ほおずき市・朝顔市とは、夏の風物詩として親しまれている日本の伝統的な縁日で、東京を中心に各地で開催されます。色鮮やかなほおずきや朝顔の鉢植えが並ぶ様子は、夏の訪れを感じさせる美しい風景です。ほおずき市は浅草寺が特に有名で、毎年多くの観光客が訪れます。この記事では意味や歴史から、楽しみ方や開催情報まで解説します。

CHAPTER 01
浅草寺のほおずき市とは

最も有名なのは東京・浅草寺で毎年7月9日・10日に開催される縁日です。浅草寺の「四万六千日(しまんろくせんにち)」の縁日にあわせて行われ、7月10日にお参りすると46,000日分(約126年分)の功徳があるとされています。
約100軒もの露店がほおずきの鉢を販売し、風鈴の音色とともに夏の情緒を演出します。江戸時代には薬用植物として人気があり、子どものかんの虫に効くとされたことから参拝客がこぞって買い求めたのが始まりといわれています。現在では観賞用の鉢植えが主流で、赤く色づいた実が夏の風情を添えてくれます。
浅草寺の「四万六千日(しまんろくせんにち)」とは、この日にお参りすると四万六千日分(約126年分)の功徳が一度に得られるとされる特別な縁日です。もともと観音様の功徳日は毎月18日でしたが、室町時代以降に「何百日分」「何千日分」と功徳が増していき、7月10日が最も多い四万六千日に定められました。その前日の9日から参詣者が押し寄せたため、現在は9日・10日の二日間がほおずき市の開催日となっています。江戸時代にはほおずきが薬用植物としても珍重され、実を煎じて飲むと子どもの疳(かん)の虫に効く、あるいは解熱に役立つとされたことから、参詣のついでにほおずきを買い求める風習が自然と縁日に結びつきました。
7月9〜10日
ほおずき市の日程
四万六千日
功徳日(最大のご利益)
入谷は7月6〜8日
朝顔市の日程
ほおずきと朝顔
ほおずき市は夏の風物詩

CHAPTER 02
入谷の朝顔市の歴史と見どころ

朝顔市として最も有名なのは、東京・入谷の鬼子母神(真源寺)で開催される「入谷朝顔まつり」です。毎年7月6日〜8日の3日間にわたって行われ、約60軒の朝顔業者と100軒以上の露店が軒を連ねます。
入谷の朝顔まつりは明治時代に植木職人たちが育てた朝顔が評判を呼んだことに始まり、一度途絶えた後に戦後復活しました。大輪咲きや変化咲き、琉球朝顔などさまざまな品種が並び、園芸愛好家にとっては見逃せないイベントです。早朝5時から開催されるため、涼しい朝のうちに訪れるのがおすすめです。言問通りを歩きながら色とりどりの朝顔を眺める散策は、東京の夏の楽しみのひとつです。
入谷の朝顔市の背景には、江戸時代に二度にわたって起こった空前の朝顔ブームがあります。一度目は文化・文政期(1804〜1830年頃)、二度目は嘉永・安政期(1848〜1860年頃)で、武士から庶民まで朝顔の品種改良に熱中しました。花弁が細く裂けた「獅子咲き」や葉の形が変化した「変化朝顔」など、常識を超えた奇抜な品種が次々と生み出され、珍しい花には大金が動いたといわれます。入谷周辺の植木師たちは特に大輪咲きの朝顔の栽培に長け、明治時代には見物客が押し寄せるほどの名所となりました。「恐れ入谷の鬼子母神」という江戸っ子らしい洒落言葉とともに朝顔市の名は広まり、一度は戦災で途絶えたものの昭和23年(1948年)に復活し、現在まで夏の風物詩として親しまれています。
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INFO / 入谷の朝顔市
入谷鬼子母神(真源寺)で7月6〜8日に開催される朝顔市は、約60軒の朝顔業者が並ぶ日本最大の朝顔市です。江戸時代の朝顔ブームに起源を持ち、「恐れ入谷の鬼子母神」の洒落で知られています。

CHAPTER 03
鉢植えの楽しみ方と育て方

市で購入した鉢植えを自宅で長く楽しむためのポイントを紹介します。ほおずきは直射日光を避けた明るい場所に置き、土が乾いたらたっぷりと水をやりましょう。実が色づいた後はドライフラワーとしてインテリアに飾ることもできます。
朝顔は日当たりと水やりが重要で、毎朝たっぷりと水を与えると元気に花を咲かせます。つるが伸びるので支柱やネットを用意しておくと見栄えよく育てられます。グリーンカーテンとしてベランダや窓辺に設置すれば、日差しを和らげるエコな暑さ対策にもなります。種を採取しておけば翌年も楽しめるのが朝顔の魅力です。お子さんの夏休みの自由研究として朝顔の観察日記をつけるのもおすすめです。
新米パパ / 2歳児のパパ
子どもと朝顔を育てたいんですが、初心者でもできますか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
朝顔は初心者にぴったりの植物ですよ。種まきから開花まで約2か月で、毎朝新しい花が咲くのでお子さんも毎日観察するのが楽しくなります。小学1年生の理科で育てることも多い身近な植物です。

CHAPTER 04
全国の主な開催情報

東京以外でもほおずき市は各地で開催されています。愛知県の大須観音では7月中旬に縁日が催されるほか、京都の千本ゑんま堂でも7月にほおずき供養が行われます。大阪の四天王寺でも夏の縁日があり、関西方面からも足を運びやすいイベントです。
朝顔については、東京・日比谷公園で毎年7月に開催される「朝顔展」も見応えがあり、丹精込めて育てられた大輪の花が並びます。各地のイベント情報は自治体や寺社のウェブサイトで確認しましょう。浴衣を着て出かければ、より一層夏の縁日の雰囲気を満喫できます。夏の思い出づくりに、ぜひほおずき市や朝顔市に足を運んでみてはいかがでしょうか。夏ならではの植物との出会いが、きっと心を豊かにしてくれるはずです。古くから続く日本の夏の伝統を肌で感じてみてください。
新米パパ / 2歳児のパパ
ほおずき市と朝顔市は何が違うのですか?
カゾイロ博士 / 行事・風習の専門家
ほおずき市は浅草寺(7月9・10日)が有名で、ほおずきの鉢植えを売る市。朝顔市は入谷鬼子母神(7月6〜8日)が有名で、朝顔の鉢植えを売る市です。どちらも東京の夏の風物詩ですが、場所も日程も異なる別の行事です。
A.
A. 浅草寺のほおずき市は毎年7月9日・10日に開催されます。特に7月10日は「四万六千日(しまんろくせんにち)」と呼ばれ、この日にお参りすると46,000日分(約126年分)のご利益があるとされる特別な縁日です。朝顔市は入谷鬼子母神で7月6日〜8日に開催されます。
TIP / ほおずき市の楽しみ方
ほおずき市では風鈴付きの鉢植えほおずき(2,500円程度)が人気です。浴衣姿で訪れると夏の風情が増します。四万六千日の功徳日なので、この日にお参りすると46,000日分のご利益があるとされています。
A.
7月10日は浅草寺の功徳日で、この日にお参りすると46,000日分(約126年分)の功徳があるとされています。ほおずき市はこの功徳日に合わせて開催されます。
A.
朝顔市(7月6〜8日)が先で、ほおずき市(7月9〜10日)がその後に続きます。どちらも東京下町の夏の風物詩です。
A.
行灯仕立て(あんどんじたて)の鉢で1,500〜2,000円程度が相場です。珍しい品種は3,000円以上するものもあります。

CHAPTER 05
ほおずきとお盆の関わり

ほおずきは漢字で「鬼灯」と書きます。この「鬼」は死者の霊を意味し、「灯」は提灯の灯りを表しています。ほおずきの実が提灯に似た形をしていることから、この字があてられたとされています。
ほおずきは七夕やほおずき市だけでなく、お盆にも欠かせない植物です。お盆に帰ってくるご先祖様の霊が迷わないように、盆提灯の代わりとしてほおずきを飾る風習があります。鮮やかな赤い実が提灯のように見えることから、霊を導く灯りの役割を果たすと考えられてきました。
TIP / ほおずきの「鬼灯」という漢字
ほおずきの漢字「鬼灯」の「鬼」は死者の霊を意味します。お盆にほおずきを飾るのは、その提灯のような見た目から、ご先祖様の霊を導く灯りとしての役割があるためです。ほおずき市で購入したほおずきをそのままお盆の飾りとして使う方も多くいます。
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CHAPTER 06
まとめ

ほおずき市は浅草寺の四万六千日(7月9・10日)、朝顔市は入谷の鬼子母神(7月6〜8日)が代表的な夏の縁日です。江戸時代から続く伝統行事で、鮮やかな植物と露店の賑わいが夏の風情を感じさせてくれます。鉢植えを自宅に持ち帰って育てる楽しみもあるので、夏の風物詩をぜひ体感してみてください。