エイプリルフールは、毎年4月1日に嘘や冗談を楽しむ風習として世界中で親しまれています。日本語では「四月馬鹿」や「万愚節(ばんぐせつ)」とも呼ばれ、この日だけは軽い嘘をついても大目に見てもらえるというユニークな慣習です。しかし、なぜ4月1日なのか、いつから始まったのかについては実ははっきりとわかっていません。この記事では、エイプリルフールの起源や由来、世界各地の楽しみ方をわかりやすく解説します。
CHAPTER 01エイプリルフールとは?意味と概要

エイプリルフール(April Fools' Day)は、4月1日に軽い嘘やいたずらを楽しむ日として、欧米を中心に世界各地で定着している風習です。英語では「April Fools' Day」、フランス語では「ポワソン・ダヴリル(Poisson d'avril=4月の魚)」と呼ばれます。
- エイプリルフール(April Fools' Day)
- 4月1日に嘘やいたずらを楽しむ欧米発祥の風習。英語圏では「April Fools' Day」と表記される
- 四月馬鹿(しがつばか)
- エイプリルフールの日本語訳のひとつ。騙された人を「四月馬鹿」と呼ぶこともある
- 万愚節(ばんぐせつ)
- エイプリルフールのもうひとつの日本語訳。中世ヨーロッパの「万愚祭(All Fools Day)」に由来する
- ポワソン・ダヴリル
- フランス語で「4月の魚」の意味。子どもたちが魚の形の紙を人の背中にこっそり貼るいたずらが行われる
CHAPTER 02エイプリルフールの起源と由来
エイプリルフールの起源には諸説ありますが、もっとも有名なのが「グレゴリオ暦説」です。ヨーロッパではかつて新年を3月25日から4月1日にかけて祝っていましたが、1582年にローマ教皇グレゴリウス13世がグレゴリオ暦を採用し、新年が1月1日に変更されました。この変更を受け入れなかった人々が4月1日を「嘘の新年」として騒いだのが始まりとされています。
NOTE
グレゴリオ暦説は広く知られていますが、裏付ける歴史的記録は見つかっていません。エイプリルフールの正確な起源は、実は今も謎に包まれています。
もうひとつ有力な説が、中世ヨーロッパの「万愚祭(All Fools Day)」に由来するというものです。7世紀頃までにヨーロッパ全域に広まったカトリック教会は、各地に残る異教の祭り(豊作祈願や死者供養など)を教会の行事に取り込んでいきました。その中に、身分の上下が逆転する「逆さ世界」をテーマにした無礼講の祝祭がありました。
古代ローマでは1日だけ主人と奴隷の立場が逆転する祝祭があり、これが万愚祭の原型になったとも考えられています。教会の広場では道化師や芸人が集まり、風刺の効いた寸劇を演じて人々を笑わせました。旧約聖書に登場する預言者バラムと驢馬の物語も好んで演じられ、驢馬(ロバ)が主役になる「驢馬講の王」という行事では、ロバが王座に据えられて日常の秩序がひっくり返る様子を楽しみました。
パ
新米パパ
主人と奴隷が入れ替わるなんて、かなり大胆なお祭りだったんですね。
博
カゾイロ博士
そうなんです。日常の秩序を一時的にひっくり返す「逆さ世界」は、ガス抜きの役割を果たしていました。道化師たちは2種類の衣装を着ていて、色とりどりのダイヤ柄のつなぎか、黒一色のフードにロバの耳を付けた姿で、鈴のついた道化棒を振りながら人々を笑わせたそうですよ。
CHAPTER 03世界のエイプリルフールの風習
エイプリルフールの楽しみ方は国によってさまざまです。共通しているのは「笑い」を大切にするという精神で、悪意のあるいたずらではなく、ユーモアあふれる嘘やジョークが好まれます。
| 国・地域 | 風習・特徴 |
|---|---|
| フランス | 「ポワソン・ダヴリル(4月の魚)」と呼ばれ、子どもたちが魚の形の紙を人の背中にこっそり貼るいたずらを楽しむ |
| イギリス | 嘘をついてよいのは午前中だけ。正午以降にいたずらをすると、逆に自分が「フール(愚か者)」になるとされる |
| スコットランド | 2日間にわたって行われ、2日目は「テイリー・デー(お尻の日)」と呼ばれ、背中に「kick me」の張り紙をするいたずらが有名 |
| インド | 「フーリー祭」の伝統と結びつき、色粉や水をかけ合う春の祝祭と重なることがある |
| ブラジル | 「メンティーラの日(嘘の日)」として親しまれ、新聞やテレビがユーモラスな嘘ニュースを流す |
TIP
近年では企業やメディアがエイプリルフールに合わせてユーモアあふれる嘘の広告や架空の新商品を発表するのが世界的なトレンドになっています。日本でも多くの企業がSNSを活用した楽しい企画を展開しています。
CHAPTER 04日本のエイプリルフール事情
日本にエイプリルフールが伝わったのは大正時代とされています。英語の「April Fool」を直訳した「四月馬鹿」という言葉が広まり、昭和以降は子どもを中心に親しまれるようになりました。
日本のエイプリルフールには、欧米のように背中に紙を貼ったり驢馬を王にしたりする派手な風習はありませんが、「嘘をついてもよい日」という認識は広く浸透しています。近年はSNSの普及により、個人から企業まで幅広い層がユーモラスな投稿を楽しむ日として定着しつつあります。ただし、人を傷つけたり混乱させたりする嘘は避け、相手も笑えるジョークにとどめるのがマナーです。
CHAPTER 05よくある質問
パ
新米パパ / 2歳児のパパ
エイプリルフールは午前中だけ嘘をついていいのですか?
博
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
イギリスでは「午前中だけ」というルールがありますが、日本では特に時間制限はありません。ただし、相手を傷つける嘘や、社会的に混乱を招く嘘は避けましょう。
A.
イギリスでは「嘘をついてよいのは午前中だけ」というルールがありますが、日本や多くの国では時間の制限はありません。ただし、長時間にわたって人を騙し続けるのはマナー違反とされています。
A.
正確な起源は不明ですが、16世紀のヨーロッパで広まったとする説が有力です。中世の「万愚祭(All Fools Day)」が原型で、グレゴリオ暦の採用(1582年)をきっかけに現在の形に定着したと考えられています。
A.
家族で「今日は嘘をひとつだけ言っていい日」とルールを決めて楽しむのがおすすめです。おかずの中に一つだけ甘いものを混ぜたり、ぬいぐるみに服を着せて驚かせたりと、子どもが笑顔になる小さなサプライズを仕掛けてみましょう。
『冠婚葬祭 暮らしのマナー大百科』では、エイプリルフール(四月馬鹿)は4月1日に軽いジョークやいたずらを楽しむ西洋発祥の風習として紹介されています。起源は諸説あり、フランスのシャルル9世が1564年に新年の始まりを1月1日に変更したことに反発した人々が「嘘の新年」を祝ったのが始まりとする説が有名です。同書によると、ヨーロッパでは「嘘は午前中だけ」というルールがある国もあり、相手を傷つけない範囲で楽しむのが世界共通のマナーとされています。日本では大正時代頃から広まり、現在は企業のユニークな広告でも親しまれています。
TIP / あわせて読みたい
CHAPTER 06まとめ
エイプリルフールは、中世ヨーロッパの「逆さ世界」の祝祭を起源とし、4月1日に嘘やユーモアを楽しむ世界共通の風習です。グレゴリオ暦説や万愚祭説など起源には諸説ありますが、「笑い」を通じて日常に彩りを添えるという精神は時代を超えて受け継がれています。家族や友人と、相手も笑えるような楽しいジョークでエイプリルフールを過ごしてみてはいかがでしょうか。

