも、まずは素鵞社にしっかりお参りし、いただく量はひとつまみ程度にとどめましょう。
A.
勢溜の大鳥居から素鵞社、神楽殿までひと通り回るなら、1時間ほどみておくと安心です。稲佐の浜にも寄る場合は、移動を含めてさらに1時間ほど余裕をもちましょう。
CHAPTER 06まとめ
出雲大社の参拝作法は、手を4回打つ「二礼四拍手一礼」です。拍手では右手を少しずらして打ち、指先をそろえてから祈りましょう。参拝のあとは御本殿の西側と素鵞社にもお参りし、稲佐の浜の砂を納めてお砂をいただくと、出雲ならではの参拝になります。ほかの縁結びの神社は、縁結びの神社8選で紹介しています。







